ファンド評価・解説・比較

【米国株式インデックスファンドの評価】2018年人気(資金流出入額)ランキング、運用成績の比較。

投稿日:2018年8月3日 更新日:

米国株式(NYダウ、S&P500など)との連動を目指すインデックスファンドについて、純資産総額、資金流出入額、運用成績(ベンチマークとの乖離)を調査します。

[最終更新日:2018.8.3]2018年7月末日時点の情報に更新

*本記事は2018年7月末日時点の情報に基づき記載しています。

ベンチマークとの乖離は、月報・運用報告書に記載されていますが、その値を他社のファンドと比較する事は出来ません。各社、同じベンチマークでも、配当込・除く、配当課税有無、円換算レートなどの影響でベンチマーク騰落率がファンドにより異なるからです。そこで、 本サイトでは騰落率とコストの関係からベンチマークの乖離を評価していきます。

参考記事【インデックスファンド】運用報告書でのベンチマークとの乖離の見方、乖離0だから単純に素晴らしいファンドとは言えません。

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比較した米国株式インデックスファンドの信託報酬・純資産総額

比較したファンド、及び、その信託報酬・実質コスト、2018年7月末時点の純資産総額を下表にまとめます。(信託報酬の低い順に並べてあります)

*信託報酬・実質コストは税込み

ファンド 信託報酬
(実質コスト)
設定日 純資産総額
(億円)
NYダウ
iFree NYダウ・インデックス 0.243%
(0.319%)
2016/9/8 68.9
たわらノーロード NYダウ 0.243%
(0.525%)
2017/3/21 10.8
SMT ダウ・ジョーンズ インデックスオープン 0.540%
(0.564%)
2013/11/19 67.2
eMAXIS NYダウインデックス 0.648%
(0.734%)
2013/8/7 76.5
日興インデックスファンドNYダウ30(アメリカ株式) 0.670%
(0.831%)
2014/3/31 13.8
S&P500
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.1728%
(---)
2018/7/3 9.3
iFree S&P500インデックス 0.243%
(---)
2017/8/31 53.0
iシェアーズ米国株式インデックス・ファンド 0.405%
(0.490%)
2013/9/3 28.3
SSGA米国株式インデックス・ファンド 0.486%
(0.543%)
2017/9/29 14.0
S&P500配当貴族指数
野村インデックスファンド・米国配当貴族指数[Funds-i] 0.540%
(0.869%)
2017/1/10 43.4
SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン 0.594%
(0.779%)
2016/8/30 6.8
CRSP USトータル・マーケット・インデックス[VTI]   
楽天・全米株式インデックス・ファンド 0.1696%
(---)
2017/9/29 161.8
FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス[VYM]   
楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド 0.2096%
(---)
2018/1/10 11.5

最新の信託報酬・実質コスト等は下記記事を参照して下さい。

 

NYダウ (ダウ・ジョーンズ工業株価平均)

NYダウとの連動を目指すインデックスファンドで信託報酬最安値は、iFree NYダウ インデックスたわらノーロードNYダウの0.243%。ただし、たわらノーロードの実質コストは0.525%と、信託報酬以外のコストが非常に大きくなっています。

ファンド純資産総額が大きいのはeMAXIS NYダウインデックス。しかし、設定から僅か2年にも満たないiFreeが猛追しており逆転するのも時間の問題でしょう。

 

S&P500

S&P500との連動を目指すインデックスファンドは数が少ないですが、iFree S&P500インデックス(実質コストは未だ不明)がファンド純資産総額で最も大きくなっています。

しかし、2018年7月3日に設定されたeMAXIS Slim米国株式(S&P500)が信託報酬最低水準となり、僅か1カ月で約10億と、このペースでいけばiFreeを早い時期に抜き去る事でしょう。

 

S&P500配当貴族指数

S&P500配当貴族指数との連動を目指すインデックスファンドは野村インデックスファンド・米国配当貴族[Funds-i]SMT 米国株配当貴族インデックス・オープンの2本。信託報酬はFunds-iの方が若干低いですが、その実質コストは若干高くなっています。

純資産総額は、Funds-iが、設定が新しいにも関わらずSMTより断然大きくなっています。

 

楽天・バンガード・ファンド

それぞれ米国バンガード社のETF VTI、及びVYMに投資する楽天・全米株式インデックス・ファンド楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド

楽天・全米株式インデックス・ファンドは設定から僅か10カ月(2018.7月末)で160億円を突破しています。今回比較する米国株式インデックスファンドの中で最も純資産総額の大きいファンドという事になります。

楽天・米国高配当株式インデックス・ファンドは、設定から約7カ月、純資産総額はあまり伸びていません。

 

資金流出入額 (米国株式インデックスファンド・人気ランキング)

