インデックス投資全般

国内インデックスファンド vs. 海外ETF(米国籍ETF) お得なのはどちら? 三重課税を考慮してVT、eMAXIS Slim、楽天バンガードなどを比較!

投稿日:2020年3月17日 更新日:

米国ETF vs. 国内インデックスファンド(三重課税)

低コストが魅力の海外ETF(ここでは米国籍ETF)

以前は国内インデックスファンドに投資し、それがある程度の資産額になった時点で米国ETFに乗り換える「リレー投資」という手法もありました。

しかし、2018年に始まったつみたてNISAを契機に、国内のインデックスファンドの低コスト化が急速に進み、信託報酬という点では、米国ETFにも十分匹敵するような低コストなファンドも登場しています。

勿論、米国ETFも主要ネット証券で始まった米国株最低取引手数料の撤廃一部ETFの買付手数料無料など、投資環境が大きく改善されてきています。

ただ、ETFの場合、必ず分配金を出す事による投資効率の悪さ、さらに米国以外に投資する米国ETFの場合、分配金に対する三重課税という大きなデメリットもあります。

そこで、この三重課税をも考慮し、米国ETF、国内インデックスファンド、さらに2020年より外国税額控除が適用されるようになった国内ETFを含めて、本当に有利、お得なのはどちらなのか、全世界、米国、新興国と地域別に比較していきます。

*本記事の「国内インデックスファンド」とは非上場の投資信託の事を指します。

[最終更新日:2020.3.17]全面的に更新。
国内ETFを追加、投資期間10年に加え20年を追加、
信託報酬などを最新の情報に更新。

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[注意]管理人が知り得る情報のもと本記事を作成しておりますが、記事記載の課税方法、税率などに一部管理人の推測、仮定が含まれており、記事の正確性を保証するものではありません。

見出し

国内インデックスファンド、国内ETF、海外ETF(米国籍ETF)の配当金課税の違い。~三重課税・二重課税とは~

先ず、(海外に投資する)国内インデックスファンド、国内ETFと米国ETFの配当に対する課税関係を解説します。

さらに、国内インデックスファンドでも、楽天・バンガード・ファンドSBI・雪だるまシリーズなどのファンド・オブ・ファンズとも比較します。
*楽天・バンガード・ファンドやSBI・雪だるまは、目論見書ではファミリーファンドとなっていますが、そのマザーファンドがETFに投資しており、事実上、ファンド・オブ・ファンズと考えて問題ないでしょう。

*ここでは投資する企業(市場)が存在し配当を出す国を「現地国」と呼びます。

 

現地国課税 源泉徴収税率

基本的に保有する株式から配当が出た場合、その現地国により源泉徴収されます。

源泉徴収税率は国により異なりますが、

今回の計算では全ての国で10%と仮定します。(先進国、新興国とも)

国内インデックスファンドについては下記の記事で概算10%との記載があります。米国ETFの場合も特に根拠はないですが、これと同じ10%と仮定します。

引用K-ZONE money : 投信フォーカス 取り戻せない「海外源泉徴収税」の実態を知る - 注目の投信 - 投資信託

 

国内インデックスファンド (海外ETFに投資するFOFを除く)

米国ETF vs. 国内インデックスファンド(三重課税)

先進国株式インデックスファンド新興国株式インデックスファンドのように海外の株式に投資するファンドでは、その配当に対して現地国で源泉徴収され、その課税された後の配当金がファンドに入ります。この現地国の税金は取り戻すことが出来ません(*)

そして分配金を出さないファンドの場合、最終的に売却する時まで国内の課税は繰延べされ、売却時の譲渡益に対して20.315%が課税されます。

*勿論、キャピタルゲインと合わせて損失となる場合は非課税です。

即ち、国内ファンドの場合は現地国課税 + 国内課税の2重課税となります。

尚、国内ファンドで国内株式に投資する場合は、その配当は課税される事無くファンドの資産(基準価額の上昇)となります。分配金を出した場合、あるいは売却時に課税される事になります。

