純資産総額 2,000億円突破(2024.7)
国内の株式に投資し、TOPIXとの連動を目指すインデックスファンド、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)について解説します。
[最終更新日:2024.8.15]全て最新情報に更新。
本記事は基本的に2024年7月末日時点の情報に基づき記載していいます。
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見出し
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の基本情報
eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)シリーズは「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」をコンセプトとした三菱UFJアセットマネジメントが運用するインデックスファンドで、「他社類似ファンドの運用コストに注意を払い、機動的に信託報酬を引き下げることによって、今も、そしてこれからも業界最低水準を目指し続ける」と公表しています。実際、設定から既に数回の信託報酬引下げを行い、最低水準、もしくはそれに近い座を維持しています。
本記事で解説するのは、国内の株式に投資するeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)。
先ず、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の基本情報をまとめます。
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
設定日 | 2017年2月27日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | TOPIX(配当込) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.1430% |
実質コスト | 0.147%(*1) |
純資産総額 | 2,075億円(2024.7.31時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 14,092億円(2024.3.25時点) |
分配金実績 | 無 |
NISA(つみたて投資枠) | 対象商品 |
NISA(成長投資枠) | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.03% |
松井証券ポイント還元年率 | 0.055% |
(*1)実質コストは2024.4.25決算より。
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)。
投資対象
ベンチマークはTOPIX[配当込]で、国内の株式に投資します。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。
投資銘柄
投資している銘柄数は2,137(2024.7月末日時点)、TOPIXの構成銘柄数は2,137(2024.6末日時点)ですので、ほぼ100%保有している事になります。
組入上位10銘柄は下表のとおり。
画像引用:eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) 月報(2024/7)
日本を代表する企業が上位を占めていますが、
1位のトヨタ自動車でも3.9%と、日経平均株価に比べ広く分散されている事がわかります。
また、日経平均株価では、1位 ファーストリテイリング、2位 東京エレクトロン、3位 ソフトバンクの3社で全体の20%強を占めますが、TOPIXでは東京エレクトロンが7位に入っているのみです。
尚、TOPIXでは三菱UFJ FG、三井住友FGといった銀行業の比率が高いのも特徴です。
国内株式を代表する指数としてTOPIX、日経平均株価がありますが、両者の違い・比較については下記の記事をご覧ください。
参考記事【国内株式インデックスファンド】TOPIX、日経平均株価どちらを選ぶ? 過去の成績を徹底比較。
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の最大の魅力は何と言っても信託報酬の低さ。
国内株式(TOPIX)インデックスファンドとしては最低水準の0.1430%(税込)。
実質コストは0.147%(税込、2024.4決算時点)。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
受益者還元型信託報酬
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は、下表のように純資産総額に応じて信託報酬率が変わる受益者還元型信託報酬を採用しています。
*以前は500億円、1,000億円で信託報酬が下がっていましたが、2023.5.11の信託報酬引下げに伴い、受益者還元型信託報酬も変更になりました。
純資産総額 | 信託報酬(税込) |
2,500億円未満の部分 | 0.1430% |
2,500億円以上5,000億円未満の部分 | 0.14289% |
5,000億円以上の部分 | 0.14278% |
2024.7末時点で純資産総額2,075億円ですので、(株価暴落がなければ)間もなく2,500億円に到達する事でしょう。
他社 国内株式(TOPIX)インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
TOPIXをベンチマークとする他社の低コスト・インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | ステート・ストリートTOPIXインデックス・オープン | 0.1078% | --- |
2 | SBI・iシェアーズ・TOPIXインデックス | 0.1133% | 0.494% |
3 | eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) | 0.1430% | 0.147% |
3 | <購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド | 0.1430% | 0.145% |
3 | はじめてのNISA日本株式(TOPIX) | 0.1430% | 0.147% |
6 | iFree TOPIXインデックス | 0.1540% | 0.165% |
6 | Smart-i TOPIXインデックス | 0.1540% | 0.161% |
6 | My SMT TOPIXインデックス | 0.1540% | 0.161% |
6 | 東京海上セレクション・日本株TOPIX | 0.1540% | 0.159% |
