ひふみ投信(ひふみプラス)とならんで人気(*)のアクティブファンド、SBIアセットマネジメントが運用する「SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ 愛称:jrevive」のパフォーマンスを調査します。
(*)2018/2/9時点のSBI証券、投資信託 販売金額人気ランキング(週間・月間)で、1位 ひふみプラス、そして5位がSBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブとなっています。
特に2017年に資金流入急増があり、年2回決算型は2017年だけで約300億円も純資産総額を増やしています。その影響で、信託金上限を超過する可能性があり一時(2018.2.7~2.18)申込を停止する措置が取られています。
[最終更新日:2018.2.11]最新の情報に更新するとともに、内容も大幅に変更しました。
見出し
SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ[jrevive]の基本情報
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ファンドの概要
日本国内の中小型株式に投資するアクティブファンドです。
株価が下落した銘柄から財務安定性に優れ、業績も安定しており、わが国の経済社会に貢献すると考えられる企業の株式に厳選投資します。
SBI中小型割安株成長株ファンド 交付目論見書より引用
SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブには、同じマザーファンド(中小型割安成長株・マザーファンド)に投資する下記の3種類のファンドがあります。
- SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ (愛称:jrevive)
- SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ(年2回決算型) /愛称 : jreviveⅡ
- SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ<DC年金> 愛称:jrevive<DC年金>
年2回決算型(jreviveⅡ)は、文字通り年2回の決算で、その際、配当金を出す場合があります。
また、<DC年金>(jrevive<DC年金>)は確定拠出年金専用のファンドです。
組入銘柄
銘柄分散、時間分散を考慮し、1銘柄が概ね4%を上回らないよう約50銘柄を組み入れています。
マザーファンドの市場別組入比率は下表のようになっています。
資産構成比率 2018.2.2 | |
株式 | 91.6% |
組入銘柄数 | 85 |
東証1部 | 73.9% |
東証2部 | 7.1% |
ジャスダック | 9.9% |
マザーズ | 0.7% |
現金等 | 8.4% |
組入上位10銘柄は次のとおり。(2018年2月2日時点)
組入上位10銘柄 | 比率 | |
1 | 東京精密 | 3.3% |
2 | ダイセキ | 3.1% |
3 | ニチハ | 3.0% |
4 | SHOEI | 3.0% |
5 | アミューズ | 2.9% |
6 | ユーシン精機 | 2.9% |
7 | ラウンドワン | 2.9% |
8 | アオイ電子 | 2.7% |
9 | ジョイフル本田 | 2.6% |
10 | ホシザキ | 2.6% |
組入1位の東京精密でも3.3%ですので、特定銘柄に集中する事無く投資している事がわかります。
各ファンドの基本情報
上記3本のファンド、及び参考としてひふみ投信も含めて基本情報をまとめます。
SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ | ひふみ 投信 | |||
jrevive | jreviveⅡ (年2回 決算型) | jrevive <DC年金> | ||
運用会社 | SBIアセットマネジメント | レオス | ||
ベンチ マーク | ベンチマーク、参考指数ともに無 | 無 | ||
設定日 | 2006/7/31 | 2015/7/10 | 2016/4/21 | 2008/10/1 |
購入時 手数料 | 最大3.24% 主要ネット証券では無料 | 無 | 無 | |
信託報酬 | 1.836% | 1.8144% | 1.62% | 1.0584% |
実質コスト | 2.067% (*1) | 2.095% (*2) | 1.931% (*3) | 1.358% (*4) |
信託財産 留保額 | 0.3% | 0.3% | 0.3% | 無 |
過去の 分配金 実績 | 無 | 2018年1月 150円、 2017年7月 500円 | 無 | 無 |
純資産 総額 (2018.2.9) | 28,887 百万円 | 46,607 百万円 | 3,667 百万円 | 79,062 百万円 |
マザー ファンド 純資産 総額 | 37,368百万円 (2017.8.31) | 678,950 百万円 (2018.1) |
(*1)2017年7月24日運用報告書より
(*2)2017年7月24日、2017年1月23日運用報告書より
(*3)2017年4月10日運用報告書より
(*4)2017年10月2日運用報告書より
さすがにアクティブファンドだけあって、信託報酬は1.8%、実質コストになると2%を超えます。(<DC年金を除く>)
勿論、このコストをものともしないだけのパフォーマンスを上げていれば良いのです。
尚、ひふみ投信に比べ信託報酬も高く、マザーファンド純資産総額で1桁以上の差をつけられています。
ひふみ投信、ひふみプラス、ひふみ年金については↓を参照して下さい。
参考記事レオスが運用する、ひふみ投信・ひふみプラス・ひふみ年金のパフォーマンスってどうなの?
SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブのパフォーマンス
以下、ジェイリバイブといった場合は、基本的にSBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブの事を意味し、年2回決算型や<DC年金>ではありません。
*基準価額は、各運用会社またはモーニングスターより引用しました。
*全て分配金再投資時の基準価額です。
基準価額のチャート
ジェイリバイブは設定が2006年7月31日と非常に歴史のあるファンドですが、比較するひふみ投信にあわせて、2008年10月1日を基準(基準価額10,000円)としたチャートを示します。
ジェイリバイブ、ひふみ投信に加え、TOPIXも同時にプロットします。TOPIXは、TOPIX連動型上場投資信託(ETF:1306)の基準価額を使用しました。
チャートを見てわかるように、ジェイリバイブはTOPIXはおろか、ひふみ投信さえ大きく上回る結果を残しています。
このジェイリバイブのパフォーマンスを詳しく調べていきます。
*以下、(年率)リターン、(年率)リスク、シャープレシオという言葉が出てきますが、リターンは1年間に基準価額がどれだけ上がったか(あるいは下がったか)、リスクはリターンのバラツキ、そしてリターンをリスクで割った値がシャープレシオです。勿論、リターンが大きく、リスクは小さく、シャープレシオは大きい方が優れたファンドという事になります。
*リターン・リスクとも月次データより独自に計算。シャープレシオは無リスク資産の利回り0で計算。
設定から現時点(2018.1末)までの運用成績のまとめ
ジェイリバイブが設定された2006年7月末から2018年1月末までの運用成績をまとめます。直近11年6カ月の結果となります。
*ひふみ投信は未だ設定されていませんのでTOPIXのみの比較となります。
ジェイリバイブ | TOPIX | |
年率リターン | 14.86% | 3.26% |
年率リスク | 19.05% | 18.22% |
シャープレシオ | 0.78 | 0.18 |
ジェイリバイブは、リターンでTOPIXの4.5倍、リスクは殆ど変わらず、シャープレシオは4倍以上と圧倒的な高パフォーマンスを残しています。
2008年10月から現時点(2018.1末)までの運用成績のまとめ
ひふみ投信が設定された2008年10月末から2018年1月末までの運用成績をまとめます。直近9年3カ月の結果となります。
ジェイリバイブ | ひふみ投信 | TOPIX | |
年率リターン | 30.01% | 19.66% | 10.55% |
年率リスク | 17.17% | 14.21% | 17.01% |
シャープレシオ | 1.75 | 1.38 | 0.62 |
ジェイリバイブは、リターンでTOPIXはおろか、ひふみ投信をも大きく上回ります。
リスクはひふみ投信より若干大きくなりますが、シャープレシオは、
ジェイリバイブ >> ひふみ投信 >>> TOPIX
となります。
2008年10月からの5年間の平均リターン (2008.10~2018.1)
上述の現在までの運用成績は、現時点の基準価額に大きく左右され、ファンドの比較として十分な評価方法とは言えません。
そこで、2008年10月から5年間、さらに2008年11月から5年間・・・2013年2月から5年間と、起点(投資月)を1カ月ずつずらして、それぞれの5年間のリターン、リスクを計算します。全部で53個(区間)のデータとなります。
*ひふみ投信の設定日に合わせ2008年10月からの比較としています。
この複数の5年間のリターンの平均、最大値、最小値をプロットしたのが下図。
下表に平均値をまとめます。(ここでのリターン、リスク、シャープレシオは上記53データの平均値を示したもので、厳密な意味でのリスクやシャープレシオとは異なります。)
ジェイリバイブ | ひふみ投信 | TOPIX | |
年率リターン | 32.72% | 21.92% | 13.77% |
年率リスク | 17.70% | 15.05% | 17.62% |
シャープレシオ | 1.85 | 1.46 | 0.78 |
この評価方法でも、ジェイリバイブは平均年率リターン32.7%と、TOPIXの2.4倍、ひふみ投信の1.5倍です。
リスクは若干ひふみ投信より大きくなっていますが、シャープレシオは十分大きな値となっています。
この53区間で、ジェイリバイブとひふみ投信、TOPIXでリターンの勝敗を見てみると、ジェイリバイブは、ひふみ投信、TOPIX両方に対して53戦中全勝という結果です。(因みに、ひふみ投信もTOPIXに対して全勝です)
即ち、過去において5年間のリターンであれば、投資した時期がいつであっても、ジェイリバイブが常にひふみ投信やTOPIXを上回っていたという事です。
1年間騰落率 年度別比較
アクティブファンドの評価としてもう一つ重要な要素は、常にインデックスに対して勝ち続ける事が出来るかという点です。
そこで1年騰落率(リターン)を年度別に比較してみます。
ジェイリバイブ、ひふみ投信、TOPIXの年間騰落率を各年度ごとに順位付けをし、下表のような色分けで示します。
1位 |
2位 |
3位 |
ジェイ リバイブ | ひふみ 投信 | TOPIX | ||||
順位 | 騰落率 | 順位 | 騰落率 | 順位 | 騰落率 | |
2017年 | 1 | 62.1% | 2 | 44.8% | 3 | 22.1% |
2016年 | 1 | 5.1% | 2 | 4.5% | 3 | 0.2% |
2015年 | 1 | 32.0% | 2 | 21.7% | 3 | 11.9% |
2014年 | 1 | 40.1% | 2 | 14.0% | 3 | 10.1% |
2013年 | 1 | 75.4% | 2 | 68.0% | 3 | 54.1% |
2012年 | 1 | 29.3% | 2 | 22.2% | 3 | 20.6% |
2011年 | 1 | 6.7% | 2 | -1.3% | 3 | -17.0% |
2010年 | 1 | 17.8% | 2 | 1.9% | 3 | 0.9% |
2009年 | 1 | 12.5% | 2 | 10.2% | 3 | 7.4% |
2008年 | 1 | -37.3% | - | --- | 2 | -40.5% |
2007年 | 2 | -21.3% | - | --- | 1 | -11.1% |
2007年から2017年までの11年間でジェイリバイブはTOPIXに対して10勝1敗と圧勝。
ひふみ投信に対しては、2009年から2017年までの9年間でジェイリバイブの7勝0敗とこれも圧勝、
という結果です。
ジェイリバイブが安定して好成績を残している事がわかります。
JPX日経中小型株指数との比較
ジェイリバイブは中小型株を中心に投資するファンドです。「単に中小型株のパフォーマンスがTOPIXより良かっただけ」だという見方もあります。
そこで、JPX日経中小型株指数と比較してみます。
参考記事JPX日経中小型株指数に連動するインデックスファンドってどうなの?
