インデックス投資のリバランス、その効果を確認(3) ~ドルコスト法積立投資の場合~

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インデックスファンドの長期投資におけるリバランスの効果について、

インデックス投資のリバランス、その効果を確認(1) ~一括投資の場合~
インデックス投資のリバランス、その効果を確認(2) ~一括投資の場合~ その目的はリターンにあらず、リスクのコントロール。

と2回にわたってレポートしましたが、この二つとも一括投資したケースで検証したものです。

そこで、今回は多くの方が実践しているドルコスト法により積立投資の場合について検証します。

検証方法

一括投資の場合と同様、三井住友トラスト・アセットマネジメントが運用する「SMTシリーズ」の基準価額を使わせて頂きました。

アセットアロケーションは国内債券・国内株式・先進国債券・先進国株式の4資産に均等ずつとします。

そして2008年1月に積立を開始、2017年2月までのリターンを評価します。

リターン・リスクの計算方法

一括投資の場合、実際の運用結果の月次リターンから、年率リターン、及びリスクを計算しました。

しかし、積立投資の場合、投資額が毎月増加していく中で、上記方法は適切でないと考え、

リターンについてはトータル・リターン(ある時点の資産額/それまでの投資総額-1)のみ、

そして、リスクについては、

個々のアセットクラスのリスク、及び相関係数(*)から、各月のアセットアロケーションに応じたリスクを計算しました。

(*)計算に必要な各アセットクラスのリスク、相関係数は、「SMTシリーズ」の基準価額から計算した値を使用しています。

基準価額のチャート

2008年1月を1とした国内債券、国内株式(TOPIX)、先進国債券、先進国株式、各アセットクラスの基準価額のチャートを示します。

これは、インデックス投資のリバランス、その効果を確認(1) ~一括投資の場合~  で示したものと同じです。

smt-4asset-price_20170307

*データ引用 : 三井住友トラスト・アセットマネジメント「SMTシリーズ」の基準価額。

検証結果

リバランスを行わない場合のアセットアロケーションの変化

先ずは、リバランスを行わない場合、アセットアロケションがどのように変化するかを下図に示します。

asset-allocation-wo-rebalance-reserve-investment _20170310

2009年、リーマンショックにより一時的にアセットアロケーションが大きく崩れますが、その後、すぐに元のアロケーションに近づきます。

そして、2012年頃から、株式、特に先進国株式の上昇を受けて、株式の比率が高くなります(=債券の比率低下)。最大で先進国株式33%と、目標の25%から+8%の乖離となっています。

トータルリターン

リターンを見てみます。

下図は、2017年2月時点のトータル・リターンを、リバランス有無、及びリバランス間隔に対してプロットしたものです。

total-return-rebalance-reserve-investment_20170310

リバランス無が最も高いリターンを示しています。そしてリバランス間隔について明確な依存性は観察されません。

積立投資においても、リバランスがリターンを向上させるとは限らないと言えます。

尚、図示しませんが、積立開始をリーマンショック後の2009年1月としても、リバランス無のリターンが高いという結果でした。

トータルリターンの推移

リターンをさらに詳細に比較するため、トータルリターンの推移を見てみます。

2008年1月から積立を開始し、その後、リターン(ある時点の資産額/それまでの投資総額-1)がどのように変化していったか、リバランス無のリターンとの差としてプロットしてみます。

total-return-rebalance-transition-reserve-investment_20170310

リーマンショック後の2009年、リバランス、特に毎月リバランスを行った場合、リターンの低下がみられます。株価が下落傾向の中、リバランスは株式比率を高める(正確には元のレベルに戻す)わけですから、リターンを悪化させるのも当然です。

その後、暫くはリバランス有の方が若干高いリターンを示しますが、2013年頃から株価の回復とともに、再度、リバランスによるリターンの大幅な低下がみられます。これも同じように、折角の株価上昇傾向のなか、株式比率を落とす(正確には元のレベルに戻す)わけですから、リターンは低下します。

