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投資信託(ファンド)の基礎知識・用語辞典 

投資信託(ファンド)を用いた投資を行う上で、是非知っておきたい基礎知識・用語をまとめました。
*以下、投資信託、ファンドと表現する場合がありますが、ここでは同じ意味で用います。

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投資信託(ファンド)の基礎的な用語

交付目論見書

ファンドのカタログです。

投資信託を購入する際は必ず読みましょう。ネット証券、ネット取引でも、電子ファイルで見ることができます。

交付目論見書に記載されている内容を理解する為にも、ここで解説する基礎知識・用語を知っておく必要があります。

尚、交付目論見書の他に、請求目論見書というものもあり、こちらにはさらに詳細な情報が記載されています。

交付目論見書請求目論見書、及び、決算時の運用報告書等は、運用会社のサイトでも見ることが出来ます。

 

ファンドの値段(時価)です。株式でいう株価のようなものです。

多くの場合1万口あたりの値段として表示され、毎日夕方から夜にかけて公表されます。

尚、日々の基準価額は、信託報酬などの手数料を差し引いた後の価額となっています。

また、分配金を出すと、その分、基準価額は下がります。

注意基準価額が高い、安いかはファンドの評価には全く関係ありません。例えば、日経平均株価との連動を目指すAファンド、Bファンド。日経平均株価が現在2万円、Aファンドが設定された時 5,000円、Bファンドが設定された時 4万円とします。現在の基準価額は概ねAファンドは4万円、Bファンドは5,000円となりますが(設定時の基準価額は1万円)、どちらのファンドも評価は同じです。単に設定時期が異なるだけです。

 

騰落率

騰落率(とうらくりつ)とは、基準価額が、ある期間で、どれだけ上がったか、もしくは下がったかを示す指標で、通常パーセントで表記されます。

例えば、現在の基準価額が15,000円、1年前の基準価額が10,000円だった場合、1年間騰落率は(15,000/10,000 -1 ) = +0.5 = +50%となります。

分配金を出すファンドの場合、分配金を出した時点で、その分基準価額が下がりますが、分配金を再投資した(と仮定した)場合の基準価額も計算されます。騰落率を見る場合、(分配金を差引いた)基準価額の騰落率なのか、あるいは分配金再投資時の騰落率なのかに注意する必要があります。

 

純資産総額

ファンドが保有している資産額の合計です。

基準価額(/10,000) x 総口数となります。(基準価額は1万口当たりの表示とする)

ファンドの純資産総額は、その投資対象の株価や債券の値動きと、ファンドの購入・解約額=総口数で決まります。

例えば、半分が売却されたとしても、投資対象の株価が2倍になれば純資産総額は変わりません。

 

資金流出入額

ファンドの購入額から売却額を引いた金額です。

例えば2018年7月の月次資金流出入額であれば、7月の購入金額 - 7月の売却金額 となります。    

純資産総額は日々の株価・債券価格などに左右されますが、資金流出入額は、新たに購入(あるいは売却)され、ファンドに入ってきた(あるいは出ていった)金額ですので、ファンドの評価をする上で重要な指標となります。

毎月、安定した資金流入があれば、それだけ売れている、人気があるという事です。

 

信託期間

信託期間とはファンドを運用する期間の事です。

無期限のものや、一定の期間が定められているファンドもあります。

長期投資を考えているなら、信託期間が無期限のファンドを選びましょう。

 

繰上償還

信託期間内、あるいは信託期間 無期限のファンドでも、途中で運用を中止する場合があります。これを繰上償還と言います。

口数・純資産総額が少なくなった時、投資対象市場の投資環境の変化、あるいはインデックスが改廃された時などに繰上償還されます。

繰上償還されると強制的に売却される事になり、利益が出ていてば、その時点で課税、またNISA等の非課税口座で投資している場合でも、その非課税枠を使えなくなるなど、投資家にとって良い事ではありません。

繰上償還のリスクを避けるために、なるべく純資産総額が大きく、安定した資金流入があるファンドを選択した方が良いでしょう。

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投資信託(ファンド)の手数料

購入時手数料、ノーロードとは?

