どの資産クラスをどのような配分で投資するかを決めるアセットアロケーション、投資のパフォーマンスはアセットアロケーションで決まると言われるほど重要なものですが、その決め方は人それぞれ、そして、なかなか決められずに悩んでいる方も多いかと思います。
アセットアロケーションは第一にリスク許容度を優先し、それにそれぞれの好みを加味して決めるものですが、それでも知りたい他人のアセットアロケーション。
そこで、全体としては、どのようなアセットアロケーションになっているのか、主なインデックスファンドの純資産総額、及びマザーファンドの純資産総額から推測してみました。
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見出し
ファンド純資産総額から推測したアセットアロケーション
主なインデックスファンドの純資産総額、及び各ファンドのマザーファンドの純資産総額の二つからアセットアロケーションを推測します。
マザーファンドの場合、(バランスファンドやアクティブファンド等を含む)多くのベビーファンドまでをも含めた、より広い範囲でのアセットアロケーションを推測する事が出来ますが、一方で、適格機関投資家向けファンドまでをも含んでしまいます。
個人投資家(インデックス投資家)のアセットアロケーションはファンド純資産総額、
機関投資家経由の間接的な投資を含め、より広い範囲でのアセットアロケーションとしてはマザーファンド純資産総額からみたアセットアロケーションが参考になるかと思います。
*マザーファンド純資産総額は各ファンドの決算時の運用報告書から調査していますので、その時期は2016年末~2017年末とバラバラになります。
調査の対象としたインデックスファンド
調査の対象としたインデックスファンド、及びアセットクラスは下表の通りです。
*確定拠出年金専用ではなく一般に購入できるファンドを対象。但し、三井住友・DCの先進国株式(三井住友・DC外国株式インデックスファンドS)だけは対象としました。三井住友の他のアセットクラスを集計に入れていますので、先進国株式だけを除外すると、寧ろ精度が悪くなると考えた為。
*バランスファンドは対象外。但し、全世界株式と8資産均等型だけは追加。純資産総額が大きいため。尚、集計時は、全世界株式は先進国:新興国=9:1に、8資産均等型は、それぞれのアセットクラスに1/8ずつ配分。
*(H)は為替ヘッジ有。集計時は為替ヘッジ有無を合算。
*ファンドの純資産総額は2017.12.22時点。
SMT | たわら ノーロード |
購入・ 換金手数料 なし(ニッセイ) |
eMAX IS |
eMAX IS Slim |
三井住友 ・(DC) |
iFree | Funds -i |
インデッ クスe |
|
国内債券 | 150 | 35 | 58 | 152 | 11 | 586 | 1 | 53 | 21 |
TOPIX | 135 | 3 | 136 | 229 | 10 | 103 | 3 | 21 | 36 |
日経平均 | 82 | 31 | 17 | 172 | 64 | 5 | 237 | 12 | |
JPX400 | 54 | 11 | 76 | 19 | 1 | 76 | |||
先進国債券 | 160 | 24 | 80 | 196 | 10 | 570 | 17 | 16 | 36 |
先進国債券(H) | 22 | 17 | 0 | 9 | |||||
先進国株式 | 639 | 188 | 747 | 367 | 29 | 401 | 10 | 77 | 163 |
先進国株式(H) | 15 | 1 | 28 | ||||||
新興国債券 | 62 | 63 | 13 | 8 | |||||
新興国債券(H) | 4 | 3 | 27 | ||||||
新興国株式 | 197 | 39 | 2 | 355 | 22 | 13 | 14 | 44 | |
国内REIT | 176 | 18 | 84 | 115 | 4 | 3 | 60 | ||
先進国REIT | 133 | 20 | 46 | 96 | 11 | 1 | 32 | ||
先進国REIT(H) | 2 | 9 | |||||||
新興国REIT | 3 | 19 | |||||||
全世界株式 | 76 | 64 | |||||||
8資産均等型 | 0 | 2 | 252 | 66 | 59 |
ファンド純資産総額からみたアセットアロケーション
アセットアロケーション
ファンド、及びマザーファンドの純資産総額から見たアセットアロケーションは下図のようになります。
ファンド純資産総額から見ると、株式:債券:リート=6:3:1
株式の投資国比率は国内:先進国:新興国=30:55:15
だいたい予想していた感じと合ってるかな?
一方、マザーファンド純資産総額で見ると大きく変わり、株式:債券:リート=4.6 : 4.8 : 0.6
株式・債券比率は概ね同じでリートを少し加えた感じ。
そして株式の投資国比率は国内が先進国より高くなっています。新興国は僅か。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオとかなり似てますね。
バランスファンドでは国内比重、債券比重が高いものが多いですし、機関投資家もGPIFと似たようなアセットアロケーションにしてるのかな?
投資国比率
上のアセットアロケーションを投資国(国内、先進国、新興国)に分類したのが下図。
ファンド純資産総額だと、半分が先進国、そして40%が国内、残り10%を新興国。
一方、マザーファンド純資産総額で見ると、国内の方が先進国より若干多くなっています。
国内株式の投資インデックス
国内株式に投資する際、迷うのがTOPIXか日経平均株価どちらにするか?という点。
そこで、国内株式だけを抜き出して比較してみました。
ファンド純資産総額から見ると、僅差ですがTOPIXが多くなっています。
ちょっと意外だったのはJPX日経400が15%もある事。
一方、マザーファンドで見ると、圧倒的にTOPIXが優勢。
多くのバランスファンドの日本株式はTOPIXですし、機関投資家もTOPIXがお好みなのかな?
まとめ
ここでまとめたファンド純資産総額からみたアセットアロケションを、インデックスファンドをばらで買う個人投資家のアセットアロケーションとすると、
個人(インデックス)投資家は、
- 債券よりも株式比率が圧倒的に大きい。
- 国内より先進国の比率が圧倒的に大きい。
- TOPIX、日経平均株価は互角
といったところでしょうか。
一方、マザーファンドで見た、より広い範囲を対象としたアセットアロケーションでは、
- 株式・債券比率は概ね同じ
- 国内・先進国比率も概ね同じ
- 国内株式ではTOPIXが圧倒的に多い
といった感じになります。
最後に
この純資産総額からみたアセットアロケーションは、個人的な興味で集計したものであり、このアセットアロケーションを勧めるものではありません。
繰返しになりますが、あくまでリスクを第一に考え、それぞれのアセットアロケーションを決める事が重要です。