国内中小型株式に投資するアクティブファンド、三井住友DSアセットマネジメントが運用する三井住友・中小型株ファンドのパフォーマンスを評価します。
[最終更新日:2021.12.15]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2021年11月末日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
三井住友・中小型株ファンドの基本情報
先ず、三井住友・中小型株ファンドの基本情報をまとめます。
運用会社 | 三井住友DSアセットマネジメント |
設定日 | 2003年9月30日 |
信託期間 | 無期限 |
運用形態 | アクティブファンド |
投資形態 | --- |
ベンチマーク | 無 |
参考指数 | 日経ジャスダック平均株価 |
購入時手数料 | 上限3.3% (販売会社が独自に設定) *主要ネット証券 は無料(ノーロード) |
信託財産留保額 | 0.2% |
信託報酬 (税込) | 1.650% |
実質コスト | 1.718%(*1) |
純資産総額 (2021.12.14時点) | 76.69億円 |
分配金実績 | 有 (2013年以降200円/年) |
つみたてNISA | 対象外 |
個人型 確定拠出年金 (iDeCo) | --- |
SBI証券 ポイント還元 年率 | 0.10% (対象投資信託1,000万円 以上保有で0.20%) |
楽天証券 ポイント還元 年率 | ---%(*3) |
松井証券 ポイント・ 現金還元年率 | 0.44%?(ポイント) /0.40%(現金)(*2) |
(*1)2021.9.27決算時データ。
(*2)松井証券のポイント還元率は2022.1以降。ポイントでは現金還元の10%増量。
(*3)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更。
三井住友・中小型株ファンドの運用方針、投資対象
運用方針
日本の取引所に上場している株式のうち、中小型株に投資を行います。
組入銘柄の選定は、徹底したボトムアップリサーチにより推計した「企業価値」を基本に行います。三井住友・中小型株ファンド交付目論見書より引用。
投資対象
2021年11月末時点の投資状況が下図。
三井住友・中小型株ファンド・マンスリーレポート2021年11月より引用
中小型株といっても1部が91%を占めています。
また、組入1位のJBCCホールディングスでも1.7%ですので、特定銘柄に集中する事無く96銘柄に広く分散投資しています。
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三井住友・中小型株ファンドのパフォーマンス ~過去の運用成績~
三井住友・中小型株ファンドの過去のパフォーマンスを調査します。
三井住友・中小型株ファンドの参考指数は日経ジャスダック平均株価ですが、配当込みでかつ長期のデータが無い為、ここではTOPIX、及び人気のひふみ投信とも比較します。
*ひふみ投信は一部を外国株式にも投資します。
*TOPIXは野村 NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投資信託【1306】のデータ使用。
*年率リターン・リスクは月次データ(終値)より計算。またシャープレシオは無リスク資産の収益率0として計算。
*基準価額は各運用会社、または投資信託協会より引用。分配金がある場合は、分配金再投資の価額に独自に変換。
基準価額のチャート
三井住友・中小型株ファンドの設定日2003年9月30日を基準(10,000)として規格化した基準価額のチャートを、TOPIX、及びひふみ投信とともに示します。
*ひふみ投信は設定日が2008.10.1と遅い為、その日の基準価額を三井住友・中小型株ファンドに合わせてプロット。
特に2009年以降、三井住友・中小型株ファンドはTOPIXを大きくアウトパフォームし、ひふみ投信にも勝っている事が分かります。
2020年3月のコロナショックでは大きく下落しましたが、その後現時点まで大きく戻しています。
以下、パフォーマンスを詳細に解析していきます。
設定来の運用実績(リターン)
設定日が遅いひふみ投信に合わせ、2008年10月から2021年11月末までの13年1カ月のリスク・リターンを下表にまとめます。
三井住友・中小型株 | TOPIX | ひふみ投信 | |
年率リターン | 17.67% | 8.46% | 14.82% |
年率リスク | 16.28% | 16.68% | 14.94% |
シャープレシオ | 1.09 | 0.51 | 0.999 |
*一般的にシャープレシオが大きいほど投資効率が良いとされています。
約13年の結果を見ると、TOPIXを大きく上回り、人気のひふみ投信にも勝っています。リスクはひふみ投信よりは若干大きいものの、TOPIXよりは小さく、シャープレシオでも最も優秀な結果になっています。
近年の成績(リターン)
直近1年、3年のリターンを見てみます。
三井住友・中小型株 | TOPIX | ひふみ投信 | |
1年リターン | 9.46% | 12.08% | 3.73% |
3年リターン (年率) | 4.90% | 7.34% | 9.25% |
直近1年、3年と最近の成績はTOPIXに大きく負けています。
5年間の運用成績(2008年10月~2021年11月)
上述の現時点までの運用成績は、ある一期間の基準価額の暴騰・暴落に大きく左右され、ファンドの比較・評価として十分とは言えません。
また、アクティブファンドの評価として重要な要素は、常にインデックスに対して勝ち続ける事が出来るかという点です。
そこで、2008年10月から5年間、さらに2008年11月から5年間・・・2016年11月から5年間と、起点(投資月)を1カ月ずつずらして、それぞれの5年間のリターン、リスクを計算します。全部で98個(区間)のデータとなります。
*リターン、リスクは年率で表記
この複数の5年間のリターンの平均、最大値、最小値をプロットしたのが下図。