(*)2020年よりファンドが分配金を出す場合に限り、二重課税調整措置により外国源泉徴収税を取り戻せる場合があります。ただ、複雑な条件があり必ずしも100%戻ってくるわけではありません。インデックスファンドの多くが今後も分配金を出さないと推測しますので、本記事では、あくまで外国税は取り戻せないという前提で進めます。
外国税額控除の詳細は下記記事をご覧ください。

 

国内籍ETF (外国株式に100%投資)

米国ETF vs. 国内インデックスファンド(三重課税)

前述の二重課税調整制度により外国税額控除を受けられるようになった国内籍ETFについても比較します。

現地国で配当に対して源泉徴収されますが、

国内税率は、外国源泉徴収分を足した金額(グロスアップ)で計算し、国内所得税から外国税額が控除されます。

最終的な税率は20.315%のみとなります。

*これは理想的なケースですが、全ての場合に外国税が全額控除される訳ではありません。また、対象となるかはETFによっても異なります。
*NISA等の非課税口座では外国税額控除を受けられません。
*非上場のインデックスファンドは、キャピタルゲインを含めた収益分配可能額全額を分配金として出さなければ外国税額を全て控除する事が出来ませんが、ETFでは、配当分のみの分配金で外国税額を全て控除出来る可能性があります

詳細は下記記事をご覧ください。

 

米国ETF

米国ETFでは、米国以外の国(日本を含む)に投資した場合、その配当に対して現地国が源泉徴収し、これを分配金として出した際に米国10%、さらに国内20.315%が課税されます。

即ち、現地国課税 + 米国課税 + 国内課税の3重課税となってしまう訳です。

勿論、米国ETFでも米国だけに投資する場合は現地国課税=米国課税となり、2重課税ですみます。

売却時は国内のみ20.315%が課税されます。

尚、米国課税10%分は確定申告の外国税額控除によって一部を取り戻せる場合もあります。

 

投資国(地域)による違い ~米国株式・全世界株式・新興国株式~

米国のみに投資するETF

米国ETF vs. 国内インデックスファンド(三重課税)

前述のように米国のみに投資する場合は、米国=現地国となり三重課税にはなりません。

米国企業から出た配当に対して、米国ETFが分配金を出す際、米国で10%が源泉徴収、さらに国内で20.315%の二重課税で合計税率は28.3%となります。

*10% + (1-10%) x 20.315% = 28.3%

 

新興国株式など米国以外に100%投資するETF

米国ETF vs. 国内インデックスファンド(三重課税)

配当を出した現地国での課税(10%と仮定)、そして米国ETFが分配金を出す際、米国で10%、ここまでで19.0%、

これに国内の20.315%が加わる三重課税で、

合計税率は35.5%になります。

*10% + (1-10%) x10% + {1 - [10% + (1-10%) x10%]}*20.315% = 35.5%

最も三重課税の影響を大きく受けるケースです。

 

全世界の株式に投資するETF

米国ETF vs. 国内インデックスファンド(三重課税)

人気のバンガード社ETF VTなどのように全世界の株式に投資するケースです。

投資国(地域)比率は米国が55%、米国以外が45%と仮定します。
*配当金額も投資地域比率に同じと仮定

米国部分については二重課税、米国以外については三重課税となります。

配当に対して現地国で4.5%(米国以外45%の10%)、

ETFが分配を出す時に米国で10%、ここまでで14.05%、

さらに国内で20.315%、合計税率は31.5%となります。

*45%*10% + (1-45% x 10%) x10% + {1 - [45%*10% + (1-45% x 10%) x10%]}*20.315% = 31.5%

 

米国ETFの配当課税のまとめ

各投資国(地域)に応じた配当・分配金に対する課税を下表にまとめます。

米国ETFの配当課税
投資対象国米国のみ米国以外のみ
(新興国株式ETFなど)
全世界株式
現地国課税10%10%4.5%
米国課税10%10%
配当に対する
外国課税合計
10%19%14.05%
日本課税20.315%20.315%20.315%
配当に対する
合計税率
(外国+日本)
28.3%35.5%31.5%