2018年7月の概算の月次資金流出入額(*)、及び2018年の累計(1~7月の7カ月間の合計)を見てみます。

7月の資金流出入額の大きい順にならべてあります。

どのファンドが多く購入されているかの人気ランキングになりますが、純資産が増える事は、それだけ安定した運用にもつながりますし、繰上償還のリスクも減ります。

ただの人気ランキングとしてではなく、ファンド選択の重要な指標の一つとしてみて下さい。

(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出。
例えば、3月5日の日次資金流出入額は
(3月5日の純資産総額) - (3月4日の純資産総額) x (日次騰落率 + 1)で計算し、
これを1カ月分足して月次資金流出入額としています。
但し、iシェアーズ、SSGAは日次データが入手できなかった為、月次データから計算しています。

米国株式インデックスファンド 資金流出入額
2018年7月 2018年累計
順位 ファンド (億円) 順位 (億円)
1 楽天・全米株式インデックス 20.87 1 117.75
2 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 9.32 8 9.32
3 野村インデックスファンド・米国株式配当貴族 3.88 2 27.10
4 iFree S&P500インデックス 2.11 4 21.89
5 iFree NYダウ・インデックス 0.66 3 23.55
6 楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド 0.51 7 11.27
7 SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン 0.18 13 0.24
8 たわらノーロード NYダウ 0.06 10 3.21
9 日興インデックスファンドNYダウ30(アメリカ株式) -0.31 12 1.20
10 iシェアーズ米国株式インデックス・ファンド -0.38 11 3.16
11 eMAXIS NYダウインデックス -0.63 5 18.73
12 SSGA米国株式インデックス・ファンド -1.14 9 8.56
13 SMT ダウ・ジョーンズ インデックスオープン -5.32 6 14.95

 

1位 楽天・全米株式インデックス・ファンド (楽天・バンガード・ファンド)

圧倒的に人気を集めたのが楽天・バンガード・ファンドの一つである楽天・全米株式インデックス・ファンド、通称、楽天VTI

設定当初から毎月10億円以上の資金流入が続いていおり、2018年6月、7月とさらに増加傾向にあります。2018年7月の月次資金流入は20億円を超えました。

楽天・全米株式インデックス

 

2位 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

2位はS&P500との連動を目指すeMAXIS Slim米国株式(S&P500)。2018年7月3日の設定ですが、いきなりの2位で、9.3億円を集めています。

今までS&P500連動型インデックスファンドで最も売れていたiFree S&P500インデックスと比較したのが下図。

eMAXIS Slimが圧倒的な強さを見せています。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) & iFree S&P500インデックス

 

3位 野村インデックスファンド・米国株式配当貴族[Funds-i]

S&P500 配当貴族指数との連動を目指す野村インデックスファンド・米国株式配当貴族指数が3位となっています。

2017年10月以降、急に資金流入が増えています。

野村インデックスファンド・米国株式配当貴族[Funds-i]

 

4位 iFree S&P500インデックス

S&P500連動型インデックスファンド、iFree S&P500インデックスが4位となっています。

設定当初から人気があり、(2018年1月を除き)コンスタントに数億円規模の資金流入が続いていましたが、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の登場で大きく落ち込んでいます。

iFree S&P500インデックス

 

5位以下

5位はiFree NYダウインデックス、NYダウ連動型では1位となります。

苦戦しているのがたわらノーロードNYダウ。設定が新しく、iFreeと同一信託報酬ながら、その実質コストが高いのも敬遠されている理由でしょう。

また、今月最下位で資金流出となったSMT ダウ・ジョーンズ インデックスオープンは、月次資金流出入の変動が激しく安定していないようです。

 

リターンの比較。実質コスト(信託報酬+α)が騰落率に反映されているか?ベンチマークとの乖離(トラッキングエラー)は?

各インデックスの騰落率の比較

先ずは2018.7月末日時点の6カ月、1年騰落率を比較してみます。各ベンチマークで代表的な(運用期間が長い)ファンドで比較します。

直近半年、1年間のリターン
インデックス(ファンド) 6カ月騰落率 1年騰落率
NYダウ(iFree) -0.14% 18.64%
S&P500(iシェアーズ) 1.96% 15.21%
S&P配当貴族(SMT) 0.02% 13.50%
CRSP USトータル・マーケット[VTI](楽天・全米) 2.58% ---%
FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス[VYM](楽天・米国高配当) -0.46% ---%

直近1年で見ると、NYダウが最も良い成績を残しています。

6ケ月では、CRSP USトータル・マーケット・インデックス(VTI、楽天・全米株式)の騰落率が高くなっています。

次にNYダウS&P500について直近4年間の年率リターン、リスク、シャープレシオをまとめます。

尚、参考までに先進国株式(MSCI Kokusai)とも比較します。

直近4年間のリターン・リスク 
インデックス(ファンド) 年率リターン 年率リスク シャープレシオ
NYダウ(SMT) 14.87% 16.92% 0.88
S&P500(iシェアーズ) 12.48% 16.06% 0.78
MSCI kokusai(SMT) 9.33% 15.78% 0.59

直近4年間で見ても、NYダウがリターンで勝り、若干リスクは高くなっていますが、シャープレシオは大という結果です。

NYダウS&P500を、先進国株式[MSCI kokusai]と比較すると、リータンは大きく上回り、リスクは若干高くなっているもののシャープレシオでは勝っています。ここ数年の米国株式の強さがわかります。勿論、今後もこの成績が続くかどうかはわかりません。

