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ファンド紹介・解説 ETF

【東証上場ETF】 iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の評価・解説。

投稿日:

米国株式の代表的指数、S&P500との連動を目指す東証上場の国内ETF iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】について解説します。

[最終更新日:2024.8.14]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2024.7末時点の情報に基づき記載しています。

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 iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の基本情報

先ず、 iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の基本情報をまとめます。

運用会社ブラックロック・ジャパン
設定日2017年9月27日
上場日2017年9月28日
銘柄コード1655
運用形態インデックス型
ベンチマークS&P500
信託報酬(税込)0.066%(*1)
実質コスト0.105%(*2)
純資産総額 956.0億円(2024.7.31時点)
決算日(分配金)年2回(2月, 8月)
売買単位10口単位(*3)
マーケットメイク制度対象
iNAV対象
外国税額控除(二重課税調整)対象
NISA(つみたて投資枠)---
NISA(成長投資枠)対象
売買手数料無料の証券会社
*キャッシュバックを含む
SBI証券auカブコム証券

(*1)2022.11.10 0.077%に、2023.12.28に0.66%に引き下げられました。
(*2)2023.8/2024.2 1年間の決算より。
(*3)2022.2.10に1:10に分割され売買単位が1口から10口に変更になりました。これは呼値単位を縮小するためのもので、従来5円だったものが0.1円になりました。

 

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投資対象

ベンチマークはS&P500で米国株式に投資します。

S&P500は米国の大型株 約500銘柄から構成された時価総額加重平均型の指数で、米国株式の約80%をカバーします。米国株式を代表する指数と言っても良いでしょう。

実際の運用は、米国BlackRock社 ETF iShares Core S&P500 ETF【IVV】(経費率 0.03%)に投資します。

 

手数料(信託報酬、実質コストなど)

 iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】信託報酬0.066%(税込)

これは投資先ETF IVVの経費率を含んだ値です。

実質コストは直近1年の決算結果から0.105%

*実質コストは決算短信の営業費用合計と受託者報酬との比から算出

信託報酬以外のコストとして0.039%かかっていますが、これは指数商標使用料 0.04125%、上場料 0.00825%、追加上場料 0.00825%(純資産の増加額に対して)などです。

 

信託報酬の変更履歴

 iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】は過去に三度、信託報酬引き下げを行っています。

 iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の信託報酬変更履歴
引下げ日信託報酬(税込)備考
2017/9/27
 0.1620%新規設定
2019/10/1
 0.1650%消費税増税(8%-->10%)
2020/6/180.0825%期間限定として信託報酬引き下げ。
2022/11/10
 0.0770%NEXT FUNDS【2633】、MAXIS【2558】と同率に。
2023/12/280.0660%NEXT FUNDS【2633】と同率に。

 

国内上場 S&P500連動型ETF 信託報酬比較 

東証に上場するS&P500連動型ETFを信託報酬が低い順に下表にまとめます。

ETF 【コード】運用会社
信託報酬(*1)
iシェアーズS&P500米国株ETF
【1655】
ブラック
ロック
0.066%
NEXT FUNDS S&P500指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信
【2633】
野村
AM
0.066%
MAXIS米国株式(S&P500)上場投信
【2558】
三菱UFJ
AM
0.077%
iFreeETF S&P500(為替ヘッジなし)
【2247】
大和
AM
0.077%
上場インデックスファンド米国株式(S&P500)
【1547】
日興
AM
0.1650%
(*2)
<参考>(*3)
SPDR
S&P500ETF
【1557】
SSGA0.0945%
<非上場>
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
三菱UFJ
国際
0.09372%

(*1)信託報酬は、含まれる費用の範囲がETF、非上場のインデックスファンドで異なります。
ETFでは、信託報酬以外に上場費用、指数使用料などがかかります。
(*2)FOF。ETFの信託報酬0.066%に投資先ファンドの信託報酬0.099%を加えた値。
(*3)SPDR 1557は米国籍ETF

 iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の信託報酬はNEXT FUNDS S&P500指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信【2633】と同率で最安値。

二番手グループのMAXIS米国株式(S&P500)上場投信【2558】、iFreeETF S&P500(為替ヘッジなし)【2247】と0.011ポイントの差をつけています。

 

マーケットメイク制度

東京証券取引所では2018年7月2日よりマーケットメイク制度を導入しました。

指定を受けたマーケットメイカーは、気配提示義務を履行することで、インセンティブ(報酬)を得ることができます。マーケットメイカーが気配提示義務を履行することによって、対象のETFに対して、需給動向を踏まえた公正な価格で、十分な量の気配が提示されることになり、投資家の皆様が売買をしたいタイミングで、より良い価格で売買する環境を提供できるようになります。

~東京証券取引所サイトより引用~

マーケットメイク制度の導入で流動性が上がり、より適正な価格で売買できるようになると期待できます。

 iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】はマーケットメイク制度の対象銘柄です。

 

外国税額控除(二重課税調整措置)

本ETFは2020年より始まった外国税額控除(二重課税調整制度)の対象です。

国内籍ETFに外国税額控除が与える影響については下記記事をご覧ください。

 

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 iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の運用状況

市場価格と基準価額の乖離

ETFには実際に市場で売買する時の価格=市場価格、一般の投資信託同様、純資産総額を口数で割った真の価格=基準価額の二つの価格が存在します。

勿論、この二つの価格は同じである事が望ましいのですが実際には差=乖離が生じます。

この乖離はWEALTH ADVISORのサイトで調べる事が出来ます。(終値と基準価額の乖離)