そして、2016年、株価が再度下がり始めると、リバランス有のリターンが向上、そしてトランプラリーで株価の上昇が始まると、リターン低下という推移になります。

そもそも、リバランスというのは、トレンドに逆らう、いわゆる「逆張り」に近いものがあります。相場が上昇・あるいは下降する局面では、リバランスによりリターンが低下する事も十分あり得ます。

一括投資との比較

リターンの推移を、一括投資と比較してみます。

下図は、2008年1月に一括投資した場合のリターン推移を見たものです。(インデックス投資のリバランス、その効果を確認(1) ~一括投資の場合~  で示したものと同じです。)

total-return-rebalance-transition-lump-sum_20170309

このケースでは、殆どの期間でリバランスした方がリターンが高くなっていますが、それは、ある意味、「たまたま」であって、それより注目してもらいたいのは、リバランス有無によるリターンの差の大きさ。(グラフの縦軸スケールが異なる事に注意)

一括投資の場合、最大9%近い差が出ていますが、積立の場合、差があるといっても、3%程度です。

そもそも、ドルコスト法による積立は、その月の積立額に対しては、常にリバランスを行っている事になります。従って、一括投資に対して、リバランス有無の差が小さくなるのも理解できます。

但し、長期間積立を行って、総資産額が、毎月の積立額に対して十分大きくなると、一括投資の場合と同じです。総資産額に対して僅かな毎月の積立額が、ドルコスト法による自動的なリバランスになるといっても、全体に対するリバランスの効果は殆どありません。

リスクの推移

次に、リスクの推移を見てみます。

最初の検証方法で書いたように、ここで言うリスクは、一括投資の場合と求め方が異なる事に注意して下さい。

risk-rebalance-transition-reserve-investment_20170310

リバランスを毎月行う場合は、当然、リスクは一定に保たれます。

しかし、リバランス無だと、最大で2%もリスクが増大しています。

これが、リバランスの最も重要なポイントです。

まとめ

ここまで読んで頂いて、何故、リターンを悪化させる事もあるリバランスを、面倒な手間をかけてまで行う必要があるのか疑問に思う方も多いかと思います。

前回も言いましたが、リバランスは、

リターンの向上の為ではなく、リスクのキープ・コントロールにあるのです。

今回の検証では、確かにリバランスを行う事で、(時期によっては)リターンの低下という結果になりましたが、それは、あくまで結果論です。

その時点で、相場が上がるか、下がるかなんてわかりません。

勿論、相場が読める、予想できる自信のある方は、リバランスなんて行う必要なく、機動的にアロケーションを変化させれば良いのです。

しかし、「しんたろう」を含め多くの凡人に出来る事は、相場に関係なく、当初設定したリスクをキープし、そして当初目標としていたリターンが得られることを祈る期待するだけです。

そして、もし許容できるリスクが上がったのならば、より高いリターンが期待できるアセットアロケーションに変更すれば良いのです。逆もまた然り。

ただ、積立投資の場合、積立て当初は、よほど大きな相場の変動が無い限り、そう気にしなくても良いかもしれません。ある程度の資産額になったら、リバランスを年に1回程度行う事をお勧めします。

リバランスには、

  • 比率の上がった資産クラスを売却し、その資金で比率の下がった資産クラスを購入
  • 売却無で、比率の下がった資産クラスを追加購入(ノーセル・リバランス)

と、二つの方法がありますが、前者は、売却益に対する課税の問題、後者は、結果的に(当初想定していたより)投資金額が増大するといった問題があります。

しかし確定拠出年金[企業型/個人型(iDeCo)]では、課税を気にする事なく、リバランスが可能です。確定拠出年金に加入している方は、コストの高いバランス型ではなく、リバランスが必要になりますが、個々のアセットクラスの低コスト・インデックスファンドの組合せを考えて見られては如何でしょう?

[参考記事]
バランスファンドより個々のインデックスファンド+リバランス。面倒なリバランス、その時給は? 特にiDeCoなど確定拠出年金に加入の方にお勧め。

それでもリバランスが面倒な方は、バランス型ファンドを購入、またはリバランスを自動で行ってくれる松井証券の投信工房が便利です。ただし、バランス型、投信工房とも、頻繁にリバランスを行うという点では、ベストの解とはならない可能性もあります。松井証券の口座開設は↓から。

松井証券

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