 

国内インデックスファンドで米国ETFに投資するファンド・オブ・ファンズ(FOF)

ファンドそのものは分配金を出さないという前提で考えます。

先ず、そのETFが米国だけに投資する場合ETFの分配金に対して米国課税後、ファンド内で再投資されます。分配金に対する国内課税はありません(税の繰延べ)。そして売却時に譲渡益として国内のみ20.315%が課税されます。結果的に通常の国内ファンドと同じです。

次に、米国以外に投資するETFの場合配当に現地国で課税され、さらにETFが分配金を出す際、米国でも源泉徴収されます。その課税された後の配当金がファンドに入りますそして、売却時は国内のみ20.315%が課税されます。
直接現地国に投資する国内ファンドに対し、ファンド・オブ・ファンドは米国課税分だけ不利になります。

さらに、いずれの場合も現地国・米国課税を取り戻すことは出来ません。

*以下、フォンド・オブ・ファンズをFOFと略して表記する場合があります。

 

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国内インデックスファンド・ETF vs. 海外ETFの比較・計算の前提条件など。 

以下、国内インデックスファンド・ETF、海外ETFの年利回りを計算・比較しますが、その際の条件をまとめます。

  • 100万円を一括投資し、10年、または20年後に売却、それまでの年率換算利回りで評価。
    (売却時の譲渡益課税後から利回り計算)
  • トータルリターン(年率) 5%、うち配当利回り2%。
  • 国内インデックスファンドは分配金を出さない。
  • 米国ETFの分配金は便宜上年1回とし、課税後の分配金は全額再投資する。
  • 米国ETFで外国税額控除を行う場合、米国課税の半分が還付されるとして、計算上は米国課税を5%とする。
  • 米国ETF、全世界株式、米国株式ではETFの買付手数料は0、売却時のみ考慮。
    *SBI証券、楽天証券、マネックス証券でVT、VOO、VTIの買付手数料が無料となった為
  • 米国ETF、新興国株式は買付・売却手数料考慮(NISAの場合は売却時手数料のみ)。
  • 米国ETF、分配金再投資時の買付手数料は考慮せず。
  • ドル購入時の為替手数料は考慮せず。

 

全世界株式に投資する米国ETF【VT】、国内インデックスファンド・ETFの比較。

米国ETF  ~バンガード・トータル・ワールド・ストックETF[VT]~

米国ETFとしてバンガード・トータル・ワールド・ストックETF[VT]の経費率を用います。

ETF経費率
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF【VT】
0.08%

配当に対する外国課税は、米国比率を55%とすると前章で解説したように14.05%

これに国内課税の20.315%が加わります。

 

国内インデックスファンド ~eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)~

国内インデックスファンドの代表としてMSCI ACWIとの連動を目指し日本を含む全世界の株式に投資するeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を用います。

ファンド信託報酬実質コスト
eMAXIS Slim 全世界株式
オール・カントリー
0.1144%0.216%

国内インデックスファンドの実質コストは下記記事より。
参考記事インデックスファンド・コスト比較

尚、配当に対する課税は、国内投資分(約8%)はファンド段階では非課税、外国投資分は現地国で10%源泉徴収されますので、その比率から計算すると9.2%となります。

(注意)VTとeMAXIS Slimのベンチマークは異なります。特に小型株の有無などに違いがありますが、ここではコストの観点のみから比較します。

 

ファンド・オブ・ファンズ ~楽天・バンガード・ファンド(全世界株式) & SBI・全世界株式インデックス・ファンド~

FOFの国内インデックスファンドとしてVTに投資する楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天バンガード)SCHBSPDWSPEMに投資するSBI・全世界株式インデックス・ファンドも比較します。

ファンド信託報酬実質コスト
楽天・全世界株式
インデックス・ファンド
0.2120%0.301%
SBI・全世界株式
インデックス・ファンド
0.1102%0.199%

 

