ファンド比較、運用状況、決算

バンガードETFの直接投資と楽天・バンガード・ファンド、年間手数料どちらがお得?

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気軽にバンガード社ETFに投資でき、かつコスト(信託報酬)も低く、今最も注目を集めているファンドの一つである楽天・バンガード・ファンド

  • 楽天・全世界株式インデックス・ファンド [楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)]
  • 楽天・全米株式インデックス・ファンド [楽天・バンガード・ファンド(全米株式)]

参考記事「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」「楽天・全米株式インデックス・ファンド」新規設定。VTやVTIに気軽に投資可能!

気になるのは、直接バンガードETFを購入するのと楽天・バンガード・ファンド、どちらがお得なの? という点かと思います。

海外ETFと国内ファンドの比較は、分配金に対する課税の問題など複雑になりますが、今回は、分配金を考慮せず(*)、単に購入、及び保有にかかる手数料という点だけに注目して比較してみます。

*分配金に対する課税、及び課税相当分の複利効果、分配金再投資のコストを全て無視した計算です。

尚、今回、この計算をするきっかけとなったのは、バンガード・インベストメンツ・ジャパン(株)が、モーニングスターETFカンファレンス2017、及び、バンガードブロガー限定交流会で公表したプレゼン資料です。

「しんたろう」自身は参加していませんので、とし様、及び水瀬ケンイチ様のブログ記事を参考にさせて頂きました。

参考・引用モーニングスターETFカンファレンス2017に参加してきたので、講演内容をまとめておく。(とし様)

参考・引用バンガードブロガー限定交流会に参加。「VT」対「楽天VT」の興味深い検証も!(水瀬ケンイチ様)

以下、基本的にはバンガード・ジャパンと同様の方法で計算しますが、一部、バンガード・ジャパンの計算に納得できない点がある為、それについては本文中にコメントします。

[最終更新日:2018.9.24]楽天・バンガード・ファンドの実質コストが判明しましたので、その結果を反映し、全面的に改訂。

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バンガードETFの直接投資と楽天・バンガード・ファンド、手数料比較の前提条件

計算の前提条件

下記の条件で計算します。

  • 為替レート:$1=112円
  • 為替手数料(片道) :4銭 (住信SBIネット銀行で外貨売買、SBI証券で取引)
  • 外国ETF売買手数料 0.45%(下限$5、上限$20) x 消費税1.08
  • 運用損益は考慮せず、元本が維持されると仮定。
  • ETFの場合、本来、経費率は投資額から為替手数料、購入手数料を引いた額に対してかかるが、ここでは簡略化の為、投資額に経費率をかけた値とする。

バンガードの資料では為替手数料25銭で計算していますので、その点だけが異なります。

 

一括投資の場合

一括投資し、それを10年、20年間保有後売却した場合の年間手数料を計算します。

バンガードETFの場合、かかるコストは為替手数料、株式売買手数料、経費率となります。

一方の楽天・バンガード・ファンドは、投資先ETFの経費率を含む信託報酬+その他のコスト=実質コストだけとなります。

楽天・バンガード・ファンドの実質コストは下記記事を参照して下さい。

 

積立投資の場合

バンガード・ジャパンの資料にも積立投資の計算結果が記載されていますが、下記の点を変更しています。

  • バンガードの資料は、1年間だけ積立て、その後、(積立を中止し)20年間保有した場合の計算のようですが(つみたてNISAの1年分をイメージ)、今回は、20年間積立を継続するケースで計算します。
  • バンガードの計算では、1年間12回の購入手数料を2倍して年間売買コストとしていますが、購入は12回でも売却は1回だけですので、ここを修正して計算してあります。

尚、経費率・信託報酬(実質コスト)は、毎年年末時点の総資産額に対して1年分がかかるものと簡略化しました。

 

VTと楽天・全世界株式インデックス・ファンド[楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)]の比較

一括投資、20年保有のケース 

一括投資し、20年間保有後に売却した場合の投資額に対する年間コスト(トータルのコストを保有年数で割った値)をプロットしたのが下図です。

楽天・バンガード・ファンドは信託報酬のみの場合と、実質コストの両方で計算してあります。

楽天・全世界株式インデックス・ファンド [楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)]

投資額が大きい程、VTが有利になるのですが、その分岐点は、

信託報酬のみで4.8万円、実質コストで1.6万円

となります。

これ以上の投資額ではVTを直接購入した方がコスト的には有利という事です。

また、100万円を一括投資した場合の年間コストは、VTが1,278円、楽天バンガード(実質コスト)が5,020円と3,742円の差となります。

 

尚、バンガード資料によると、100万円投資時の年間コストはETFで1,565円、楽天バンガードで2,396円となっていますが、これは為替手数料を25銭、そして楽天バンガードを信託報酬で計算すると一致します。

ただ、バンガード・ジャパンのコメントでは「一括投資では25万円以上でETFが有利」との事ですが、為替手数料25銭、信託報酬で比較しても今回の計算では分岐点5.7万円となります。

