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【S&P500 ESG指数】NEXT FUNDS S&P500 ESG指数連動型上場投信[2635]の評価・解説 ~米国株式ESG投資~

投稿日:2021年5月7日 更新日:

米国株式の代表的指数で人気の高いS&P500指数、このS&P500構成銘柄からESGに着目して銘柄選定を行ったS&P500 ESG指数を解説するとともに、本指数との連動を目指す東証上場ETF、NEXT FUNDS S&P500 ESG指数連動型上場投信【2635】について評価します。

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S&P500 ESG指数(Index)とは? ~米国株式 ESG投資~

S&P Dow Jones Indicesが公表している米国株式を代表する指数にS&P500があります。

このS&P500構成銘柄から、さらにESGに着目して銘柄を絞り込んだのがS&P500 ESG指数です。

ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス/企業統治)の略で、

  • CO2排出など環境に配慮
  • 社会貢献・人権問題など
  • 法令順守、情報開示など

これらの問題に配慮し積極的に取り組んでいる企業は、長期的な企業価値の上昇が期待でき、そこへの投資は投資パフォーマンスの向上につながる可能性も秘めています。

 

S&P500 ESG指数の基本情報

指数算出開始日 : 2019年1月28日  (2010.4.30にまで遡ってバックテストを行った結果も公表されています)

浮動株調整後時価総額加重指数

構成銘柄数 : 291 (2021.4末時点)

S&P500との時価総額比 : 71.7% (2021.4末時点)

 

S&P500 ESG指数 銘柄選定方法

S&P500と同様のセクターウェイトを維持し、GICS業種分類での各グループの時価総額75%をカバーする事を目標とします。

基本的には各業種でESGスコアの高い企業から選択されますが、下記のような産業に関わりの強い企業や各スコアが低い企業は除外されます。

  • タバコ
  • 論争の的となっている武器(クラスター爆弾、地雷、核兵器など)
  • 低UNGCスコア(国連グローバル・コンパクトスコア)
  • ESGスコアが各業種の下位25% (S&P DJI ESGスコア)

また、S&P500 ESG指数は、"S&P500と同等のリスク・リターンプロファイル"とあり、ESG投資で親指数を上回るパフォーマンスを目標とした指数ではないようです。

参考・引用S&P500 ESG指数(日本語版)ファクトシート

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S&P500 ESG指数 構成銘柄 ~S&P500との比較・違い~

*以下の構成銘柄はS&P500 ESGとの連動を目指すSPDR S&P500 ESG ETF[EFIV]、S&P500との連動を目指すSPDR S&P500 ETF Trust[SPY] の保有銘柄から引用(2021.5.4時点)

 

S&P500 ESG指数 上位10銘柄

S&P500 ESG指数の上位10銘柄です。

各銘柄のS&P500での順位、ウェイトも記載します。

S&P500 ESG IndexS&P500
順位銘柄Weight順位Weight
1Apple Inc.
[APPL]
7.6%15.7%
2Microsoft Corporation
[MSFT]
7.0%25.3%
3Amazon.com Inc.
[AMZN]
5.3%34.0%
4Alphabet Inc. Class A
[GOOGL]
2.6%52.0%
5Alphabet Inc. Class C
[GOOG]
2.6%61.9%
6Tesla Inc
[TSLA]
1.9%81.5%
7JPMorgan Chase & Co.
[JPM]
1.8%91.3%
8Visa Inc. Class A
[V]
1.5%111.1%
9UnitedHealth Group Incorporated
[UNH]
1.5%121.1%
10Home Depot Inc.
[HD]
1.4%131.0%

基本的には同じような銘柄ですが、S&P500 ESG指数は銘柄数が少ない為、各銘柄の比率がS&P500より高くなっています。

そして、S&P500上位銘柄でも、S&P500 ESG指数には入っていない銘柄もいくつか見受けられます。これを次章で詳しく見てみます。

 

S&P500上位銘柄でS&P500 ESG指数に含まれない銘柄

S&P500で上位70位に入っているものの、S&P500 ESG指数には除外されている銘柄です。

例えば、S&P500 4位のFacebookは個人情報の流出・プライバシー問題で2019年に除外、2020年4月に復活するものの、2021年4月に再度除外されています。

Berkshire HathawayはESGスコアが下位25%に入っている為、等の理由で除外されています。

その他、いくつかの企業の除外理由はS&P500 ESG指数 サステナブル・コアの定義(日本語版,2019/4)The S&P500 ESG Index:Defining the Sustainable Core(英語版,2021/2)に記載されています。

S&P500
順位
銘柄
[Ticker]
S&P500
Weight
4Facebook Inc. Class A
[FB]
2.2%
7Berkshire Hathaway Inc. Class B
[BRK.B]
1.5%
10Johnson & Johnson
[JNJ]
1.3%
19PayPal Holdings Inc
[PYPL]
0.8%
26Netflix Inc.
[NFLX]
0.6%
37Wells Fargo & Company
[WFC]
0.5%
40Broadcom Inc.
[AVGO]
0.5%
44Costco Wholesale Corporation
[COST]
0.5%
47Honeywell International Inc.
[HON]
0.4%
55Philip Morris International Inc.
[PM]
0.4%
61International Business Machines Corporation
[IBM]
0.4%
62Boeing Company
[BA]
0.4%
63Raytheon Technologies Corporation
[RTX]
0.4%
703M Company
[MMM]
0.3%

