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【東証上場ETF評価・解説】MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信(2558)。実質コストは? eMAXIS Slimとの比較も!

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MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信(2558)

東京証券取引所(東証)に上場する国内籍ETFで、米国株式に投資するMAXIS 米国株式(S&P500)上場投信について解説します。

[最終更新日:2022.8.10]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2022.7末日時点の情報に基づき記載しています。

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【国内ETF】MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信(2558)の基本情報

MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信は、三菱UFJ国際投信が運用するETF「MAXIS(マクシス)シリーズ」の一つです。「MAXIS」には「最高(MAX)の品質」「お客様の投資の中心軸(AXIS)」という思いが込められているとの事。2022年8月時点で21本のETFをラインアップしています。

今回解説するのは、米国株式の代表的指数S&P500との連動を目指すETFMAXIS 米国株式(S&P500)上場投信

先ず、MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信の基本情報をまとめます。

運用会社三菱UFJ国際投信
設定日2020年1月8日
銘柄コード2558
運用形態インデックス型
投資形態ファミリーファンド
ベンチマークS&P500
信託報酬(税込)0.077% 
実質コスト0.145%(*)
純資産総額 355.1億円(2022.7.29時点)
(マザーファンド)
純資産総額
10,503億円(2022.2.25時点)
決算日(分配金)年2回(6月8日, 12月8日)
売買単位1口単位
マーケットメイク制度対象
iNAVなし
外国税額控除(二重課税調整)対象
つみたてNISA---
売買手数料無料の証券会社
*キャッシュバックを含む
SBI証券楽天証券

(*)実質コストは2021年12月期決算短信の営業費用より推定。さらに2022.3.31からの信託報酬引下げを反映。

 

投資対象

ベンチマークS&P500で米国株式に投資します。

S&P500は、米国の大型株 約500銘柄から構成された時価総額加重平均型の指数で、米国株式の約80%をカバーします。米国株式を代表する指数と言っても良いでしょう。

 

マザーファンド

MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信は、ファミリーファンド方式で下記マザーファンドに投資します。

MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信(2558)

画像引用:MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信 交付目論見書

S&P500インデックスマザーファンドは、非上場のインデックスファンド、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)マザーファンドでもあります。

即ち、MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)マザーファンドを共有し、そのままETF化した商品という事になります。

 

投資銘柄

組入上位10銘柄は下表のようになります(2022.7末時点)

MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信(2558)

画像引用:MAXIS 米国株式(S&P500) 月次レポート(2022/7)

アップル、マイクロソフト、アマゾンといった米国のみならず世界を代表する企業が組入上位を占めています。さらに、テスラも入っています。

 

手数料(信託報酬、実質コストなど)

MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信信託報酬0.077%(税込)

これは、S&P500との連動を目指す東証上場ETFで最安値です。

実質コスト0.145%(上記信託報酬引下げ分を反映済)

信託報酬以外のコストが0.068%ありますが、この中には

上場料 0.00825% + 指数使用料 0.05% = 0.05825%、

等が含まれます。

 

非上場のeMAXIS Slim米国株式(S&P500)とのコスト比較

非上場のインデックスファンド、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とコストを比較します。

ファンド信託報酬実質コスト
MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信0.077%0.145%
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)0.0968%0.112%

信託報酬はMAXIS 米国株式(S&P500)上場投信の方が低くなっていますが、信託報酬に含まれるコストの範囲が非上場・ETFで異なり、実質コストでは逆に0.03ポイント高くなっています。

 

信託報酬の変更履歴

MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信は過去に一度、信託報酬引き下げを行っています。

MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信の信託報酬変更履歴
引下げ日信託報酬(税込)備考
2020/1/8
 0.0858%新規設定
2022/3/310.077%NEXT FUNDS【2633】の期間限定信託報酬の引き下げに対抗。

 

マーケットメイク制度

東京証券取引所では2018年7月2日よりマーケットメイク制度を導入しました。

指定を受けたマーケットメイカーは、気配提示義務を履行することで、インセンティブ(報酬)を得ることができます。マーケットメイカーが気配提示義務を履行することによって、対象のETFに対して、需給動向を踏まえた公正な価格で、十分な量の気配が提示されることになり、投資家の皆様が売買をしたいタイミングで、より良い価格で売買する環境を提供できるようになります。

~東京証券取引所サイトより引用~

マーケットメイク制度の導入で流動性が上がり、より適正な価格で売買できるようになると期待できます。

MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信はマーケットメイク制度の対象銘柄です。

 

外国税額控除(二重課税調整措置)

本ETFは2020年より始まった外国税額控除(二重課税調整制度)の対象です。

国内籍ETFに外国税額控除が与える影響については下記記事をご覧ください。

 

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MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信(2558)の運用状況

市場価格と基準価額の乖離

ETFには実際に市場で売買する時の価格=市場価格、一般の投資信託同様、純資産総額を口数で割った真の価格=基準価額の二つの価格が存在します。

勿論、この二つの価格は同じである事が望ましいのですが実際には差=乖離が生じます。

この乖離はモーニングスターのサイトで調べる事が出来ます。(終値と基準価額の乖離)

下図は2020年3月~2022年7月の各月の乖離率(単純平均)をグラフにしたものです。

MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信(2558)の乖離

データ引用:モーニングスター

2021年後半以降、大きな乖離の月が多くなっています。為替を含めて、比較的ボラティリティが大きかった影響があるのかもしれません。

ただ、それでも直近1年の平均値(絶対値の平均)は0.128%、まずまずの結果と言って良いでしょう。

全世界の株式に投資するMAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信【2558】に比べると、かなり小さくなっています。

