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【インデックスファンド評価・解説】eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

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eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

米国の株式市場を代表する指数S&P500との連動を目指すインデックスファンドeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)について解説します。

[最終更新日:2019.8.5]2019年7月末日時点の情報に更新。

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eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の基本情報

eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)シリーズは「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」をコンセプトとした三菱UFJ国際投信が運用するインデックスファンドで、「他社類似ファンドの運用コストに注意を払い、機動的に信託報酬を引き下げることによって、今も、そしてこれからも業界最低水準を目指し続ける」と公表しています。実際、設定から既に数回の信託報酬引下げを行い、常に最低水準の座を維持しています。

今回解説するのは、S&P500との連動を目指し米国株式に投資するeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

先ず、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の基本情報をまとめます。

運用会社三菱UFJ国際投信
設定日2018年7月3日
運用形態インデックスファンド
投資形態ファミリーファンド
ベンチマークS&P500(配当込み・ネット)
購入時手数料
信託財産留保額
信託報酬(税込)0.162% 
実質コスト0.243%
純資産総額 251.0億円(2019.7.31時点)
(マザーファンド) 純資産総額 364.4億円(2019.2.25時点)
分配金実績
つみたてNISA対象商品
SBI証券ポイント還元年率0.05%
楽天証券ポイント還元年率0.048%

 

投資対象

ベンチマークS&P500[配当込み・ネット]で米国株式に投資します。

S&P500は米国の大型株 約500銘柄から構成された時価総額加重平均型の指数で米国株式の約80%をカバーします。米国株式を代表する指数と言っても良いでしょう。

ネットとは配当に対する源泉徴収税を考慮した指数ですが、その税率が日本に対して適切に考慮されているかは定かではありません。

*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[配当込]がありますが、実際の運用成績は(過去においては)変わっていません。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク、配当込、配当除くで実際の運用成績は異なるか?

 

マザーファンド

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)ファミリーファンド方式でマザーファンドを介して米国株式に投資します。

eMAXIS Slim 全米株式(S&P500)

今まで、三菱UFJ国際投信に一般投資家向けS&P500連動型インデックスファンドはなくeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が初めてとなります。

但し、機関投資家向けには既に存在しており、S&P500インデックスマザーファンドは新設ではなく既存のものです。

 

投資国、投資銘柄

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は米国のみの株式に投資します。

保有する銘柄数は505(2019.6末時点)で、S&P500を構成する全銘柄を保有しています。

組入銘柄上位10は下表の通り。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

画像引用:eMAXIS Slim米国株式(S&P500) マンスリーレポート(2019/6)

マイクロソフト、アップル、アマゾンといった米国を代表する企業が上位を占めています。

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手数料(信託報酬、実質コストなど)

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の最大の魅力は何と言っても信託報酬の低さ。

S&P500だけでなく米国株式を投資対象としたインデックスファンドとしては最低水準の0.162%(税込)となっています。

実質コスト0.243%。初回決算の値ですが、信託報酬以外のコストが0.081%と問題のないレベルです。

勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。

 

受益者還元型信託報酬

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、下表のように純資産総額に応じて信託報酬率が変わる受益者還元型信託報酬を採用しています。

純資産総額信託報酬(税込)
500億円未満の部分0.162%
500億円以上1,000億円未満の部分0.1566%
1,000億円以上の部分0.1512%

500億円以上の部分に対する信託報酬がさらに低くなりますが、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の純資産総額は設定から1年で250億。順調にいけば(大暴落がなければ)2020年に500億円に達する可能性もあります。

尚、eMAXIS Slim先進国株式インデックスは既に純資産総額500億円を突破し、受益者還元型信託報酬が適用されています。

 

他社 米国株式インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較

S&P500をベンチマークとする他社のインデックスファンド、及びベンチマークは異なりますが、米国株式に投資するインデックスファンドと比較してみます。

(低コスト)米国株式インデックスファンドの信託報酬・実質コスト比較
ファンド信託報酬
実質コスト
S&P500
eMAXIS Slim
米国株式(S&P500)
0.162%
0.243%
iFree
S&P500
インデックス
0.2430%
0.372%
CRSP USトータル・マーケット・インデックス
楽天全米株式
(楽天・バンガード)
0.1596%
0.311%
NYダウ
iFee
NYダウ・
インデックス
0.2430%
0.288%
たわらノーロード
NYダウ
0.2430%0.443%

S&P500では信託報酬でiFree S&P500インデックスに大きな差をつけています。

ベンチマークは異なりますが、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と直接のライバルとなるのは楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド)でしょう。(両者の違いは後述)

 

信託報酬の変更履歴

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、過去に一度、信託報酬引き下げを行っています。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の信託報酬変更履歴
引下げ日信託報酬(税込)備考
2018/7/3
 0.1728%新規設定(楽天・全米株式に対抗した設定)
2019/6/140.162%楽天・全米株式の実質的な信託報酬の引き下げに対抗。

 

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)と楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天バンガード)の比較

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の直接のライバルとなるであろう楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド)と比較します。

*以下、楽天・全米株式インデックス・ファンドを楽天バンガードと略して表記する場合があります。

 

コスト

業界最低水準の運用コストを目指し続けるeMAXIS Slimですが、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の直接の対抗ファンドとなっているのが楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド)

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の設定時の信託報酬は楽天・全米株式に合わせたものですし、楽天・全米株式の投資先ETF VTIの経費率が引き下げられたときは、それに追従してeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)も信託報酬を引き下げました。

 

ただし、税抜きで同率となるよう設定するため税込みだとeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の方が若干高くなります。

