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【インデックスファンド評価・解説】楽天・全世界株式インデックス・ファンド [楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)]

投稿日:2018年12月20日 更新日:

米国の株式に投資するインデックスファンド楽天・全世界株式インデックス・ファンド[愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)]について解説します。

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[最終更新日:2019.7.19]ライバルとなるeMAXIS Slim全世界株式の信託報酬引下げを反映。
[2019.3.6]2019.2.26より投資先ETF VTの経費率が引き下げられ(0.10%->0.09)、それに伴う実質的な信託報酬の引下げ分を反映。
比較しているeMAXIS Slim組合せのコスト、SSGA全世界株式の実質コストを最新情報に更新。
[2019.2.9]第2期前期の実質コスト、ライバルとなるSBI・全世界株式の実質コストを追記

*本記事は基本的に2018年12月19日時点の情報に基づき記載しています。

楽天・全世界株式インデックス・ファンド [楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)]の基本情報

楽天・バンガード・ファンドシリーズは、楽天投信投資顧問が米国大手投信会社の日本法人 バンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社と協働し、バンガードETFに投資する低コストのインデックスファンドです。

今回解説するのは、日本を含む全世界の株式に投資、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスとの連動を目指す楽天・全世界株式インデックス・ファンド

先ず、楽天・全世界株式インデックス・ファンドの基本情報をまとめます。

運用会社楽天投信投資顧問
設定日2017年9月29日
運用形態インデックスファンド
投資形態ファミリーファンド
*マザーファンドがバンガードETFに投資するので事実上FOF
ベンチマークFTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(配当込・ネット)
購入時手数料
信託財産留保額
信託報酬(税込)0.2196%
(投資先ETF経費率 0.09%含む)
実質コスト0.470~0.492%
純資産総額 153.96億円(2018.12.19時点)
(マザーファンド) 純資産総額 105.63億円(2018.7.17時点)
分配金実績
つみたてNISA対象商品
SBI証券ポイント還元年率0.03%
楽天証券ポイント還元年率0.048%

 

投資対象

ベンチマークFTSEグローバル・オールキャップ・インデックス[配当込み・ネット]で、中・小型株を含む全世界の株式に広く投資します。

ネットとは配当に対する源泉徴収税を考慮した指数の事です。(その源泉徴収税率が日本に対して適切なものなのかは定かではありません)

但し、投資先ETFの分配金に対する米国課税は考慮されていません。

(注)配当込・ネットは楽天投信投資顧問に確認しましたが公表された情報ではない為、その真偽を保証するものではありません。

実際の運用はマザーファンドを通して米国バンガード社のETF バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(Total World Stock ETF【VT】)に投資します。

楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)

画像引用:楽天・全世界株式インデックス・ファンド交付目論見書

 

バンガード・トータル・ワールド・ストックETF 【VT】 ~FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス~

日本を含む先進国、新興国の大型から小型株までも含み、投資可能な全世界の株式時価総額のほぼ98%をカバーする時価総額加重平均型の指数、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスをベンチマークとするETFです。約47カ国の8,000銘柄で構成されます。

その経費率は0.09%

 

投資国

国内(日本)、米国、先進国(日本、米国除く)、新興国の配分比率は下図のようになります。

バンガードVT

国内・先進国(日本除く)・新興国の比率は8%:83%:9%。

そして、全世界といっても全体の56%を米国が占めます。

 

組入銘柄上位

2018年11月末日時点で8,063銘柄に投資、組入上位10銘柄は下表のようになります。

 銘柄Ticker比率
1Apple Inc.AAPL1.7%
2Microsoft Corp.MSFT1.7%
3Amazon.com Inc.AMZN1.4%
4Johnson & JohnsonJNJ0.8%
5JPMorgan Chase & Co.JPM0.7%
6Alphabet Inc. Class CGOOG0.7%
7Facebook Inc. Class AFB0.7%
8Exxon Mobil Corp.XOM0.7%
9Alphabet Inc. Class AGOOGL0.6%
10Berkshire Hathaway Inc. Class BBRK.B0.6%