投資信託を購入する際、購入金額の0~3.3%(税込)程度の手数料を徴収される場合があります。

手数料は販売会社(購入する際の窓口となる証券会社・銀行など)に支払います。

購入時手数料が無、即ち無料の事をノーロードと言います。

注意同じ投資信託でも、販売会社により購入時手数料が異なるケースがあります。
例えば人気のひふみプラス。交付目論見書(ファンドのカタログのようなもの)には、「3.30%(税抜き3.00%)を上限として、販売会社が定める料率」と記載されています。
即ち、ひふみプラスを購入する時、ある銀行では3.24%の手数料がかかり、一方で、ネット証券では無料(ノーロード)で購入できる場合があるという事です。
勿論、購入時手数料無料の販売会社で購入しましょう。
同じメーカー・型格のテレビが電気屋さんによって値段が違うのと同じです。

銀行・証券会社は、自らの利益となる購入時手数料の高いファンドを勧める事がありますので、注意しましょう。

 

信託報酬

投資信託を保有している期間、日々徴収されている手数料です。通常、年率で表示され、例えば信託報酬率1%のファンドを100万円保有していれば、年間1万円の手数料が取られる事になります(基準価額の変動は考慮せず)

その投資信託が儲かろうが、損しようが、同じ率で必ず差し引かれます。

投資信託は、毎日夕方、その値段ともいうべき基準価額(株式の株価のようなもの)が公表されますが、この基準価額は、信託報酬が既に差引かれた後の価額となっています。

信託報酬率(年率)はファンドによって異なりますが、安いもので0.1%台、高いものだと3%を超えるものまであります。

尚、信託報酬は、販売会社、運用会社(委託者)、信託銀行等の管理会社(受託者)で分け合います。

重要信託報酬は販売会社の利益にもなりますので、証券会社や銀行は、信託報酬率の高いファンドを勧める事もあるかと思います。ファンド選択・購入の際には、必ず信託報酬率をチェックし、そのコストに見合うだけの成績が期待できるか、さらに類似のファンドで、もっと安いファンドがないかも確認しましょう。

 

信託財産留保額

投資信託を売却(解約)する際に徴収される手数料です。(購入時に徴収されるファンドもあります)

無から0.数%程度。

信託財産留保額は、販売・運用会社等に徴収されるのではなく、ファンドの資産として組み込まれます。

ファンドを売却する際にはコストがかかりますが、そのコストを解約する方に負担してもらう、ファンドの他の保有者に対して補填するという意味合いがあります。

長期保有者にとって、信託財産留保額は、他の手数料と異なり必ずしも悪というわけではありません。ただ、その料率が適正かどうかは良く分かりませんが。

 

実質コスト(隠れコスト)

ファンドを保有している間、常にかかる手数料が信託報酬ですが、実はそれ以外にも、売買委託手数料や監査費用などがかかります。

信託報酬に、これらの費用を足した総コストを実質コストと言います。(実質コストは正式な用語ではありません)

また、信託報酬以外のコストの事を「隠れコスト」と言う場合もあります。

信託報酬が低くても、実質コストが高いファンドがありますので、ファンド購入の際には実質コストにも注意しましょう。

ただ、実質コストは決算時しか分かりませんし、また毎年変動します。

さらに、運用報告書には開示されないコストもあり、必ずしも実質コストが全てのコストを反映している訳ではありません。

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投資信託(ファンド)の運用

インデックス(パッシブ)運用、インデックスファンド、インデックス投資

例えば国内株式であれば、日経平均株価やTOPIX等、相場全体の動きを表す指数があります。

これらの指数に連動するように運用する方法がインデックス運用、またはパッシブ運用、そのように運用されるファンドがインデックスファンド(パッシブファンド)です。

日経平均株価との連動を目指すインデックスファンドであれば、日経平均株価が5%上昇したら、そのファンドの基準価額も5%上昇、日経平均株価が10%下落したらファンドも10%下落という事になります。

そして、インデックスファンドに投資する事をインデックス投資と言います。

インデックス投資では、頻繁に売買を繰り返すのではなく、ただひたすらと長期にわたって積立ていく方法が推奨されています。(勿論、それによってリスクがなくなる訳ではありません)

これからインデックス投資を行おうと思っている方は先ず下記記事をお読み下さい。
参考記事投資を始めようと思っている方へのインデックス投資入門 ~初心者でも出来るNISAやiDeCoでの資産形成~

