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【eMAXIS Slim 先進国株式、新興国株式】ベンチマークとの乖離はいかに? 第1回決算報告書の解説(2)。

投稿日:2018年6月26日 更新日:

三菱UFJ国際投信が運用するeMAXIS Slimシリーズが第1回目の決算を2018年4月25日に迎え、その運用報告書がアップされました。

各ファンドの実質コストは下記記事にまとめてありますので参照して下さい。

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ここでは、多くの方が注目している先進国株式、新興国株式について、ベンチマークとの乖離を解説します。

三菱UFJ国際投信の運用報告書は、ベンチマークとの乖離の成分分離を記載するなど、他社に比べ充実した内容ではありますが、なにせベンチマークが[除く配当]の為、分かりにくい部分があります。そこで、他のファンドと比較する事で、真のベンチマーク(*)との乖離を評価します。

(*)真のベンチマーク
実際のファンドでは、保有する株式から各国で源泉徴収された配当を受取ります。ベンチマークが[除く配当]のファンドであっても同じです。
ここでは、真のベンチマークを、配当込で、配当に対する各国の源泉徴収税率を適切に考慮した指数と定義します。
ただ、残念ながら、この指数を我々は知る事が出来ません。(MSCIのインデックスには配当課税を考慮したネットという指数もありますが、これが正確に各国の税率を反映しているかは???)
そこで、多くのファンドがコスト要因以外の乖離がないと仮定し、複数のファンドの騰落率とコストの関係を最小二乗法で直線近似し、そのY切片を真のベンチマーク(推定値)とします。要はコスト0の時の騰落率が真のベンチマークになるという事です。

 

eMAXIS Slim 先進国株式インデックス ベンチマークとの乖離は?

運用報告書記載のベンチマークとの乖離

乖離要因 乖離率
ベビーファンド起因 -0.2%
マザーファンド 組入比率要因 -0.1%
マザーファンド 銘柄選択要因 -0.1%
マザーファンド その他要因(配当など) +3.1%
合計 +2.7%

[除く配当]指数に対する乖離が+2.7%という事です。(小数点第1位までしか表記されていませんが、第2位まで直接計算すると+2.64%です。)

これだけでは、真のベンチマークに対する乖離が良く分かりません。

 

真のベンチマークとの乖離

真のベンチマークとの乖離を評価します。

今回の決算期間(422日)の騰落率と実質コストの関係を複数のファンドでプロットしたのが下図。

eMAXIS Slim先進国株式インデックス

図中、青色の点線が「配当除く指数」、グレーの点線が各プロットを直線近似した線、そして、そのY切片が真のベンチマークで、これを茶色の点線で示しています。

各値、及び今回のeMAXIS Slim先進国株式の決算期中の騰落率、そして、その乖離を下表にまとめます。

項目 各騰落率、乖離
eMAXIS Slim騰落率 11.17%
配当除く指数 騰落率 8.53%
(b)Slim 配当除く指数との乖離 +2.64%
真のベンチマーク騰落率 11.50%
(a)Slim 真のベンチマークとの乖離 -0.33%

先ず、eMAXIS Slimを含む多くのファンドがグレーの点線上に綺麗にのっている事から、真のベンチマークとのコスト起因以外の乖離は殆ど無いと推測できます。

そして、eMAXIS Slim 先進国株式は、配当除く指数に対しては、配当分(課税後)だけ+2.64%上振れし、

真のベンチマークからは、そのコストに起因した乖離が-0.33%あるという事です。

但し、運用報告書によると、(コスト以外の)運用による乖離(組入比率要因、銘柄選択要因)で-0.2%と記載されていますので、実際は、真のベンチマークとの乖離も、(コスト起因以外に)-0.2%あるのでしょう。ただ、前述のように多くのファンドが同一線上にのっている事から、この運用起因の乖離は、他のファンドでも同程度あると推測します。

尚、上図では、eMAXIS Slim先進国株式三井住友・DC外国株式インデックスファンドS(DC専用ファンド)より、若干コストも高く、騰落率も低くなっていますが、これは今回の決算期間で比較した為で、今後はeMAXIS Slimの方が高い騰落率を示す事になるでしょう。

 

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス ベンチマークとの乖離は?

運用報告書記載のベンチマークとの乖離

乖離要因 乖離率
ベビーファンド起因 -0.2%
マザーファンド 組入比率要因 -0.0%
マザーファンド 銘柄選択要因 0.0%
マザーファンド コスト要因 -0.1%
マザーファンド その他要因(配当など) 1.4%
合計 +1.1%

[除く配当]指数に対する乖離が+1.1%という事です。(小数点第1位までしか表記されていませんが、第2位まで直接計算すると+1.01%です。)

 

真のベンチマークとの乖離

真のベンチマークとの乖離を評価します。

今回の決算期間(268日)の騰落率と実質コストの関係を複数のファンドでプロットしたのが下図。

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

図中、青色の点線が「配当除く指数」、グレーの点線が各プロットを直線近似した線、そして、そのY切片が真のベンチマークで、これを茶色の点線で示しています。

各値、及び今回のeMAXIS Slim新興国株式の決算期中の騰落率、そして、その乖離を下表にまとめます。

項目 各騰落率、乖離
eMAXIS Slim騰落率 6.85%
配当除く指数 騰落率 5.84%
(b)Slim 配当除く指数との乖離 +1.01%
真のベンチマーク騰落率 7.20%
(a)Slim 真のベンチマークとの乖離 -0.35%

先進国株式よりは若干相関が悪くなりますが、eMAXIS Slimを含む多くのファンドがグレーの点線上に綺麗にのっている事から、真のベンチマークとのコスト起因以外の乖離は殆ど無いと推測できます。(ただ、評価した7本中3本が三菱UFJ国際のファンドで、ちょっと公平性に欠けるかな?)

そして、eMAXIS Slim 新興国株式は、配当除く指数に対しては、配当分(課税後)だけ+1.01%上振れし、

真のベンチマークからは、そのコストに起因した乖離が-0.35%あるという事です。

尚、運用報告書でも、(コスト以外の)運用による乖離(組入比率要因、銘柄選択要因)は無となっていますので、上記解釈で問題ないでしょう。

 

まとめ

以上、eMAXIS Slim先進国株式インデックスeMAXIS Slim新興国株式インデックスの第1回決算におけるベンチマークとの乖離を評価しました。

配当込、そして配当への源泉徴収税を適切に考慮した真のベンチマーク(推定値)に対して、両ファンドともコスト分下振れしているだけで、運用自体は問題ないようです。そして、その低いコストに応じた高い騰落率を示しています。

 

本記事で使った真のベンチマーク、及びベンチマークの種類(除く配当、グロス、ネット)等の詳細は下記記事も参照して下さい。
参考記事【インデックスファンド】運用報告書でのベンチマークとの乖離の見方、乖離0だから単純に素晴らしいファンドとは言えません。

 

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