ファンド評価・解説・比較

【インデックスファンド評価・解説】eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)。

投稿日:2018年7月27日 更新日:

日本を除く先進国、新興国、両方の株式に投資するインデックスファンドeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)について解説します。

*本記事は2018年7月28日時点の情報に基づき記載しています。初回投稿時(7/27)に野村つみたて外国株投信の実質コストが不明と記載しましたが、既に決算報告書がアップされている事が分かり、記事を大幅に修正しました。

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eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の基本情報

eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)シリーズは「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」をコンセプトとした三菱UFJ国際投信が運用するインデックスファンドで、「他社類似ファンドの運用コストに注意を払い、機動的に信託報酬を引き下げることによって、今も、そしてこれからも業界最低水準を目指し続ける」と公表しています。実際、設定から既に数回の信託報酬引下げを行い、常に最低水準の座を維持しています。

今回解説するのは、1本のファンドで先進国・新興国両方の株式に投資するeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

先ず、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の基本情報をまとめます。

運用会社 三菱UFJ国際投信
設定日 2018年3月19日
運用形態 インデックスファンド
投資形態 ファミリーファンド
ベンチマーク MSCI All Country World Index(除く日本)(配当除く)
購入時手数料
信託財産留保額
信託報酬(税込) 0.15336% 
実質コスト (0.240%)(*1)
純資産総額 16.06億円(2018.7.27時点)
(マザーファンド) 純資産総額 [先進国株式]3,330億円(2017.5.12時点)
[新興国株式]497億円(2017.5.12時点)
分配金実績
つみたてNISA 対象商品
SBI証券ポイント還元年率 0.05%
楽天証券ポイント還元年率 0.048%

(*1)実質コストは、信託報酬以外のコストがeMAXIS 全世界株式インデックスと同じと仮定した推定値。

 

投資対象

ベンチマークMSCI All Country World Index [ACWI](除く日本)[除く配当]で、日本を除く先進国、新興国の株式に投資します。

*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[配当込]の2種類ありますが、[除く配当]だからといって(過去において)運用成績が劣るという事はありません。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク、配当込、配当除くで実際の運用成績は異なるか?

ただ、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意して下さい。ベンチマークが配当を含んでいませんので、通常はファンドの方が騰落率が高くなります。
参考記事【インデックスファンド】運用報告書でのベンチマークとの乖離の見方、乖離0だから単純に素晴らしいファンドとは言えません。

 

投資国

投資する国、比率は下図のようになります。

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

画像引用:eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) マンスリーレポート(2018/6)

先進国株式、新興国株式の比率は時価総額で決まり、現時点で先進国88%、新興国12%程度です。

先進国株式の中では米国が約57%を占めます。

新興国株式ではケイマン諸島が1位となっていますが、これは事実上、中国企業です。

詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国? 

 

投資銘柄

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)1本で、先進国株式 1,321、新興国株式 909、合計2,230もの銘柄に投資しています。

先進国株式、新興国株式の組入上位5銘柄は下表のようになります。

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

画像引用:eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) マンスリーレポート(2018/5)

先進国株式は全て米国、新興国株式は上位2銘柄を中国が占めています。

ただ組入比率トップのアップルでさえ2.2%ですので、広く分散されている事が分かります。

 

手数料(信託報酬、実質コストなど)

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の最大の魅力は、何と言っても信託報酬の低さ。

全世界株式インデックスファンドとしては、最低水準の0.15336%(税込)となっています。

実質コストは、未だ1回目の決算を迎えていない為不明ですが、同じマザーファンドで運用するeMAXIS 全世界株式インデックスと信託報酬以外のコストが同じとすると、

0.240%(税込、推定値)(但し、実質コストは固定されたものではなく、毎年変動します)

勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。

 

受益者還元型信託報酬

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、下表のように純資産総額に応じて信託報酬率が変わる受益者還元型信託報酬を採用しています。

純資産総額 信託報酬(税込)
500億円未満の部分 0.15336%
500億円以上1,000億円未満の部分 0.14796%
1,000億円以上の部分 0.14256%

 

他社 全世界株式インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較

MSCI ACWIをベンチマークとする他社のインデックスファンド、及びベンチマークは異なりますが、全世界の株式に投資するインデックスファンドと比較してみます。

(低コスト)全世界株式インデックスファンドの信託報酬・実質コスト比較
ファンド 信託報酬
実質コスト
MSCI ACWI(除く日本)
eMAXIS Slim
全世界株式
(除く日本)
0.15336%
(0.240%)(*)
野村つみたて
外国株投信
0.2052%
0.251%
三井住友・
DCつみたてNISA
全海外株
0.2700%
0.363%
eMAXIS
全世界株式
0.6480%
0.735%
MSCI ACWI(日本を含む)
(ステート・ストリート)
全世界株式
インデックス
0.5184%
(決算前)
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
EXE-i つみたて
グローバル
(中小型含む)
0.150%
(決算前)
楽天全世界株式
(楽天・バンガード)
0.2296%
(決算前)
国内(TOPIX)、先進国・新興国株式 3資産均等
eMAXIS Slim
全世界株式
(3地域均等型)
0.15336% (決算前)

