フィデリティ投信が運用し、20年以上の運用実績を誇るフィデリティ・日本成長株・ファンド、国内株式に投資するアクティブファンドです。
そのフィデリティ・日本成長株・ファンドのパフォーマンスを、国内株式の代表的指数で本ファンドのベンチマークともなっているTOPIXとの比較を中心に評価します。
[最終更新日:2024.5.23]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2024年4月末日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
フィデリティ・日本成長株・ファンドの基本情報・概要
先ず、フィデリティ・日本成長株・ファンドの基本情報をまとめます。
運用会社 | フィデリティ投信 |
設定日 | 1998年4月1日 |
信託期間 | 無期限 |
運用形態 | アクティブファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | TOPIX(配当込) |
参考指数 | --- |
購入時手数料 | 上限3.30%(販売会社が独自に設定) *主要ネット証券は無料(ノーロード) |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 1.683% |
実質コスト | 1.745%(2023.11.30決算時点) |
純資産総額 | 5,620億円(2024.4.30時点) |
分配金実績 | 無 |
NISA(つみたて投資枠) | 対象外 |
NISA(成長投資枠) | 対象 |
個人型確定拠出年金(iDeCo) | SBI証券(オリジナルプラン)、楽天証券、イオン銀行等 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.10% (対象投資信託1,000万円以上保有で0.20%) |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*1) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.08% |
松井証券ポイント還元年率 | 0.70% |
(*1)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)。
フィデリティ・日本成長株・ファンドは、設定が1998年と古く、純資産総額も5,620億円と非常に大きなファンドです。
信託報酬はアクティブファンドだけあって、1.683%と決して低くは無いですが、購入時手数料は主要ネット証券ではかかりません(ノーロード)。
フィデリティ・日本成長株・ファンドの運用方針
高い成長が期待できる日本企業を発掘し投資するファンドです。
ポイント 1
日本企業の成長力に注目し、広く日本市場全体に投資機会を求めるファンドです。 将来の企業価値を徹底的に調査・分析して高成長が期待できる企業を選別、割安な株価水準で投資します。
ポイント 2
全世界にまたがる調査網を活用、世界的視野でのボトム・アップ・アプローチで 運用にのぞみます。 充実した運用・調査体制を最大限に活用し、多角的な視点から銘柄を発掘します。日本の株式の代表的な株価指数であるTOPIX(配当込)をベンチマーク(運用目標)とし、長期的にベ ンチマークを上回る運用成果をあげることを目標とします。
フィデリティ・日本成長株・ファンド 交付目論見書より抜粋して引用。
ベンチマークはTOPIX(配当込)、それを長期的に上回る運用成果をあげる事を目標と、ベンチマークが明確に定義されている点は高評価。
投資対象
2024年3月末時点の銘柄総数は181銘柄、組入上位10銘柄は下記のようになります。
画像引用:フィデリティ・日本成長株・ファンド 月次運用レポート(2024/5)
181銘柄と国内株式アクティブファンドとしては比較的多くの銘柄に投資しています。
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フィデリティ・日本成長株・ファンドの運用状況・パフォーマンス評価 (TOPIXと比較)
*以下、年率リターン・リスクは月次データ(終値)より計算。またシャープレシオは、無リスク資産の収益率0としています。
*基準価額は、各運用会社のサイトまたは投資信託協会より入手。分配金がある場合は、分配金再投資の価額に独自に変換。
*TOPIXは野村 NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信【1306】のデータ使用。
基準価額のチャート
フィデリティ・日本成長株・ファンドの設定日は1998年4月1日ですが、比較対象とするTOPIX(ETF:1306)の設定日に合わせ2001年7月11日を基準(10,000)として規格化した基準価額のチャートを示します。
