楽天投信投資顧問(株)より、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」「楽天・全米株式インデックス・ファンド」が新規に設定されます。
それぞれの愛称は楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)、楽天・バンガード・ファンド(全米株式)となります。
[最終更新日:2017.10.20] 販売会社情報を更新、愛称を追加。ポイント情報を追加。
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見出し
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の詳細
ファンドの基本情報
楽天・全世界株式 インデックス・ファンド |
楽天・全米株式 インデックス・ファンド |
|
設定日 | 2017年9月29日 | |
投資形態 | ファミリーファンド(マザーファンドがETFに投資しますので実質的にファンド・オブ・ファンズ) | |
インデックス | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス | CRSP USトータル・マーケット・インデックス |
投資国 | 日本を含む全世界(先進国・新興国) | 米国 |
投資ETF | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF [VT] | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF [VTI] |
ETF経費率 | 0.11% | 0.04% |
購入時手数料 | 無 | |
信託財産留保額 | 無 | |
信託報酬 | 0.1296% | 0.1296% |
実質的な信託報酬 | 0.2396% | 0.1696% |
ファンドの詳細
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは米国ETFであるVTに、楽天・全米株式インデックス・ファンドはVTIに投資するファンド・オブ・ファンズです。
ETFの経費率を加えた信託報酬が、全世界株式が0.2396%、全米株式が0.1696%と、超低コストです。
楽天・全世界株式インデックス・ファンド [楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)]
投資する米国ETF VT、そのインデックスであるFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは、全世界の大型・中型・小型株を対象とし約8,000銘柄から構成されている指数です。
引用バンガードETF
国内インデックスファンドでよく使われるMSCIの指数、ACWIが大型・中型株を対象とした約2,500銘柄ですので、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスがより広くカーバーした指数という事になります。
大まかに投資国を分類すると、
日本 | 米国 | 先進国 (日本・米国除く) |
新興国 | |
構成比率 | 8% | 53% | 28% | 11% |
となります。
これを、国内インデックスファンドを組み合わせて構成すると、
*上述のように投資対象銘柄、及び先進国株式の米国比率なども違いますので、大雑把な比較という事になります。
アセットクラス | ファンド名 | 実質コスト(*3) | 配分比率 |
国内株式(TOPIX) | eMAXIS Slim(*1) | 0.198% | 8% |
先進国株式 | たわらノーロード(*2) | 0.253% | 81% |
新興国株式 | eMAXIS Slim(*1) | 0.550% | 11% |
VT相当 | 0.281% |
(注1)eMAXIS Slimの実質コストは未だわからないため、eMAXIS Slimの信託報酬に、eMAXIS(Slimではない方)の信託報酬以外のコストを足した値を使用。
(注2)たわらノーロードの実質コストは、直近の実質コストより、2017/12/30からの信託報酬引下げ分を引いた値を使用
(注3)国内インデックスファンドの実質コストは↓の記事より。
参考記事インデックスファンド・コスト比較
と、国内インデックスファンドを組み合わせたVT相当の実質コストが0.281%になります。
一方の楽天・全世界株式インデックス・ファンドの信託報酬は0.2396%。
実質コストは当然未だ分かりませんが、信託報酬以外のコストが0.04%以内なら、コスト的にも優位になります。
また2017年9月8日に運用を開始し、日本を含む全世界株式に投資できるステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの全世界株式インデックス・ファンドは、信託報酬 0.5184%ですので、これよりは低コストになると推測されます。(インデックスも異なりますが)
参考記事「全世界株式インデックス・ファンド」全世界の株式に1本で投資できるファンドの登場!
楽天・全米株式インデックス・ファンド [楽天・バンガード・ファンド(全米株式)]
投資する米国ETF VTI、そのインデックスであるCRSP USトータル・マーケット・インデックスは、米国の投資可能銘柄のほぼ100%をカバーする指数です。
引用バンガードETF
直接比較出来る国内インデックスファンドはありませんが、米国株式だけが投資対象という点でNYダウやS&P500に連動するファンドと比較すると、
インデックス | ファンド名 | 信託報酬 | 実質コスト |
NYダウ | iFree | 0.243% | ーーー |
たわらノーロード | 0.243% | ーーー | |
SMT | 0.540% | 0.574% | |
S&P500 | iFree | 0.243% | ーーー |
i-mizuho | 0.616% | ーーー |
一方の楽天・全米株式インデックス・ファンドの信託報酬は0.1696%。
余程の事(信託報酬以外のコストが大幅にかかるような事態)がない限り、コスト的にも楽天・全米株式インデックス・ファンドが優位になるでしょう。
ファンド・オブ・ファンドの問題点
ファンド・オブ・ファンドでは、配当課税で不利になる場合があると推測されます。
通常の国内ファンドの場合、保有する銘柄で配当が出ると、それぞれの国で源泉徴収された後の配当金がファンドの資産となります。そして、多くのインデックスファンドでは分配金を出しませんので、最終的に売却する際に譲渡益として国内で課税されます。結局、現地国と国内の2重課税となります。
一方、楽天・全世界株式インデックス・ファンドが投資するVTの場合、(VTの中で米国以外に投資する分は)先ず現地国(米国以外の投資国)で課税された後、分配金として支払われますが、ここで米国でも課税されます。楽天・全世界株式インデックス・ファンドが分配金を出さない方針であれば、現地国・米国で課税された後の分配金がファンドの資産となり、後は通常のファンドと同様、売却時に譲渡益として国内で課税されます。結局、現地国・米国・国内の3重課税となってしまうのです。
尚、楽天・全米株式インデックス・ファンドの場合は、VTIの投資国が米国だけですので、米国と国内の2重課税だけですみ、通常のファンドと同じです。
このように米国以外に投資する場合、FOF(というより正確にはファンド・オブ・ETFs)は税制上不利になる場合もありますので、厳密には信託報酬や実質コストだけで損得を判断出来ません。
また、FOFだったら、直接VTやVTIを購入した方が良いと考える方もいらっしゃるかと思います。
そのあたりの損得は下記の記事で計算してありますので参考にして下さい。
参考記事国内インデックスファンド vs. 海外ETF(米国籍ETF) お得なのはどちら?
販売会社
*2017/9/29更新しました。
楽天証券、マネックス証券で2017年9月29日より、SBI証券で2017年10月20日より販売開始されました。(通常の口座で100円から購入可能です)
ポイント還元サービス
SBI証券の投信マイレージサービス、2017年10月20日よりリニューアル(改悪?)し、従来、低コストファンドは一律0.05%でしたが、新たに0.03%という区分が設けられ、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の2本は0.03%となりました。
楽天証券は0.048%です。
まとめ
新規に設定される「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」「楽天・全米株式インデックス・ファンド」、1本のファンドで全世界、全米の株式が購入でき、しかも超低コストです。
(全海外株式の場合)税制上多少不利になる可能性もありますが、外国ETFを直接購入する面倒もなく、手軽にVTやVTIに投資できるという点で魅力的なファンドである事には違いありません。
楽天証券では100円から、さらに楽天スーパーポイントでの投資信託の購入も可能ですので、100円=100ポイントで全世界の株式を買う事が出来るんです。そして、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」「楽天・全米株式インデックス・ファンド」を購入するならポイント還元で最も有利となります。
公式サイト楽天証券
楽天・バンガード・ファンドとVT/VTI直接投資をコストだけの観点から比較した記事が↓になります。
参考記事バンガードETFの直接投資と楽天・バンガード・ファンド、年間手数料どちらがお得?