 

平均売買代金、平均売買高、スプレッド

2022年8月9日時点の直近90日の平均売買代金、平均売買高、及び2022.7.29時点のスプレッド(*)は、

*スプレッド:最良の売気配値段と買気配値段の価格差

平均売買代金:79,264万円

平均売買高 : 52,742口

スプレッド(2022.7.29時点)  0.05%

*データ引用:東証マネ部

これをS&P500との連動を目指す他社国内ETFと比較します。(SPDR 1557は米国籍で情報がない為省略)

[スマホの方は横にスクロールしてご覧下さい]

ETF
*()内は信託報酬
平均売買代金
(万円)
平均売買高
(口)
スプレッド
(終値)
2022.7.29
MAXIS米国株式(S&P500)
上場投信
【2558】
(0.077%)
79,26452,7420.05%
(15,665)
NEXT FUNDS S&P500指数
(為替ヘッジなし)
連動型上場投信
【2633】
(0.077~
0.099%)(*1)
17,43470,6850.06%
(2537.0)
iシェアーズS&P500
米国株 ETF
【1655】
(0.0825~
0.165%)(*2)
125,1293,323,0350.03%
(393.7)
上場インデックスファンド
米国株式(S&P500)

【1547】
(0.1650%)
54,561399,6130.05%
(5,947)

データ引用 : 東証マネ部

(*1)NEXT FUNDS2633の信託報酬は2022.12.20までは0.077%、それ以降は0.099%。
(*2)iシェアーズ1655の信託報酬は2023.6.21までは0.0825%、それ以降は0.165%。

売買代金はiシェアーズ1655には負けますが、上場インデックスファンド1547やNEXT FUNDS 2633よりは大きくなっています。

 

純資産総額

355.1億円  (2022.7.29時点)

非上場のeMAXIS Slimは1兆円を超えましたので、MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信の方はまだまだこれからといったところでしょう。

 

基準価額とベンチマークとの乖離

ETFでは先に示した市場価額と基準価額の乖離の他に、(非上場の)インデックスファンド同様、基準価額とベンチマークとの乖離も生じます。

この乖離は主にファンドのコストに起因するものと思われます。

そこで、MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信の基準価額騰落率を、S&P500をベンチマークとする他社ETF、及び(非上場の)インデックスファンドと比較してみます。

 

1年騰落率

下図は2022.7末日時点の1年騰落率を、実質コストに対してプロットしたものです。

*基準価額は分配金非課税再投資時
*○がETF、◇が(非上場)インデックスファンド
*米国ETF Vanguard VOOのデータもプロットします。VOOは分配金10%課税後再投資した場合の終値での円換算騰落率。(終値は米国Yahoo Finance、分配金は米国Vanguard社サイトより引用)

MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信(2558)の評価・利回り

*図中グレーの点線は管理人の主観で描いたものです。

MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信の基準価額騰落率は、他のETF、ファンドと同一直線上にのっており、概ねコストに応じた騰落率になっています。これはベンチマークに対してコスト要因以外での乖離がない運用となっている事を意味します。

ただ、同じマザーファンドで運用するeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と比較して、若干実質コストが高い分、騰落率も低くなっています。

尚、MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信は2022年3月31日に信託報酬を引下げていますが、上記1年騰落率は、評価期間中の2/3が引下げ前のデータです。そこで、引下げ後のみに期間を絞って同様の評価を行ってみます。

 

3カ月騰落率

2022.7末日時点の3カ月騰落率と実質コストの関係です。

3カ月であれば、全期間信託報酬引下げ後になります。

MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信(2558)の評価・利回り

信託報酬引下げ後でもeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)より若干騰落率が低くなっています。これは、引下げ後でも実質コストが0.03ポイント高い分で説明できます。

 

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まとめ

MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信は、S&P500をベンチマークとし、超低コストで米国株式に投資できるETFです。

市場価格と基準価額の乖離、基準価額とベンチマークとの乖離も小さく、安定した運用になっています。

(非上場の)インデックスファンドよりもETFが好みの方にとっては有力な選択肢の一つとなるでしょう。今まで、ETFは分配金を出すことで資産形成にとって不利になる事もありましたが、外国税額控除(二重課税調整制度)の適用で、(非上場)インデックスファンドよりも有利になる場合も出てきます。

*株式同様、その時の市場価格で売買したい、定期的に分配金が欲しい、分配金に対する外国税額控除に魅力を感じる、さらに貸株を利用する方にはETFもお勧め出来ます。

ただ、実質コストは、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の方が低くなっています。

 

販売会社

東証に上場するETFですので、証券会社を通して売買する事になります。

売買単位は1口単位で1.6万円前後(2022.8時点)で投資出来ます。

通常、国内株式と同様の売買手数料がかかりますが、SBI証券楽天証券では、本ETFを取引手数料無料の対象銘柄としています。

公式サイト楽天証券

尚、(非上場の)投資信託への投資も考えている方は、クレジットカードで投資出来、ポイント還元率が高いマネックス証券SBI証券がおすすめ。

SBI証券

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国内・米国ETF取引もコスト最低水準。
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*マネックスカードの年会費は初年度無料、翌年以降も年1回の利用(投信つみたてを含む)で無料となります。

 

全世界株式に投資するMAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信【2559】については下記ページをご覧ください。

 

他のS&P500との連動を目指す国内ETFの比較は下記ページをご覧ください。

 

先進国株式に投資する国内ETFの比較は下記ページをご覧ください。

 

国内株式(TOPIX)に投資するETFについては下記記事をご覧ください。

 

国内REIT(東証REIT指数)に投資するETFについては下記記事をご覧ください。

 

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