国内籍ETF ~MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信【2559】~

国内籍ETFの代表としてMSCI ACWIとの連動を目指し日本を含む全世界の株式に投資するMAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信を用います。

ファンド信託報酬実質コスト
MAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
上場投信
0.0858%---%

本ETFは2020年1月に上場されたばかりで、未だ実質コストがわかりません。

そこで、上記、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の実質コストを暫定値として使用します。

尚、配当に対する課税は、外国税額は全て控除されると仮定し0%、国内のみ20.315%かかるとします。

 

結果 [配当込リターン 年率5%、配当利回り 2%の場合]

*スマホの方は横にスクロールしてご覧下さい。
*FOFは上段 楽天・全世界株式、下段 SBI・全世界株式

  国内インデックスファンド国内ETF米国ETF
eMAXIS Slim
オールカントリー
FOF
(楽天全世界)
(SBI全世界)
MAXIS
全世界株式
(2559)
VT
 実質コスト 0.216%0.301%
0.199%
0.216%
[暫定値]
 0.08%
外国税額控除------
[NISAは無]
非適用半分還付
配当
外国税率
9.2%
14.05%0%
[NISA 9.2%]
14.05%9.275%
配当
国内税率
---%---%20.315%
[NISA 0%]
20.315%
[NISA 0%]
20.315%
課税口座
10年利回り
(年率)
3.80%3.65%
3.74%
3.90%3.77%3.85%
20年利回り
(年率)
3.93%3.77%
3.86%
3.98%3.86%3.94%
非課税口座(NISA)
10年利回り
(年率)
 4.60%4.42%
4.52%
4.60%4.62% ---
20年利回り
(年率)
 4.60%4.42%
4.52%
4.60%4.63% ---

国内インデックスファンド vs. 米国ETF[VT]

国内インデックスファンド(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))と、VTの差は殆どありません。

厳密には外国税額控除を適用したVTが若干上回りますが、運用年数が長くなるとその差は殆どなくなります。

一方、課税口座で外国税額控除を適用しないと国内インデックスファンド(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の方が寧ろ有利になります。

さらに、SBI証券楽天証券では国内ファンドに対して保有額に応じたポイント還元がありますので、これを考慮すると米国ETFよりも有利になると言っても過言ではないでしょう。

 

国内インデックスファンド eMAXIS Slim vs. FOF(楽天バンガード、SBI・全世界株式)

直接各投資国に投資する国内ファンドに対し、一度米国を介して全世界に投資するFOFは税制上不利になります。

実質コストが低いSBI・全世界株式インデックス・ファンドでも、三重課税が加わる事でeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)に負けています。

勿論、同じ三重課税の影響を受けるとはいえ、元の経費率が小さいVTにも負けます。

eMAXIS Slimなどの直接各国に投資するファンドと同じリターンになるには、FOFでは信託報酬・実質コストにして約0.10%低くなければなりません。言い換えれば、FOFでは信託報酬・実質コストに課税コストとして0.10%が上乗せされるという事です。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の実質コストが0.216%なので、FOFでは実質コストが0.12%で漸く同じリターンになります。

税制上不利なFOFが国内から直接投資するファンドにコストで勝つのは極めて難しいでしょう。

*これは配当利回りが2%の場合で、配当利回りが大きくなる程この課税コストは大きくなります。単純にはeMAXIS Slimの配当源泉徴収税率が9.2%、FOFでは14.05%、その差5%、配当利回り2%で源泉徴収税率5%の違いは2% x 5% = 0.1%。

 

国内籍ETF

非課税口座で最も有利になるのが国内籍のETF。

*あくまで外国税額控除で配当に係る外国税が100%控除できた場合です。

まだ、MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信の実質コストが不明で暫定値での計算ですので確かな事は言えませんが、外国税額控除を含めたコスト的には十分期待できるETFと言って良いでしょう。

ただ、運用期間が長くなると国内インデックスファンドとの差が小さくなってきます。

 