チャートを見る限り、フィデリティ・日本成長株・ファンドは、ベンチマークのTOPIXと概ね同じような動きを示しています。
ただ、2020年のコロナショック後の回復はTOPIXを大きくアウトパフォームしている事がチャートからも読み取れます。
以下、運用成績を詳細に分析していきます。
設定来の運用実績(リターン・リスク)
設定日からは3年以上遅れますがTOPIX[1306]に合わせ2001.7~2024.4の22年9カ月のリターン・リスクを見てみます。
フィデリティ日本成長株 | TOPIX | |
年率リターン | 5.28% | 5.61% |
年率リスク | 18.70% | 16.69% |
シャープレシオ | 0.28 | 0.34 |
*一般的にシャープレシオが大きいほど投資効率が良いとされています。
フィデリティ・日本成長株・ファンドはTOPIXにリターンで約0.33%ポイント負けています。
(2019~2020年は好調なパフォーマンスだったのですが、その後TOPIXに大きく劣後したのが上表の期間でのリターンに影響を与えたのでしょう。また2018年末の17年5カ月のリターンでもTOPIXに負けています。)
さらに、リスクが大きく、シャープレシオでもTOPIXに負けています。
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5年間/10年間の運用成績(2001年7月~2024年4月) ~ローリングリターン~
上述の現時点までの運用成績は、ある一期間の基準価額の暴騰・暴落に大きく左右され、ファンドの比較・評価として十分とは言えません。
また、アクティブファンドの評価として重要な要素は、常にインデックスに対して勝ち続ける事が出来るかという点です。
そこで、2001年7月から5年間(または10年間)、さらに2001年8月から5年間(10年間)・・・2014年4月から5年間(10年間)・・・2019年4月から5年間と起点(投資月)を1カ月ずつずらして、それぞれの5年間または10年間の年率リターン、リスクを計算します。5年間の場合全部で214個(区間)、10年では154個(区間)のデータとなります。
この複数の5年間/10年間のリターンの平均、最大値、最小値をプロットしたのが下図。
フィデリティ・日本成長株・ファンドは平均値で5年間、10年間ともTOPIXを僅かですが上回っています。
下表に5/10年間のリターン、リスクの平均値をまとめます。(ここでのリターン、リスク、シャープレシオは214/154区間の平均値を示したもので、厳密な意味でのリスクやシャープレシオとは異なります。)
フィデリティ日本成長株 | TOPIX | |
5年間 | ||
年率リターン | 5.46% | 5.33% |
年率リスク | 18.50% | 17.00% |
シャープレシオ | 0.30 | 0.31 |
10年間 | ||
年率リターン | 5.49% | 5.38% |
年率リスク | 18.72% | 17.51% |
シャープレシオ | 0.29 | 0.31 |
5年間、10年間ともリターンはTOPIXより若干上回っていますが、リスクが大きい為、シャープレシオではTOPIXに僅差で負けています。
投資期間10年の場合を例にとり、投資開始月に対するリターンをプロットしてみます。
この154個の10年間という区間でフィデリティ・日本成長株・ファンドのリターンはTOPIXに対し96勝58敗と大きく勝ち越しています。ただ、各区間でのリターンの差はそう大きくはありません。
尚、5年間の場合、214区間のうちフィデリティ・日本成長株・ファンドはTOPIXに対し110勝104敗と僅差ですが、ここでも勝ち越しています。
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1年間騰落率 年別比較
次に各年(1年毎)の1年騰落率(リターン)を比較します。
騰落率が高い方 |
年 | フィデリティ日本成長株 | TOPIX | 差 |
2024年 (4月まで) | 12.8% | 17.0% | -4.2%pt |
2023年 | 20.9% | 28.2% | -7.3%pt |
2022年 | -14.6% | -2.5% | -12.0%pt |
2021年 | 11.9% | 12.6% | -0.7%pt |
2020年 | 20.3% | 7.3% | 13.0%pt |
2019年 | 28.8% | 18.0% | 10.8%pt |
2018年 | -24.1% | -16.1% | -8.0%pt |
2017年 | 30.7% | 22.1% | 8.6%pt |
2016年 | -0.7% | 0.2% | -0.9%pt |
2015年 | 11.7% | 11.9% | -0.2%pt |
2014年 | 7.7% | 10.1% | -2.4%pt |
