ニッセイアセットマネジメント(株)が運用する「げんせん投信」の人気・パフォーマンスを調査します。
[最終更新日:2020.12.21]全て最新の情報に更新
(*)本記事は基本的に2020年11月末日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
げんせん投信とは
国内株式を投資対象としたアクティブファンドで、ニッセイアセットマネジメントが特設ページを開設するなど力を入れていると思われるファンドです。
ファンドの基本情報(信託報酬・純資産総額など)
げんせん投信の基本情報を下表にまとめます。
運用会社 | ニッセイアセットマネジメント(株) |
投資対象 | 国内株式 |
ベンチマーク | 無 |
参考指数 | TOPIX(配当込) |
設定日 | 2017年6月2日 |
信託期間 | 無期限 |
購入時手数料 | 最大2.2% *主要ネット証券では無料 |
信託報酬(税込) | 1.0175%(純資産総額500億円以下) 0.9075%(純資産総額500億円超) 0.7920%(純資産総額1,000億円超) |
実質コスト | 1.288% (2020.8.31決算時点) |
信託財産留保額 | 無 |
ファンド純資産総額 (2020.12.18時点) | 249(百万円) |
分配金実績 | 無 |
SBI証券ポイント還元 (年率) | 0.10% (対象投資信託1,000万円以上保有で0.20%) |
楽天証券ポイント還元 (年率) | ---%(*) |
松井証券現金還元 (年率) | 0.15% |
(*)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更。
コスト(信託報酬など)
信託報酬は1.0175%(税込)。
実質コストでも1.288%ですので、アクティブファンドとしては比較的低い方でしょう。
尚、純資産総額(500億円以上)に応じて信託報酬が下がる手数料体系を採用していますが、現状から推測すると、500億円到達はまだまだ先の事でしょう。
投資方針
1.日本企業の株式に投資。
株式市場が大幅に下落する可能性が高いと判断した場合、株式組入比率を引き下げる場合がある。
2.長期的な観点から、収益力向上により株価上昇が期待される銘柄に厳選して投資。
3.財務データだけでなく、競争力の源泉である、経営力・組織力などを重視した銘柄選定
~交付目論見書より抜粋して引用~
組入銘柄
*2020年11月末日時点の情報に基づき記載。(2020年11月マンスリーレポートより引用)
組入れ銘柄数は48、そう多くはありません。
市場別組入比率
市場 | 銘柄数 | 比率 |
東証1部 | 42 | 93.3% |
東証2部 | 1 | 2.9% |
ジャスダック | --- | --- |
その他 | 5 | 3.7% |
合計 | 48 | 100% |
組入上位10銘柄
銘柄 | 比率 | |
1 | 日本電産 | 5.0% |
2 | キーエンス | 4.4% |
3 | 信越化学工業 | 4.3% |
4 | ダイキン工業 | 3.9% |
5 | 伊藤忠商事 | 3.9% |
6 | リクルートホールディングス | 3.7% |
7 | TOTO | 3.4% |
8 | マツモトキヨシホールディングス | 3.0% |
9 | 田岡化学工業 | 2.9% |
10 | 住友金属鉱山 | 2.9% |
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げんせん投信の運用状況・成績
参考指数であるTOPIX(配当込)と比較する事で今までのげんせん投信のパフォーマンスを評価します。
尚、TOPIXは野村AMのNEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(ETF:1306)の基準価額(分配金再投資)を用います。
基準価額のチャート
げんせん投信が設定された2017年6月2日を基準(=10,000)としたチャートを示します。
基本的にはげんせん投信がTOPIXを上回っているように見えます。ただ2018/12、2020/3の急落時にはTOPIXと概ね同一水準まで下げているようにも見えます、
以下、詳細に比較していきます。
設定来のリターン
2017年6月2日から2020年11月末日までの3年5カ月のリターン・リスク(年率換算)を比較します。
*シャープレシオは無リスク資産のリターン0で計算。
一般的にシャープレシオが大きい方が投資効率が良い、優秀なファンドという事になります。
げんせん投信 | TOPIX | |
年率リターン | 7.37% | 4.81% |
年率リスク | 17.39% | 16.40% |
シャープレシオ | 0.42 | 0.29 |
未だ約3年半と評価するには十分な運用期間とは言えませんが、この期間においてはげんせん投信がTOPIXをリターンで2.6%pt上回っています。若干リスクは高くなるもののシャープレシオでも勝っています。
設定から現時点までのパフォーマンスとしては十分良好な結果と言って良いでしょう。
1年間騰落率 年別比較
アクティブファンドの評価として重要な要素は、常にインデックスに対して勝ち続ける事が出来るかという点です。
そこで1年騰落率(リターン)を年別に比較してみます。
*2020年は11月まで。
2017年は設定日6月2日より。
騰落率が高い方 |
げんせん投信 | TOPIX | 差 | |
2020年 | 12.8% | 4.2% | 8.5% |
2019年 | 18.9% | 18.0% | 0.9% |
2018年 | -18.4% | -16.1% | -2.4% |
2017年 | 19.2% | 13.9% | 5.3% |
僅か4年分のデータですが、げんせん投信はTOPIXに3勝1敗、特に2020年は好調で8.5%ptもの差をつけています。
2020年2~3月のコロナショックでの暴落から、TOPIX以上の速さで急回復したことが寄与していると思われます。
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げんせん投信の人気・評判
月次資金流出入額、純資産総額からげんせん投信の人気・評判を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
設定当初は多少売れたものの、2019年以降は資金流出が続いています。
純資産総額も一時は5億を超えましたが、今は2.5億に留まっています。
人気はありません。
まとめ
国内株式に投資するアクティブファンドであるげんせん投信。
信託報酬はアクティブファンドとしては比較的低コストの部類に入ります。
まだ設定から3年半、評価を下すには早計ですが、取り合えず、今までの成績はまずまず、特に2020年はTOPIXを大きく上回る成績を残しています。
ただし、難点は売れていない事。最近は資金流出が続いています。現時点では販売会社が少数のネット証券に限られていますが、もっと広く銀行などでも取り扱うようにならないと厳しいのかもしれません。
販売会社
下記ネット証券で、購入時手数料無料で購入できます。2020.11末時点で下記4証券のみでしか購入できません。
ポイント・現金還元という点では、信託報酬(販売会社取り分)の0.3%(税抜)を超える分を還元する松井証券が有利です。
SBI証券
投資信託保有で毎月Tポイント/Pontaポイント/dポイントがもらえます。さらにT or Pontaポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
公式サイト SBI証券
楽天証券
楽天ポイントで投資信託を購入出来ます。また、楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます(上限5万円/月)。勿論ポイント還元があります。
公式サイト楽天証券、楽天カード
松井証券
松井証券は、複数の投資信託を積立する際、設定したポートフォリオ(配分比率)になるよう自動的に購入商品・金額を調整してくれる「リバランス積立」が魅力(無料で利用可能)。
また信託報酬に応じた現金・ポイント還元もあり、信託報酬販売会社取り分が高いファンドだと最も有利になります。
公式サイト松井証券
その他のネット証券
岡三オンライン。
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