まとめ

以上まとめると、

(米国以外を含む)全世界の株式に投資する場合、

  • eMAXIS Slimに代表される低コスト化が進んだ国内インデックスファンドは、もはやコスト的にはVTなどの米国ETFと同等レベル。
  • 国内インデックスファンドでも、海外ETFに投資するFOFは最も不利となり、直接各国に投資するファンド(eMAXIS Slimなど)に対して0.10%信託報酬・実質コストが低くなって初めて同等となる。(配当利回り2%と仮定)
  • 外国税額控除が100%適用された国内ETFは、コスト的に最も有利になる可能性がある。

勿論、投資対象も異なり、コストだけで優劣をつけられるものではありませんので、

小型株を含むより広い銘柄に1本で投資でき、純資産総額は国内ファンドの比ではないVTに魅力を感じる方、さらに定期的に分配金が欲しい方等は、多少の手間はかかりますが直接VTを購入するも良いでしょうし、

もっと手軽に米国ETFを購入したいという方は、コスト的には不利になるものの、楽天・全世界株式インデックス・ファンドSBI・全世界株式インデックス・ファンドも一つの選択でしょう。

ただ、小型株を含める必要がない、分配金も要らない(分配金が無いからと言って不利になる事はなく寧ろ分配金が無い方がトータルリターンでは効率的です)という方にはeMAXIS Slim等の超低コスト・国内インデックスファンドで十分、コスト的には何ら遜色ありません。

そして、未だ流動性、乖離という点で懸念はありますが、MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信等の国内籍ETFも今後有力な選択肢の一つとなるでしょう。

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米国株式に投資する米国ETF【VTI/VOO】、国内インデックスファンド・ETFの比較。

米国ETF  ~VOO/VTI~

米国ETFとしてS&P500との連動を目指すバンガード・S&P500ETF[VOO]や米国株式全体に投資するバンガード・トータル・ストック・マーケットETF[VTI]を用います。 

ファンド経費率
バンガード・S&P500 ETF【VOO】0.03%
バンガード・トータル・ストック・マーケット ETF【VTI】0.03%

配当に対する課税は米国の10%と国内の20.315%です。

*米国だけに投資する場合は三重課税となりません。

 

国内インデックスファンド ~eMAXIS Slim米国株式(S&P500)、楽天・バンガード・ファンド(全米株式)~

対する国内インデックスファンドは、

S&P500との連動を目指すeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

またFOFとしてVTIに投資する楽天・全米株式インデックス・ファンド 

を用います。

ファンド信託報酬実質コスト
eMAXIS Slim 米国株式
(S&P500)
0.0968%0.180%
楽天・全米株式
インデックス・ファンド
0.1620%0.225%

配当に対する課税は米国の10%のみで、米国の各銘柄に直接投資するファンド(eMAXIS Slim)とFOF(楽天バンガード)で課税関係に差はありません。ここが米国以外に投資する場合との大きな違いです。

尚、S&P500に投資するファンドとしてSBI・バンガード・S&P500インデックスファンドもありますが未だ実質コストがわかりません。信託報酬はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と概ね同じですので、これと同じと思って良いでしょう(信託報酬以外のコストが同等レベルになる前提で)

 

国内籍ETF ~MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信【2558】~

国内籍ETFの代表としてS&P500との連動を目指し米国株式に投資するMAXIS 米国株式(S&P500)上場投信を比較します。

ファンド信託報酬実質コスト
MAXIS Slim 全米株式
(S&P500)
上場投信
0.0858%---%

本ETFは2020年1月に上場されたばかりで、未だ実質コストがわかりません。

そこで、上記、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の実質コストを暫定値として使用します。

尚、配当に対する課税は、外国税額は全て控除されると仮定し0%、国内のみ20.315%かかるとします。

 

結果 [配当込リターン 年率5%、配当利回り 2%の場合]