10 | 三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド | 0.1760% | 0.184% |
11 | たわらノーロードTOPIX | 0.1870% | 0.190% |
12 | (三菱UFJ)つみたて日本株式(TOPIX) | 0.1980% | 0.202% |
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の信託報酬は<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスなどと並び3位。
ステート・ストリートTOPIXインデックス、SBI・iシェアーズ・TOPIXインデックス・ファンドがより安い信託報酬ですが、未だ初回決算前で実質コストがわかりません。十分な実績のあるファンドの中ではeMAXIS Slimがニッセイ等とともに同率最安値になります。
*SBI・iシェアーズ・TOPIXインデックス・ファンドは東証上場ETFに投資し、ETFの信託報酬以外のコストが含まれていませんので、実際のコストははさらに上がると推測されます。
信託報酬の変更履歴
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は、業界最低水準の運用コストを目指し続けるというコンセプト通り、既に設定から複数回の信託報酬引下げを行っています。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2017/2/27 | 0.1944% | 新規設定 |
2017/10/2 | 0.1836% | たわらノーロード、iFree TOPIXの引下げに対抗 |
2017/11/10 | 0.17172% | <購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXの引下げに対抗 |
2019/2/15 | 0.1674% | Smart-i TOPIXの引下げに対抗 |
2019/5/14 | 0.1512% | 野村DC国内株式インデックスファンド・TOPIX等に対抗 |
2019/10/1 | 0.1540% | 消費税増税(8%-->10%) |
2023/5/11 | 0.1430% | たわらノーロード日経225、またはDCニッセイ国内株式に対抗 |
2017年2月に新規設定された後、既に5回の信託報酬引下げを行い、(一時期を除き概ね)最低水準の信託報酬・運用コストを実現しています。
今後、ステート・ストリートTOPIXインデックス、SBI・iシェアーズ・TOPIXインデックス・ファンドの実質コストがeMAXIS Slimより低くなれば、それに追従した引下げに期待したいところ(勿論、信託報酬引下げを保証するものではありません)。
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eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額から、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
2023年末より資金流入が増え始め、新NISAが始まった2024年には100億(/月)を超える月が多くなっています。
純資産総額も設定から7年半弱で2,000億円を超えています。
今、最も売れている国内株式(TOPIX)インデックスファンドの一つです。
運用状況は?
インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*ベンチマークは同じTOPIXでも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、実際の運用は両者で変わらない事から、配当込インデックスを、ここではベンチマークと定義します。
尚、国内株式の場合、所有する銘柄から配当があっても、それに課税される事無くファンドの資産となります。
下図は、2024年7月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
図中グレーの点線は、コストが0の時、配当込指数と一致し、ベンチマーク騰落率から決まる傾きの直線です。
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の騰落率は図中グレーの点線上にあり、これは、コスト要因以外でのベンチマークとの乖離がない事を意味します。
そして、その低いコストに応じた高い騰落率を示しています。
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まとめ
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は、他社類似ファンドが引下げを行っても、(今までの実績では)即座に、それに対抗した引下げを行うなど、将来にわたってコスト面では優位にたつであろうファンドです。
毎月多くの資金流入があり、ファンド純資産も順調に伸びています。さらに巨額の純資産を持つマザーファンドで安定した運用も行われています。
低いコスト、安定した運用、大きな純資産総額とインデックスファンドとしての要件を全て満たしており、国内株式(TOPIX)インデックスファンドとして、お勧めできるファンドの一つです。
尚、三菱UFJアセットマネジメントが運用するeMAXIS TOPIXインデックス(Slimがつかない)、つみたて日本株式(TOPIX)(つみたてんとうシリーズ)は、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)と同じマザーファンドで運用する姉妹ファンドですので、この中では、コストが圧倒的に低いeMAXIS Slimを強くお勧めします。
販売会社
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は下記の金融機関で購入出来ます。
*主にネット証券、ネット取引での取扱いとなります。
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さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
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勿論、NISA(つみたて投資枠)対象のファンドです。(成長投資枠でも購入出来ます。金融機関によってはつみたて投資枠専用としている場合もあります)
ライバルとなるファンド
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) (本記事)
たわらノーロード TOPIX
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eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) *本記事