日経平均を毎月バリュー平均法で積立していたらどうなっていたか、過去のデータで検証しました。~その2~

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前回の記事で、日経平均をバリュー平均法(VA)で積立すると、平均的に見てドルコスト法(DCA)より高い利回りを得られる事をご紹介しました。

今回は、その際に用いた条件で、実際の積立額、最終的な損益がどうなっているかをご紹介します。

バリュー平均法の条件は、
最初の積立額は1万円、
バリュー経路は毎月1万円ずつ増加していく、また積立額の調整は毎月行う、としました。その他の条件は無し、即ち、とにかく総資産額がバリュー経路に沿うように、制限なく購入、売却を繰り返す事としました。

比較に用いたドルコスト法は毎月1万円の定額積立としています。

*日経平均株価のデータは日経平均プロファイルより入手したデータを使用しております。

*日経平均株価の指数に関する著作権ならびに「日経」および「指数」の表示に対する知的財産権、その他一切の権利はすべて日本経済新聞社に帰属しています。

毎月の積立額

先ず、バリュー平均法で10年間積立した場合、毎月の積立額が最大、最小で、どうなっていたかをお見せします。

今までと同様、横軸は積立を開始した年月です。

日経平均をバリュー平均法で10年間積立てた場合の毎月の投資額

            *日経平均プロファイルのデータをもとに、しんたろうが独自に計算し作成

ドルコスト法(DCA)の場合、当然、毎月定額で1万円です。

一方、バリュー平均法(VA)の場合、毎月、積立額が変動しますが、その最大(青のプロット)と最小(緑のプロット)を示します。

最大で見ると、1999年に積立を開始した場合で約30万円の積立が必要になっている事がわかります。最初の積立額が1万円ですから、その30倍です。もし、ここで30万円の資金がなかったら、バリュー経路に沿った積立が出来なくなります。

バリュー平均法で積立てを行うには十分な資金が必要なのです。

次に最小の方ですが、1981年に積立を開始した場合で約-23万円となっています。ここで積立額がマイナスとは、売却を意味します。23万円分を売却したという事です。

売却時は利益に対して課税されます。これがバリュー平均法が非課税口座、具体的には確定拠出年金での運用が望ましいとされている理由です。

*今回の検証では、売却時の税金は考慮していません。

このように、ちょっと非現実的な投資額、売却額になる可能性がありますので、実際の運用に当たっては、積立額、売却額の上限を決めておく必要があるかもしれません。上限を設定した場合の試算結果は次の機会にでも計算してみます。

尚、毎月の積立額、離散的に見えます。これは、積立期間の末期に大きな株価変動があるほど、積立額の変動が大きいからです。例えば、積立末期に株価の暴落があると、既に持っている口数(株数)が大きいため、バリュー経路から大きく乖離し、これを補うために多額の購入が必要となります。この暴落が積立末期から徐々に積立初期に移動すると、そのインパクトが小さくなり最大積立額も徐々に減少していきます。そして、また次の暴落、暴騰がくると、再度、積立額が大きく変動するという繰り返しになります。

総投資額

上記のように積立て、あるいは売却を繰り返した結果、最終的な積立額がどうなったかを下のグラフに示します。積立期間は10年です。

日経平均をバリュー平均法で10年間積立てた場合の総投資額

            *日経平均プロファイルのデータをもとに、しんたろうが独自に計算し作成

10年間の積立ですので、ドルコスト法では、1万円(月々の投資額) x 12カ月 x 10年で、総投資額は120万円となります。

一方、バリュー平均法では、積立総額も積立開始年月により大きく変動します。
概ね、バブルの前(株価が上昇する局面)では、ドルコスト法より総積立額は少なくなっています。一部ですが、総投資額がマイナスというケースもあります。これは株価の上昇により、総積立額より総売却額が大きくなってしまった結果です。
バブルピーク後は、ドルコスト法より大きくなったり、小さくなったりしています。