*スマホの方は横にスクロールしてご覧下さい。

  国内インデックスファンド国内ETF米国ETF
eMAXIS Slim
S&P500
FOF
(楽天全米)
MAXIS
米国株式
(2558)
VOO/VTI
実質コスト 0.180%
0.225%
0.180%
[暫定値]
 0.03%
外国税額控除------
[NISAは無]
非適用半分還付
配当
外国税率
10%
10%0%
[NISA 10%]
10%5%
配当
国内税率
---%---%20.315%
[NISA 0%]
20.315%
[NISA 0%]
20.315%
課税口座
10年利回り
(年率)
3.82%3.78%3.93%3.88%3.96%
20年利回り
(年率)
3.95%3.91%4.01%3.97%4.05%
非課税口座(NISA)
 10年利回り
(年率)
 4.62%4.58%4.62%4.75%---
20年利回り
(年率)
 4.62%4.58%4.62%4.77%---

国内インデックスファンド(eMAXIS Slim/楽天・バンガード) vs. 米国ETF[VOO/VTI]

米国ETFで米国だけに投資する場合、米国課税と国内課税の2重課税だけですので、国内インデックスファンドとの差は分配金を出すかどうか、即ち、分配金の国内課税相当分の複利効果だけの違いとなります。

そして、年利回りで見ると経費率で勝る米国ETFが有利となります。

ただ、運用期間が長期になるほど、国内インデックスファンドとの差が縮まってきます。

尚、米国ETFと全く同じ年利回りになるには、(FOFを含む)国内インデックスファンドの実質コストが、

課税口座(外国税額控除非適用)
0.11%(10年) /  0.16%(20年)

課税口座(外国税額控除で米国課税50%還付) 
0.02%(10年) /  0.07%(20年)  ==>非現実的!

NISA   0.05% ==>非現実的!
0.05%(10年) /  0.03%(20年) 

になる必要があり、まだまだ超低コストの米国ETFにはかないません。

*非課税口座では米国ETFと国内インデックスファンドの差はそのままコスト差になる筈ですが、上記結果では若干差が縮まっています。これは米国ETFでは売却手数料を入れているためです。

尚、国内インデックスファンドでのFOFとの違いですが、前述のように米国内だけに投資する場合、直接投資する国内ファンドとFOFの課税関係に差はありません。よって実質コストの差のみで決まります。

 

国内籍ETF

外国税額控除が適用された国内籍ETF、実質コストが同じと仮定すると、国内インデックスファンドより有利になります。

また、米国ETFの外国税額控除無よりも勝っています。

*あくまで外国税額控除で配当に係る外国税が100%控除できた場合です。

MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信の実質コストがどうなるかに注目です。

 

まとめ

以上、米国内だけに投資する場合は、楽天・全米株式インデックス・ファンドやeMAXIS Slim米国株式の登場により、その差は縮まったとはいえ、依然、米国ETFが有利です。

言い換えると、米国籍ETFに投資するなら、

米国内に投資するETFを選択する方が、その低いコストの恩恵を最大限に享受できる

という事です。

ただ、長期では国内インデックスファンドとの差が縮まってくること、

ETFの計算には為替手数料を考慮していない事、

さらに国内インデックスファンドのポイント還元をも考慮すると、コスト的には国内インデックスファンドで十分とも言えます。

また、国内ETFも、その実質コストが抑えられ、流動性、乖離に問題がなければ有力な投資先となるでしょう。

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新興国株式に投資する米国ETF【VWO】(米国以外100%)、国内インデックスファンド・ETFの比較。

新興国株式、即ち全て米国外に投資する場合です。

米国ETF  ~VWO~

米国ETFとしてバンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF[VWO]を用います。 

ファンド経費率
バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF【VWO】0.100%

配当に対する外国課税は、現地国、米国ともに10%で合計19%。それに国内課税の20.315%が加わる事になります。

 

国内インデックスファンド ~eMAXIS Slim新興国株式~

対する国内インデックスファンドはeMAXIS Slim新興国株式インデックスで計算します。

ファンド信託報酬実質コスト
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
0.2079%0.388%

配当に対して現地国で10%が源泉徴収されます。

 

