ぼったくり投信が批判されていますが、その恩恵を享受しているのは金融機関だけじゃない。

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多くの投信ブロガーが、いわゆる「ぼったくり投信」を批判する記事を書かれています。

そしてフィデューシャリー・デューティーという言葉も最近よく聞かれるようになりました。

受益者である投資者の真の利益を考えず、(一般人には理解不可能な)複雑怪奇な高コストの投資信託を作り、さらに、それを回転売買させ、その手数料を稼ぐという商売。

これを悪徳商売と取るか、企業努力と言うかは別として、こんな投信や、その販売姿勢を批判するのは当然の事で、その点では何の異論・反論もありません。

だけど、投資なんて儲かればいい、投資はあくまで自己責任と思っている、実に、ちっちゃな人間の「しんたろう」には、いくつか疑問、そして心配もあります。

「ぼったくり投信」が無くなっても、インデックスファンドの低コスト化は可能なの?

一番の心配はこれ。

インデックスファンドの低コスト化、「しんたろう」も、その恩恵にあずかっていますが、果たして、こういった低コストのファンドだけで、運用会社は商売として成り立っていくのでしょうか?

「ぼったくり投信」の高い信託報酬=運用会社の利益があってこそ、低コストのインデックスファンドの商売が成り立っているって事はないのかな?

そうだとすると、「ぼったくり投信」がなくなれば、折角進んだインデックスファンドの低コスト化の流れも止めってしまいますし、逆に値上げなんて事も、と心配になってきます。

米国はバンガードなどの巨大な運用会社が、超低コストのETFで成功していますが、小さな日本、そして投資人口も少ない日本で乱立する運用会社、「ぼったくり投信」なくして、ほんとにやっていけるのかと。

投資信託のような金融商品と、一般の商品を同じ土俵で考えたら怒られちゃいそうですが、回転ずしで「玉子」を頼んでくれるお客さんがいるから、たった100円で「まぐろ」が食べれるんです。

参考記事投資信託と回転寿司 ~高コストのファンドがあるからこそ成り立つ超低コストインデックスファンド?~

勿論、「しんたろう」は、実際の運用会社の収益構造なんて知りませんし、難しい事もわかりません。もし、そんな事はないというのであれば、是非、教えて下さい。

銀行の投資信託と定期預金のセット販売の恩恵も受けている。

そして、もう一つ評判の悪いのが、銀行で行っている投資信託と定期預金のセット販売

購入時手数料の高い投資信託を購入すれば、今の時代では信じられないような高金利の定期預金を預けられるというものです。(これ、実は、ただの購入時手数料割引サービスに過ぎないんですけど)

そして、このセット販売は、退職金をもターゲットとしています。ただ退職者に限り、定期預金だけというプランも有ります。(最近は、定期預金だけのプランを廃止している銀行が多くなりましたが)

数年前に早期退職した「しんたろう」は、この退職者専用定期預金で1%以上の金利で1年間運用する事が出来ました。

勿論、銀行の狙いは、定期預金でお金を集める事ではありません。退職金というまとまった資金を持っている顧客の情報を把握し、定期預金満期後は、購入時手数料や信託報酬の高い投資信託を買ってもらう事です。

「しんたろう」の場合、定期預金満期後は、他の銀行の定期預金と渡り歩き、当然、高コストの投信なんて買いませんでしたが、買ってくれるお客さんがいるから、こういうプランが成り立っているんです。「しんたろう」が1%以上の年利で運用できたのは、こうやって高コストの商品を購入してくれた方のおかげなんです。

殆どのメガバンクを回りましたが、当然、どこでも投信を勧められます。

しかし、「すみません、ノーロードのインデックスファンドしか買わないんです。」と言えば、「そうですよね。」とそれ以上のしつこい勧誘はありませんでした。

それでも、ちゃんとサランラップやティッシュのお土産を頂き、綺麗な行員さんが、笑顔で「有難うございました」と言ってくれます。

銀行や店頭証券は何を売ればいいの?

以前も書きましたが、「しんたろう」は、購入時手数料を取る事や、一時期話題となったeMAXISとeMAXIS Slimの一物二価にも何の問題もない、寧ろ当たり前の事だと考えています。

参考記事投資信託の購入時手数料って悪? 問題はそれに見合うサービスを提供しているかという事。

例えば、ノーロードで信託報酬0.3%(販売会社の取り分0.1%と仮定)のファンドを銀行や店頭証券で売って儲かるか?

そりゃ、億単位や数千万円単位で購入してくれるお客ばかりだったら問題ないでしょうけど、多くの顧客が百万円単位、いや、今まで預金しかしてこなかった顧客を取り込むとしたら、もっと少なくなるかもしれません。

100万円売るだけでは、銀行に入るお金は毎年1,000円。10年所有して漸く1万円。

それを売るのに1時間かけて(インデックスファンドでも、ちゃんと説明しようと思えば1時間でも全然たりない)、人件費だけでも2千円ぐらい?