 

S&P500 ESG指数のパフォーマンス ~S&P500との比較~

S&P500 ESG指数のパフォーマンス(トータルリターン、グロス、円換算)をS&P500と比較します。

2021年4月末日時点の1年、指数算出日からの2年2カ月、そして10年(厳密には9年11カ月、バックテストの結果)のリターン、リスク、シャープレシオを下表にまとめます。

*シャープレシオは無リスク資産のリターン=0として計算。

2021年4月末時点のパフォーマンス
  S&P500 ESG指数S&P500
1年年率リターン49.03%48.49%
年率リスク14.65%14.17%
シャープレシオ3.353.42
2年
2カ月
年率リターン26.44%24.50%
年率リスク18.43%18.64%
シャープレシオ1.431.31
10年年率リターン18.53%18.13%
年率リスク17.25%17.41%
シャープレシオ1.071.04

各期間ともS&P500 ESG指数がS&P500を若干アウトパフォームしています。

ただ、その差はそう大きくなく、また前述のように指数そのものがS&P500と同等のパフォーマンスを目的としていますので、パフォーマンスという点ではS&P500以上のものを期待しない方が良いでしょう。

 

S&P500 ESG Indexとの連動を目指す米国籍ETF

S&P500 ESG Indexとの連動を目指す米国ETFには下表のような商品があります。

ETFTickerexpense ratio
SPDR S&P500 ESG ETFEFIV0.10%
Xtrackers S&P500 ESG ETFSNPE0.10%

但し、記事執筆時点で2本ともSBI証券楽天証券マネックス証券での取扱いはないようです。

 

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NEXT FUNDS S&P500 ESG指数連動型上場投信【2635】の評価 (東証上場ETF)

S&P500 ESG指数との連動を目指すETFとして、東証上場の国内ETF NEXT FUNDS S&P500 ESG指数連動型上場投信【2635】があります。

 

NEXT FUNDS S&P500 ESG指数連動型上場投信【2635】の基本情報

先ず、NEXT FUNDS S&P500 ESG指数連動型上場投信【2635】の基本情報をまとめます。

運用会社野村アセットマネジメント
設定日2021年3月29日
銘柄コード2635
運用形態インデックス型
ベンチマークS&P500 ESG指数
信託報酬(税込)0.143% 
実質コスト初回決算前
純資産総額 4.6億円(2021.5.6時点)
決算日(分配金)年2回(3月, 9月)
売買単位10口単位
マーケットメイク制度対象
iNAV対象
外国税額控除(二重課税調整)対象
つみたてNISA---
売買手数料無料の証券会社
*キャッシュバックを含む
SBI証券楽天証券

 

概要

S&P500 ESG指数との連動を目指す初めての国内上場ETF。

まだ2021年3月末に設定・上場されたばかりの新しいETFです。

 

投資銘柄

基本的に指数と同じですので、前章で示した構成銘柄を参照して下さい。

ただ、未だ設定から間もない事もあり、4位にXtrackers S&P500 ESG ETF[SNPE] 3.1%が入っています。

またS&P500先物も含まれています。

 

手数料(信託報酬、実質コストなど)

NEXT FUNDS S&P500 ESG指数連動型上場投信【2635】信託報酬0.143%(税込)

さすがにS&P500連動型で最低水準のETFと比較すると高くなりますが、それでも決してメジャーとは言えない指数連動型ETFである事を考えると十分低い部類に入ると言ってよいでしょう。

実質コストは未だ初回決算前でわかりません。

ただ、信託報酬以外に指数商標使用料 0.04%、上場料 0.00825%、追加上場料 0.00825%(純資産の増加額に対して)などがかかります。

 

マーケットメイク制度

東京証券取引所では2018年7月2日よりマーケットメイク制度を導入しました。

指定を受けたマーケットメイカーは、気配提示義務を履行することで、インセンティブ(報酬)を得ることができます。マーケットメイカーが気配提示義務を履行することによって、対象のETFに対して、需給動向を踏まえた公正な価格で、十分な量の気配が提示されることになり、投資家の皆様が売買をしたいタイミングで、より良い価格で売買する環境を提供できるようになります。

~東京証券取引所サイトより引用~

マーケットメイク制度の導入で流動性が上がり、より適正な価格で売買できるようになると期待できます。

NEXT FUNDS S&P500 ESG指数連動型上場投信【2635】はマーケットメイク制度の対象銘柄です。

 

外国税額控除(二重課税調整措置)

本ETFは2020年より始まった外国税額控除(二重課税調整制度)の対象です。

国内籍ETFに外国税額控除が与える影響については下記記事をご覧ください。

 