2013年 | 55.4% | 54.1% | 1.3%pt |
2012年 | 18.7% | 20.6% | -1.9%pt |
2011年 | -18.1% | -17.0% | -1.1%pt |
2010年 | 0.6% | 0.9% | -0.3%pt |
2009年 | 18.3% | 7.4% | 10.9%pt |
2008年 | -44.9% | -40.5% | -4.4%pt |
2007年 | -8.9% | -11.1% | 2.2%pt |
2006年 | -3.1% | 2.9% | -6.1%pt |
2005年 | 43.3% | 45.2% | -1.9%pt |
2004年 | 7.0% | 11.1% | -4.1%pt |
2003年 | 41.5% | 24.8% | 16.7%pt |
2002年 | -19.0% | -17.6% | -1.4%pt |
2002年~2023年の22年間(2024年は4カ月だけなので除く)でフィデリティ・日本成長株・ファンドはTOPIXに7勝15敗と負け越していますが、勝った年はTOPIXを大きくアウトパフォームする傾向にあるように見えます。10%ポイント以上の差で勝った年が4回あります。
ただ、2021年以降負けが続き、特に2022年はTOPIXに大きく負けてしまいました。
フィデリティ・日本成長株・ファンドの人気 (資金流出入額)
月次資金流出入額、純資産総額からフィデリティ・日本成長株・ファンドの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
直近13年では資金の出入りが激しく、巨額の資金流出がある月も多くあります。13年間の累積で見ても資金流出の方が多くなっています。
純資産総額も若干増えてはいるものの、その伸びは鈍化しています。
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まとめ
以上、フィデリティ・日本成長株・ファンドとTOPIXのパフォーマンスを比較してきましたが、TOPIXと概ね同等、リターンだけでみればTOPIXを僅かながら上回る結果を残しています(評価期間・方法にもよりますが)。
また、直近13年では資金流出が多くなっています。
フィデリティ・日本成長株・ファンドの信託報酬は1.683%です。今回比較の対象としたTOPIX連動型上場投信(1306)は信託報酬0.121%(2020.9.30からは0.0968%以内)で、信託報酬の差だけで1.6%ポイント近くあります。
即ち、コスト要因だけで既にこれだけのハンデを背負っている訳で、運用自体は悪くないのですが、そのコストの高さが足かせとなってベンチマークを安定して上回る事が出来ないと言っても良いでしょう。
アクティブファンドがインデックスファンドに勝てない理由の一つとして、そのコストの高さがあげられますが、まさに、本ファンドの結果は、まさにそれを証明するような形になっています。
フィデリティ・日本成長株・ファンドは信託報酬を1%以内に引き下げられたらより魅力的なファンドになるのですが・・・
販売会社
フィデリティ・日本成長株・ファンドは下記ネット証券等で、購入時手数料無料で購入できます。
(dカードGOLDでNISA口座なら月10万円までクレカ積立還元率1.1%)
*dカード、マネックスカードとも通常ショッピング時は1.0%。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でVポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにV/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト SBI証券
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
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公式サイトauカブコム証券
また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で10万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月15万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
公式サイト楽天カード
またMATSUI Bank(住信SBIネット銀行マツイ支店)の口座開設すれば普通預金金利 年0.31%になるのも魅力。
公式サイト松井証券
尚、NISA(つみたて投資枠)では購入出来ません。NISAでは成長投資枠での投資になります。
また個人型確定拠出年金(iDeCo)では楽天証券等で購入出来ます。
本サイトが注目している他の国内株式に投資するアクティブファンドは下記記事にまとめてあります。