インデックス投資全般

【新興国株式】 主なインデックスのパフォーマンス比較(MSCIエマージング・マーケット, FTSEエマージング,FTSE RAFIエマージング)

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新興国株式を対象とする主なインデックスについて、その概要・パフォーマンスをまとめます。

[最終更新日:2021.9.10]最新の情報に更新。
本記事は原則2021年8月末日時点の情報に基づき記載しています。

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新興国株式インデックスファンドに使用されている主なインデックス

新興国株式を対象としたインデックスファンドのベンチマークとして使用されている代表的なインデックスとして、

等があります。

これらのインデックスの概要を下表にまとめます。(2021.8末時点)

[スマホの方は横にスクロールしてご覧ください]

新興国株式インデックスの概要 2021.8時点
インデックスMSCI Emerging
Markets Index
FTSE Emerging
Index
FTSE RAFI 
Emerging Index
FTSE Emerging
Markets All Cap
China A Inclusion
ベンダーMSCIFTSE FTSE FTSE 
投資国27カ国24カ国13カ国24カ国
タイプ時価総額加重時価総額加重スマートベータ
(*)
時価総額加重
投資対象
時価総額
大・中型大・中型---大・中・小型
投資銘柄数1,4071,8504024,235
主な
インデックス
ファンド
eMAXIS Slim
新興国株式
SBI・新興国株式
インデックス

(雪だるま)
iFree
新興国株式
楽天・新興国株式
インデックス

(楽天・バンガード)
主な
米国ETF
iShares MSCI
Emerging Markets
ETF【EEM】
Schwab
Emerging
Markets Equity
ETF【SCHE】
Invesco
FTSE RAFI
Emerging Markets
ETF【PXH】
Vanguard FTSE
Emerging Markets
ETF【VWO】

データ引用元:各インデックスのFACTSHEET

(*)FTSE RAFI Emerging Indexは売上、キャッシュフロー、株主資本、配当のファンダメンタル要素からウェイト付けを行い銘柄選定を行います。

 

投資国・比率

各インデックスの投資国、及び比率は下図のようになります。

新興国株式インデックス構成国・国別比率

大きな違いは MSCI エマージング・マーケット・インデックスが韓国を13%含むのに対し、FTSEの3種のインデックスは全く含みません。(FTSEでは韓国を先進国として取り扱っています)

 FTSEエマージング・インデックス 、FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップはMSCIエマージングに対して、韓国がない分他の国の比率が高くなっています。

一方、FTSE RAFI Emerging Indexはブラジル・ロシアの比率が高くなっている点が特徴的です。

各インデックスの投資国の詳細は下記記事をご覧ください。

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新興国株式インデックスのパフォーマンス比較

(注意)以下のリターンなどの数値は全てドルベースです。

各インデックスのトータル・リターン

各インデックスの2021.8末時点のトータルリターンを下表にまとめます。

*FTSE Emerging Markets All Cap China A Inclusionは同じ条件でパフォーマンスを評価できるデータが見つからなかった為、下表からは除きます。

インデックスインデックス・トータルリターン(net) [年率]
5年10年
MSCI Emerging Markets 10.40%4.85%
FTSE Emerging Index10.12%4.85%
FTSE RAFI Emerging Markets9.53%3.61%

[データ引用元]下記ETFのベンチマークのリターン
MSCI Emerging Markets : iShares MSCI Emerging Markets ETF【EEM】
FTSE Emerging Index : Invesco PureBeta FTSE Emerging Markets ETF【PBEE】
FTSE RAFI Emerging Markets : Invesco FTSE RAFI Emerging Markets ETF【PXH】 

*尚、各インデックスのリターンは各種情報を総合的に判断して配当課税を考慮したネットと推測します。

5年は MSCI エマージング > FTSEエマージング、10年は同等。5年の差はMSCIで13%を占める韓国が大きく影響しているものと推測します。

FTSE RAFIは、5年、10年ともFTSE/MSCIエマージングに負けています。

 

FTSE インデックスのパフォーマンス比較(Factsheet)

上記比較ではFTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)のデータが無かった為、FTSE社の各インデックス Factsheetに記載してあるリターン・リスクを比較します。

