ファンド比較、運用状況、決算

【eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー/除く日本/3地域均等型)】初回決算(2019年) 実質コスト、ベンチマークとの乖離。

投稿日:2019年7月1日 更新日:

 

eMAXIS Slim

三菱UFJ国際投信が運用し、全世界の株式に投資する低コスト・インデックスファンド eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)が2019年4月25日に決算を迎え、運用報告書がアップされましたので、その実質コスト、ベンチマークとの乖離をまとめます。

*記事中、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)eMAXIS Slim先進国株式インデックスeMAXIS Slim新興国株式インデックスの実質コストを使用しますが、これらも2019年4月の2期目決算の値です。

(注)ベンチマークとの乖離の評価は、他社ファンドの多くがコスト要因以外での乖離がないという仮定のもとで行い、管理人の主観・推測が含まれる事に注意して下さい。

[最終更新日:2019.7.5]eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の2019.6末時点の6か月騰落率の結果を追記。

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eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の実質コスト・ベンチマークとの乖離

日本を含む全世界の株式に投資し、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスとの連動を目指して運用するeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の実質コスト、ベンチマークとの乖離をまとめます。

実質コスト

今回が初回決算、設定日2018年10月31日ですので177日間の決算となります。

実質コストは運用報告書記載の値を年率換算して示します。

*年率換算は信託報酬/(運用報告書記載の信託報酬)から計算。また()内には日数換算(365/決算期間)で計算した結果も記載
*信託報酬、実質コストは税込み表記。

信託報酬実質コスト信託報酬以外
のコスト
0.15336%0.253%
(0.250%)
0.100%
(0.097%)

ライバルのSSGA 全世界株式インデックス・ファンドの信託報酬以外のコストが0.090%、楽天・全世界株式インデックス・ファンドが0.272(初回決算)~0.068%(2期目9ヶ月の途中結果)ですので概ね同等の値と言って良いでしょう。

 

個別インデックスファンドの組合せとの比較

個別のインデックスファンド、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)eMAXIS Slim先進国株式インデックスeMAXIS Slim新興国株式インデックスを7%:81%:12%の比率で組合せた場合の信託報酬、実質コストと比較します。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とは国内株式のベンチマークが異なります。

 信託報酬実質コスト
全世界株式(オール・カントリー)0.15336%0.253%
個別ファンドの組合せ0.12247%0.206%
差分0.031%0.048%

信託報酬でeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は個別ファンドの組合せに対して0.031%高くなりますが、実質コストでは若干差が広がります。
(実質コストの僅かな差異を議論しても意味がありませんので参考程度という事で。)

 

マザーファンド純資産総額(日本株式)

 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の国内株式部分は、MSCIジャパン・インデックス(配当込み)との連動を目指し、マザーファンド(日本株式インデックスマザーファンド)は本ファンドの設定と同時に新規設定されました。

設定時は3億の自己設定でスタートしましたが、決算時点で純資産総額 5.23億円。

ベビーファンドは本ファンドと機関投資家向けに1ファンド。本ファンドがマザーの42%を占めます。

 

ベンチマークとの乖離

 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のベンチマークはMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み・ネット)です。

ネットとは配当の源泉徴収税課税後の指数です。

ただし、配当込み・ネットでも、その配当課税率が(日本に対して)適切に計算されているという保証はありません。先進国株式(MSCI-Kokusai)の結果だと、適切に配当課税を考慮した「真のベンチマーク」はネットと配当課税を考慮しないグロスの中間のところにあるようです。詳細は下記記事をご覧ください。
参考記事【インデックスファンド】運用報告書でのベンチマークとの乖離の見方、乖離0だから単純に素晴らしいファンドとは言えません。

そこで、決算期間の騰落率をSSGA全世界株式インデックス・ファンド、及びeMAXIS Slim,たわらノーロード、SMT、eMAXISの個々のインデックスファンドを組合わせた場合(国内株式のベンチマークが異なります)の騰落率と比較する事で「真のベンチマーク」との乖離を調査します。

*騰落率と実質コストの関係を他のファンドと比較し、その直線の切片を「真のベンチマーク」と定義します。これが配当税率を適切に考慮した指数と推測されます。
*組合わせは国内:先進国:新興国=7%:81%:12%の比率で計算

 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

運用報告書記載のベンチマークとの乖離は-0.2%。これは上図中①に相当し正しくは-0.18%となります。これからコスト成分を除くと-0.06%の乖離という事になります。 

次に「真のベンチマーク」との乖離を求めていきます。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、SSGA全世界株式インデックスの騰落率から推定される「真のベンチマーク」が図中緑の点線で、配当込み指数(ネット)(赤点線)より下方に位置します。MSCI KOKUSAIやS&P500の経験から「真のベンチマーク」はネット指数より上方(プラス側)に位置するのが通常であり、これはちょっと変。2本とも乖離している可能性も否定できません。

一方、国内株式のベンチマークが異なりますが、個別ファンドの組合せを結んだ線から「真のベンチマーク」を出したのが図中青色の点線。配当込み指数(ネット)(赤点線)より上方にきます。

