米国株式の代表的指数、S&P500との連動を目指す東証上場の国内ETF iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】について解説します。
[最終更新日:2023.8.4]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2023.7末時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の基本情報
先ず、 iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の基本情報をまとめます。
運用会社 | ブラックロック・ジャパン |
設定日 | 2017年9月27日 |
上場日 | 2017年9月28日 |
銘柄コード | 1655 |
運用形態 | インデックス型 |
ベンチマーク | S&P500 |
信託報酬(税込) | 0.077%(*1) |
実質コスト | 0.135%(*2) |
純資産総額 | 558.1億円(2023.7.31時点) |
決算日(分配金) | 年2回(2月, 8月) |
売買単位 | 10口単位(*3) |
マーケットメイク制度 | 対象 |
iNAV | 対象 |
外国税額控除(二重課税調整) | 対象 |
つみたてNISA | --- |
売買手数料無料の証券会社 *キャッシュバックを含む | SBI証券、楽天証券、auカブコム証券 |
(*1)2022.11.10 0.077%に引き下げられました。
(*2)2022.8/2023.2 1年間の決算より。
(*3)2022.2.10に1:10に分割され売買単位が1口から10口に変更になりました。これは呼値単位を縮小するためのもので、従来5円だったものが0.1円になりました。
投資対象
ベンチマークはS&P500で米国株式に投資します。
S&P500は米国の大型株 約500銘柄から構成された時価総額加重平均型の指数で、米国株式の約80%をカバーします。米国株式を代表する指数と言っても良いでしょう。
実際の運用は、米国BlackRock社 ETF iShares Core S&P500 ETF【IVV】(経費率 0.03%)に投資します。
手数料(信託報酬、実質コストなど)
iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の信託報酬は0.077%(税込)。
これは投資先ETF IVVの経費率を含んだ値です。
実質コストは直近1年の決算結果から0.135%。
信託報酬以外のコストとして0.058%かかっていますが、これは指数商標使用料 0.04125%、上場料 0.00825%、追加上場料 0.00825%(純資産の増加額に対して)などです。
信託報酬の変更履歴
iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】過去に二度、信託報酬引き下げを行っています。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2017/9/27 | 0.1620% | 新規設定 |
2019/10/1 | 0.1650% | 消費税増税(8%-->10%) |
2020/6/18 | 0.0825% | 期間限定として信託報酬引き下げ。 |
2022/11/10 | 0.0770% | NEXT FUNDS【2633】、MAXIS【2558】と同率に。 |
国内上場 S&P500連動型ETF 信託報酬比較
東証に上場するS&P500連動型ETFを信託報酬が低い順に下表にまとめます。
ETF 【コード】 | 運用会社 | 信託報酬(*1) |
MAXIS米国株式(S&P500)上場投信 【2558】 | 三菱UFJ 国際 | 0.077% |
NEXT FUNDS S&P500指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信 【2623】 | 野村 AM | 0.077% |
iシェアーズS&P500米国株ETF 【1655】 | ブラック ロック | 0.077% |
iFreeETF S&P500(為替ヘッジなし) 【2247】 | 大和 AM | 0.077% |
上場インデックスファンド米国株式(S&P500) 【1547】 | 日興 AM | 0.1650% (*2) |
<参考>(*3) SPDR S&P500ETF 【1557】 | SSGA | 0.0945% |
<非上場> eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 三菱UFJ 国際 | 0.09372% |
(*1)信託報酬は、含まれる費用の範囲がETF、非上場のインデックスファンドで異なります。
ETFでは、信託報酬以外に上場費用、指数使用料などがかかります。
(*2)FOF。ETFの信託報酬0.066%に投資先ファンドの信託報酬0.099%を加えた値。
(*3)SPDR 1557は米国籍ETF
iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の信託報酬はMAXIS米国株式(S&P500)上場投信【2558】、NEXT FUNDS S&P500指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信【2633】、iFreeETF S&P500(為替ヘッジなし)【2247】と並び同率最安値。
マーケットメイク制度
東京証券取引所では2018年7月2日よりマーケットメイク制度を導入しました。
指定を受けたマーケットメイカーは、気配提示義務を履行することで、インセンティブ(報酬)を得ることができます。マーケットメイカーが気配提示義務を履行することによって、対象のETFに対して、需給動向を踏まえた公正な価格で、十分な量の気配が提示されることになり、投資家の皆様が売買をしたいタイミングで、より良い価格で売買する環境を提供できるようになります。
~東京証券取引所サイトより引用~
マーケットメイク制度の導入で流動性が上がり、より適正な価格で売買できるようになると期待できます。
iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】はマーケットメイク制度の対象銘柄です。
外国税額控除(二重課税調整措置)
本ETFは2020年より始まった外国税額控除(二重課税調整制度)の対象です。
国内籍ETFに外国税額控除が与える影響については下記記事をご覧ください。