おそらく、バンガード社の計算は、株式売買手数料を投資額によらず一定(上限額)にしているのではないかな???  (そうすると確かに23万円が分岐点となり概ね一致します)

 

20年間積立投資の場合

今度は、積立投資の場合です。

以下のグラフが、VT楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)の比較になります。

楽天・全世界株式インデックス・ファンド [楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)]

楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)のコストが信託報酬だけの場合は毎月積立額4.8万円が分岐点ですが、実質コストで見ると1.5万円まで下がります。

即ち、毎月積立額が1.5万円以下なら楽天バンガードが有利ですが、それ以上ならVTを直接購入した方がコスト的にはお得と言う事です。

また、毎月の積立額3.3万円なら、それぞれの年間コストは、VTが11,819円、楽天バンガード(実質コスト)が20,873円と9,054円の差となります。

 

まとめ

以上の結果と、さらに10年の一括投資、積立投資の結果も加え、VT楽天バンガードより有利になる分岐点を下表にまとめます。

楽天バンガードは信託報酬のみ、実質コストの場合の2通りで記載してあります。

VTと楽天・全世界株式の分岐点
投資期間 楽天バンガード
のコスト
一括 積立
10年 実質コスト 3.1万円 3.0万円
信託報酬 9.9万円 9.8万円
20年 実質コスト 1.6万円 1.5万円
信託報酬 4.8万円 4.8万円

一括投資も積立投資も殆ど分岐点は変わりません。

そして投資期間が長くなるほど分岐点は下がります。

楽天バンガードの信託報酬、実質コスト、どちらで見るかで大きく変わってきますが、実質コストはあくまで初回決算の値である事、今後、信託報酬以外のコストが下がっていくだろうと(期待を込めて)考えると、今後は、この中間的な値になると推測します。

 

VTIと楽天・全米株式インデックス・ファンド[楽天・バンガード・ファンド(全米株式)]の比較

投資期間20年の場合 (一括投資 & 分割投資)

基本的な傾向はVT/楽天・全世界株式の比較と同じですので、一括投資、分割投資、両方のグラフのみを示します。

楽天・全米株式インデックス・ファンド [楽天・バンガード・ファンド(全米株式)]

楽天・全米株式インデックス・ファンド [楽天・バンガード・ファンド(全米株式)]

まとめ

VT/楽天・全世界株式の比較と同様、VTI楽天・全米株式インデックス・ファンドの分岐点を下表にまとめます。

VTIと楽天・全米株式の分岐点
投資期間 楽天バンガード
のコスト
一括 積立
10年 実質コスト 4.6万円 4.5万円
信託報酬 9.9万円 9.8万円
20年 実質コスト 2.3万円 2.3万円
信託報酬 4.8万円 4.8万円

信託報酬は、楽天・全米楽天・全世界で大きな違いはありませんので、分岐点も同じとなっています。

一方、実質コストでは、楽天・全米は、楽天・全世界より0.2%近く低くなっていますので、その分、分岐点も上がっています。

 

最後に

以上、単純にコスト(為替手数料、株式売買手数料、経費率・信託報酬・実質コスト)の観点から、バンガードETF(VTVTI)の直接投資と、楽天・バンガード・ファンドを比較しました。

楽天・バンガード・ファンドの初回決算での実質コストが高くなった影響で、VT/VTIへの直接投資が有利となる分岐点が大きく下がっています。

ただ、繰り返しになりますが、実質コストは固定されたものではなく、一般的にはファンドやマザーファンド純資産総額の増加とともに減少する傾向にあります。あくまで、現時点での値で計算した結果である事に注意して下さい。

 

コストだけでは評価出来ない楽天・バンガード・ファンドの魅力

本評価は楽天・バンガード・ファンドVT/VTIをコストの観点だけから評価しました。

コスト的にはVT/VTIを直接購入した方がお得にはなりますが、だからといって楽天・バンガード・ファンドが駄目だという評価にはなりません。

投資に時間・労力をかけたくない方が、米国ETFのVT/VTIに投資するのは容易ではありません。

購入するだけなら簡単ですが、年4回もある分配金の再投資、外貨を預り金として保有している期間の為替損益の計算(*)など、(人によっては)結構煩わしいと感じる作業が必要になります。

こういった事を一切気にする事無く、VTVTIに投資できるのが楽天・バンガード・ファンドの魅力です。

そして、この手数料として、今のコストが高いかどうかを判断して下さい。

(*)米国ETFの売買だけなら、特定口座で源泉徴収してくれますが、外貨のまま預り金として放置していると、その間の為替損益が雑所得とみなされる事があります。これを防ぐため、配当金が入金されたらすぐに外貨MMFを購入するなどの方法もありますが・・・。

勿論、VT/VTIに魅力を感じない方は、例えば、eMAXIS Slim等の低コスト・インデックスファンドを購入した方が良いでしょう。

海外ETFと国内ファンドを、その分配金に対する課税を含めて比較した結果は下記記事を参照して下さい。

 

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