主なインデックスファンドについては下記記事を参照して下さい。
参考記事【人気のインデックスファンド一覧】信託報酬・実質コスト・純資産総額 徹底比較

 

アクティブ運用、アクティブファンド

インデックス運用インデックスファンドに対し、それを上回るような成績を目指すのがアクティブ運用アクティブファンドです。

あくまで上回る事を目指すだけであって、実際に上回っているとは限りません。

多くのアクティブファンドインデックスファンドに負けているとの報告もあります。勿論、中には優れた成績を長年にわたって残しているアクティブファンドもありますが、その好調な成績が将来も続くかどうかは分かりません。

一般的に、アクティブファンドの信託報酬はインデックスファンドより高くなります。

主なアクティブファンドについては下記記事を参照して下さい。
参考記事人気・低コストのアクティブファンド徹底比較 ~インデックスファンドに勝てるのか?~【国内株式編】
参考記事人気・低コストのアクティブファンド徹底比較 ~インデックスファンドに勝てるのか?~【バランスファンド編】

 

インデックス・指数

株式や債券などの全体的な動きを表すよう計算された数字がインデックス(指数)です。

例えば、国内株式であれば日経平均株価やTOPIX、先進国株式であればMSCI Kokusai等、

特定の国・地域を対象としたインデックス、特定の業種を対象としたインデックス、時価総額等の規模に応じたインデックス・・・、多くのインデックスがあります。

参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国? 
参考記事【外国債券インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国?
参考記事【外国REITインデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国?

 

ベンチマーク

インデックスファンドで、その運用の目標としている指数(インデックス)をベンチマークと呼びます。

日経平均株価との連動を目指すインデックスファンドであれば、ベンチマークは日経平均株価です。

尚、アクティブファンドの中にもベンチマークを設定し、例えば、「ベンチマークを日経平均株価とし、それを上回る事を目指す」と明記しているファンドもあります。

 

アクティブファンドの参考指数

アクティブファンドの中には、ベンチマークは設けず、ファンドのパフォーマンスの比較の対象として参考指数を用いるものがあります。

文字通り「参考」であり、これは上回る事を目標としている訳ではありません。

勿論、ベンチマーク、参考指数とも設けていないアクティブファンドもあります。

 

乖離・トラッキングエラー

インデックスファンドには、そのベンチマークと正確に連動する事が求められます。

仮に、ある期間のリターンがベンチマークより良かったとしても、インデックスファンドとしては良い事ではありません。何故なら、上回る事があるような運用方法であれば、今後、逆に下回る可能性も有り得ると考えられるからです。

そして、インデックスファンドの成績(騰落率)とベンチマークとの差を、「ベンチマークとの乖離」あるいは「トラッキングエラー」と言います。

*トラッキングエラーは、正確にはベンチマークとの差の標準偏差です。

勿論、乖離・トラッキングエラーが小さいファンドが優秀なインデックスファンドという事になります。

 

ファミリーファンド方式、マザーファンド、ベビーファンド

例えば、同じ運用会社で、TOPIXとの連動を目指すAファンド、Bファンドという二つのファンドがあったとします。

それぞれ別々に運用すると、単純には2倍のコストがかかります。

そこでMファンドという新しいファンドを作り、実際の運用、株式の売買はMファンドだけに任せてしまうのです。(投資家はMファンドを直接購入する事は出来ません)

Aファンドに新規の購入注文があっても、Aファンドは株式を購入するのではなく、Mファンドを買う形にします。

Mファンドは、AファンドやBファンドの購入・売却金額を合算し、それに応じて株式の購入・売却を行います。

例えば、Aファンドに100万円の購入注文、Bファンドに100万円の売却注文があった場合、Mファンドは何ら株式の売買をしなくても良い事になります。

このような運用形態の事をファミリーファンド方式と言います。そして、Mファンドをマザーファンド、AファンドやBファンドの事をベビーファンドと呼びます。

資金を一つにまとめて運用する事でコスト削減や運用効率を向上させる事が出来ます。

さらに、ここで、新たにCファンドを設定したとします。

設定した当初は純資産総額も小さく、Cファンドだけで安定した運用は困難です。

しかし、Cファンドがファミリーファンド方式で、Mファンドをマザーファンドとするファンドであれば、既に巨大な資産を持ち安定した運用が出来ているMファンドを購入するだけですので、設定当初から安定した運用が可能になります。