しかも、駅前の一等地の店舗。

さらに、説明したとしても実際に購入してくれるかどうかわからない。

そりゃ、利益でないでしょう。

町の電気屋さんでamazonの値段で売れと言っているようなもの。

本当に、顧客の利益を考えるなら、

「お客さん、うちの店で買うより、ネットだったら、もっと安くで買えますよ!」

と言わなきゃいけなくなる。

銀行や店頭証券は懇切丁寧な説明を売りにして、その説明を必要とする顧客に、正当な対価として、もっと購入時手数料をとればいいんです。

もっとも、懇切丁寧な説明を受けた顧客が、本当に投信のコスト構造を理解すれば、その顧客は銀行から離れていき、自らネット証券で取引するようになるかもしれませんが。

地方銀行のネット支店の高金利定期預金を良く使わせてもらっている「しんたろう」にとって、銀行も儲かってもらわなきゃ困るんです。

自分の親が「ぼったくり投信」を買わされたら。

そりゃ、腹立ちますね。

だけど、買わされたのが「ぼったくり投信」ではなく低コストのインデックスファンドだったとしても、同じように腹立ちます。

投資が必要ない人、理解できない人(ぼったくり投信かどうか判別できない人含む)に、投資商品を勧めること自体が間違っている事で、これは全く別の問題です。

参考記事高齢顧客への勧誘による販売に係る「協会員の投資勧誘、顧客管理等に関する規則」等 の一部改正及び「協会員の投資勧誘、顧客管理等に関する規則第5条の3の考え方」(高 齢顧客への勧誘による販売に係るガイドライン)の制定について (日本証券業協会)

まあ、そうはいっても、いずれ淘汰されていく事でしょう。

どんな商売でも同じですが、売れないもの、役に立たないものは自然に淘汰されていく、そして、それで収益が悪化した運用会社は吸収・合併を繰返して、適切な数に落ち着いていく事でしょう。かつて、多くあったテレビ・メーカーの殆どが事業撤退・会社売却となったように。

そういう時代が早く来るよう、行政の指導に期待するだけではなく、投資家自身がちゃんとした知識を身につける事です。

まあ、今、ぼったくり投信を購入している方の多くが高齢者でしょうから、ネットにも全く抵抗がない若い世代が中心となれば、銀行も証券会社も変わらざるを得ない事でしょう。

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コメント

  1. リタイア希望者 より:

    私も同じようなことを考えたことがあります。
    ぼったくり投信会社は、「お金の流れを堰き止めている高齢者たちから、強制的にお金を取り上げて、それを世の中に回すことによって経済を活性化している」と考えれると、慈善事業会社に思えるときもあります。
    同様に、オレオレ詐欺集団なども、堰き止められたお金を強制的に世の中に回して、強力な経済活性化をしてくれている集団と言えます。
    しかし、詐欺は犯罪ですし、ぼったくり投信のような合法悪徳業者から個人が身を守るには、やはり知識をつけていくしかありません。
    本来ならば、日本人全員がまともな知識を身につけて、悪徳業者が活躍する必要なく日本経済が活性化されるのが一番理想ですけどね。

    • shintaro より:

      リタイア希望者様

      コメント有難うございます。
      なかなか過激なご意見ですね(笑)。
      この記事、私の拙文の為、いろいろご批判を頂いたのですが、自分自身が知識を身につけ、騙されない、安易に購入しない事が一番重要な事だと思います。
      ただ、問題は高齢者。私も経験があるのですが(投信ではなく保険ですが)、一度、信じてしまった高齢者を説得するのは大変。

  2. まあ銀行員なので手数料は必要ですが‥ より:

    金融機関が顧客に対して「真摯な」取引をすべきか、
    金融機関と顧客は契約行為を通してお互い利益を最大化しようとする関係であり
    金融機関が自ら儲かるものを売ろうとするのは仕方ない事であるのかは
    規制側でも議論となっている所です。

    しかし、概して金融機関と顧客では情報力の非対称性は否めず、
    単に自己責任に任せた場合は不公正な取引が増え、
    ひいては市場の育成を阻害するというのが一般的な意見だと思います。

    「養分がいるからこそ、他方で良質なサービスも提供できる」わけではなく、
    「養分相手のビジネスが儲かるほど、良質なサービスの拡大は遅れる」と思います。

    養分相手のビジネスが儲からなくなれば
    乱立したファンドも運用会社も販売会社も持たないでしょうが
    それは市場規模に対して数が多すぎるだけで、淘汰されて当然でしょう。

    手数料ビジネスを善悪で語るつもりはありませんが、
    それが日本の投信市場の育成を阻害していると思いますので
    社会政策としてコントロールすべき項目ではないでしょうか。

    • shintaro より:

      ご意見ありがとうございます。
      仰られている事はよく理解できます。
      良質なサービスだけで金融機関が成り立っていける日が来ることを願っております。

      ただ、その為には、やはり運用会社も販売会社も多すぎますよね。特に運用会社、スケールメリットがないと生き残れない低コストファンドを維持するには2~3社でも十分ではないかと。

      また多くの方が投資信託って何? 信託報酬って何?っていうのが現実かと思います。そういう方に対して良質なサービス(適切なアドバイス)を提供するなら、購入時手数料が必ずしも悪とは思いません。要は良心的と言われるFP、彼らも報酬をもらっているわけですから、その代わりを銀行が行えば良いのだと思います。