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今まで3回にわたって書いてきました「本当に必要な老後資金」。
第1回本当に必要な老後資金(1) ~インフレを考慮した年齢別の必要資金~
第2回本当に必要な老後資金(2) ~インフレを考慮した年齢別の必要資金~ 64歳まで働いた場合
第3回本当に必要な老後資金(3) ~今から準備する場合、年間いくら積立てたらよいか?~
最終回は番外編として、早期退職・アーリーリタイアを考えている方の為に、「いくらあったら早期退職出来るか」、を計算してみます。
ここ数年、早期退職募集のニュースをよく聞くようになりました。大企業と言えども安泰ではありません。自らの意思で、あるいは致し方なく退職に追い込まれる方も多いかと思います。勿論、再就職先があれば問題ないのですが、年齢が上がるほど再就職が難しくなってくるのも事実です。
そして、早期退職、アーリーリタイアという道を選択する事になるかもしれません。「しんたろう」も、その一人です。「しんたろう」の場合、自らの意思で辞めたのですが、その決断が出来たのは、それなりに(質素ですが)生きていく為の資産を築く事が出来たからです。
さて、前置きが長くなりましたが、実際の計算結果をお見せします。
尚、早期退職する(その後年金以外の収入無)以外は、全て今までと同じ前提で計算しています。
参考記事本当に必要な老後資金(1) ~インフレを考慮した年齢別の必要資金~
インフレは2%、マクロ経済スライドによるスライド調整率は1.3%としました。
貯蓄・資産運用の年利回りはインフレ率と同じ、即ち2%としています。
見出し
早期退職・アーリーリタイアする為に必要な資産
支出は、最低限、プチゆとり、ゆとりの3種類、
収入は、夫婦合わせて65歳から266万円の年金のみ、90歳まで生きる事、そして退職後は年金以外の収入は無い事が前提です。
尚、教育費や住宅費は入れていませんので、別途用意するか、あるいはすでに子供が独立、住宅も購入済(ローン残高無)が条件です。
必要な資産額
厚生年金(含む夫婦の基礎年金) 現在価額で年額266万円の場合。
退職年齢 | 最低限の生活 (年間支出264万円) | プチゆとり (年間支出350万円) | ゆとりある生活 (年間支出425万円) |
45歳 | 7,605万円 | 11,561万円 | 15,002万円 |
46歳 | 7,282万円 | 11,152万円 | 14,518万円 |
47歳 | 6,957万円 | 10,741万円 | 14,032万円 |
48歳 | 6,632万円 | 10,330万円 | 13,546万円 |
49歳 | 6,305万円 | 9,917万円 | 13,059万円 |
50歳 | 5,978万円 | 9,504万円 | 12,571万円 |
51歳 | 5,651万円 | 9,091万円 | 12,083万円 |
52歳 | 5,322万円 | 8,676万円 | 11,593万円 |
53歳 | 4,992万円 | 8,260万円 | 11,103万円 |
54歳 | 4,662万円 | 7,844万円 | 10,612万円 |
55歳 | 4,331万円 | 7,427万円 | 10,120万円 |
56歳 | 3,999万円 | 7,009万円 | 9,627万円 |
57歳 | 3,666万円 | 6,590万円 | 9,133万円 |
58歳 | 3,332万円 | 6,170万円 | 8,638万円 |
59歳 | 2,997万円 | 5,749万円 | 8,142万円 |
60歳 | 2,661万円 | 5,327万円 | 7,646万円 |
55歳以下で早期退職し、ゆとりある生活を送ろうと思ったら、1億円以上の資産が必要という事です。きっと、こんな方もいらっしゃるんでしょうね、あー、うらやましい。。。
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厚生年金の減額を考慮した場合
おっと、ここで忘れていけないのが、早期退職、アーリーリタイアすると厚生年金が減ってしまう事です。(当然、国民年金は60歳になるまで保険料を払うという前提です。)
そこで、この厚生年金の減額分を計算に入れてみます。
年金の削減額は、概ね下記の式で計算できます。
(60歳 - 早期退職年齢) x 12カ月 x 平均標準報酬額 x 5.481/1000
もともと、年金額を266万円としたのは、平均標準報酬額が月額42.8万円(賞与込み)という前提ですので、この値を使って年金削減額を求め、再度、必要な資産額を計算してみます。
退職年齢 | 最低限の生活 (年間支出264万円) | プチゆとり (年間支出350万円) | ゆとりある生活 (年間支出425万円) |
45歳 | 8,326万円 | 12,282万円 | 15,723万円 |
46歳 | 7,963万円 | 11,833万円 | 15,199万円 |
47歳 | 7,598万円 | 11,382万円 | 14,674万円 |
48歳 | 7,231万円 | 10,929万円 | 14,146万円 |
49歳 | 6,863万円 | 10,475万円 | 13,616万円 |
50歳 | 6,492万円 | 10,018万円 | 13,084万円 |
51歳 | 6,119万円 | 9,559万円 | 12,551万円 |
52歳 | 5,743万円 | 9,097万円 | 12,015万円 |
53歳 | 5,366万円 | 8,634万円 | 11,476万円 |
54歳 | 4,986万円 | 8,168万円 | 10,936万円 |
55歳 | 4,605万円 | 7,701万円 | 10,394万円 |
56歳 | 4,221万円 | 7,231万円 | 9,849万円 |
57歳 | 3,834万円 | 6,758万円 | 9,302万円 |
58歳 | 3,446万円 | 6,284万円 | 8,752万円 |
59歳 | 3,055万円 | 5,807万円 | 8,200万円 |
60歳 | 2,661万円 | 5,327万円 | 7,646万円 |
支出額に関わらず、45歳退職で721万円、50歳で513万円、55歳で274万円、必要な資産額が増えます。
早期退職される方は、給与がなくなるだけでなく、厚生年金の受給額も減額されるという事を頭に入れておいてください。
まとめ
最低限の生活であれば、45歳で8,326万円、50歳で6,492万円の資産があれば早期退職・アーリーリタイア可能という結果です。持家かつ、お子さんが独立している、かつ死ぬまで普通の生活が送れるという前提です。
あくまで、いくつかの仮定のもとに計算した結果ですので、特に若い方程、誤差が大きくなる事をご承知おきください。45歳と言えば、65歳の年金受給まで20年、その時、年金制度がどうなっているかなんて予想もつきませんし、ひょっとしたら受給年齢がさらに引き上げられてしまう可能性だって否定できません。
また、「しんたろう」は早期退職・アーリーリタイを勧めるつもりもありません。
早期退職・アーリーリタイアなんて全く考えていない方、もし、それぞれの年齢に応じて上の表のような資産があれば、生活の為ではなく、後は生きがいとして仕事できると言う見方も出来ます。この金額を貯蓄・資産運用の目標とされるのも良いのではないでしょうか。
資産運用・投資について
以上の計算は少なくとも資産運用としてインフレ率以上の利回りを確保する事が必要です。だからといって、いきなり投資に走らなくても、定期預金でも十分金利の高い銀行、信用金庫があります。
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参考記事初心者のインデックスファンドの選び方。~初めてインデックス投資を行う方へ~
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