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現在では、学生といえども20歳以上になると国民年金の納付義務があります。
*ただし、「学生納付特例制度」といって、申請する事で納付が免除される制度があります。
一方、平成3年3月までは学生は任意加入でした。現在、40代後半以上の方は、学生時代、加入していなかった方も多いのではないでしょうか?「しんたろう」も大学生時代、加入・納付していません。
一方、老齢基礎年金を満額もらうためには、40年(480月)の納付期間が必要です。学生時代の約2年分(正確には誕生日により変わりますが、ここでは簡単のため2年とします。)、加入・納付しなかった場合、もらえる老齢基礎年金は38/40となってしまいます。(22歳から60歳になるまでは、きちんと納付していた場合)
そこで、60歳以降も国民年金に加入する事で、老齢基礎年金の額を満額にする方法が用意されています。「任意加入制度」と言い、その時に、厚生年金や共済年金に加入していなければ任意で加入できます。
今回は、大学生時代の2年間未加入だった国民年金を、60歳以降も2年間、任意加入する事で、何歳で元が取れるか、また年利回りに換算するといくらになるのかを計算してみます。
見出し
60歳から2年間、任意加入で国民年金保険料を納付して、老齢基礎年金を満額にするのは得か否か?
前提条件
- 学生時代2年間の未加入期間があり、これを任意加入で、60~61歳の間に保険料を納付し、老齢基礎年金を満額もらえるとします。
- 年金保険料
実際に60歳になった時の保険料が適用されますが、予測するのは不可能なので、平成29年の保険料 月額 16,900円を使います。(一応、平成29年以降は、この額で固定となっています。)
尚、計算を簡単にするため、年額 16,900 x 12 = 202,800円を年初に納めるとします。 - 老齢基礎年金の年金受給額(満額)
平成28年の年金額 780,100円を使用します。
尚、年金も、毎年、年初に一括して受給するとします。(実際は2カ月毎です)60歳以降に任意加入しなかった場合、納付期間が38年となりますので、もらえる年金額は
780,100 x 38 / 40 = 741,095円 となります。
満額との差は、年間39,005円です。 - 即ち、60歳時、61歳時に、それぞれ202,800円、保険料を納付すると、65歳から39,005円年金をもらえるという事になりますので、この条件で以前紹介したEXCELのIRR関数で年利回りを計算します。
計算結果(1) 社会保険料控除を考慮しない場合
75歳まで生きれば元が取れます。
年利回りは、何歳まで生きるかで変わってきますが、抜粋してまとめる下表ようになります。
年齢 | 年利回り |
70歳 | -7.45% |
75歳 | 0.60% |
80歳 | 3.78% |
85歳 | 5.32% |
90歳 | 6.15% |
95歳 | 6.63% |
100歳 | 6.92% |
勿論、名目利回りではありますが、平均寿命の80歳で3.78%という利回りですので、ここまで生きればインフレを考慮しても、お得だと言って良いのではないでしょうか。
計算結果(2) 社会保険料控除を考慮した場合
60歳、61歳の任意加入での国民保険料納付期間に、課税所得があれば、国民年金保険料の社会保険料控除が使えますので、これを考慮して再度計算してみます。
尚、税率は最低税率15%(所得税5%+住民税10%)としました。
60歳、61歳時の保険料額は実質 202,800 x 0.85 =172,380円となります。
結果は、73歳まで生きれば元が取れます。
社会保険料控除を考慮しない場合に比べ2歳早く元が取れます。
年利回りは、
年齢 | 年利回り |
70歳 | -5.33% |
75歳 | 2.36% |
80歳 | 5.31% |
85歳 | 6.70% |
90歳 | 7.43% |
95歳 | 7.84% |
100歳 | 8.09% |
と1~2%アップします。
まとめ
「しんたろう」的には、結構、お得に思えます。
不幸にも70歳代前半で死んでしまった場合は、元が取れない事になっていまいますが、まあ、その分、老後資金も少なくて済むわけですから、仕方ないと割り切れば良いですし。(死んでしまった後に割り切るもなにもないか!)
ただ、今回の計算は、今の保険料、受給額で計算していますので、実際に60歳近くになった時に、その時の最新の条件で、再度検討する事をお勧めします。