これと比較すると、 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の騰落率は-0.21%のマイナス乖離(図中②)、これからコスト成分を除くと-0.08%の乖離(図中③)となります。

勿論、個別ファンドの組合せは国内株式のベンチマークが異なる、さらに資産配分を固定比率にしているなど eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)との細かい違いを議論するには無理があります。あくまで、この数字は上記組み合わせに対する乖離だという点に注意して下さい。

いずれにせよ0.1%以下の乖離ですので、そう気にすることもないでしょう。

上述のコストも含めて、1本で全世界の株式に投資できる利便性が最大のメリットであるわけですから。

 

最近の運用実績

(2019.7.5追記)

上記結果は2019.4.25までの結果でしたが、最近の運用成績を見るため2019年6月末時点の6か月騰落率を見てみます。

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)

最近の結果では個別組合わせの結果とも概ね一致しており、コスト要因以外でのベンチマークとの乖離がない運用になっていると言って良いでしょう。

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の実質コスト・ベンチマークとの乖離

日本を除く全世界の株式に投資し、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)との連動を目指して運用するeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の実質コスト、ベンチマークとの乖離をまとめます。

実質コスト

今回が初回決算、設定日2018年3月19日ですので403日間、1年超の決算となります。

実質コストは運用報告書記載の値を年率換算して示します。

*年率換算は信託報酬/(運用報告書記載の信託報酬)から計算。また()内には日数換算(365/決算期間)で計算した結果も記載
*信託報酬、実質コストは税込み表記。

信託報酬実質コスト信託報酬以外
のコスト
0.15336%0.246%
(0.246%)
0.093%
(0.092%)

信託報酬以外のコストで比較すると同じ三菱UFJ国際投信のeMAXIS 全世界株式インデックスが0.086%で同程度、コスト的にライバルとなる野村つみたて外国株投信の0.0458%よりは高くなっています。これが騰落率にどう影響するかは後述。

 

個別インデックスファンドの組合せとの比較

個別のインデックスファンド、eMAXIS Slim先進国株式インデックスeMAXIS Slim新興国株式インデックスを87.5%:12.5%の比率で組合せた場合の信託報酬、実質コストと比較します。

 信託報酬実質コスト
全世界株式(除く日本)0.15336%0.246%
個別ファンドの組合せ0.11992%0.209%
差分0.033%0.038%

信託報酬でeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は個別ファンドの組合せに対して0.033%高くなりますが、実質コストでは若干差が広がります。ただ、これもそう気にするような値ではないでしょう。

 

ベンチマークとの乖離

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)のベンチマークはMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)で配当を含まない指数です。

*2019年7月1日よりベンチマークが配当込みに変更になります。

運用報告書記載のベンチマークとの乖離は+2.3%。ベンチマークが除く配当ですのでプラス側に乖離して当然で、この数字に殆ど意味はありません。

そこで、ここでは騰落率と実質コストの関係を他のファンドと比較し、その直線の切片を「真のベンチマーク」と定義することでベンチマークとの乖離を判定します。

また、ここでも個々のファンドを先進国:新興国=87.5%:12.5%で組み合わせた場合も同時にプロットします。

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

*ベンチマーク(除く配当)は騰落率6.75%と上図スケールの遥か下方にありプロットしていません。

他の全世界株式(除く日本)ファンド、及び個別ファンドとの組み合わせと同一直線上にのっている事から、コスト要因以外でのベンチマークとの乖離が殆どない安定した運用になっている事が分かります。

ただ、信託報酬で大きな差をつけている野村つみたて外国株投信に対して、実質コストではその差が小さくなり、結果的に騰落率の差も小さくなっています。それでも僅かですがeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)が有利な事には変わりません。

 

eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の実質コスト・ベンチマークとの乖離

日本、先進国、新興国の株式に1/3ずつを除く投資するeMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の実質コスト、ベンチマークとの乖離をまとめます。

実質コスト

今回が初回決算、設定日2018年4月3日ですので388日間、概ね1年の決算となります。

実質コストは運用報告書記載の値を年率換算して示します。

*年率換算は信託報酬/(運用報告書記載の信託報酬)から計算。また()内には日数換算(365/決算期間)で計算した結果も記載
*信託報酬、実質コストは税込み表記。

信託報酬実質コスト信託報酬以外
のコスト
0.15336%0.242%
(0.241%)
0.089%
(0.087%)

直接のライバルのファンドとなるのがニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)【愛称:ファンドパック3】で、これの信託報酬以外のコストが0344%と非常に高く参考になりませんが、上記、 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)と比べて遜色ない事から問題ないと言って良いでしょう。

 

個別インデックスファンドの組合せとの比較

個別のインデックスファンド、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)eMAXIS Slim先進国株式インデックスeMAXIS Slim新興国株式インデックスを1/3ずつの比率で組合せた場合の信託報酬、実質コストと比較します。