下表に5年間のリターン、リスクの平均値をまとめます。(ここでのリターン、リスク、シャープレシオは98区間の平均値を示したもので、厳密な意味でのリスクやシャープレシオとは異なります。)
三井住友・中小型株 | TOPIX | ひふみ投信 | |
年率リターン | 21.36% | 10.71% | 18.08% |
年率リスク | 15.53% | 16.56% | 15.02% |
シャープレシオ | 1.38 | 0.65 | 1.20 |
三井住友・中小型株ファンドは、TOPIXを大きく上回り、ひふみ投信にも勝っている事がわかります。
次に、投資開始月に対する5年間のリターン(年率)をプロットしてみます。
この98区間において、三井住友・中小型株ファンドのリターンはTOPIXに98勝0敗、ひふみ投信にも92勝6敗と圧勝です。
この評価期間であれば、いつ投資しても5年間のリターンではTOPIXに負けたことが無いという事です。
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1年間騰落率 年別比較
次に各年(1年毎)の1年騰落率(リターン)を比較します。
騰落率 1位 |
騰落率 2位 |
騰落率 3位 |
*2021年は11月までの騰落率
*スマホの方は横にスクロールしてご覧ください。
年 | 三井住友中小型 | TOPIX | ひふみ投信 | |||
順位 | 騰落率 | 順位 | 騰落率 | 順位 | 騰落率 | |
2021年 | 2 | 5.8% | 1 | 8.9% | 3 | 1.8% |
2020年 | 3 | 4.4% | 2 | 7.3% | 1 | 20.5% |
2019年 | 2 | 20.9% | 3 | 18.0% | 1 | 22.8% |
2018年 | 1 | -11.5% | 2 | -16.1% | 3 | -21.4% |
2017年 | 1 | 55.5% | 3 | 22.1% | 2 | 44.8% |
2016年 | 2 | 2.2% | 3 | 0.2% | 1 | 4.5% |
2015年 | 1 | 27.4% | 3 | 11.9% | 2 | 21.7% |
2014年 | 1 | 26.2% | 3 | 10.1% | 2 | 14.0% |
2013年 | 2 | 67.8% | 3 | 54.1% | 1 | 68.0% |
2012年 | 1 | 22.5% | 3 | 20.6% | 2 | 22.2% |
2011年 | 1 | 0.7% | 3 | -17.0% | 2 | -1.3% |
2010年 | 1 | 4.5% | 3 | 0.9% | 2 | 1.9% |
2009年 | 1 | 20.9% | 3 | 7.4% | 2 | 10.2% |
2008年 | 2 | -43.4% | 1 | -40.5% | --- | --- |
2007年 | 2 | -19.8% | 1 | -11.1% | --- | --- |
2006年 | 2 | -8.2% | 1 | 2.9% | --- | --- |
2005年 | 1 | 58.2% | 2 | 45.2% | --- | --- |
2004年 | 1 | 25.7% | 2 | 11.1% | --- | --- |
三井住友・中小型株ファンドはTOPIXに対して13勝5敗、ひふみ投信に対しても9勝4敗と圧勝です。
ただ、2019年後半から2021年(11月まで)にかけて不調で、TOPIXをアンダーパフォームしています。
*以上、これらは全て過去のデータですので、将来のリターンを保証するものではありません。
三井住友・中小型株ファンドの人気 ~資金流出入額~
三井住友・中小型株ファンドの人気を月次資金流出入額・純資産総額から見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
2016年までは殆ど売れていませんでしたが、大きくTOPIXをアウトパフォームした2017年から2018年には大きな人気を集め、純資産総額も一時200億を超えました。
ただ、その後資金流出に転じ、今では純資産もピーク時の半分以下となっています。
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まとめ
以上、国内の中小型株式に投資するアクティブファンド、三井住友・中小型株ファンドのパフォーマンスをTOPIX、及びひふみ投信との比較を中心に評価しました。
直近の成績が冴えない事から資金流出が続いていますが、それまでは、人気のひふみ投信をも凌ぐ素晴らしいパフォーマンスを残しています。
勿論、将来のパフォーマンスを保証するものではありませんが、今後、国内中小型株の伸びを期待し、かつアクティブファンドにかけてみたい方にとって、有力な選択肢の一つとなるファンドでしょう。
販売会社
三井住友・中小型株ファンドは多くの金融機関で取扱っていますが、一部金融機関では購入時手数料がかかるところがありますので、購入時手数料無料となる下記ネット証券をお勧めします。
SBI証券
投資信託保有で毎月Tポイント/Pontaポイント/dポイントがもらえます。さらにT or Pontaポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
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*三井住友カード(NL)なら年会費永年無料。
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楽天証券
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マネックス証券
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公式サイトマネックス証券
参考記事マネックスカード(クレジットカード)での投信積立決済サービス
松井証券
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他の人気・低コストのアクティブファンド一覧(国内株式)は下記ページを参照して下さい。