データ引用:米国Vanguardサイトより

上位10銘柄は全て米国が占めています。 

米国以外では14位にNestle(スイス) 0.5%、19位にTencent(中国) 0.5%など。

日本企業ではトヨタ自動車が0.3%で37位、ソフトバンクグループが0.1%で102位となっています。

 

手数料(信託報酬、実質コストなど)

楽天・全世界株式インデックスファンドの信託報酬は0.1296%(税込)

これに投資先ETFの経費率0.09%を加えて、

実質的な信託報酬は0.2196%(税込)となります。

勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。

 

実質コスト

2018年7月17日に1期目の決算を迎え、その実質コストが判明しました。

但し、決算期間は292日と1年に満たない為、下記二つの方法で年率に換算します。

(1)年率実質コスト=(期中の実質コスト)*(年率信託報酬)/(期中の信託報酬) + ETF経費率
(2)年率実質コスト=(期中の実質コスト)*365/決算期間日数 + ETF経費率

実質コストは0.470~0.492%(税込、2018.7.17時点、2019.2.26からのVT経費率引き下げを考慮)

信託報酬以外のコストが0.250~0.272%ですので、かなり高コストとなってます。

 

第2期 途中の実質コスト

第1期の実質コストが高かった事もあり、楽天投信投資顧問は異例ともいえる第2期期中途中でのコストを第1~3四半期と公表しました。

第3四半期の結果を上記方法で年率に換算すると、

実質コスト 0.311~0.312%となります。(2019.2.26からのVT経費率引き下げを考慮)

期中途中の9カ月のデータではありますが第1期に対して大きく下がっていますので、今後ファンド純資産総額の増加とともに実質コストも低下していくと推測されます。

詳細は下記記事をご覧ください。

 

他社 類似ファンド(全世界株式インデックスファンド)との信託報酬・実質コスト比較

FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスをベンチマークとするファンドは楽天・バンガード・ファンド以外にSBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま)があります。

*SBI・全世界株式インデックス・ファンドは旧名称 EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンドです。

また、小型株は含みませんが、同じく全世界株式を投資対象としたMSCI ACWI(All Country World Index)をベンチマークとするeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)等、さらにeMAXIS SlimシリーズのTOPIX、先進国株式、新興国株式を7%:81%:12%の比率で組み合わせた場合も比較します。

(低コスト)全世界株式・インデックスファンドの信託報酬・実質コスト比較
ファンド信託報酬
実質コスト
eMAXIS Slim
TOPIX/先進国株式/新興国株式
3本の組合せ
0.1225%
0.206%
eMAXIS Slim
全世界株式(オール・カントリー)
[MSCI ACWI]
0.1296%
0.230%
たわらノーロード
全世界株式
[MSCI ACWI]
0.1296%
(決算前)
SBI
全世界株式インデックス
0.150%
0.342%
楽天・バンガード
全世界株式
0.2196%
0.470~
0.492%
ステート・ストリート
全世界株式インデックス
[MSCI ACWI]
0.5184%
0.608%

楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)の直接のライバルとなるSBI・全世界株式インデックス・ファンドに0.07%、そしてベンチマークは異なりますがeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)に信託報酬で0.09%負けています。

*最も低コストなのは各地域別のファンドを組み合わせた場合ですが、3本を購入しリバランスを行う等の手間はかかります。

勿論、楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)の信託報酬0.2196%も十分低コストである事には変わり有りません。

 

信託報酬の変更履歴

楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)は過去2度(実質的な)信託報酬引下げを行っていますが、これは投資先ETFの経費率引下げによるものです。

引下げ日信託報酬(税込)備考
2017/9/29
 0.2396%新規設定。
2018/2/23 0.2296%投資先ETF VTの経費率引下げによる。
2019/2/26 0.2196%投資先ETF VTの経費率引下げによる。

 

楽天・全世界株式インデックス・ファンド [楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)]の運用状況

資金流出入額 & 純資産総額 (人気は?)

