楽天投信投資顧問が運用する楽天・バンガード・ファンドが2022年7月15日に5期目の決算を迎え、その運用報告書がアップされましたので、これから各ファンドの実質コストをまとめます。
尚、決算を迎えたのは下記4ファンドです。
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- 楽天・新興国株式インデックス・ファンド
- 楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド
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見出し
楽天・全世界株式インデックス・ファンド 【楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)】
楽天・全世界株式インデックス・ファンドの実質コストです(投資先ETF経費率含む)。
*「信託報酬以外のコスト」は過去決算分を含めて全て消費税がかかると仮定して、決算期間を消費税増税前後に按分し、全て10%に換算して算出。
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期間 | 信託報酬 (ETF経費率含) | 年率 実質コスト | 信託報酬 以外のコスト 消費税10%換算 (前期比) | |
1期目 決算 | 2017.9.29~ 2018.7.17 | 0.2296% | 0.502% | 0.277% |
2期目 決算 | 2018.7.18~ 2019.7.16 | 0.2196% | 0.307% | 0.089% (-0.188pt) |
3期目 決算 | 2019.7.17~ 2020.7.15 | 0.2120% | 0.261% | 0.049% (-0.040pt) |
4期目 決算 | 2020.7.16~ 2021.7.15 | 0.2120% | 0.240% | 0.028% (-0.021pt) |
5期目 決算 | 2021.7.16~ 2022.7.15 | 0.2020% | 0.228% | 0.026% (-0.002pt) |
5期目決算の実質コストは0.228%。
信託報酬以外のコストは4期目決算に比較し0.002ポイント、初回決算からは0.251ポイント(*)も低くなっています。
*初回も消費税10%に換算して比較
信託報酬以外のコストが0.026%ですので十分下がった良好な結果と言って良いでしょう。後述する楽天・全米株式と比較しても遜色ありません。
ただ、楽天バンガードと同じく事実上のFOFのSBI・全世界株式(雪だるま)の信託報酬以外のコストは0.012%で、これには負けています。一方、現物投資のeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)の信託報酬以外のコスト0.056%には勝っています。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドの詳細は下記記事をご覧ください。
楽天・全米株式インデックス・ファンド 【楽天・バンガード・ファンド(全米株式)】
楽天・全米株式インデックス・ファンドの実質コストです(投資先ETF経費率含む)。
*「信託報酬以外のコスト」は過去決算分を含めて全て消費税がかかると仮定して、決算期間を消費税増税前後に按分し、全て10%に換算して算出。
期間 | 信託報酬 (ETF経費率含) | 年率 実質コスト | 信託報酬 以外のコスト 消費税10%換算 (前期比) | |
1期目 決算 | 2017.9.29~ 2018.7.17 | 0.1696% | 0.311% | 0.144% |
2期目 決算 | 2018.7.18~ 2019.7.16 | 0.1596% | 0.221% | 0.063% (-0.081pt) |
3期目 決算 | 2019.7.17~ 2020.7.15 | 0.1620% | 0.209% | 0.047% (-0.016pt) |
4期目 決算 | 2020.7.16~ 2021.7.15 | 0.1620% | 0.187% | 0.025% (-0.022pt) |
5期目 決算 | 2021.7.16~ 2022.7.15 | 0.1620% | 0.187% | 0.025% (0.000pt) |
5期目決算の実質コストは0.187%。
信託報酬以外のコストは4期目決算と同じ、初回決算からは0.119ポイント(*)も低くなっています。
*初回も消費税10%に換算して比較
4期目決算で既に十分低くなっていましたので、もうこれ以上の削減は難しいのでしょう。
ただ、楽天バンガードと同じく事実上のFOFのSBI・V・S&P500の信託報酬以外のコストが0.011%、現物投資のeMAXIS Slim米国株式(S&P500)ですら信託報酬以外のコスト0.015%で、これらに負けています。もう少し頑張ってもらいたいところ!
