コモンズ投信が運用する「コモンズ30ファンド」の人気・パフォーマンスを調査します。
[最終更新日:2021.12.29]SBI証券ポイント還元率を2022.1以降の値に更新。
[2021.12.27]全て最新の情報に更新。
(*)本記事は原則2021年11月末日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
コモンズ30ファンドの概要・基本情報
コモンズ30ファンドは国内株式を投資対象としたアクティブファンドで、つみたてNISAの対象ファンドです。
(注)交付目論見書では内外/株式となっていますので、外国株式へ投資する可能性も否定できませんが、現時点では国内株式のみへの投資となっています。
ファンドの基本情報(信託報酬・純資産総額など)
コモンズ30ファンドの基本情報を下表にまとめます。
コモンズ30ファンド | |
運用会社 | コモンズ投信 |
投資対象 | 国内株式 |
ベンチマーク | 無 |
参考指数 | TOPIX(配当込) |
設定日 | 2009年1月19日 |
信託期間 | 無期限 |
購入時手数料 | 最大3.3% *主要ネット証券では無料 |
信託報酬 | 1.078% (*1,2) |
実質コスト (2021.1.20時点) | 1.246% |
信託財産留保額 | 無 |
ファンド純資産総額 (2021.12.24時点) | 328(億円) |
分配金実績 | 有(年1回) (*3) |
つみたてNISA | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元 (年率) | 0.15% (対象投資信託1,000万円以上保有で0.25%) (*5) |
楽天証券ポイント還元 (年率) | ---%(*6) |
松井証券 ポイント・ 現金還元年率 | 0.22%(ポイント) /0.20%(現金)(*4) |
(*1)信託報酬、2017年9月19日より税抜き 1.15%から0.98%に引き下げられました。
(*2)信託報酬は純資産総額に応じて段階的に引き下げられます。500億円まで1.078%、500億円超の部分0.979%、1,000億円超の部分0.869%、3,000億円超の部分0.748%。
(*3)分配金 : 2010~2021年の12年で9回。1回 120~300円。
(*4)松井証券のポイント還元率は2022.1以降。ポイントでは現金還元の10%増量。
(*5)SBI証券還元率は「SBIプレミアムチョイス」対象銘柄として2022.1より還元率がアップ。
(*6)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更。
投資方針
1. 30年目線の長期的な視点で銘柄選定。
2. 30銘柄程度への集中投資で高い運用成果を狙う。
3. 対話による価値創造に取り組む。
4. 企業の長期的な持続的成長を評価する「5つの軸」として、収益力に加え、見えない価値である競争力・経営力・対話力・企業文化により投資先企業を選定。
~公式サイト、交付目論見書より抜粋・編集して引用~
組入銘柄
*2021年11月末日時点の情報に基づき記載。(2021年11月月次報告書より引用)
ポートフォリオ構成比
比率 | |
株式 | 99.3% |
その他 | 0.7% |
組入銘柄数 | 31 |
組入上位10銘柄
銘柄 | 比率 | |
1 | 東京エレクトロン | 4.1% |
2 | KADOKAWA | 4.0% |
3 | 味の素 | 3.8% |
4 | SMC | 3.8% |
5 | シスメックス | 3.8% |
6 | クボタ | 3.7% |
7 | ディスコ | 3.7% |
8 | 信越化学工業 | 3.7% |
9 | ユニ・チャーム | 3.6% |
10 | ダイキン工業 | 3.6% |
組入銘柄数が31と少ない事もあり、1銘柄が3%を超す比較的高い比率となっています。
また上記10銘柄中8銘柄が大型株(TOPIX Core/Large)となっており、大型株比率が多いポートフォリオと推測されます。
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コモンズ30ファンドの運用状況・評価
参考指数であるTOPIXと比較します。
TOPIXは野村AMのNEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(ETF:1306)の基準価額(分配金再投資)を用います。
*基準価額のデータは運用会社または投資信託協会より引用。
基準価額のチャート
コモンズ30ファンドの設定日である2009年1月19日を基準(=10,000)としたチャートを示します。分配金再投資時の基準価額です。
チャートを見ると、設定来の基準価額は常にTOPIXを上回っています。特に、設定当初の1年、及び直近の数年、TOPIXに対する開きが大きくなっているように見えます。
以下、運用成績を詳細に分析していいます。
設定来(直近12年10カ月)のリターン・リスク
2009年1月末日から2021年11月末日までの12年10カ月のリターン、リスク、シャープレシオを比較します。
コモンズ30ファンド | TOPIX | |
年率リターン | 11.87% | 9.36% |
年率リスク | 15.57% | 16.63% |
シャープレシオ | 0.76 | 0.56 |
コモンズ30ファンドがリターンで2.5%ポイント上回っています。
保有銘柄数の少なさからリスクが大きくなる事が懸念されますが、過去の運用実績では寧ろTOPIXより小さく、シャープレシオでも勝っています。
5年間の運用成績(2001年7月~2021年11月)
上述の直近の運用成績は、ある特定期間のみの騰落率に大きく左右される事もあり、ファンドの比較・評価として十分とは言えません。
また、アクティブファンドの評価として重要な要素は、常にインデックスに対して勝ち続ける事が出来るかという点です。
そこで、2009年1月から5年間、さらに2009年2月から5年間・・・2016年11月から5年間と、起点(投資月)を1カ月ずつずらして、それぞれの5年間のリターン、リスクを計算します。全部で95個(区間)のデータとなります。
