コラム

批判のぼったくり投信、その恩恵を享受しているのは金融機関だけじゃないのが現状では?

投稿日:2017年7月17日 更新日:

多くの投信ブロガーが、いわゆる「ぼったくり投信」を批判する記事を書かれています。

そしてフィデューシャリー・デューティーという言葉も最近よく聞かれるようになりました。

受益者である投資者の真の利益を考えず、(一般人には理解不可能な)複雑怪奇な高コストの投資信託を作り、さらに、それを回転売買させ、その手数料を稼ぐという商売。

これを悪徳商売と取るか、企業努力と言うかは別として、こんな投信や、その販売姿勢を批判するのは当然の事で、その点では何の異論・反論もありません。

だけど、いくつか疑問、そして心配もあります。

スポンサーリンク

「ぼったくり投信」が無くなっても、インデックスファンドの低コスト化は可能なの?

インデックスファンドの低コスト化、「しんたろう」も、その恩恵にあずかっていますが、果たして、こういった低コストのファンドだけで、運用会社は商売として成り立っていくのでしょうか?

「ぼったくり投信」の高い信託報酬=運用会社の利益があってこそ、低コストのインデックスファンドの商売が成り立っているって事はないのかな?

そうだとすると、「ぼったくり投信」がなくなれば、折角進んだインデックスファンドの低コスト化の流れも止めってしまいますし、逆に値上げなんて事も、と心配になってきます。

米国はバンガードなどの巨大な運用会社が、超低コストのETFで成功していますが、小さな日本、そして投資人口も少ない日本で乱立する運用会社、「ぼったくり投信」なくして、ほんとにやっていけるのかと。

投資信託のような金融商品と、一般の商品を同じ土俵で考えたら怒られちゃいそうですが、回転ずしで「玉子」を頼んでくれるお客さんがいるから、たった100円で「まぐろ」が食べれるんです。

勿論、こういった構図が正しい姿とは思いません。

「ぼったくり投信」が無くても、薄利多売の低コストのインデックスファンドだけで収益が上げられるよう、運用会社は早く吸収合併するなりして、その数を減らすべき。

そして、我々個人投資家に出来る事は、常にコストに拘り、少しでもコストの低いファンドを選んでいく事です。そうする事で、低コストの運用会社は利益を上げ、逆にコストの高い運用会社は撤退せざるを得ない状況に追い込まれます。1社独占はいろいろ弊害もあるでしょうから、最終的には2~3社で十分ではないでしょうか?

 

銀行の投資信託と定期預金のセット販売

そして、もう一つ評判の悪いのが銀行で行っている投資信託と定期預金のセット販売

購入時手数料の高い投資信託を購入すれば、今の時代では信じられないような高金利の定期預金を預けられるというものです。(これ、実は、ただの購入時手数料割引サービスに過ぎないんですけど)

そして、このセット販売は退職金をもターゲットとしています。

退職者に限り、定期預金だけというプランも有ります。(最近は、定期預金だけのプランを廃止している銀行が多くなりましたが)

数年前に早期退職した「しんたろう」は、この退職者専用定期預金で1%以上の金利で1年間運用する事が出来ました。

勿論、銀行の狙いは、定期預金でお金を集める事ではありません。退職金というまとまった資金を持っている顧客の情報を把握し、定期預金満期後は、購入時手数料や信託報酬の高い投資信託を買ってもらう事です。

「しんたろう」の場合、定期預金満期後は、他の銀行の定期預金と渡り歩き、当然、高コストの投信なんて買いませんでしたが、買ってくれるお客さんがいるから、こういうプランが成り立っているのも事実でしょう。言い方は悪いですが、「しんたろう」が1%以上の年利で運用できたのは、こうやって高コストの商品を購入してくれた方のおかげなんです。

殆どのメガバンクを回りましたが、当然、どこでも投信を勧められます。

しかし、「すみません、ノーロードのインデックスファンドしか買わないんです。」と言えば、「そうですよね。」とそれ以上のしつこい勧誘はありませんでした。

それでも、ちゃんとサランラップやティッシュのお土産を頂き、綺麗な行員さんが、笑顔で「有難うございました」と言ってくれます。

銀行のカモになるか、あるいは高金利定期預金で得させてもらうか、どちらになるかはあなた次第。

退職金をもらって銀行なり金融機関に出向く前に、最低限の金融知識を勉強する事、投資の知識がない状態で勧められるままの投資商品を購入しない事です。

そして断る勇気を持つ事です。

投資は全て自己責任です。

 

銀行や店頭証券は何を売ればいいの?

以前も書きましたが、「しんたろう」は、購入時手数料を取る事や、一時期話題となったeMAXISとeMAXIS Slimの一物二価にも何の問題もない、寧ろ当たり前の事だと考えています。

参考記事投資信託の購入時手数料って悪? 問題はそれに見合うサービスを提供しているかという事。

例えば、ノーロードで信託報酬0.3%(販売会社の取り分0.1%と仮定)のファンドを銀行や店頭証券で売って儲かるか?

そりゃ、億単位や数千万円単位で購入してくれるお客ばかりだったら問題ないでしょうけど、多くの顧客が百万円単位、いや、今まで預金しかしてこなかった顧客を取り込むとしたら、もっと少なくなるかもしれません。

100万円売るだけでは、銀行に入るお金は毎年1,000円。10年所有して漸く1万円。

それを売るのに1時間かけて(インデックスファンドでも、ちゃんと説明しようと思えば1時間でも全然たりない)、人件費だけでも2千円ぐらい?

しかも、駅前の一等地の店舗。

さらに、説明したとしても実際に購入してくれるかどうかわからない。

そりゃ、利益でないでしょう。

町の電気屋さんでamazonの値段で売れと言っているようなもの。

本当に、顧客の利益を考えるなら、

「お客さん、うちの店で買うより、ネットだったら、もっと安くで買えますよ!」

と言わなきゃいけなくなる。

銀行や店頭証券は懇切丁寧、そして適切な説明を売りにして、その説明を必要とする顧客に、正当な対価として、購入時手数料をとればいいんです。

もっとも、懇切丁寧な説明を受けた顧客が、本当に投信のコスト構造を理解すれば、その顧客は銀行から離れていき、自らネット証券で取引するようになるかもしれませんが。

 

まとめ

現状では、高コストのファンドがあってこそ、低コストのインデックスファンドが商売として成り立っているのだと推測します。

勿論、この構図が良い状態だとは思いません。

これを変えるには、ただ、行政の指導に期待するだけではなく、投資家自身がちゃんとした知識を身につける事です。

そして、高コストや良く分からない商品を購入しない事。

どんな商売でも同じですが、売れないもの、役に立たないものは自然に淘汰されていきます。

収益が悪化した運用会社は撤退、あるいは吸収・合併を繰返し、最終的には適切な数に落ち着いていく筈です。

そこで初めて、薄利多売の低コスト・インデックスファンドがビジネスとして成立するようになり、最終的には、さらなる低コスト化という形で投資家に還元される事も期待できるでしょう。

スポンサーリンク

応援お願いします。
にほんブログ村 その他生活ブログ 資産運用へにほんブログ村 株ブログ 投資信託へにほんブログ村 その他生活ブログ 家計管理・貯蓄へ

-コラム

Copyright© しんたろうのお金のはなし , 2018 All Rights Reserved.