ファンド比較、運用状況、決算

SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 2期目決算での実質コスト、ベンチマークとの乖離も評価。

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米国株式 S&P500との連動を目指して運用するSBI・V・S&P500インデックスファンドが2期目決算を迎え、その運用報告書が公開されましたので、そこから実質コスト、及びベンチマークとの乖離を評価します。

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SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの実質コスト(2期目決算)

決算期間は2020年9月15日から2021年9月14日の1年。

2期目決算での実質コストを前期と比較する形で下表にまとめます。
*投資先ETF経費率を含めた値で記載(税込み)

SBI・V・S&P500 実質コスト
*投資先ETF経費率含む
 信託報酬実質コスト信託報酬以外のコスト
初回決算
(2020年9月)
0.0938%0.114%
0.020%
2期目決算
(2021年9月)
0.105%
0.011%

実質コスト 0.105%、信託報酬以外のコスト 0.011%と前期よりもさらに下がり、驚異的に低いコストとなっています。

これは前期に引き続き売買委託手数料、有価証券取引税が無かった為です。

 

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)、楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード)との実質コスト比較

今回のSBI・V・S&P500インデックスファンドの実質コスト、信託報酬以外のコストを、同じくS&P500との連動を目指すeMAXIS Slim米国株式(S&P500)、ベンチマークは異なりますが米国株式に投資する楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド)[通称:楽天VTI]と比較します。

[スマホの方は横にスクロールしてご覧ください]

米国株式インデックスファンド 実質コスト比較
*投資先ETF経費率含む
ファンド信託報酬実質コスト信託報酬以外
のコスト
SBI・V
・S&P500
0.0938%0.105%
0.011%
eMAXIS Slim米国株式
(S&P500)
0.0968%0.123%0.026%
楽天・全米株式
(楽天VTI)
0.1620%0.187%0.025%

eMAXIS Slim、楽天VTIの信託報酬以外のコストが0.02%台なのに対し、SBI・V・S&P500は0.011%と非常に低くなっています。

但し、これが実際の運用・騰落率に反映されなくては何の意味もありません。そこで、次章では、ベンチマークとの乖離を評価します。

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SBI・V・S&P500インデックス・ファンドのベンチマークとの乖離

運用報告書記載のベンチマークとの乖離

運用報告書にはベンチマーク、及びファンド騰落率ともに+40.1%、即ち両者の乖離がないという結果になっています。

但し、

プラス要因として、

1.配当税率の差異
2.VOOとベンチマークの価額の差異

マイナス要因として、

3.ファンド・ETFの信託報酬
4.ファンドのキャッシュ・ポジション

との記載があります。

尚、SBI・V・S&P500インデックスファンドのベンチマークは配当込み、そして配当課税を考慮したネットです。

ネット指数で考慮されている配当課税は、日本に対する実際の税率より高めに設定されていますので、上記1のようにプラス要因として働きます。

2は、VOOといえどもベンチマークとの多少の乖離が生じますので、その成分でしょう。

3はファンド、ETFの信託報酬などのコストで、これが概ね実質コスト0.105%に相当すると思われます。

4のキャッシュポジションは、ファンドは解約などに備えて一部をキャッシュで保有しており、純資産の全てをVOOに投資しているわけではありません。運用報告書によると投資信託証券の組入比率は99.2~100.1%となっており、僅かに保有しているキャッシュがベンチマークとの乖離に影響を与えたという事です。

以下、このキャッシュポジションを中心にベンチマークとの乖離を評価します。

 

SBI・V・S&P500インデックスの真のベンチマークとの乖離の評価

重要本章では一部管理人の推測が含まれます。

今回の決算期間とは若干異なりますが、2021年10月末日の1年騰落率で比較します。

 

真のベンチマーク

前述のようにSBI・Vのベンチマークはネットですが、その配当税率は日本に対して適切なものではありません。

そこで、日本に対する配当税率を正確に反映したベンチマークを「真のベンチマーク」と定義します。

ネット指数は税率を多めに見積もっているようで、「真のベンチマーク」は配当課税を考慮しないグロス指数とネット指数の中間の値をとります。

ただ、「真のベンチマーク」は公表されていませんので、ここでは多くのファンド、特にVOOの乖離がないという前提のもと、管理人の主観を含めて推測した値を用います。

ベンチマークの種類、及び「真のベンチマーク」の評価方法の詳細は下記ページをご覧ください。

 

SBI・V・S&P500インデックスのコスト要因以外での真のベンチマークとの乖離

下図は2021年10月末日時点の1年騰落率を実質コストに対し複数のファンドでプロットしたものです。

米国ETF Vanguard VOOのデータもプロットします。
*VOOは分配金10%課税後再投資した場合の終値での円換算騰落率。(終値は米国Yahoo Finance、分配金は米国Vanguard社サイト、為替レートは三菱UFJ銀行TTMより引用)

SBI・V・S&P500インデックスファンド ベンチマークとの乖離

SBI・Vの騰落率は運用報告書にあるように概ねベンチマーク(ネット)に一致します。

一方、推定した「真のインデックス」は図中ピンクの星印で53.0%です。

注意:あくまで管理人の主観で図中グレーの点線を引き、そのY切片を真のインデックスとしています。

これから、SBI・Vのコスト要因以外での「真のベンチマーク」との乖離を求めると-0.26%となります。

 

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VOO、SBI・Vの日次騰落率の差

下図はVOO、及びSBI・Vの日次騰落率の関係をプロットしたものです。

横軸がVOO日次騰落率、縦軸がVOOとSBI・Vの日次騰落率の差です。

SBI・V・S&P500インデックスファンド ベンチマークとの乖離

VOO日次騰落率がプラスの時、VOO-SBIがプラス、即ち、SBI・Vの騰落率がVOOに劣後した、

一方、VOO日次騰落率がマイナスの時は、VOO-SBIがマイナス、SBI・Vの方が騰落率が高かったという事です。

この依存性をキャッシュポジションで説明しようとすると、傾き0.005、これがSBI・VがVOOに投資していないキャッシュポジションと解釈する事が出来ます。

即ち、0.5%がキャッシュポジション、99.5%をVOOに投資したと推測出来ます。

 

キャッシュポジションを考慮したSBI・Vの騰落率

前章のようにSBI・Vが0.5%のキャッシュ、99.5%をVOOに投資していたと仮定し、仮に100% VOOに投資した場合の1年間騰落率を見積もってみます。

SBI・V・S&P500インデックスファンド ベンチマークとの乖離

実際のファンドがキャッシュ5%の前提、そしてこれから100%VOOに投資(キャッシュ無)時の騰落率を求めると、概ね図中グレーの点線上にのり、「真のインデックス」とのコスト要因以外のベンチマークとの乖離がない事が分かります。

言い換えると、キャッシュポジションを考慮する事で乖離を説明する事が出来るという事です。

*繰り返しになりますが、以上の考察は管理人の推測を含みます。

 

以上、SBI・V・S&P500インデックスファンドの2期目決算にみる実質コスト、ベンチマークとの乖離の評価でした。

信託報酬の低さに加え、圧倒的な実質コストの低さは本ファンドの大きな魅力です。

後は、(管理人の推測が正しいならば)キャッシュポジション分で生じる乖離を先物運用などで埋める事が出来れば、より魅力的なファンドになる事でしょう。

 

SBI・V・S&P500インデックスファンドの詳細は下記記事をご覧ください。

 

また、米国株式(S&P500、CRSP USトータル・マーケット・インデックス)に投資するインデックスファンドの詳細な比較は下記記事をご覧ください。

 

 

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