具体的には、
楽天・全米株式の実質的な信託報酬は、ファンドの信託報酬 0.12% + 投資先ETF経費率 0.03%= 0.15%(税抜き)。税込みの場合、投資先ETF経費率には消費税がかからないため、0.12 x 1.08 + 0.03 = 0.1596%となります。
一方、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は信託報酬0.15%(税抜き)と税抜きでは同率ですが、税込みだと0.15 x 1.08 = 0.162%となります。

 

実質コストは楽天バンガードが初回決算では0.311%でしたが、2期目9ヶ月の途中結果で0.224%まで下がっている事が報告されています。
参考記事【楽天・バンガード・ファンド(全世界株式・全米株式】初回決算から9カ月後の実質コスト。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の実質コストは0.243%。楽天バンガードが途中結果通りであれば実質コストでも概ね同等となります。

尚、楽天・全世界株式インデックス・ファンドは、配当に対する課税がeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)より不利になりますが(3重課税)eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)楽天・全米株式の場合、税制上の有利・不利はありません。(楽天・全米株式はFOFでも投資先は米国のみに限定される為)

 

ベンチマークの違い(S&P500 vs. CRSP U.S. Total Market Index)

S&P500をベンチマークとするeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)に対し、楽天バンガードはCRSP U.S. Total Market Indexをベンチマークとし、実際はバンガード社ETF VTIに投資します。

前述のように大型株 約500銘柄で米国株式の80%をカバーするS&P500に対して、CRSP U.S. Total Market Indexは大型のみならず中型・小型株をも含む約3,600銘柄、ほぼ米国株式の100%をカバーします。

ただ中小型株は時価総額が小さいので、CRSP U.S. Total Market Indexの80%はS&P500と概ね同じ、異なるのは残り20%だけとなります。

パフォーマンスは2019.6.30時点の直近5年間で

ベンチマークリターンリスク
S&P50010.71%12.03%
CRSP U.S. Total Market Index10.18%12.32%

*データ引用 : Vanguard ETF VOO/VTIのベンチマーク値

この5年間のデータで見ると若干S&P500の方が上回っています。勿論、将来はどうなるか分かりませんが、少なくとも「中小型株を含む事で必ずしもパフォーマンスが上がる訳では無い」という事だけは言えます。どちらのベンチマークにするかは、それぞれのお好みで選べば良いでしょう。

米国株式の各指数の詳細な解説は下記記事をご覧ください。

 

 

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の運用状況

資金流出入額 & 純資産総額 (人気は?)

月次資金流出入額純資産総額からeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の売れ行き・人気を見てみます。

(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値になります。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

2018年7月3日設定と未だ新しいファンドですが、僅か1年で純資産総額は250億を超え、毎月10~30億の資金流入がある人気の高いファンドです。

 

運用状況は?

インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。

下図は2019年7月末日時点の実質コストに対する1年、6カ月騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。そして、(管理人の主観を含みますが)配当課税を適切に考慮した真のベンチマークから決まるコストと騰落率の関係が図中グレーの点線です。このグレーの点線上にあればコスト要因以外でのベンチマークとの乖離がないと推測できます。

 

1年騰落率

1年騰落率は2018.7.31からの騰落率で、設定日(2018.7.3)直後のデータを含みます。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

1年騰落率ではeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の騰落率が最も高いとは言え、そのコストの低さに対して未だ十分な騰落率とは言えません。運用初期に若干の乖離があったのでしょう。

 

6か月騰落率

6カ月騰落率では設定直後の期間を除いて評価する事が出来ます。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はそのコストの低さに応じた高い騰落率を示しており、コスト要因以外でのベンチマークとの乖離がない安定した運用になっていると言って良いでしょう。

 

運用状況のまとめ

設定直後はさすがに多少の乖離があったようですが、直近6カ月では乖離のない安定した運用になっています。

 

まとめ

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はS&P500をベンチマークとするインデックスファンドの中では最も信託報酬が低く、さらに他のベンチマークを含め米国株式インデックスファンドの中でも最低水準の信託報酬です。

未だ新しいファンドではありますが毎月10億以上の資金流入があり人気という点では申し分ありません。

運用(ベンチマークとの乖離)も既に安定しており、そのコストに応じた高い騰落率となっています。

米国株式を中心に投資したい方にとって、楽天・全米株式インデックス・ファンドとともにお勧めできるファンドの一つです。

 

購入先

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は下記の金融機関で購入出来ます。

販売会社 SBI証券楽天証券 マネックス証券カブドットコム証券SMBC日興証券(ダイレクトコース)松井証券岡三オンライン証券GMOクリック証券フィデリティ証券、岩井コスモ証券(ネット専用)、ジャパンネット銀行、ほくほほくTT証券、三菱UFJ国際投信ダイレクト(matttoco)、三菱UFJ銀行(インターネットバンキング専用)

現時点(2019.8)で上記金融機関以外では購入出来ません。低い信託報酬(販売会社の利益が少ない)、かつ機動的な信託報酬の引下げに合意できる金融機関のみが取扱うという事でしょう。

楽天証券なら楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます。勿論ポイント還元があり事実上1%割引で購入出来るようなものです(上限5万円/月)。さらに、そのポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
公式サイト楽天カード

勿論、つみたてNISA対象のファンドです。(上記金融機関でもつみたてNISAを取扱っていない場合があります)

また、個人型確定拠出年金(iDeCo)で取扱っているのは、マネックス証券 iDeCoSBI証券 iDeCo(セレクトコース)のみとなります。

 

 

ライバルとなるファンド

楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド)

iFree S&P500インデックス

 

他の米国株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。

インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。

 

eMAXIS Slimシリーズの他のファンドの評価・解説は下記記事をご覧ください。

eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) *本記事

eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 

eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

 

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