2023年9月~2024年7月の11カ月の平均値(各月の乖離率の絶対値の平均)を他社のS&P500連動型ETFと比較します。

2023年9月~2024年7月の市場価格と基準価額の乖離
ETF乖離率
iシェアーズS&P500米国株ETF【1655】0.064%
NEXT FUNDS S&P500 指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信【2633】0.842%(*)
MAXIS米国株式(S&P500)上場投信【2558】0.072%
iFreeETF S&P500(為替ヘッジなし)【2247】0.059%
上場インデックスファンド米国株式(S&P500)【1547】0.103%

データ引用:WEALTH ADVISOR

(*)NEXT FUNDSは2023.12に-8.55%と大きな乖離を起しており、この影響で上表の乖離率が非常に高くなっています。

 iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の乖離率は0.064%と他のETFと比較しても低く、問題ないレベルと言って良いでしょう。

 

平均売買代金、平均売買高

2024年8月13日時点の直近90日の平均売買代金、平均売買高は、

平均売買代金:148,726万円

平均売買高 : 2,452,458口

スプレッド(2024.7.31時点)  0.05%

*データ引用:東証マネ部

これを他社のS&P500連動型ETFと比較します。

[スマホの方は横にスクロールしてご覧下さい]

ETF
*()内は信託報酬
平均売買代金
(万円)
平均売買高
(口)
スプレッド
2024.7.31
(終値)
2024.8.13
iシェアーズS&P500
米国株 ETF
【1655】
(0.066%)
148,7262,452,4580.05%
(569.3)
NEXT FUNDS S&P500指数
(為替ヘッジなし)
連動型上場投信
【2633】
(0.066%)
27,578717,1820.20%
(365.8)
MAXIS米国株式(S&P500)
上場投信
【2558】
(0.077%)
119,25449,3650.05%
(22,740)
iFreeETF S&P500
(為替ヘッジなし)【2247】
(0.077%)
20,39813,3460.25%
(14,875)
上場インデックスファンド
米国株式(S&P500)

【1547】
(0.1650%)
48,77453,5960.11%
(8,650)

データ引用 : 東証マネ部

*iFreeETF 2247は2023.5.10に設定されたばかりの新しいETFです。
*2558だけ基準価額が極端に高い為、口数が少なく見えています。

 iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の売買高は金額、口数とも最も大きく、スプレッドも小さくなっています。

 

純資産総額

956.0億円  (2024.7.31時点)

純資産総額も5本の中で最も大きくなっています。

 

基準価額とベンチマークとの乖離

ETFでは先に示した市場価額と基準価額の乖離の他に、(非上場の)インデックスファンド同様、基準価額とベンチマークとの乖離も生じます。

そこで、 iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の基準価額騰落率を、S&P500をベンチマークとする他社ETF、及び(非上場の)インデックスファンドと比較してみます。

下図は2024.7末日時点の1年騰落率を、実質コストに対してプロットしたものです。

*基準価額は分配金非課税再投資時
*○がETF、◇が(非上場)インデックスファンド
*米国ETF Vanguard VOOのデータもプロットします。VOOは分配金10%課税後再投資した場合の終値での円換算騰落率。(終値は米国Yahoo Finance、分配金は米国Vanguard社サイトより引用)

 iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の評価

*多くのファンドがコスト要因以外でのベンチマークとの乖離がないという前提で評価。

 iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の騰落率は、多くのETF、ファンドを結んだ図中点線上にあり、これはコスト要因以外でのベンチマークとの乖離がない事を意味します。

そして、信託報酬は同率最安値ながら、実質コストで僅かに勝るiシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】は、その低いコストに応じて最も高い騰落率を示しています(東証上場S&P500連動型ETFの中で)

尚、iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】は信託報酬を0.077%から0.066%に引き下げたのが2023.12.28、上記1年の評価期間の内、引下げ後が半分の期間しかありません。今後は僅かながら、さらに他のETFとの差が大きくなると推測されます。

 

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まとめ

 iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】は、S&P500をベンチマークとし、超低コストで米国株式に投資できる東証上場ETFです。

NEXT FUNDS S&P500指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信【2633】と並び最低水準の信託報酬。

実質コストでは最安値です。

そして、東証上場S&P500連動型ETFの中で、最も高い騰落率を示しています。

*株式同様、その時の市場価格で売買したい、定期的に分配金が欲しい、分配金に対する外国税額控除に魅力を感じる方にはETFもお勧め出来ます。

 

販売会社

東証に上場するETFですので、証券会社を通して売買する事になります。

売買単位は10口単位ですが5,700円程度(2024.8時点)と少額から投資出来るのも本ETFの魅力です。

尚、通常、国内株式と同様の売買手数料がかかりますが、SBI証券auカブコム証券では本ETFを取引手数料無料の対象銘柄としています。

*SBI証券楽天証券は、それぞれ2023.9.30、2023.10.1より約定金額によらず国内株式売買手数料が無料(一部条件、コースの選択有)となりますので、本ETF以外でも無料で取引できます。

公式サイト SBI証券楽天証券auカブコム証券

 

S&P500との連動を目指す国内ETFの比較は下記ページをご覧ください。

 

 

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