[最終更新日時:2017年9月4日] 野村證券のキャッシュバック増額(1,000万円以上)を受けて更新しました。
個人向け国債、その安全性とキャッシュバックキャンペーンで人気の商品ですが、どこの証券会社で購入するのがお得なのか比較しました。また、キャッシュバックを定期預金に換算した場合の年利はいくらになるのか、さらに、個人向け国債を長期で保有する意味があるのかを解説します。
個人向け国債には、変動10、固定5、固定3の3種類がありますが、以下の計算は、現時点では最も有利であろう変動10についてのみ行います。
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どこの証券会社で購入するのがお得?
購入金額に応じて、どこの証券会社で購入するのが有利になるかを比較します。
文中、大手店頭証券とはみずほ証券、大和証券、SMBC日興証券、野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券などです。店頭証券と言っても、個人向け国債の購入はネットで可能です。
(注)各証券会社、毎月キャンペーンを実施するとは限りません。特に、マネックス証券、楽天証券は実施しない月も多くあります。下記は、全ての証券会社で実施すると仮定して比較していますのでご注意下さい。
最新のキャッシュバック・キャンペーンは下記の記事を参照して下さい。
最新のキャッシュバック情報個人向け国債 キャッシュバックキャンペーン比較
楽天証券の場合、楽天スーパーポイントでの還元となりますが、1pt=1円として金額表示しています。
500万円以下
500万円以下の場合のキャッシュバック金額をグラフにします。
尚、大手店頭証券として、みずほ証券、大和証券を例にあげていますが、その他、SMBC日興証券、野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券なども500万円以下(正確には700万円以下)は同じキャッシュバック金額です。
100万円未満
大手店頭証券ではキャッシュッバック対象外ですので、マネックス証券が最も有利となります。次に楽天証券。
マネックス証券・楽天証券がキャンペーン実施しない場合は、50万円以上でSBI証券となります。
100万円以上500万円未満
ポイントでも構わないなら楽天証券が最も有利です。
但し、100万円単位であれば大手店頭証券と同じですので、ポイントではなく現金還元という点で、大手店頭証券の方が良いでしょう。
楽天証券がキャンペーンを実施しない、または現金でないとダメだという方は、134万円以上199万円以下、及び267万円以上299万円以下の場合、マネックス証券のキャッシュバックが大手店頭証券より多くなります。
500万円以上
500万円以上の場合のキャッシュバック金額をグラフにします。
500万円以上700万円未満
ポイントでも構わないなら楽天証券が最も有利です。
但し、100万円単位であれば大手店頭証券と同じですので、ポイントでなく現金還元という点で、大手店頭証券の方が良いでしょう。
マネックス証券、SBI証券は大きく差をつけられています。
700万円以上1,000万円未満
みずほ証券と楽天証券の一騎打ちです。
700万円以上734万円未満、及び800万円以上867万円未満、そして900万円以上の場合、みずほ証券、
それ以外は楽天証券が有利となります。
*大手証券会社でも、700万円以上1,000万円未満では、みずほ証券だけがキャッシュバック金額が多くなっています。
1,000万円以上
大手店頭証券が断然有利です。みずほ証券、大和証券、野村證券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券などです。
*大手店頭証券でも、野村證券だけは1,000万円以上のキャッシュバック金額が少なくなっています。2017年9月より野村證券も同額となりました。
大手店頭証券で100万円単位、10万円単位はマネックス証券などのネット証券に分けて購入。
以上のように、個人向け国債のキャッシュバックキャンペーンは、より高額で購入するほど、そのキャッシュバック額が多くなります。
ただ大手店頭証券の場合、100万円単位でキャッシュバック金額が増えていきますので、購入する金額に10万円単位の端数がある場合、それを、100万円単位は大手店頭証券、10万円単位の端数はマネックス証券、楽天証券、SBI証券などのネット証券で購入というふうに分割して購入する事でキャッシュバック金額を増やすことが出来ます。
個人向け国債キャッシュバックを定期預金の金利に換算すると?