*JPX日経中小型株指数のデータは日経平均プロフィルより入手したデータを使用し、リターン・リスクなどの計算は、「しんたろう」が独自に行っております。JPX日経中小型株指数に関する著作権その他一切の知的財産権は東京証券取引所、及び日本経済新聞社にあります。
JPX日経中小型株指数には配当込、配当なしの二つの指数がありますが、より長期間のデータがあるJPX日経中小型株指数(配当なし)と比較します。
2008年3月から2018年1月までの直近9年10カ月のデータです。
ジェイリバイブ | JPX日経中小型株指数 (配当無) | TOPIX | |
年率 リターン | 23.21% | 10.48% | 6.30% |
年率 リスク | 18.92% | 19.43% | 18.87% |
シャープ レシオ | 1.23 | 0.54 | 0.33 |
ジェイリバイブのリターンはJPX日経中小型株指数(配当なし)の2倍以上、配当無し指数ですが、それを考慮してもジェイリバイブがJPX日経中小型株指数より大幅に上回っています。
シャープレシオでも2倍以上の差があります。
*JPX日経中小型株指数の方は、信託報酬等のコストが含まれていない点も注意。
SBI中小型割安成長株ファンド、年2回決算型、<DC年金>の比較
ファンドの基本情報で書いたようにSBI中小型割安成長株ファンドには3種類のファンドがあります。同じマザーファンドで運用していますので、パフォーマンスも同じだとは思いますが、念のため確認しておきます。
最も新しいファンドは<DC年金>で、設定日が2016年4月21日と未だ1年ちょっとしか経っていません。そこで直近1年間のリターンを比較してみます。
*年2回決算型は分配金を出していますが、分配金再投資後の基準価額で計算。
リターン | |
ジェイリバイブ | 59.67% |
年2回決算型 | 59.51% |
<DC年金> | 59.88% |
当たり前ですが、殆ど同じリターン。<DC年金>のリターンが僅かに上回っていますが信託報酬の違いで説明できます。
パフォーマンスのまとめ
以上、SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ、年2回決算型 ジェイリバイブⅡ、<DC年金>のパフォーマンスを調査しました。
実質コストで2%を超え、決して低コストとは言えないアクティブファンドですが、TOPIXやJPX日経中小型株指数、さらには人気のひふみ投信(ひふみプラス)をも大きく上回るパフォーマンスを出しています。
勿論、将来のパフォーマンスを保証するものではないですが、魅力あるアクティブファンドの一つと言えるでしょう。
SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ<jrevive>の購入方法
SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ[jrevive] & 年2回決算型[jreviveⅡ]
SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ[jrevive] や年2回決算型[jreviveⅡ]は多くの金融機関で取扱っていますが、一部金融機関では購入時手数料がかかるところがありますので、購入時手数料無料となる下記ネット証券をお勧めします。
公式サイト SBI証券 、楽天証券 、マネックス証券
、松井証券
*松井証券は年2回決算型のみ取扱。
*SBI証券、楽天証券、マネックス証券ともジェイリバイブは口数注文のみ。年2回決算型は金額買付や積立注文が可能です。
また大手証券でも、SMBC日興証券なら購入時手数料無料で購入できます(ダイレクトコース限定、年2回決算型のみ)。
公式サイトSMBC日興証券
SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ<DC年金> 愛称:jrevive<DC年金>
SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ<DC年金>は確定拠出年金専用ファンドです。
SBI証券、及びマネックス証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)で取扱っています。
公式サイトSBI証券 iDeCo、マネックス証券 iDeCo