[2016年12月版 先進国株式インデックスファンド]実質コスト(信託報酬+α)は騰落率に反映されているか? そして真のベンチマークとの乖離は?

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MSCI Kokusaiとの連動を目指す先進国株式ファンド、各社、実質コスト(信託報酬+α)は異なりますが、それが、ちゃんとファンド騰落率に反映されているのかを調べます。

ファンドを選択する上で、信託報酬・実質コストが最も重視される要素ですが、それがファンドのパフォーマンスに反映されていなければ意味がありません。

また、もう一つ重要なのがベンチマークとファンドの騰落率の乖離です。

ベンチマークとの乖離は決算時の運用報告書で分かりますが、同じベンチマーク(MSCI kokusai)といっても、各社、独自に円換算している事、さらに、配当含む・含まない(プライス)、そして配当込でもグロス(配当課税無)・ネット(配当課税有)と様々で、これではファンド間の真の乖離を比較する事は出来ません。

そこで、ベンチマークをアセットマネジメントOne「たわらノーロード」を基準として、これに対する各ファンドの騰落率の違いから、真のベンチマークとの乖離の比較を行ってみます。

また、信託報酬などのコストは、確実に下方に乖離する要因となりますので、このコスト分も除外して、ファンドの運用そのものの乖離を評価します。

使ったデータは、各ファンドの2016年12月末時点でのマンスリーレポートです。

尚、2016年11月末時点での結果はこちらを参照して下さい。

11月時は、信託報酬で比較しましたが、今月からは実質コストで比較します。また6カ月ではなく1年騰落率のデータとしました。(11月の時点では、たわらノーロードの実質コストが不明だったこと、さらに、設定から1年たっておらず1年騰落率のデータがなかったことから6カ月騰落率で評価していました。)

実質コストがファンド騰落率に反映されているか?

1カ月騰落率

先ずは1カ月騰落率で見てみます。

MSCI-Kokusai-1month-funds_20170126

(注)設定されたばかりのiFreeのデータも追加しましたが、未だ実質コスト不明のため、これだけは信託報酬の値を使用しています。

1カ月騰落率と実質コスト(1カ月なので1/12にしています)の関係です。

グレーの点線は傾き-1の線です。

(注意)コストと騰落率の関係は、理想的には、その傾き=-[ベンチマークの騰落率+1]となります。例えば、ベンチマーク騰落率が+10%なら傾き-1.1、-10%なら傾き-0.9となります。騰落率が+-10%以内だったら、傾き-0.9~-1.1の範囲に収まるという事です。

各ファンドとも概ね実質コストに応じた騰落率となっています。僅かですが「たわらノーロード」がプラス側にシフトしているようにも見えます。

アメリカ大統領選後の相場の急変で起こったニッセイの大幅な乖離事件、1カ月(11月30日~12月30日)ですので、このデータには入っていません。ニッセイも、この事件以降は、問題なく運用されていると言えます。

1年騰落率

次に、1年の騰落率です。(6カ月のデータもありますが、ほぼ同じような傾向ですので割愛します。)

MSCI-Kokusai-1year-funds_20170126

*ニッセイの信託報酬、期中に引下げがありましたが、これを考慮し、日割りで信託報酬を計算し、それに、それ以外のコストを加え、実質コストとしています。

ニッセイは、あの下方乖離事件の影響で騰落率が低くなっています。一方でSMT、インデックスeは若干プラス側にシフトしているようにも見えます。(あくまで相対的な比較です。どれが本来あるべき騰落率かは、後述のトラッキンングエラーを参照して下さい)

尚、「たわらノーロード」では、設定開始時に一時的にプラスに乖離するという問題がありましたが、このデータは1年間(2015年12月末日から2016年12月末日)ですので、設定日(2015年12月18日)直後の数日間は含まれていません。

結論

ニッセイのアメリカ大統領選後の一時的な乖離を除けば、概ね実質コストに応じた騰落率になっています。

信託報酬・実質コストの低いファンドを購入すれば、その分、高いリターンを得られるという事です。

ベンチマークとの乖離、真のファンド間比較

ベンチマークを全て「たわらノーロード」に合わせ、かつ、実質コスト分を差し引いた、真のベンチマークとの乖離を見てみます。

*「たわらノーロード」のベンチマークは、MSCI Kokusai(配当込、配当課税考慮無のグロス)です。

具体的な評価方法は、11月末の評価と同じですのでこちらを参照して下さい。

要は、統一、かつコスト分を差し引いたベンチマークを下式から計算し、

(ベンチマーク(たわら)騰落率 + 1 ) x ( 1 – (各ファンドの)期中実質コスト) – 1

これと、ファンド騰落率の差を見ました。

尚、11月末は信託報酬分だけ差引きましたが、今回は実質コスト分を差し引いてあります。

これも、1カ月、1年の両方で見てみます。

横軸は各ファンドのマザーファンドの純資産総額です。

MSCI-Kokusai-1month-funds_tracking_error_201612

MSCI-Kokusai-1year-funds_tracking_error_201612

1カ月で見ると、全てのファンドが、ベンチマークよりプラス側に乖離していますが、その値、0.05~0.08%と小さく、各ファンドとも問題ないレベルを言えます。

一方、1年間で見ると、やはりニッセイのマイナス乖離が-0.41%と大きくなっています。これ以外のファンドも、全てマイナス側にシフトしていますが、その値-0.30%以内と許容範囲と言っても良いでしょう。

中でも優秀なのがSMT。ほぼ乖離は見えません。

また、マザーファンド総資産額との依存性については、一見あるようにも見えますが、ニッセイのデータを除くと、あまり関係なさそうですね。

最後に

以上、騰落率に信託報酬・実質コストがちゃんと反映されているか、及び、ベンチマークの違い、及び実質コストの影響を除外したベンチマークとの乖離を評価しましたが、2016年12月末日のデータでは、ともに、ニッセイのアメリカ大統領選後の一時的な問題を除けば、各ファンドとも大きな違いは見られません。

今後も継続的に監視していきます。

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