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NEXT FUNDS S&P500 ESG指数連動型上場投信【2635】の運用状況

市場価格と基準価額の乖離

ETFには実際に市場で売買する時の価格=市場価格、一般の投資信託同様、純資産総額を口数で割った真の価格=基準価額の二つの価格が存在します。

勿論、この二つの価格は同じである事が望ましいのですが実際には差=乖離が生じます。

この乖離はモーニングスターのサイトで調べる事が出来ます。(終値と基準価額の乖離)

本ETFは未だ設定されたばかりですので、2021年4月の1カ月のデータだけですが、S&P500連動型ETFと比較します。

2021年4月の市場価格と基準価額の乖離
ETF乖離率
NEXT FUNDS S&P500 ESG指数連動型上場投信【2635】+0.11%
NEXT FUNDS S&P500 指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信【2633】+0.08%
MAXIS米国株式(S&P500)上場投信【2558】+0.10%

データ引用:モーニングスター

NEXT FUNDS 【2633】は、NEXT FUNDS S&P500 ESG指数連動型上場投信【2635】と同時期に設定されたS&P500連動型ETF、MAXIS【2558】は約1年早く設定されたS&P500連動型の低コストETFです。

NEXT FUNDS S&P500 ESG指数連動型上場投信【2635】の乖離率は、比較した2本のS&P500連動型ETFと大きな差はなく、設定当初としてはまずまずの結果といって良いでしょう。

 

平均売買代金、平均売買高

2021年5月6日時点の直近90日(3/末設定なので実際は1カ月程度)の平均売買代金、平均売買高は、

平均売買代金:3,977万円

平均売買高 : 19,012口

これをS&P500との連動を目指す2本のETFと比較します。

ETF平均売買代金
(万円)
平均売買高
(口)
NEXT FUNDS S&P500 ESG指数連動型上場投信【2635】3,97719,012
NEXT FUNDS S&P500 指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信【2633】4,17120,143
MAXIS米国株式(S&P500)上場投信【2558】18,30414,663

データ引用 : 東証マネ部

*2635,2633の2021/5/6の基準価額は2,100円程度、2558は19,305円。

MAXIS【2558】に比較すると売買代金は1/5程度ですが、同時期設定の2633とは殆ど変わりません。

 

純資産総額

4.6億円  (2021.5.6時点)

設定されて1カ月強ですので、まだまだこれからです。

 

基準価額とベンチマークとの乖離

ETFでは先に示した市場価額と基準価額の乖離の他に、(非上場の)インデックスファンド同様、基準価額とベンチマークとの乖離も生じます。

本サイトでは同じインデックスをベンチマークとする他のファンドと比較する事で乖離を評価していますが、S&P500 ESG指数をベンチマークとするファンド・ETFは1本しかありません。

そこで、NEXT FUNDS S&P500 ESG指数連動型上場投信【2635】の基準価額騰落率を、ベンチマーク(ネット・グロス)と比較する事で、ベンチマークからの乖離を評価します。

下図は2021.4末日時点の1カ月騰落率を、実質コストに対してプロットしたものです。

*実質コストといっても未だ決算前で分かりませんので、暫定値として信託報酬に指数商標料、上場料を加えた値を用いています。

NEXT FUNDS S&P 500 ESG指数連動型上場投信【2635】

グレーの点線は、配当課税を適切に考慮した真のベンチマーク値がグロスのネットの中間にあると仮定して、コストと騰落率の関係を示したものです。コスト要因以外のベンチマークとの乖離がなければこの点線上にプロットされる筈です。

しかし、NEXT FUNDS S&P500 ESG指数連動型上場投信【2635】の騰落率は、このグレーの点線より大きく下方に位置しており、コスト要因以外での大きな乖離が生じていると思われます。

ただ、未だ設定から1カ月、今後、この乖離もおさまっていくと予想します。

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まとめ

以上、S&P500 ESG指数の解説、及び、本指数との連動を目指す東証上場ETF、NEXT FUNDS S&P500 ESG指数連動型上場投信【2635】について評価しました。

S&P500に投資したい、

だけど、ESGにも関心がある、タバコや軍需産業には投資したくない、

という方にとっては選択肢の一つとなるインデックス、

そして、これに投資するにはNEXT FUNDS S&P500 ESG指数連動型上場投信【2635】を購入する事になります。

未だ設定されたばかりで実績はありませんが、信託報酬は低く、かつ外国税額控除(二重課税調整制度)の適用と低コストで投資できるETFです。

 

販売会社

東証に上場するETFですので、証券会社を通して売買する事になります。

売買単位は10口単位で2万円程度(2021.5時点)で投資出来ます。

尚、通常、国内株式と同様の売買手数料がかかりますが、SBI証券楽天証券では、本ETFを取引手数料無料の対象銘柄としています。

公式サイト SBI証券楽天証券

 

 

S&P500との連動を目指す国内ETFの比較は下記ページをご覧ください。

 

国内株式ESG投資、MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数については下記ページをご覧ください。

 

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