インデックス投資全般

先進国株式・先進国債券に為替ヘッジは必要か否か? 為替ヘッジを組み込むことで運用効率を上げられないか? 

投稿日:2016年10月28日 更新日:

多くの運用会社から為替ヘッジ有の先進国株式・先進国債券インデックスファンドが販売されています。

今回、為替ヘッジ有のファンドをポートフォリオの中に組み込むことで、そのシャープレシオ(効率係数、リスクに対するリターン)がどのように変化するか調べてみました。

きっかけは三菱UFJ信託銀行の

「年金ポートフォリオにおける為替リスク管理の考え方」

本レポートによると、外国債券において、90%のヘッジ比率の時、運用効率が最大になる事が示されています。ただ、残念ながら株式について、同様の検証結果は示されていません。

そこで、「しんたろう」が独自に、先進国株式、先進国債券について、為替ヘッジのポートフォリオに占める比率とシャープレシオの関係について検証してみました。

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為替ヘッジの比率に対する先進国株式・先進国債券のシャープレシオ

使用したデータ

日興アセットマネジメント社が運用する、

のマンスリーレポートから、リターン、リスクの値を使用させていただきました。

本ファンドは、設定が2001年と歴史のあるファンドで、約15年のリターン・リスクが分かります。

*リターンは分配金再投資、そして信託報酬も含まれています。

さらに、野村アセットマネジメントが運用する、

の約3年分の基準価額日次データより為替ヘッジ有無の相関係数を計算しました。

 

先進国債券

ヘッジ有無の相関係数は0.01。非常に弱い相関になります。

15年のリターン、リスク(いずれも年率換算)、及びシャープレシオ(無リスク資産のリターン0)をプロットします。

横軸はヘッジ有比率。例えば、ヘッジ有比率80%の場合、ヘッジ有のファンドを80%、残り20%がヘッジ無のファンドというポートフォリオを意味します。

hedge_saiken_20170309

為替ヘッジ有の比率が大きくなるほど、リスクは大幅に減少していきますが、同時にリターンも減少していきます。

そして、シャープレシオは、ヘッジ有比率が大きくなるほど、その値が大きくなり、概ね80%のところで最大値を持ちます。

先に紹介した三菱UFJ信託銀行のレポートと同等の結果です。

 

先進国株式

ヘッジ有無の相関係数は0.89。債券より大きな値になります。三菱UFJ信託銀行のレポートにもありましたが、為替要因が債券より小さく、それが故に比較的大きな相関係数になったと思われます。

さて、同じように、15年のリターン、リスク、シャープレシオを見てみます。

hedge_kabu_20170309

債券と同様、ヘッジ有比率が上がると、リターン、リスクとも下がり、そしてシャープレシオも概ね債券と同様の傾向を示します。ヘッジ比率90%で最大値を持ちます。

先進国株式においても、為替ヘッジ有をポートフォリオに組み込むことでシャープレシオが上がる事が検証されました。

ただ、先進国債券の場合、ヘッジ有比率を0%から80%に上げるとシャープレシオは0.41から0.72と約1.7倍も上昇しましたが、先進国株式では僅か1.1倍程度です。

殆ど差がないといっても良いでしょう。

*債券と株式でシャープレシオのグラフ上のスケールが異なる事に注意して下さい。

 

まとめ

先進国債券、先進国株式、両方において為替ヘッジ有をポートフォリオに組み込むことでシャープレシオの改善が期待できることが検証できました。

ただ、先進国債券ではその効果は大きいものの、先進国株式では1.1倍程度の差にすぎません。

株式に為替ヘッジ有を組み込んでも大きな意味はないように思えます。

*為替ヘッジには金利差、需給要因などに依存するコストがかかりますが、そのコストは信託報酬や運用報告書記載のその他のコストにも含まれませんのでご注意ください。

 

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