ファミリーファンド方式には、運用効率の向上・コストの削減だけでなく、安定した運用が可能になるというメリットもあります。

勿論、マザーファンドが十分な資産を持っている事が重要です。

新規設定ファンドの場合、そのマザーファンドは新設なのか否か、既存のファンドなら、どの程度の資産額があるかに注意する必要があります。

(ただ、残念な事に交付目論見書にはマザーファンドの詳細な情報が記載されておらず、ネットで検索する等の作業が必要な事もあります。あるいは請求目論見書に記載されている場合もあります。)

注意同じマザーファンドで運用する複数のベビーファンドがあり、それらが一般に販売されている場合、性能(運用パフォーマンス)は同じ、違うのはファンド名称、値段(=信託報酬)、それに販売会社だけという事があります。勿論、信託報酬の低いファンドを、それを販売している証券会社等で購入しましょう。

 

ファンド・オブ・ファンズ

例えば、海外の株式に投資するAファンド。

Aファンドが直接海外の株式の売買を行うのではなく、既存のファンド・ETF(異なる運用会社でも構いません)に投資する運用形態をファンド・オブ・ファンズと言います。

この方式では、自社に投資対象のマザーファンドが無い、あるいは運用システムが構築されていないといった場合でも、あらゆるファンドを容易に組成、設定する事が出来ます。

投資対象として外国籍のETFが多く使われます。

欠点としては、そのファンドの信託報酬に加え投資先ファンドの経費と、コストが二重にかかってしまう事。ただ、ファンドの信託報酬を低く抑え、さらに海外の超低コストETFを投資対象とする事で、トータルでも低コストのファンドが登場してきています。

 

リバランス

当初決めたアセットアロケーション(資産配分比率)と、実際の投資資産(時価)比率にずれが生じた場合、それを元のアセットアロケーションに戻す作業の事をリバランスと呼びます。

例えば、株式70%、債券30%と自分のアセットアロケーションを決め、その比率にそって各ファンドを毎月積立(あるいは保有)していきます。しかし、各アセットクラスの基準価額は変動しますので、やがて、保有する資産の時価比率が当初決めた値より大きく変わってくる可能性があります。例えば株式の基準価額が大幅に上がったとすれば、株式80%、債券20%となっているかもしれません。

この時、この比率を元に戻してやる作業の事をリバランスと言います。このケースでは、株式の一部を売って、債券を追加購入します。もしくは株式の売却無に、債券の追加購入だけでリバランスを行う事も出来ます(これをノーセル・リバランスと呼びます。勿論、追加の投資資金が必要になります)

リバランスは主にリスクのコントロールを目的として行います。ただ、結果的にリターンが良くなる場合もあります(高いものを売って安いものを買うので)

リバランスは、頻繁に行うものではなく年1回程度が望ましと言われています。

 

分配金

投資信託は、その決算時に分配金を出す事があります。(上場投資信託/ETFは必ず分配金を出します)

分配金が欲しいか否かは、人それぞれかと思いますが、基本的には資産形成期においては分配金は不利になります。

分配金が出ると、その時点で分配金に対して課税されてしまうからです。

分配金を出さずに、ファンドの資産として保有(基準価額の上昇)しておいた方が、課税の繰延べ効果で結果的に得する事になります。

NISA等の非課税口座を利用していたとしても、分配金を再投資しようとすれば新たな非課税枠が必要となりますので不利な事には変わり有りません。

尚、低コスト・インデックスファンドの多くが分配金は極力出さないようにしているようです。

 

元本払戻金(特別分配金)

資産取り崩し期においては、再投資する必要がありませんので、分配金で毎月の収入があるというのは有り難いものです。

ただ、そのファンドの基準価額が上がったからではなく、元本を取り崩して分配金を出すファンドもあります。これを元本払戻金(特別分配金)と言います。この部分については非課税です。

これも、ファンドの一部を売却していると考えれば、特別悪いことではありません。

問題なのは、そういったファンドの多くが、高い信託報酬、複雑怪奇な運用方法になっている事。わざわざ多額の手数料を払って元本を戻してもらっているようなものです。

 

以上、投資信託購入する際に知っておきたい基礎知識・基礎用語の解説でした。

今後も、順次、項目を追加していきます。

 

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投稿日:2018年6月22日 更新日:

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