 信託報酬実質コスト
全世界株式(3地域均等型)0.15336%0.242%
個別ファンドの組合せ0.15440%0.240%
差分-0.001%0.002%

信託報酬で個別ファンドの組合せに対して0.001%低いeMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)、実質コストでは逆に0.002%高くなりますが殆ど誤差の範囲、全世界株式3本の中で唯一個別のインデックスファンドの組合せとコスト的に遜色ないファンドです。

 

ベンチマークとの乖離

eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)のベンチマークはTOPIX、MSCI KOKUSAI、MSCIエマージング・マーケット・インデックスを1/3ずつ配分した合成ベンチマークで配当を含まない指数です。

*2019年7月1日よりベンチマークが配当込みに変更になります。

運用報告書記載のベンチマークとの乖離は+1.6%。ベンチマークが除く配当ですのでプラス側に乖離して当然で意味のない数字です。

そこで、騰落率と実質コストの関係を他のファンド、及び個々のファンドを先進国、新興国、国内、それぞれ1/3ずつ組み合わせた場合と比較し、その直線の切片を「真のベンチマーク」と定義することでベンチマークとの乖離を判定します。eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)

1/3ずつ均等に配分するファンドはeMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の他、ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)【ファンドパック3】しかありませんので、個別インデックスファンドの組合せから「真のベンチマーク」を求めます。

この「真のベンチマーク」からeMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)は-0.57%乖離しており(図中②)、これからコスト成分を除いた乖離は-0.30%となります(図中③)。

個々のインデックスの組合せは毎日1/3の資産配分となるような条件で計算していますが、実際のファンドでの資産配分のリバランスのタイミングなどで差が生じるのかな・・・、良くわかりません。

他社の全世界株式インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較

(ベンチマークが異なるファンドも含めて)全世界の株式に投資する他社ファンドと信託報酬・実質コストを比較します。

(低コスト)全世界株式インデックスファンドの信託報酬・実質コスト比較
ファンド信託報酬
実質コスト
MSCI ACWI(日本を含む)
eMAXIS Slim
全世界株式
(オール・カントリー)
0.15336%
0.253%
(ステート・ストリート)
全世界株式
インデックス
0.5184%
0.608%
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
SBI・全世界株式
インデックス
0.150%
0.342%
楽天全世界株式
(楽天・バンガード)
0.2196%
0.492%
MSCI ACWI(除く日本)
eMAXIS Slim
全世界株式
(除く日本)
0.15336%
0.246%
野村つみたて
外国株投信
0.2052%
0.251%
三井住友・
DCつみたてNISA
全海外株
0.2700%
0.410%
eMAXIS
全世界株式
0.6480%
0.734%
3地域均等型
eMAXIS Slim
全世界株式
(3地域均等型)
0.15336%
0.242%
ニッセイ
インデックスパッケージ(内外・株式)
【ファンドパック3】
0.34992%
0.694%

日本を含む全世界の株式に時価総額比率で投資するファンド(MSCI ACWI、FTSEグローバル・オール・キャップ・インデックス)では、実質コストで見てもeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が最も低コストになっています。そして、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の場合、海外ETFを経由するFOFと異なり、日本から投資国へ直接投資することで配当に対する税金が余計に取られる事もありません。これも大きなメリットです。

日本を除くMSCI ACWIをベンチマークとするファンドでは、信託報酬最安値のeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)が実質コストでも最も低コスト、ただし、野村つみたて外国株投信との差が縮まります。

3地域均等型では、同じ資産配分のニッセイとの信託報酬、実質コストの差が大きく、eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の圧勝です。

 

まとめ

以上、eMAXIS Slimシリーズの中で全世界の株式に投資する3本、 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の初回決算にみる実質コスト、ベンチマークとの乖離のまとめです。

3本とも信託報酬以外のコストがそう高くなることもなく、まずまずの結果と言って良いでしょう。

ベンチマークとの乖離は、「除く日本」を除いて他社類似ファンドが一つしかなく、正確なところはわかりません。ただ、少なくとも他社ファンドより騰落率で勝っており、ベンチマークとの乖離もそう大きいという事はないでしょう。(3地域均等型がちょっと大きいかな?)

いずれも、1本のファンドで全世界の株式に投資したい方にとって良い選択肢の一つとなるファンドです。

 

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の決算結果は下記記事を参照して下さい。

eMAXIS Slimシリーズの他のファンドの決算結果は下記記事を参照して下さい。

全世界株式インデックスファンドの最新の人気・運用状況は下記下記記事を参照して下さい。

 

eMAXIS Slimシリーズはネット証券、ネット取引など購入先が一部金融機関に限られています。
販売会社 SBI証券楽天証券マネックス証券カブドットコム証券SMBC日興証券(ダイレクトコース)松井証券など。
(上記販売会社でも全商品を取り扱っているとは限りません)

主なインデックスファンドの一覧(信託報酬・実質コストなど)は下記ページを参照して下さい。(今回のeMAXIS Slimシリーズの決算結果も反映済)

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