 

ベンチマークとの乖離(トラッキングエラー)

NYダウS&P500に連動を目指す各インデックスファンドのベンチマークとの乖離(トラッキングエラー)を調べます。

騰落率と実質コストの関係から乖離を評価します。

ここでは、多くのファンドがベンチマークとの乖離がないであろうという前提のもと、これから外れたファンドを乖離が大きいと判定します。

*騰落率は各ファンドの基準価額から「しんたろう」が独自に計算した結果です。
*実質コストに対する騰落率を見ていきますが、期中に信託報酬の変更があったファンドは、その期間に応じて按分した実質コストを用います。
*騰落率は全て分配金再投資時(分配金課税無)の基準価額より計算。

騰落率とコストの関係は、理想的にはインデックス騰落率から決まる傾き、切片の直線になります。ただ、外国株式の場合、配当課税を適切に考慮したインデックス騰落率がわかりませんので、管理人の主観で、図中グレーの点線を引いています。

 

NYダウ連動型インデックスファンドのベンチマークとの乖離

3カ月騰落率、1年騰落率

2018.7末日時点の3カ月騰落率、1年騰落率と実質コストの関係を見てみます。

NYダウ・インデックスファンド

NYダウ・インデックスファンド

概ね各ファンドとも、そのコストに応じた騰落率を示していますが、SMTが若干上振れしているように見えます。

そして最もコストの低いiFreeが、騰落率でもトップとなっています。(信託報酬はたわらと同じですが、実質コストが大きく異なり、その差が騰落率に表れています)

 

S&P500連動型インデックスファンドのベンチマークとの乖離

データ数を増やすため、日興AMのETF(1547) 上場インデックスファンド米国株式(S&P500)を追加します。(分配金再投資)
*1547は、現在、先物運用ですが、現物運用への変更、さらに信託報酬引下げ、そしてつみたてNISA対象となるよう約款変更を予定しています。

3カ月騰落率、6カ月騰落率

同じように2018.7末日時点の3カ月騰落率、そして対象ファンド3本中2本が設定から1年経っていませんので、6カ月騰落率と実質コストの関係を見てみます。

尚、iFreeは実質コストが初回決算前で不明の為、信託報酬でプロットしてあります。

S&P500・インデックスファンド

S&P500・インデックスファンド

理想的には図中点線上に各ファンドがのらなければいけないのですが、騰落率のコスト依存性があまり明確ではありません。(特に3カ月)

そして、どのファンドが、よりベンチマーク通りに運用されているのか明確な判断は出来ません。

ただ、その中で、最も低コストのiFreeが騰落率でもトップとなっています。6カ月騰落率を見る限り、少なくとも大きな乖離を起こしているような事はないでしょう。

*ETF 1547は、マイナス側に大きく乖離してます。現物運用への変更が待たれます。

尚、2018年7月3日設定のeMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、7月末日時点で1カ月経過していない為、別途評価しまとめる予定です。

 

おすすめの米国株式との連動を目指すインデックスファンドは?

(注)「おすすめ」というのは必ず利益が出るという意味ではありません。他の類似ファンドに比べ、同等以上の成績を残すであろうと管理人の主観・推測で選んだものです。最終的なファンドの選択はご自身の判断で行ってください。

NYダウ

iFree NYダウ・インデックス

設定から1年半以上たち、順調に純資産を伸ばしている事、そして低いコストに応じた高い騰落率となっています。

 

S&P500

信託報酬最安値のiFree S&P500インデックス

でしたが、

さらに信託報酬の低いeMAXIS Slim米国株式(S&P500)が登場し、その運用の安定性が確認出来たら、eMAXIS Slimの方が良いでしょう。

 

楽天・バンガード・ファンド(全米株式)

CRSP USトータル・マーケット・インデックス、そしてVTIに気軽に投資できるファンドとしては唯一の存在。

まだ実質コストがどうなるか、乖離はどうなのか等、不明な点もありますが、既にこれだけの人気を集めているのですからコメントするまでもないでしょう。

ただ、慎重を期す方は、1回目の決算を待った方が良いかと思います。

 

まとめ

以上、米国株式に投資するインデックスファンドについて、純資産総額、資金流出入額、騰落率、及びベンチマークとの乖離を調査しました。

圧倒的な人気を誇るのが楽天・全米株式・インデックスファンド。毎月10億円以上の資金流入があり、純資産総額も既に160億円を超えています。

NYダウでは、iFree NYダウ・インデックス。低い信託報酬と、それに応じた高い騰落率で、純資産総額も古参のSMTを追い越し、eMAXISにも迫る勢いです。

S&P500は、2018年7月に新規設定されたばかりのeMAXIS Slim米国株式(S&P500)が、今まで人気だったiFree S&P500インデックスを資金流入額で早くも追い越しています。

 

楽天・全米株式インデックスファンドeMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、

販売会社 SBI証券楽天証券 マネックス証券カブドットコム証券

などのネット証券で取扱っています。

 

 

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