米国株式市場を代表とする指数に、大型株約500銘柄から構成されるS&P500がありますが、これは(浮動株調整時)時価総額加重型[Float-adjusted market cap weighted]の株式指数です。
時価総額(発行済株式数(*) x 株価)に応じて指数を構成する比率が高くなります。
(*)実際は市場に流通している株数で計算
よって時価総額の大きな銘柄、例えばMicrosoft、Apple、Nvidiaなど上位10銘柄(計503銘柄中)だけで34%をも占めます(2024.5末時点)。
一方、この約500銘柄を均等に保有する均等加重型指数、S&P500 Equal Weight Index(S&P500イコール・ウエイト指数)もあります。
銘柄によらず基本的には1銘柄 0.2%(*)の構成比率となります。
(*)実際は最大0.3%、上位10銘柄で2.7%(2024.5末時点)。
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見出し
S&P500 Equal Weight Index(S&P500イコール・ウエイト指数)との連動を目指すETF Invesco S&P500 Equal Weight ETF【RSP】
S&P500 Equal Weight Index(S&P500イコール・ウエイト指数)との連動を目指す米国ETFとして、Invesco S&P500 Equal Weight ETF【RSP】があります。
ETF名 | Invesco S&P500 Equal Weight ETF |
Ticker | RSP |
運用会社 | Invesco |
設定日 [Inception Date] | 2003.4.24 |
ベンチマーク | S&P500 Equal Weight Index |
経費率[Expense Ratio] | 0.20% |
保有銘柄数[Holdings] | 503 |
純資産総額[Net Assets] (2024.5.31時点) | 55,493百万米ドル 約8.6兆円 |
市場価格 (2024.6.24時点) | $165.7 |
分配金 | 年4回(3.,6,9,12月) |
販売会社 | SBI証券、楽天証券、マネックス証券など |
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S&P500 Equal Weight Index(イコール・ウエイト指数)のパフォーマンス ~時価総額加重型S&P500との比較~
以下、S&P500イコール・ウエイト指数のパフォーマンスをS&P500(時価総額加重型)と比較しつつ調査していきますが、インデックス値は長期のデータを入手できなかった為、それぞれ以下のETFの市場価格(配当込・ネット・円換算)を使用します。
S&P500イコール・ウエイト指数 : Invesco S&P500 Equal Weight ETF【RSP】(経費率 0.20%)
S&P500 : iShares Core S&P500 ETF【IVV】(経費率 0.03%)
それぞれ経費率が控除された値の比較である事をご承知おきください。
*現状の経費率は上記の通り、過去の経費率を管理人は把握しておりません。
*RSP/IVVは分配金10%課税後再投資した場合の終値での円換算騰落率。(終値は米国Yahoo Finance、分配金は各運用会社の公式サイト、為替は三菱UFJ銀行公表のTTMより引用)
S&P500イコール・ウエイト指数のチャート / リターン・リスク
チャート
S&P500イコール・ウエイト指数【RSP】、S&P500(時価総額加重型)【IVV】の過去21年間のチャート(円換算値)を示します。
S&P500イコール・ウエイト指数とS&P500は概ね同じようなチャートを示します。
リターン・リスク・シャープレシオ
過去21年間のパフォーマンス(リターン・リスク・シャープレシオ)を下表にまとめます。
*シャープレシオは無リスク資産のリターン0で計算
S&P500イコール・ウエイト指数【RSP】 | S&P500【IVV】 | |
年率リターン | 10.34% | 10.31% |
年率リスク | 16.90% | 14.70% |
シャープレシオ | 0.61 | 0.70 |
リターンは僅かにS&P500イコール・ウエイト指数が上回りますが、リスクが大きくシャープレシオでは時価総額加重型のS&P500の方が大きくなります。
相関係数
S&P500イコール・ウエイト指数【RSP】、S&P500(時価総額加重型)【IVV】の過去21年間の相関係数は0.978と非常に強い相関を持ちます。
以下、パフォーマンスの違いを詳細に見ていきます。
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5年間/10年間の運用成績(2003年5月~2024年5月) ~ローリングリターン~
上述の現時点までの運用成績は、ある一期間の基準価額の暴騰・暴落に大きく左右され、指数の比較・評価として十分とは言えません。
そこで、2003年5月から5年間(または10年間)、さらに2003年6月から5年間(10年間)・・・2014年5月から5年間(10年間)・・・2019年5月から5年間と起点(投資月)を1カ月ずつずらして、それぞれの5年間または10年間の年率リターンを計算します。5年間の場合全部で193個(区間)、10年では133個(区間)のデータとなります。
この複数の5年間/10年間のリターンの平均、最大値、最小値をプロットしたのが下図。
平均値はほぼ同じですが、
5年間だとS&P500イコール・ウエイト指数【RSP】の最大値、最小値の幅が大きくなっています。リスクの大きさが影響しているのでしょう。
ただ、10年になると、その差は殆ど無くなります。
投資月に対するリターン ~5年間~
投資開始月に対する5年間のリターンをプロットします。
この193区間のリターンでS&P500イコール・ウエイト指数は97勝96敗、S&P500(時価総額加重型)と互角です。
ただ2013年以降は負けが続いています。
投資月に対するリターン ~10年間~
5年間と同様、投資開始月に対する10年間のリターンをプロットします。
この133区間のリターンでS&P500イコール・ウエイト指数は76勝57敗とS&P500(時価総額加重型)に勝っています。
ただ、S&P500イコール・ウエイト指数が優勢だったのは評価期間の前半に集中しており、2009年後半以降はS&P500(時価総額加重型)の勝ちが続いています。
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1年間騰落率 年別比較
2004年から2024年(5月まで)の年間騰落率を比較します。
年間騰落率では21年間でS&P500イコール・ウエイト指数が10勝11敗、ほぼS&P500(時価総額加重型)と互角といって良いでしょう。
最も差が大きかった年は、
2009年 S&P500イコール・ウエイト指数が+22.4%ポイント
2023年 S&P500イコール・ウエイト指数が-13.6%ポイント
パフォーマンスのまとめ
S&P500イコール・ウエイト指数のパフォーマンスは、ややリスクが大きい傾向があるものの、概ねS&P500(時価総額加重型)と同等といって良いでしょう。
ただ、懸念はローリングリターンで最近の成績が若干さえない結果になっている事。
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S&P500イコール・ウエイト指数に投資出来るインデックスファンド
S&P500イコール・ウエイト指数との連動を目指すインデックスファンド・ETFに投資する場合、今回の評価でも使用した米国ETF、
Invesco S&P500 Equal Weight ETF【RSP】(経費率 0.20%)
に投資する方法があります。
ただ、米国ETFですので、ややハードルが高い、面倒だという方もいるかと思います。そういう方には、
国内の(非上場)インデックスファンドとして、
インベスコ S&P500イコール・ウェイト・ファンド
があります。
2024年5月31日に設定された新しいファンドで、実際の運用は米国ETF RSPに投資する事実上のFoFです。
ただ、投資先ETF経費率を含めた信託報酬は0.53%(税込)と若干割高になります。
インベスコ S&P500イコール・ウェイト・ファンドの詳細は下記ページをご覧下さい。
インベスコ S&P500イコール・ウェイト・ファンドはマネックス証券、SBI証券で購入出来ます(2024.6.26時点)。
NISA(つみたて投資枠)では購入できませんが、NISA(成長投資枠)では購入する事が出来ます。
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