*前述のETFベンチマークに比べリターンが大きくなっている事からFactsheet記載の値はグロス(配当課税無)と推測。
*参考までに中国A株を含まないFTSE Emerging Markets All Capの値も記載。
*シャープレシオ(S/R)は無リスク資産のリターンを0として独自に計算。

[スマホの方は横にスクロールしてご覧ください]

FTSE新興国株式インデックスの5年パフォーマンス(年率) 2021.8時点
インデックスFTSE
Emerging
Index
FTSE
RAFI
Emerging
Markets
FTSE
Emerging
Markets
All Cap
China A
Inclusion
FTSE
Emerging
Markets
All Cap
リターン10.5%10.1%10.2%10.5%
リスク16.4%18.1%16.3%16.4%
S/R0.640.560.630.64

データ引用元:各インデックスのFACTSHEET

FTSEエマージングとFTSE RAFIを比較すると前章と同様、FTSE RAFIがリターンで下回り、しかもリスクが大きくなっています。

FTSEエマージングと小型株を含むオールキャップとの比較では、全く同じ、差がありません。ただ、中国A株を含むと若干リターンが下がっています。

勿論、この特定の期間での結果ではありますが、少なくとも「小型株を含むことでリターンが向上するとは限らない」という事だけは言えます。

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ETFのリターン・リスク

それぞれのインデックスとの連動を目指す米国ETFのパフォーマンスからリターン・リスクを評価します。

2021年8月末日時点の各ETFのNAV年率リターン・リスク(モーニングスターより引用)、シャープレシオ(S/R)をまとめます(無リスク資産のリターンを0として計算)

尚、リターン、S/Rは経費率を除いた概算値も[]内に記載します。
*経費率除いたリターン= (ETFリターン + 1) / ( 1 - 経費率) -1 
*各ETFの期中の経費率改定は考慮せず。

[スマホの方は横にスクロールしてご覧ください]

新興国株式ETFのパフォーマンス(年率) 2021.8時点
[]内は経費率を除いた値
インデックス MSCI
Emerging
Markets 
FTSE
Emerging
Index
FTSE
RAFI
Emerging
Markets
ETFiShares
MSCI
Emerging
Markets
ETF【EEM】
Schwab
Emerging
Markets
Equity
ETF【SCHE】
Invesco
FTSE
RAFI
Emerging
Markets
ETF【PXH】
経費率0.68%0.11%0.50%
5年
リターン9.64%
[10.39%]
9.92%
[10.04%]
8.99%
[9.54%]
リスク16.42%16.16%17.70%
S/R0.59
[0.63]
0.61
[0.62]
0.51
[0.54]
10年
リターン4.20%
[4.91%]
4.64%
[4.76%]
3.06%
[3.58%]
リスク17.55%17.43%20.03%
S/R0.24
[0.28]
0.27
[0.27]
0.15
[0.18]

データ引用元:米国モーニングスター

前章のインデックスでは5年リターンでMSCIがFTSEを0.28ポイント上回っていましたが、ETFの比較(EEM vs. SCHE)では逆転しています。これは、EEMの経費率が0.57ポイントも高い為だと考えられます。

そこで経費率を除いた概算値で比較すると概ねインデックスの比較結果と一致します。

この中で特にパフォーマンスが悪いのがFTSE RAFI。FTSE/MSCIエマージング両方に大きく負けています。

 

まとめ

以上、新興国株式インデックスのパフォーマンスの比較でした。

簡単にまとめると、

  • 2021年8月末日時点の10年リターンではMSCIエマージング、FTSEエマージングは概ね同等。ただ5年では韓国を含まないFTSEエマージングが負けています。
  • スマートベータ型の指数FTSE RAFIエマージング、直近5年、10年とも時価総額加重型のFTSEエマージング、そしてMSCIエマージングにも負けています。リターンで負けるだけでなく、リスクも若干大きくなっています。
  • 小型株の有無、中国A株の有無は大きな差にはなっていません(直近5年)。

となります。

勿論、全て過去のデータですので将来の結果を保証するものではありません。

 

最新の新興国株式インデックスの人気、運用状況は下記記事をご覧ください。

 

インデックスファンド一覧は下記記事をご覧ください

 

 

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