月次資金流出入額純資産総額から楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)の売れ行き・人気を見てみます。

(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値になります。

2018年以降、毎月10億円以上の資金流入が続いており、純資産総額も設定から1年ちょっとで150億円を突破しています。

楽天・バンガード・ファンド(全米株式)には及びませんが十分売れているファンドです。

また、他の全世界株式インデックスファンドと比較すると(下図)、楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)が圧倒的な人気を集めています。

全世界株式インデックスファンド(楽天バンガード、SBI全世界)

 

 

運用状況は? ~ベンチマークとの乖離~

インデックスファンドではベンチマークとの乖離がファンド評価の重要な要素です。そして、その要因を知る事でファンドをより正しく評価出来るようになります。

*本来、こういった事は運用報告書に記載していもらいたいところですが各社大雑把な説明に留まっています。

先進国株式(MSCI kokusai)などの場合、同じベンチマークの他の複数のファンドと比較する事で、コスト起因、運用の問題などに切り分ける事が出来ますが、楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)の場合、類似ファンドが一つしかありません。

そこで、投資先であるVTのデータを用いてベンチマークとの乖離の要因を考察してみます。

 

月次騰落率での乖離

先ず、楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)の月次レポート、さらに米国バンガード社のサイトからVT(NAV)の月次騰落率でのベンチマークとの乖離をまとめます。

*楽天・バンガード・ファンドの月次レポートには小数点第1位までしか記載されていない為、(2018.1以降は)SBI全世界株式のベンチマークを使用し独自に小数点第2位までの乖離を計算。バンガードVTIは小数点第2位まで記載。

楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)

先ず、バンガード VTと言えども月によっては0.4%を超える乖離を起こしています。そして、VTが乖離を起こせば当然楽天バンガードも乖離します。(辻褄が合わない月も有りますが)

さらに、楽天バンガードの場合、VT以上の乖離を起こしており、設定直後の2017.10を除いても依然±0.1%を超える乖離を起こしている月が多くあります。

 

年間騰落率でのベンチマークとの乖離、及び、その要因分析

[注]本章での考察・検討は下記の仮定、及び管理人の主観が含まれています。公式な情報ではなく、その真偽を保証するものではありませんのでご注意下さい。
・為替レートは三菱UFJ銀行公表の対顧客外国為替相場TTM使用。
・楽天バンガードファンドの基準価額は、米国時間前日のVTのNAVで決まるとする。

2018年11月の月次レポートによると、1年騰落率で-0.5%の乖離が発生しています。

この乖離の要因を分析していきます。

楽天バンガードのベンチマークとの乖離は下記の要因に分類できます。

楽天バンガードの乖離 =
(1)楽天バンガードのVTに対する乖離 +
(5)VTのベンチマークとの乖離

また、
(1)楽天バンガードのVTに対する乖離 =
(2)楽天バンガードの信託報酬 + 
(3)楽天バンガードの「その他のコスト」+ 運用上の問題 +
(4)VT配当金に対する米国課税 

となります。

(1)楽天バンガードのVTに対する乖離

楽天バンガードの騰落率とVT(NAV)騰落率(円換算)の差から算出。-0.49%

(2)楽天バンガードの信託報酬

-0.1296%、ベンチマークに対してマイナスに乖離する要因になります。

(3)楽天バンガードの「その他のコスト」+運用上の問題 

信託報酬以外のコスト(実質コスト)、及び、運用上の問題での乖離成分です。
(1) - (2) - (4)で算出。-0.13%。 

(4)VT配当金に対する米国課税

VTは年4回配当を出しますが、その際、米国で10%源泉徴収されたあとの配当金がファンドの資産となります。

VTの分配金再投資(配当金非課税)時、及び分配金の90%を再投資した時の騰落率(円換算)との差から、この成分を算出すると-0.22%。勿論、マイナスに乖離する成分となります。凡そ配当利回りの10%です。

(5)VTのベンチマークとの乖離

米国バンガード社サイトのデータ引用し、それを円換算。+0.01%

以上をまとめたのが下図。

楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)

楽天バンガードとベンチマークとの乖離は-0.5%(小数点第1位までしか表記されていない)ですが、そのうち最も大きい成分が(4)VT配当金に対する米国課税。これは後述する三重課税の問題はあるものの、運用でどうにかできる類のものではありません。
(VTに直接投資した場合は、外国税額控除で一部を還付出来る場合があります。一方でVT直接投資は配当金に対して国内でも課税されるのに対し、楽天バンガードは国内課税は繰延べされるというメリットがあります。)

