アセットマネジメントOneが運用し、20年を超える長期の運用実績を誇るマネックス・日本成長株ファンド、国内株式に投資するアクティブファンドです。
そのマネックス・日本成長株ファンドのパフォーマンスを、国内株式の代表的指数で本ファンドの参考指数となっているTOPIXとの比較も含めて評価します。
[最終更新日:2021.5.17]全て最新の情報に更新。
初版。本記事は原則2021年5月末日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
マネックス・日本成長株ファンド (愛称:ザ・ファンド@マネックス)の基本情報
先ず、マネックス・日本成長株ファンドの基本情報をまとめます。
運用会社 | アセットマネジメントOne |
設定日 | 2000年7月26日 |
信託期間 | 無期限 |
運用形態 | アクティブファンド |
投資形態 | --- |
ベンチマーク | 無 |
参考指数 | TOPIX(除く配当) |
購入時手数料 | 無(ノーロード) |
信託財産留保額 | 0.3% |
信託報酬(税込) | 1.617% (*1) |
実質コスト | 1.708%(*2) |
純資産総額 | 49.02億円(2021.5.14時点) |
マザーファンド 純資産総額 | --- |
分配金実績 | 有 |
つみたてNISA | 対象外 |
個人型確定拠出年金(iDeCo) | --- |
SBI証券ポイント還元年率 | SBI証券、楽天証券での取扱い無し (マネックス証券のみの取り扱いです) |
楽天証券ポイント還元年率 | |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.08% |
(*1)2017年10月26日に2.16%より引き下げられました。
(*2)2020.7.27決算時点。
マネックス・日本成長株ファンドは、マネックス証券のみで取り扱っているファンドで、設定が2000年と古く長い運用実績を誇るファンドです。
信託報酬は、2017年に引き下げられたとはいえアクティブファンドだけあって1.617%(税込)と決して低くはありません。
マネックス・日本成長株ファンドの運用方針、投資対象
運用方針
1.下記に該当するインターネット関連企業の株式を中心に投資
・インターネットの各種インフラを構築する企業
・インターネットをビジネスのインフラとして活用する企業2.ファンドに組み入れるひとつひとつの銘柄の選択を重視した運用
マネックス・日本成長株ファンド 交付目論見書(2021/4)より抜粋して引用。
ベンチマークはありません。参考指数はTOPIX(除く配当)となっています。
尚、交付目論見書上は30%の範囲内で外貨建て資産への投資を行う事もあります。(原則として日本に事業展開している企業に限る)
投資対象
2021年4月末時点の銘柄総数は97銘柄(すべて国内株)、組入上位10銘柄は下記のようになります。
画像引用:マネックス・日本成長株ファンド マンスリーレポート(2021/4)
主に新興企業、中小型株を中心に投資するファンドです。
マネックス・日本成長株ファンドのパフォーマンス (TOPIXと比較)
*以下、年率リターン・リスクは月次データ(終値)より計算。またシャープレシオは、無リスク資産の収益率0としています。
*基準価額は、各運用会社のサイトまたは投資信託協会より入手。分配金がある場合は、分配金再投資の価額に独自に変換。
*TOPIXは野村 NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信【1306】のデータ使用。
基準価額のチャート
マネックス・日本成長株ファンドの設定日は2000年7月26日ですが、比較対象とするTOPIX(ETF:1306)の設定日に合わせ2001年7月11日を基準(10,000)として規格化した基準価額のチャートを示します。
チャートを見る限り、マネックス・日本成長株ファンドは、参考指数のTOPIXを大きく上回る成績(アウトパフォーム)を残しており、特に2004~2005年、および2013年以降の成績が良好のように見えます。
*参考指数は配当抜きのTOPIXですが、本記事では配当込みで比較していきます。
以下、運用成績を詳細に分析していきます。
設定来の運用実績(リターン・リスク)
設定日からは1年遅れますがTOPIX[1306]に合わせ2001.7~2021.4の19年9ヶ月のリターン・リスクを見てみます。
マネックス・日本成長株 | TOPIX | |
年率リターン | 9.84% | 4.15% |
年率リスク | 21.84% | 17.30% |
シャープレシオ | 0.45 | 0.24 |
*一般的にシャープレシオが大きいほど投資効率が良いとされています。
マネックス・日本成長株ファンドはTOPIXをリターンで大きく上回り、若干リスクが大きいものの、シャープレシオでも倍近い好成績となっています。
ひふみ投信、ジェイリバイブなど国内中小型株ファンドとの比較
国内中小型株を主な投資対象とする代表的なファンドとマネックス・日本成長株ファンドを比較します。
比較したファンドは10年以上の運用実績がある下記ファンド。
(各ファンドの詳細はファンド名をクリックして下さい)
2021年4月末日時点の10年間のパフォーマンスを比較します。
ファンド | リターン (年率) | リスク (年率) | シャープ レシオ |
マネックス・日本成長株 | 21.41% | 20.95% | 1.02 |
ひふみ投信 | 17.01% | 15.35% | 1.11 |
SBI ジェイリバイブ | 22.16% | 18.12% | 1.22 |