ファンド・オブ・ファンズ ~楽天・バンガード・ファンド(新興国株式)、SBI・新興国株式インデックス・ファンド~

事実上FOF形式で運用され、VWOに投資する楽天・新興国株式インデックス・ファンド(楽天バンガード)SCHEに投資するSBI・新興国株式インデックス・ファンドとも比較します。

ファンド信託報酬実質コスト
楽天・新興国株式インデックス・ファンド0.2320%0.430%
SBI・新興国株式インデックス・ファンド0.1960%0.267%

配当に対する課税は、米国ETFと同様、現地国・米国で19%、但し国内での課税はありません。

(注)同じ新興国株式でもVWO、SCHE、eMAXIS Slimのベンチマークは異なります。

 

国内籍ETF ~NEXT FUNDS 新興国株式・MSCIエマージング・マーケット・インデックス(為替ヘッジなし)連動型上場投信【2520】~

国内籍ETFの代表としてMSCIエマージング・マーケット・インデックスとの連動を目指し新興国株式に投資する「NEXT FUNDS 新興国株式・MSCIエマージング・マーケット・インデックス(為替ヘッジなし)連動型上場投信 」【2520】と比較します。

ファンド信託報酬実質コスト
NEXT FUNDS 新興国株式
・MSCIエマージング
・マーケット・インデックス
(為替ヘッジなし)
連動型上場投信
0.2090%0.264%

配当に対する課税は、外国税額は全て控除されると仮定し0%、国内のみ20.315%かかるとします。

 

結果 [配当込リターン 年率5%、配当利回り 2%の場合]

*スマホの方は横にスクロールしてご覧下さい。

*FOFは上段 楽天・全世界株式、下段 SBI・全世界株式

  国内インデックスファンド国内ETF米国ETF
eMAXIS Slim
新興国株式
FOF
(楽天新興国)
(SBI新興国)
NEXT FUNDS
新興国株式
(2520)
VWO
 実質コスト 0.388%0.430%
0.267%
0.264%
 0.10%
外国税額控除------
[NISAは無]
非適用半分還付
配当
外国税率
10%
19%0%
[NISA 10%]
19%14.5%
配当
国内税率
---%---%20.315%
[NISA 0%]
20.315%
[NISA 0%]
20.315%
課税口座
10年利回り
(年率)
3.64%3.45%
3.59%
3.86%3.65%3.72%
20年利回り
(年率)
3.76%3.56%
3.71%
3.93%3.75%3.82%
非課税口座(NISA)
10年利回り
(年率)
 4.41%4.19%
4.35%
4.54%4.50% ---
20年利回り
(年率)
 4.41%4.19%
4.35%
4.54%4.51% ---

国内インデックスファンド vs. 米国ETF[VWO]

米国ETF VWOは米国から第3国へ100%投資しますので、全ての配当・分配金に現地国10%(と仮定)、米国10%の計19%の源泉徴収、さらに国内20.315%が課税される三重課税で税制上は不利になります。

それでも、元の経費率の差が大きく、課税口座で外国税額控除を用いるか、あるいはNISAなら国内インデックスファンドよりも有利になります

但しeMAXIS Slimとの差は僅か。課税口座で外国税額控除を使用しないと、長期の場合、eMAXIS Slimが寧ろ有利になります。

 

国内インデックスファンド eMAXIS Slim vs. FOF(楽天バンガード、SBI・新興国株式)

eMAXIS Slimのように直接現地国に投資するファンドに比較し税制上不利になるFOF

楽天・新興国株式インデックス・ファンドは、その実質コストの高さに加え不利な税制でeMAXIS Slim新興国株式インデックスに大きく負けています。

実質コストでeMAXIS Slim新興国株式インデックスよりも低いSBI・新興国株式インデックス・ファンドですら負けています。

eMAXIS Slimなどの直接現地国に投資するファンドに対し、一度米国を介して新興国に投資するFOFでは、実質コストにして約0.18%低くなければなりません(運用期間10年の場合)。言い換えれば、FOFでは信託報酬・実質コストに課税コストとして0.18%が上乗せされるという事です。

eMAXIS Slimの実質コストが0.388%なので、FOFでは実質コストが0.208%で漸く同じリターンになります。全世界株式同様、税制上不利なFOFが国内から直接投資するファンドにコストで勝つのは極めて難しいでしょう。