損益額

最後に、積立終了時の最終的な損益額です。積立期間は10年です。

日経平均をバリュー平均法で10年間積立てた場合の損益額

            *日経平均プロファイルのデータをもとに、しんたろうが独自に計算し作成

バブル前は、ドルコスト法の方が、総じて利益が大きくなっています。バブル後は、概ね同等のように見えます。さらに詳しく見るために、平均値を比較してみます。今回も30~5年の積立期間毎に示します。さらに、損益額の平均とともに、前回の記事で計算した年率換算利回りも同時に示します。
*前回の記事では計算していた「現在までの積立」のケースですが、損益額については積立期間の異なる平均を見ても意味がないので、今回は除外しています。

積立期間毎の損益額&年率換算利回りの平均  ドルコスト法とバリュー平均法の比較 
                            1960年1月~2016年6月                 (損益額単位 千円)
  積立期間 30年 25年 20年 15年 10年 5年
DCA 損益額 5,585 5,234 2,824 1,365 567 122
利回り 3.4% 4.1% 4.4% 4.7% 5.4% 5.7%
VA 損益額 2,345 1960 1320 792 388 97
利回り 5.9% 5.9% 5.9% 6.2% 6.4% 6.7%

積立期間毎の損益額&年率換算利回りの平均 ドルコスト法とバリュー平均法の比較
        1981年1月~2016年6月       (損益額単位 千円)
  積立期間 30年 25年 20年 15年 10年 5年
DCA 損益額 -168 -243 -332 -109 -6 77
利回り -0.6% -1.2% -2.1% -1.7% -1.0% 2.6%
VA 損益額 623 205 -87 8 34 54
利回り 0.7% 0.2% -0.9% -0.2% 0.4% 3.8%

積立期間毎の損益額&年率換算利回りの平均 ドルコスト法とバリュー平均法の比較
       1992年1月~2016年6月       (損益額単位 千円)
  積立期間 30年 25年 20年 15年 10年 5年
DCA 損益額 332 71 5 23
利回り 0.8% -0.3% -0.9% 0.0%
VA 損益額 608 192 34 15
利回り 1.8% 0.9% -0.2% 0.9%

1981年1月以降、また1992年1月以降(中段、下段の表)では、概ね、利回りの高いバリュー平均法の方が損益額も良いパフォーマンスを示しています。(積立期間5年を除く)

一方、1960年1月以降(上段の表)では、全ての積立期間で、利回りはバリュー平均法の方が高いのにも関わらず、損益額はドルコスト法の方が良いパフォーマンスを示しています。これは、先のグラフでお分かりのように、バブル以前の結果が反映された為です。

ここで重要なのは、利回りと損益額の傾向は必ずしも一致しない、バブル以前のように株価の上昇局面では、バリュー平均法では総投資額がドルコスト法より少なくなるため、利回りは高くても、損益(利益)額はドルコスト法に負けてしまうのです。

言い換えれば、株価上昇局面では、バリュー平均法では、折角の利益を得るチャンスを逃している、機会損失をしているという事になります。

勿論、株価がこれから上がるか下がるかなんて、投資する時点ではわからないわけですから、あくまで結果論にすぎませんが。

まとめ

年率換算利回りでは、ドルコスト法より高いパフォーマンスを得る事が出来るバリュー平均法ですが、

  • 毎月の積立額が巨額になるケースがあり、その為に十分な資金が必要。
    特に、投資期間の末期に大きな株価変動があると、その影響が大きい。
  • 積立額の増大とは逆に、巨額の資産を売却が必要になるケースもあり、その時の課税の影響を考慮する必要がある。(確定拠出年金などの非課税口座での運用がお勧め)
  • 利回りでは上回るものの、実際の利益額ではドルコスト法に大きく負けてしまう事がある。

等に注意する必要があります。

ただし、バリュー平均法が、少なくとも過去の日経平均で見る限り、ドルコスト法より利回りで勝っている事は事実であり、有効な手法の一つという事には変わりありません。

まだ、しんたろう的にも、ちゃんと理解しきれていないところも多々ありますので、継続して解析していきます。次は、今回のような日経平均ではなく、もっとシンプルな株価変動のモデルで確認したいと思っています。

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