*eMAXIS Slimの実質コストは、信託報酬以外のコストがeMAXISと同一と仮定した推定値。

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の信託報酬は、MSCI ACWIをベンチマークとする全世界株式インデックスファンドの中では最安値、2位の野村つみたて外国株投信に0.05%もの差をつけています。

*実質コストでは、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は未だ推定値にすぎませんが、野村つみたて外国株投信との差が縮まる可能性もあります。

また、他のベンチマークを含めた全世界株式インデックスファンドの中でも、EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンドと概ね同等で最低水準の信託報酬となっています(税抜きでは同じ)

FOFであるEXE-iつみたてグローバル(中小型含む)の信託報酬は税抜きで0.10%、さらに投資先ETFの経費率0.042%を加えて、実質的な信託報酬は0.142%。一方、 eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の信託報酬も税抜きで0.142%。明らかにEXE-iつみたてを意識した信託報酬設定です。

つまり、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、ベンチマークが異なっていても、概ね全世界株式という括りであれば類似ファンドとみなし、それに対抗するとの意思表示ととれます。今後、EXE-iつみたてや、あるいは楽天バンガード(全世界株式)が信託報酬引下げを行っても、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、これらに負けない信託報酬に改定するでしょう。(勿論、保証の限りではありませんが)

 

個別のインデックスファンドとの組合せと、どちらがお得か?

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)信託報酬は、0.15336%(税込)

一方、eMAXIS Slim先進国株式、新興国株式を組み合わせた場合の信託報酬は、

先進国株式の配分比率を86%~90%とすると、0.130~0.126%となり、個別のファンドを組み合わせた方がお得となります。

この0.02%代の差を大きいととるか、あるいは小さいととるかは、人それぞれでしょう。

 

信託報酬の変更履歴

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、設定から日が浅く、まだ信託報酬引下げの実績はありません。

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)の信託報酬変更履歴
引下げ日 信託報酬(税込) 備考
2018/3/19
 0.15336% 新規設定
??? ??? ???

 

 

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の運用状況

資金流出入額 & 純資産総額 (人気は?)

月次資金流出入額純資産総額から、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の売れ行き・人気を見てみます。

(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値になります。

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

2018年3月設定と未だ新しいファンドですが、2018年5月、6月と4億円以上の資金流入があり、MSCI ACWIとの連動を目指すインデックスファンドとしては最も人気のあるファンドになります。

純資産総額も設定から僅か4カ月で16億円になります。

 

運用状況は?

インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。

*ベンチマークは同じMSCI ACWI(除く日本)でも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、実際の運用は両者で変わらない事から、配当込で配当課税を適切に考慮したインデックスを、ここではベンチマークと定義します。

下図は、2018年6月末日時点の実質コスト(/4)に対する3カ月騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。

*個別のインデックスファンドを先進国:新興国=87%:13%で組み合わせた場合もプロットしてあります。

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
*多くのファンドがコスト起因以外でのベンチマークとの乖離はないだろうという前提で評価。

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、ベンチマークに対して若干マイナス側への乖離がみられ、信託報酬の高い野村つみたて外国株投信に騰落率で負けています。

これは設定当初の2018年3月から4月上旬にかけて発生した乖離によるものです。

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)の設定直後の運用状況の詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事【eMAXIS Slim 全世界株式 (除く日本) & (3地域均等型)】その運用は安定してきたか?

 

次に、2018年6月の1カ月騰落率を見てみます。

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は最も高い騰落率になっています。設定当初に見られたベンチマークとの乖離は解消していると言って良いでしょう。

ただ、野村つみたて外国株投信との比較において、コストだけでは説明できない騰落率の差があり、両ファンドの厳密な比較(どちらがベンチマークにより近い運用になっているか)は、十分なデータがそろってから再度行う必要があります。

 

まとめ

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、MSCI ACWI(除く日本)をベンチマークとするインデックスファンドの中では最も信託報酬が低く、さらに他のベンチマークを含めた全世界株式インデックスファンドの中でも最低水準の信託報酬です。

未だ新しいファンドではありますが、資金流入も毎月4億円を超え、その運用も既に安定しています。

先進国株式、新興国株式を1本のファンドで投資したい方にとっては、最もお勧できるファンドと言えます。

尚、同じMSCI ACWI(除く日本)をベンチマークとし、同じ三菱UFJ国際投信が運用するeMAXIS 全世界株式インデックス(Slimがつかない)は、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)と同じマザーファンドで運用する兄弟ファンドですので、コストが圧倒的に低いeMAXIS Slimを強くお勧めします。

 

購入先

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は下記の金融機関で購入出来ます。

販売会社 SBI証券楽天証券 マネックス証券カブドットコム証券SMBC日興証券(ダイレクトコース)松井証券岡三オンライン証券

現時点(2018.7)で、上記金融機関以外では購入出来ません。低い信託報酬(販売会社の利益が少ない)、かつ機動的な信託報酬の引下げに合意できる金融機関のみが取扱うという事でしょう。

勿論、つみたてNISA対象のファンドです。(上記金融機関でもつみたてNISAを取扱っていない場合があります)

 

 

ライバルとなるファンド

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) (本記事)

野村つみたて外国株投信

三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド

eMAXIS 全世界株式インデックス

 

他の全世界株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。

 

インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。

 

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