*これは配当利回りが2%の場合で、配当利回りが大きくなる程、この課税コストは大きくなります。単純には、eMAXIS Slimの配当源泉徴収税率が10%、FOFでは19%、その差9%、配当利回り2%で源泉徴収税率9%の違いは2% x 9% = 0.18%。

 

国内籍ETF

全ての条件の中で最も有利となるのが国内籍ETF(外国税額控除で100%控除出来た場合)

新興国株式国内インデックスファンド(eMAXIS Slim新興国株式)の信託報酬・実質コストが、全世界、米国株式のようにあまり低くなっていないのに対し、

「NEXT FUNDS 新興国株式・MSCIエマージング・マーケット・インデックス(為替ヘッジなし)連動型上場投信 」【2520】の実質コストが低く、

かつ税制上も有利な事から、国内ETFが大きな差をつけています。

 

まとめ

米国ETFにとって、全てを米国以外の第3国に投資する新興国株式は税制上最も不利になり、課税条件、運用期間によっては国内インデックスファンドと年利回りが逆転します。

そして最も不利なのが、米国ETFを介して新興国に投資するFOF。課税コストとして信託報酬・実質コストが0.18%上乗せされる事になります(配当利回り2%の時)

一方、インデックスファンドよりも実質コストの低い国内籍ETFは、外国税が100%控除されると最も有利になります。

 

最後に

以上、

  • 米国ETF
  • 日本から直接外国に投資する国内インデックスファンド、及び国内籍ETF
  • 米国ETFを介して外国に投資するFOF

の配当に対する課税を解説するとともに、配当課税を含めたコストの観点から比較しました。

依然、信託報酬・経費率で圧倒的に優位に立つ米国ETFですが、近年の国内インデックスファンドの急速な低コスト化により、課税コストまでを考えると、米国以外に投資する場合、国内インデックスファンドの方が低コストになる場合があります。

米国ETFに投資するなら、外国税額控除非課税口座[NISA]を使う事、さらに米国内だけに投資するETFがコスト的にはお得です。

勿論、米国ETFには、大きな純資産総額、高い流動性、商品ラインアップの多さなど、国内インデックスファンドにはない魅力もありますし、それぞれ投資対象(ベンチマーク)も異なるなどコストだけで優劣をつけられるものではありません。また、コストに対する考え方も人それぞれでしょう。

外国株式取引や外国税額控除を面倒と思わない方、その投資対象に拘りのある方、または配当金が欲しい方は米国ETF、そんな面倒な事は嫌だという方は国内インデックスファンドを選べば良いでしょう。

そして、国内インデックスファンドを選んだとしても、コスト的には十分互角の勝負が出来る時代になったという事です。

さらに、2020年から外国税額控除が適用されるようになった国内ETFにも注目です(対象とならないETFもあります)

まだ純資産総額が小さく、流動性・乖離の懸念もありますが、低コストのETFも登場してきており、これらが解決すれば、今後、魅力的な商品となる事でしょう。

 

本記事ではトータルリターン年率5%(内、配当利回り2%)一定で計算、比較してありますが、実際は株価・基準価額が単調に上昇していくわけではありません。株価・基準価額の変動により今回の結果よりETF(国内・米国とも)が不利になる可能性があります。詳細は下記記事を参照して下さい。下記記事は基本的に国内株式を対象とした検証結果ですが、分配金再投資という点では同様に考えられます。


 

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国内株式(TOPIX)に投資するETFとインデックスファンドの比較は下記記事を参照して下さい。

 

[注意] インデックスファンド、海外ETFとも多くの国に投資しており、その配当に対する課税は複雑です。あくまで概算の見積もりである事をご承知おきください。
また、私の認識違いなどありましたら、是非、ページ下部のコメント欄でご指摘ください。

 

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