個人向け国債のキャッシュバックを定期預金の金利に換算してみます。
定期預金の金利は通常、税引前の金利で表示されていますが、実際は、その利息に20.315%が源泉徴収されます。
そこで、個人向け国債のキャッシュバックを年利換算し、それを(1-20.315%)で割る事で、(税引前の)個人向け国債キャッシュバックの定期預金換算金利となります。
定期預金金利と比較する場合、この定期預金換算金利を用いる方が、より比較しやすいかと思います。
(注意)キャッシュバックに税金がかからないわけではありません。個人向け国債のキャッシュバックの税金については↓の記事を参照して下さい。
参考記事個人向け国債キャッシュバック・キャンペーンの税金、課税されてもお得なキャンペーン。
このようにして求めた定期預金換算金利を下図にまとめます。
マネックス証券、SBI証券を除いて、基本的には購入金額が高くなるほど、年利は高くなり、1,000万円購入ならば0.502%となります。こんなに金利の高い銀行定期預金はありません。
一方で、少額購入の場合はたいした金利ではありません。もっと金利の高い銀行定期預金がたくさんあります。
個人向け国債のキャッシュバックの(税引前)定期預金換算金利を、銀行預金金利と比較したのが↓の記事です。(1年定期預金のランキングを見て下さい)
参考記事銀行・信用金庫 「普通預金」「定期預金」金利比較・ランキング
これを参考に、個人向け国債を購入するか定期預金に預けるか検討してみて下さい。
個人向け国債を長期保有すると?
上記定期預金換算金利は、個人向け国債を購入後、1年後に解約するという前提で計算しています。個人向け国債は1年以上経過すると中途換金できます。但し、ペナルティーとして直前2回分(利子は半年毎に支払い)の利子相当額が差引かれます。即ち、1年で解約すると、個人向け国債そのものの利息はなく、キャッシュバックのみとなります。
それでは、個人向け国債を1年超保有するとどうなるでしょうか?
現在(2017年6月)の個人向け国債の利率は0.05%です。最低保証の値です。変動10の場合、将来、実勢金利(10年固定利付国債)が上がれば、個人向け国債の利率も上昇していきますが、ここでは0.05%一定と仮定して計算します。
みずほ証券で購入し、キャッシュバックを受取り、1年後、2年後、そして3年後に解約した場合の年利をグラフにまとめます。(キャッシュバック、及び利子への課税は考慮していません)
1年で解約した場合は、先に示したキャッシュバックだけの定期預金換算金利と同じです。それが、2年、3年と保有するにつれ、年率換算の定期預金換算金利は下がっていきます。
1,000万円購入した場合、1年後に解約すれば0.502%もあった年利が、3年経つと0.201%まで下がります。これだったら、最初から高金利の1年定期預金に預けた方がずっとお得です。
個人向け国債購入後、1年経過し、その時の利率が低いままだったら解約し、別な証券会社で再度購入、キャッシュバックをもらう方が断然お得なのです。
(注)同じ証券会社で売却、再購入してもキャッシュバックはもらえません。
現在の利率では、キャッシュバックキャンペーンがあってこそ、個人向け国債を購入する価値があるのです。
個人向け国債の詳細については↓の記事も参考にして下さい。
参考記事個人向け国債は毎月・少額を積立てるような商品ではありません。それなら高金利定期預金・普通預金を利用しましょう。
まとめ
以上、個人向け国債のキャッシュバックキャンペーン、どこの証券会社が最も多くキャッシュバックをもらえるか、そして、その定期預金相当の年利、さらに、現在の利率では長期保有が意味がない事をお分かり頂けたかと思います。
個人向け国債を高額で購入する場合は、大手店頭証券の口座を二つ以上開設していた方が良いでしょう。
また少額で購入する場合は、マネックス証券、楽天証券、SBI証券の口座開設をお勧めします。
個人向け国債、少額の購入であれば、マネックス証券のキャシュバックが有利です。但し、毎月キャンペーンが実施されるわけではありませんので、口座だけは事前に開設しておいた方が良いでしょう。口座開設は↓
現金でなく楽天スーパーポイントでも良ければ楽天証券のポイント還元が有利です。楽天スーパーポイントは投資信託購入にも使えます。但し、毎月キャンペーンが実施されるわけではありませんので、口座だけは事前に開設しておいた方が良いでしょう。口座開設は↓