三井住友・中小型株 | 19.43% | 16.25% | 1.20 |
TOPIX | 10.59% | 16.66% | 0.64 |
マネックス・日本成長株は、リターンでは人気のひふみ投信をも上回る成績を残しています。ただリスクは大きくシャープレシオは若干負けています。
また、SBI 中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ、三井住友・中小型株ファンドに対しては、リターンは概ね同等ですが、リスクが大きい分、こちらもシャープレシオでは負けています。
5年間の運用成績(2001年7月~2021年4月)
上述の現時点までの運用成績は、ある一期間の基準価額の暴騰・暴落に大きく左右され、ファンドの比較・評価として十分とは言えません。
そこで、2001年7月から5年間、さらに2001年8月から5年間・・・2016年4月から5年間と、起点(投資月)を1カ月ずつずらして、それぞれの5年間のリターン、リスクを計算します。全部で178個(区間)のデータとなります。
この複数の5年間のリターンの平均、最大値、最小値をプロットしたのが下図。
マネックス・日本成長株ファンドは平均値・最大値でTOPIXを大きく上回っています。ただ、そのリスクの大きさから最小値だけが若干負けています。
下表に5年間のリターン、リスクの平均値をまとめます。(ここでのリターン、リスク、シャープレシオは178区間の平均値を示したもので、厳密な意味でのリスクやシャープレシオとは異なります。)
マネックス・日本成長株 | TOPIX | |
年率リターン | 10.46% | 4.78% |
年率リスク | 21.24% | 17.46% |
シャープレシオ | 0.49 | 0.27 |
リターンはTOPIXを大きく上回り、リスクは大きいもののシャープレシオでは勝っています。
尚、この178区間の5年間でマネックス・日本成長株ファンドはTOPIXに対し123勝55敗と大きく勝ち越しています。
しかも2006年7月以降は全勝です。
1年間騰落率 年別比較
アクティブファンドの評価として重要な要素は、常にインデックスに対して勝ち続ける事が出来るかという点です。
そこで1年騰落率(リターン)を年別に比較してみます。
騰落率が高い方 |
年 | マネックス日本成長株 | TOPIX | 差 |
2021年 (4月まで) | 2.4% | 6.1% | -3.7% |
2020年 | 31.9% | 7.3% | 24.6% |
2019年 | 25.1% | 18.0% | 7.1% |
2018年 | -8.0% | -16.1% | 8.0% |
2017年 | 59.0% | 22.1% | 36.9% |
2016年 | 4.2% | 0.2% | 4.0% |
2015年 | 35.1% | 11.9% | 23.2% |
2014年 | 2.9% | 10.1% | -7.2% |
2013年 | 94.3% | 54.1% | 40.2% |
2012年 | 12.2% | 20.6% | -8.5% |
2011年 | -6.1% | -17.0% | 10.9% |
2010年 | 4.6% | 0.9% | 3.7% |
2009年 | 15.0% | 7.4% | 7.7% |
2008年 | -41.2% | -40.5% | -0.7% |
2007年 | -20.5% | -11.1% | -9.4% |
2006年 | -23.7% | 2.9% | -26.7% |
2005年 | 80.8% | 45.2% | 35.5% |
2004年 | 18.7% | 11.1% | 7.6% |
2003年 | 32.0% | 24.8% | 7.2% |
2002年 | -22.6% | -17.6% | -5.0% |
2002年~2021年の20年間(2021年は4月まで)でマネックス・日本成長株ファンドはTOPIXに13勝7敗と大きく勝ち越しています。
尚、各年のTOPIXとの差を見ると、勝っても負けても10%ptを超える大きな差がついている年が何回かあります。
マネックス・日本成長株ファンドの人気・評判
月次資金流出入額、純資産総額からiTrust日本株式の売れ行き・人気を見てみます。
*月次資金流出入額は純資産総額の増減に日々の基準価額変動を考慮して計算した概算値。
2018年には大きな資金流入がありましたが、それ以外は資金流出の月が多くなっています。
純資産総額も20年以上の運用期間がありながら50億前後、マネックス証券1社での販売という事もあり、あまり売れているとは言えません。
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まとめ
以上、マネックス・日本成長株ファンドとTOPIXのパフォーマンスを比較してきましたが、リターンでは大きくマネックス・日本成長株ファンドが勝っており、リスクは大きいもののシャープレシオでも圧勝と言って良いでしょう。
人気のひふみ投信にもリターンだけ見ると勝っています。
ただ、小型株中心、かつインターネット関連企業と特定の業種への投資という事で、(ここで比較した)他の中小型株ファンドと比較してもリスクが高くなる傾向がある点には注意してください。
販売会社
マネックス・日本成長株ファンドはマネックス証券の専用ファンドで、マネックス証券以外では購入できません。
販売会社マネックス証券
*これらは全て過去のデータですので、将来のリターンを保証するものではありません。投資は自己責任でお願いします。
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