インデックス投資全般

国内株式(TOPIX)、信託報酬低コスト化の中でもETFのメリットはあるのか?

投稿日:2018年5月10日 更新日:

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ETF(上場投資信託)、一般の株式のようにリアルタイムで取引出来、かつ、信託報酬も安いことから、インデックス投資、長期投資の対象として購入されている方も多いかと思います。

(東証に上場している)先進国株式等のETFは、出来高が少なく流動性に不安がありますが、国内株式に限れば出来高の多いETFもあり、インデックス投資対象として有力な選択肢の一つと言えるでしょう。

さらに、2018年7月2日から東京証券取引所では、ETF市場にマーケットメイカー制度の導入を予定しており、さらなる流動性アップが期待できます。

*ここでは、ETFに対して、非上場の投資信託を「一般の投資信託」と呼びます。

尚、本記事では国内株式ETF・インデックスファンドを比較しますが、海外株式の場合は↓の記事を参考にして下さい。

参考記事インデックスファンドの信託報酬が低コスト化した今でも海外ETFへのリレー投資は有効か?[海外株式]

[最終更新日:2018.5.10] 一般の投資信託の信託報酬・実質コスト引き下げを反映して再計算。

 

一般の投資信託とETFの違い

信託報酬

ETFの最大のメリットは信託報酬の低さ。TOPIX連動型上場投資信託(1306)の信託報酬は0.1188%(税込)です。

一方で、インデックスファンドも低コスト化が進み、TOPIX連動型のインデックスファンドでは、ニッセイ<購入換金手数料なし>eMAXIS Slimなどの信託報酬は0.17172%(税込)と、ETFに対する差はかなり縮まってきました。

 

分配金

長期投資としてのETFの問題として分配金があります。

ETFは基本的に毎年分配金を出します。(詳しくは野村アセットマネジメントのこちらのサイトを参照して下さい。) 

分配金が出れば、その時点で課税されてしまいますし、再投資しなければ複利効果が薄れるという問題もあります。

一般の投資信託は、保有する株式から配当が出ても、それに課税される事無く自動的に再投資してくれますが、ETFは自分で行わなければなりませんので、実際には、再投資せず、そのまま資金が眠ったまま、という事も多いのではないでしょうか?

勿論、一般の投資信託でも分配金を出すものも多くありますが、本サイトで取り上げているインデックス・ファンドの殆どが分配金を出していません。(今後、順調に基準価額が上昇すれば、分配金を出す可能性も否定は出来ません)

 

購入時手数料

ネット証券で購入する一般のインデックスファンドの殆どが購入時手数料無料(ノーロード)なのに対し、ETFは株式同様、売買手数料がかかります。

ただし、岡三オンライン証券SBI証券楽天証券松井証券の場合10万円以下(岡三オンライン証券は20万円まで)であれば売買手数料無料となりますし、カブドットコム証券では、MAXISシリーズなどのETFを売買手数料無料で購入できます。

さて、前置きが長くなりましたが、国内株式(TOPIX)に関して、

信託報酬は安いけど分配金有、さらに売買手数料がかかる(場合がある)ETF、
ETFに比べると若干コストは高いけど分配金無(と仮定)、さらに購入時手数料無料の一般の投資信託、

ETFの分配金を再投資するという前提で、どちらが実質的なコスト(分配金課税を考慮)で得なのか、実際に検証してみました。

国内株式(TOPIX)。信託報酬、分配金(課税有)、及び株式売買手数料を考慮した実質年利回り

前提条件・仮定

以下の前提条件・仮定で計算しました。

  • 毎月10万円、10年間積立て。
  • 一般の投資信託の信託報酬 0.17172%、そして実質コストは0.180%。(ニッセイ<購入・換金手数料なし>の実質コスト)
  • ETFの信託報酬 0.1188% (野村TOPIX ETF 1306)、そして実質コストは0.135%。
     *実質コストは、森村ヒロさんのこちらの記事を参考に計算しました。
  • 信託報酬などのコストは、日々基準価額から差し引かれるが、ここでは便宜上、月に1回、資産額から「資産残高 x 実質コスト x 1/12」を差引くとする。
  • 一般の投資信託は分配金無
  • ETFは年1回分配金があるとし、その時20.315%課税される。課税後の分配金はすぐに再投資する。
  • 一般の投資信託、ETFともTOPIXの利回りと同じ運用パフォーマンスとする。
  • 分配金利回りは、分配金総額/資産総額で定義。
  • ETFの売買手数料は、無と100円(1回10万円の購入あたり)の両方で計算。
  • 積立終了時の売却手数料は考慮しない。
  • 積立終了時に、利益額に対して20.315%が課税