この複数の5年間のリターンの平均、最大値、最小値をプロットしたのが下図。
平均値でコモンズ30ファンドが若干上回りながらも、そのバラツキが小さくなっている事が分かります。
下表に平均値をまとめます。(ここでのリターン、リスク、シャープレシオは上記95データの平均値を示したもので、厳密な意味でのリスクやシャープレシオとは異なります。)
コモンズ30ファンド | TOPIX | |
年率リターン | 11.49% | 10.73% |
年率リスク | 15.31% | 16.49% |
シャープレシオ | 0.75 | 0.65 |
平均のリターンで若干TOPIXを上回るコモンズ30ファンド、リスクは小さく、シャープレシオでもTOPIXを上回っています。
次に、投資開始月に対する5年間のリターン(年率)をプロットします。
この95個の5年間という区間でコモンズ30ファンドのリターンは62勝33敗とTOPIXに大きく勝ち越しています。特に2013年2月以降の5年間は現時点まで全勝です。
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1年間騰落率 年度別比較
次に各年(1年毎)の1年騰落率(リターン)を比較します。
*2021年は11末月まで。
騰落率が高い方 |
コモンズ30 | TOPIX | 差 | |
2021年 (11月まで) | 12.9% | 8.9% | 4.1%pt |
2020年 | 15.5% | 7.3% | 8.2%pt |
2019年 | 19.2% | 18.0% | 1.3%pt |
2018年 | -16.9% | -16.1% | -0.9%pt |
2017年 | 25.0% | 22.1% | 3.0%pt |
2016年 | 4.2% | 0.2% | 3.9%pt |
2015年 | 8.8% | 11.9% | -3.1%pt |
2014年 | 16.3% | 10.1% | 6.2%pt |
2013年 | 41.7% | 54.1% | -12.4%pt |
2012年 | 19.4% | 20.6% | -1.2%pt |
2011年 | -13.6% | -17.0% | 3.4%pt |
2010年 | -4.2% | 0.9% | -5.2%pt |
2009年 | 39.5% | 12.8% | 26.7%pt |
*2009年は2009.1.19~12.30の騰落率
2009年~2021年の13年間で、コモンズ30ファンドは8勝5敗でTOPIXに勝ち越しています。特に2016年以降が好調で、唯一2018年は負けているものの僅差、この年以外はTOPIXを上回っています。
コモンズ30ファンドの人気
月次資金流出入額、純資産総額からコモンズ30ファンドの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
何回か資金流出の月もありますが、それでも2018年以降は数億レベルの流入がある月が多くなっています。また2021年はさらに増えています。
そこそこ売れているファンドと言って良いでしょう。
純資産総額も着実に伸びており、現時点(2021.11)で312億円。
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まとめ
国内株式、比較的大型株を中心に投資するアクティブファンドのコモンズ30ファンド、
リターンでは、評価区間にもよりますが概ねTOPIXをアウトパフォームしており、特に、2016年以降は好調な成績です。
一方、約30銘柄に絞ったポートフォリオにも関わらず、リスクはTOPIXより小さくなっています。
そして、つみたてNISAの対象ファンドという事もあり、先ず先ずの資金流入(人気)があり、純資産総額も着実に伸びています。
販売会社
コモンズ30ファンドはコモンズ投信の直販の他、下記ネット証券等で、購入時手数料無料で購入できます。(岡三オンライン以外はつみたてNISAでも購入出来ます)
ポイント・現金還元という点では、信託報酬(販売会社取り分)の0.3%(税抜)を超える分を還元する松井証券が有利です。
一方、SBI証券や楽天証券はクレジットカードによる投資信託の積立が可能でポイント還元が受けられます。
SBI証券
投資信託保有で毎月Tポイント/Pontaポイント/dポイントがもらえます。さらにT or Pontaポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
(つみたてNISAでも購入可能)
三井住友カードで投信積立が出来ます。還元率0.5%(ゴールド、プラチナカードはさらに還元率アップ)。
*三井住友カード(NL)なら年会費永年無料。
公式サイト SBI証券、三井住友カード(NL)
楽天証券
楽天ポイントで投資信託を購入出来ます。また、楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます(上限5万円/月)。勿論ポイント還元があります。
(つみたてNISAでも購入可能)
マネックス証券
マネックスカード(クレジットカード)で投信積立が出来ます。投信積立での還元率1.1%。マネックスカードの発行はマネックス証券口座が必要。
公式サイトマネックス証券
参考記事マネックスカード(クレジットカード)での投信積立決済サービス
松井証券
松井証券は、複数の投資信託を積立する際、設定したポートフォリオ(配分比率)になるよう自動的に購入商品・金額を調整してくれる「リバランス積立」が魅力(無料で利用可能)。
(つみたてNISAでのリバランス積立は非対応)
また信託報酬に応じたポイント・現金還元もあり、信託報酬販売会社取り分が高いファンドだと最も有利になります。
公式サイト松井証券
コモンズ30ファンドは楽天証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)で取扱っています。
公式サイト楽天証券 iDeCo
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