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iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の運用状況
市場価格と基準価額の乖離
ETFには実際に市場で売買する時の価格=市場価格、一般の投資信託同様、純資産総額を口数で割った真の価格=基準価額の二つの価格が存在します。
勿論、この二つの価格は同じである事が望ましいのですが実際には差=乖離が生じます。
この乖離はWEALTH ADVISORのサイトで調べる事が出来ます。(終値と基準価額の乖離)
2022年9月~2023年7月の11カ月の平均値(各月の乖離率の絶対値の平均)を他社のS&P500連動型ETFと比較します。
ETF | 乖離率 |
iシェアーズS&P500米国株ETF【1655】 | 0.065% |
NEXT FUNDS S&P500 指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信【2633】 | 0.078% |
MAXIS米国株式(S&P500)上場投信【2558】 | 0.067% |
iFreeETF S&P500(為替ヘッジなし)【2247】 | 0.087%(*) |
上場インデックスファンド米国株式(S&P500)【1547】 | 0.078% |
データ引用:WEALTH ADVISOR
(*)設定されたばかりのiFreeETFは2023.5~7の平均。
iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の乖離率は上記5本の中で最も小さくなっています。
平均売買代金、平均売買高
2023年8月3日時点の直近90日の平均売買代金、平均売買高は、
平均売買代金:87,178万円
平均売買高 : 1,981,367口
スプレッド(2023.6.30時点) 0.03%
これを他社のS&P500連動型ETFと比較します。
[スマホの方は横にスクロールしてご覧下さい]
ETF *()内は信託報酬 | 平均売買代金 (万円) | 平均売買高 (口) | スプレッド 2023.6.30 (終値) 2023.8.3 |
iシェアーズS&P500 米国株 ETF【1655】 (0.077%) | 87,178 | 1,981,367 | 0.03% (468.1) |
NEXT FUNDS S&P500指数 (為替ヘッジなし) 連動型上場投信【2633】 (0.077%) | 7,801 | 27,864 | 0.05% (2,996.5) |
MAXIS米国株式(S&P500) 上場投信【2558】 (0.077%) | 60,237 | 34,381 | 0.04% (18,625) |
iFreeETF S&P500 (為替ヘッジなし)【2247】 (0.077%) | 1,730 | 1,471 | 0.07% (12,130) |
上場インデックスファンド 米国株式(S&P500) 【1547】 (0.1650%) | 35,942 | 54,305 | 0.03% (7,076) |
データ引用 : 東証マネ部
*iFreeETF 2247は2023.5.10に設定されたばかりの新しいETFです。
*2558だけ基準価額が極端に高い為、口数が少なく見えています。
iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の売買高は金額、口数とも最も大きく、スプレッドも小さくなっています。
純資産総額
558.1億円 (2023.7.31時点)
純資産総額も5本の中でトップ、最も大きくなっています。
基準価額とベンチマークとの乖離
ETFでは先に示した市場価額と基準価額の乖離の他に、(非上場の)インデックスファンド同様、基準価額とベンチマークとの乖離も生じます。
そこで、 iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の基準価額騰落率を、S&P500をベンチマークとする他社ETF、及び(非上場の)インデックスファンドと比較してみます。
下図は2023.7末日時点の1年騰落率を、実質コストに対してプロットしたものです。
*基準価額は分配金非課税再投資時
*○がETF、◇が(非上場)インデックスファンド
*米国ETF Vanguard VOOのデータもプロットします。VOOは分配金10%課税後再投資した場合の終値での円換算騰落率。(終値は米国Yahoo Finance、分配金は米国Vanguard社サイトより引用)
*多くのファンドがコスト要因以外でのベンチマークとの乖離がないという前提で評価。
iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】の騰落率は、多くのETF、ファンドを結んだ図中点線上にあり、これはコスト要因以外でのベンチマークとの乖離がない事を意味します。
そして、信託報酬は同率最安値ながら、実質コストで僅かに勝るiシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】は、その低いコストに応じて最も高い騰落率を示しています(東証上場S&P500連動型ETFの中で)。
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まとめ
iシェアーズ S&P500 米国株ETF【1655】は、S&P500をベンチマークとし、超低コストで米国株式に投資できる東証上場ETFです。
MAXIS米国株式(S&P500)上場投信【2558】、NEXT FUNDS S&P500指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信【2633】等と並び最低水準の信託報酬。
実質コストでは最安値です。
そして、東証上場S&P500連動型ETFの中で、最も高い騰落率を示しています。
*株式同様、その時の市場価格で売買したい、定期的に分配金が欲しい、分配金に対する外国税額控除に魅力を感じる方にはETFもお勧め出来ます。
販売会社
東証に上場するETFですので、証券会社を通して売買する事になります。
売買単位は10口単位ですが5,000円弱程度(2023.7時点)と少額から投資出来るのも本ETFの魅力です。
尚、通常、国内株式と同様の売買手数料がかかりますが、SBI証券、楽天証券、auカブコム証券では本ETFを取引手数料無料の対象銘柄としています。
S&P500との連動を目指す国内ETFの比較は下記ページをご覧ください。