 

計算結果

積立期間10年で計算した、信託報酬・実質コスト、配当金課税、そして10年経過後の売却時課税などを考慮した実質年利回りをまとめます。

TOPIX利回りとは配当を含んだ利回りと定義し、一般の投資信託は、単純にその利回りから信託報酬・実質コスト分、売却時の税金を差引いた値が実質利回りとなります。

一方のETF、TOPIX利回りで運用しつつも、年1回の配当月には、資産から分配金利回り分を差し引き、これに課税後の配当金を全額再投資する仮定で計算しています。

売却時は、利益額に対して課税されますが、ETFの場合、元本が毎月の積立額累計+課税後の分配金再投資額となります。

尚、利回りは全て年率です。

TOPIX利回りは2.5%と5%、ETFの分配金利回りは0、1.0、1.5、2.0、2.5%として計算します。(分配金利回が2.5%はTOPIX利回り5%の場合のみ)

ETFで分配金0%というのは実際には有り得ませんが、純粋に信託報酬・実質コストの差を見るために計算しています。 

積立期間10年
TOPIX
利回り
ETF
分配金
利回り
一般の
投資信託
ETF
(売買手数料無)
ETF
(売買手数料100円)
実質コスト
0.180%
実質コスト
0.135%
2.5% 0% 1.87% 1.91% 1.89%
1.0% 1.89% 1.88%
1.5% 1.89% 1.87%
2.0% 1.88% 1.87%
5% 0% 3.94% 3.97% 3.96%
1.0% 3.95% 3.93%
1.5% 3.94% 3.92%
2.0% 3.92% 3.91%
2.5% 3.91% 3.89%

赤字は、ETFの年利回りが一般の投資信託より低くなった場合です。

TOPIX利回りETF分配金利回りが大きいと、その分、多くの税金が差し引かれ、再投資の複利効果が薄れますので、ETFが不利となります。

TOPIX利回り2.5%では、分配金利回り2%でも、まだETFの方が有利となっています(売買手数料無の場合)

TOPIX利回り5%であれば、売買手数料無の場合でも、分配金利回り2%以上あたりからETFが一般の投資信託より年利回りが低くなります。

いずれの場合もその差は小さく0.01%台です。

一般の投資信託(インデックスファンド)の、さらなる信託報酬引下げがあれば、全ての条件において逆転する事でしょう。

インデックスファンドの信託報酬低コスト化が進んだ今、実質的なコストではETF、一般の投資信託、概ね同等と言って良いでしょう。

 

まとめ

以上、国内株式(TOPIX)に関して、若干コストは高いけど分配金のない一般的な投資信託と、低コストだけど必ず分配金を出すETFの比較でした。

分配金を再投資するなら、実質的なコストは概ね互角。

コストというよりも、

資産形成期、そして投資に手間暇をかけたくないという方は一般の投資信託、

資産取り崩し期、分配金収入(インカムゲイン)を重視する方、そして、通常の株式同様のリアルタイムでの取引に魅力を感じる方はETF

を選べば良いかと思います。

尚、NISA(非課税口座)でETFに投資すれば、分配金再投資という手間はかかりますが、ETFの低いコストの恩恵をフルに受ける事が出来ます。勿論、再投資分でNISA枠を消費してしまうという問題はありますが。

*つみたてNISAでETFを購入できるのは大和証券のみかと思います。非課税枠でETFに投資するなら従来のNISAを選択しましょう。

 

勿論、ETFに投資する場合は、株式売買手数料の安い(無料)証券会社を選択する事は言うまでもありません。

参考記事国内株式売買手数料比較(現物取引)

10万円以上の売買を行う方は、20万円まで無料となる岡三オンライン証券、
公式サイト岡三オンライン証券

あるいは、MAXIS トピックス上場投信(1348)など8本のETFが手数料無料で売買できるカブドットコム証券、
公式サイトカブドットコム証券

10万円まで無料となる、SBI証券、楽天証券、松井証券
公式サイト SBI証券 楽天証券 松井証券

 

TOPIX連動型のETFを比較したのが下記記事になります。

 

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