楽天・全米株式インデックス・ファンドの詳細は下記記事をご覧ください。
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楽天・新興国株式インデックス・ファンド 【楽天・バンガード・ファンド(新興国株式)】
楽天・新興国株式インデックス・ファンドの実質コストです(投資先ETF経費率含む)。
*「信託報酬以外のコスト」は過去決算分を含めて全て消費税がかかると仮定して、決算期間を消費税増税前後に按分し、全て10%に換算して算出。
期間 | 信託報酬 (ETF経費率含) | 年率 実質コスト | 信託報酬 以外のコスト 消費税10%換算 (前期比) | |
1期目 決算 | 2017.11.17~ 2018.7.17 | 0.2696% | 0.601% | 0.338% |
2期目 決算 | 2018.7.18~ 2019.7.16 | 0.2496% | 0.444% | 0.198% (-0.140pt) |
3期目 決算 | 2019.7.17~ 2020.7.15 | 0.2320% | 0.358% | 0.126% (-0.072pt) |
4期目 決算 | 2020.7.16~ 2021.7.15 | 0.2320% | 0.313% | 0.081% (-0.045pt) |
5期目 決算 | 2021.7.16~ 2022.7.15 | 0.2120% | 0.281% | 0.069% (-0.012pt) |
5期目決算の実質コストは0.281%。
信託報酬以外のコストは4期目決算に比較し0.012ポイント、初回決算からは0.269ポイント(*)も低くなっています。
*初回も消費税10%に換算して比較
ただ、全世界株式や全米株式と比べると高く、さらに同じく事実上FOFのSBI・新興国株式は信託報酬以外のコストが0.013%である事を考えると、未だ十分とは言えないでしょう。
やはり純資産が小さい事に起因していると推測します。
勿論、現物投資のeMAXIS Slim新興国株式は信託報酬以外のコストが0.176%で、これに比べると十分低いのですが、米国ETFを経由して新興国に投資する場合、三重課税という不利があるだけに、さらなるコスト削減に期待したいところ。
言い換えると、新興国株式に米国ETFを経由するメリットは、新興国特有の余計なコストがかからないところにあります。楽天・新興国株式インデックス・ファンドは、そのメリットを未だ十分に活かしきれていないように思えます。
楽天・新興国株式インデックス・ファンドの詳細は下記記事をご覧ください。
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楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド 【楽天・バンガード・ファンド(米国高配当株式)】
楽天・米国高配当株式インデックス・ファンドの実質コストです(投資先ETF経費率含む)。
*「信託報酬以外のコスト」は過去決算分を含めて全て消費税がかかると仮定して、決算期間を消費税増税前後に按分し、全て10%に換算して算出。
期間 | 信託報酬 (ETF経費率含) | 年率 実質コスト | 信託報酬 以外のコスト 消費税10%換算 (前期比) | |
1期目 決算 | 2018.1.10~ 2018.7.17 | 0.2096% | 0.467% | 0.262% |
2期目 決算 | 2018.7.18~ 2019.7.16 | 0.1896% | 0.334% | 0.147% (-0.115pt) |
3期目 決算 | 2019.7.17~ 2020.7.15 | 0.1920% | 0.290% | 0.098% (-0.049pt) |
4期目 決算 | 2020.7.16~ 2021.7.15 | 0.1920% | 0.255% | 0.063% (-0.035pt) |
5期目 決算 | 2021.7.16~ 2022.7.15 | 0.1920% | 0.253% | 0.061% (-0.002pt) |
5期目決算の実質コストは0.253%。
信託報酬以外のコストは4期目決算に比較し0.002ポイント、初回決算からは0.201ポイントも低くなっています。
*初回も消費税10%に換算して比較
ただ、前述の楽天・全米株式の信託報酬以外のコストが0.025%である事を考えると、まだまだ高コストであると言わざるを得ません。
新興国株式同様、純資産の小ささが影響していると思われます。
楽天・米国高配当株式インデックスの詳細は下記記事をご覧ください。(SBI・V・米国高配当株式インデックスとの比較についても解説)
まとめ
以上、楽天・バンガード・ファンド、4ファンドの5期目決算での実質コストまとめでした。
初回決算で実質コストの高さに驚いた方も多いと思いますが、2~5期目と徐々に下がってきています。
人気があり純資産総額も大きい全世界株式、全米株式の2本は十分許容できるコストと言って良いでしょう。
一方、あまり人気がなく純資産総額も小さい新興国株式、米国高配当株式は初回~4期目決算よりは下がったとは言え、まだ十分とは言えません。
尚、楽天・バンガード・ファンドは未だ信託報酬の引下げを行った実績がありません(投資先ETF経費率低下を除く)。ライバルのSBI・雪だるまやeMAXIS Slimが積極的な信託報酬引下げを行い、さらに強力なライバル、SBI・Vシリーズが登場し、信託報酬の差が広がってきています。
楽天・バンガード・ファンドにも信託報酬引下げを期待!