勿論、(2)信託報酬によるマイナス乖離も致し方ありません。

問題となるのは(3)の「その他のコスト」または運用上の問題の-0.13%だけです。

決して小さい値ではありませんが、前述のように第2期に入り実質コストも低下傾向にありますので、今後、この成分も次第に小さくなっていく事でしょう。

 

SBI・全世界株式インデックス・ファンドとの騰落率比較

SBI・全世界株式インデックス・ファンドと2018.11時点の6カ月騰落率を比較します。

下図は各ファンドの信託報酬に対して騰落率をプロットしたものです。

全世界株式インデックスファンド(楽天バンガード、SBI全世界)

信託報酬が低いファンドの騰落率はその分高くならなければなりません。

しかし、上図によると信託報酬で勝る(低い)SBI・全世界の方が楽天・全世界より騰落率が低くなっています。楽天・全世界ですら、まだ実質コストが高くベンチマークに対してマイナス乖離を起こしている状況ですが、SBI・全世界はさらに大きな実質コスト、あるいはマイナス乖離を起こしている可能性があります。

 

米国ETFを介して全世界に投資する事による三重課税の問題

先ほどベンチマークとの乖離のうちVT配当金に対する米国課税成分が最も大きいと説明しましたが、配当・分配金に対する課税は、海外(米国)ETFを介して全世界株式に投資する事で不利になります。

国内から直接全世界に投資するファンドの場合(eMAXIS Slim全世界株式など)、配当に対して各投資国で約10%が源泉徴収されます。尚、国内投資分の配当にはファンド段階では課税されませんので時価総額比全世界株式(国内8%)だと配当課税は合計9.2%となります。

そして、売却時には(配当分も含めて)譲渡益として国内で課税されます。

一方、VTのように米国を介して全世界に投資する場合、現地国に加え米国での課税が加わります。

VTは56%を米国に投資しますが、この分は現地国=米国となり三重課税にはなりません。問題となるのは残りの44%。これに対して現地国、米国と課税され、それぞれの税率が10%と仮定すると計19%の税率となります。米国、米国以外を含めてVT全体では14%が(日本以外で)源泉徴収される事になります。

単純には、国内から直接全世界に投資するファンドでは配当源泉徴収税率9.2%、米国ETFを介するファンドでは14.0%、およそ5%の違い、これは配当利回りが2%と仮定すると0.1%の違いとなります。即ち、FOFの場合、この分だけ信託報酬・実質コストが上乗せされる事と等価と考えて良いでしょう。

三重課税のより詳細な解説は下記記事をご覧ください。

 

まとめ

以上、楽天・全世界株式インデックス・ファンド[愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)]についての解説でした。

全世界株式にほぼ丸ごと投資するバンガード社ETF VTを、国内投資信託として手軽に購入出来る非常に魅力あるファンドです。

実際、設定以来、毎月10億円以上の資金流入と大きな人気を集めています。

未だ、信託報酬以外のコストが高めではありますが、今後、純資産総額の増加とともに次第に低下していく事でしょう。

ファンドの仕組上、配当三重課税と不利な面もありますが、

全世界の株式に1本のファンドで投資したい、

大型・中型だけでなく小型株をも含む幅広い銘柄に投資したい、

そして海外ETFに直接投資するのは面倒と感じる方には最適なファンドです。

つみたてNISAiDeCo(楽天証券のみ)でも投資する事が出来ます。

現時点では、同じベンチマークのSBI・全世界株式インデックス・ファンドよりも高い騰落率を示しています。

 

購入先

楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)は下記の金融機関で購入出来ます。

販売会社 SBI証券楽天証券 マネックス証券カブドットコム証券松井証券岡三オンライン証券GMOクリック証券等。

楽天証券なら楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます。勿論ポイント還元があり事実上1%割引で購入出来るようなものです(上限5万円/月)。さらに、そのポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
公式サイト楽天カード

つみたてNISAでも購入できます。(上記金融機関でもつみたてNISAに対応していない場合があります)

また、個人型確定拠出年金(iDeCo)で取扱っているのは楽天証券 iDeCo

 

ライバルとなるファンド

eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型) 

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま)

楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド)   *本記事

 

他の全世界株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。

インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。

 

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