国内株式と言えば、その指数としてTOPIXや日経平均株価がポピュラーですが、その他にも高配当株式に注目した指数、そして、それに連動するように運用するETFが複数設定されています。
そこで、これらの高配当ETFを、TOPIXや日経平均株価も含めて詳細に比較していきます。
*本記事は原則2020年2月末日時点の情報に基づき記載しています。
スポンサーリンク
見出し
- 1 国内(日本)株式 高配当ETFの基本情報
- 2 国内株式 高配当ETF、そのベンチマーク(指数)の概要・構成銘柄
- 2.1 [東証配当フォーカス100指数] 上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100)【1698】
- 2.2 [野村日本株高配当70] NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信【1577】
- 2.3 [MSCIジャパン高配当利回りインデックス] iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF【1478】
- 2.4 [MSCIジャパンIMIカスタム高流動性高利回り低ボラティリティ指数] 上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ【1399】
- 2.5 [日経平均高配当株50指数] NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信【1489】
- 2.6 [S&P/JPX 配当貴族指数] One ETF 高配当日本株【1494】
- 2.7 [TOPIX高配当40指数] ダイワ上場投信-TOPIX高配当40指数【1651】
- 2.8 [野村株主還元70] NEXT FUNDS 野村株主還元70連動型上場投信【2529】
- 3 国内(日本)株式 高配当ETFの信託報酬・実質コスト
- 4 国内(日本)株式 高配当ETFの分配金
- 5 国内(日本)株式 高配当ETFのトータルリターン
- 6 国内(日本)株式 高配当ETFの流動性・人気
- 7 国内株式高配当ETFのインディカティブNAV、マーケットメイク制度
- 8 まとめ
国内(日本)株式 高配当ETFの基本情報
現時点で国内株式の高配当銘柄に注目したETFは8本あります。
先ずは、そのETFの基準情報をまとめます。
(参考までにTOPIX、日経平均株価連動型のETFも記載)
[スマホの方は横にスクロールしてご覧ください]
ETF 【コード】 | 運用 会社 | 対象指数 | 信託報酬 | 売買 単位 | 設定日 |
上場インデックスファンド 日本高配当 (東証配当フォーカス100) 【1698】 | 日興 | 東証配当 フォーカス 100指数 | 0.308% | 10 | 2010/5/13 |
NEXT FUNDS 野村日本株高配当70 連動型上場投信 【1577】 | 野村 | 野村日本株 高配当70 | 0.352% | 1 | 2013/3/5 |
iシェアーズ MSCI ジャパン 高配当利回りETF 【1478】 | ブラック ロック | MSCIジャパン 高配当利回り インデックス | 0.209% | 1 | 2015/10/19 |
上場インデックスファンド MSCI日本株高配当 低ボラティリティ 【1399】 | 日興 | MSCIジャパン IMIカスタム 高流動性 高利回り 低ボラティリティ 指数 | 0.385% | 10 | 2015/11/30 |
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数 連動型上場投信 【1489】 | 野村 | 日経平均 高配当株50指数 | 0.308% | 1 | 2017/2/10 |
One ETF 高配当日本株 【1494】 | アセマネ One | S&P/JPX 配当貴族指数 | 0.308% | 1 | 2017/5/22 |
ダイワ上場投信 -TOPIX高配当40指数 【1651】 | 大和 | TOPIX 高配当40指数 | 0.209% | 10 | 2017/9/25 |
NEXT FUNDS 野村株主還元70連動型 上場投信 【2529】 | 野村 | 野村株主還元70 | 0.308% | 1 | 2019/4/18 |
TOPIX連動型上場投資信託 【1306】 | 野村 | TOPIX | 0.121% | 10 | 2001/7/11 |
日経2225連動型 上場投資信託 【1321】 | 野村 | 日経平均株価 | 0.242% | 1 | 2001/7/9 |
国内株式 高配当ETF、そのベンチマーク(指数)の概要・構成銘柄
*構成銘柄・業種は2020.2末時点
[東証配当フォーカス100指数]
上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100)【1698】
TOPIX1000、東証REIT指数の構成銘柄のうち、時価総額および予想配当利回りに着目して選定された100銘柄(株式90, REIT10銘柄)。
時価総額加重型指数。
定期入替 : 年2回(1月/7月)
公式サイト(引用元)東証配当フォーカス100指数
構成銘柄
構成銘柄上位10位、及び業種上位5位を下表にまとめます。
上場インデックスァンド 日本高配当(東証配当フォーカス100) 【1698】 | ||
銘柄数 | 100 | |
1 | 花王 | 7.4% |
2 | キヤノン | 5.9% |
3 | 日本たばこ産業 | 5.0% |
4 | ブリヂストン | 4.5% |
5 | 三菱UFJ FG | 3.5% |
6 | アサヒグループHD | 3.4% |
7 | キリンHD | 3.4% |
8 | 日本電信電話 | 3.1% |
9 | 大塚HD | 3.1% |
10 | 武田薬品工業 | 3.0% |
業種 | ||
1 | 化学 | 12.1% |
2 | 食料品 | 11.8% |
3 | 情報・通信業 | 9.4% |
4 | 銀行業 | 8.9% |
5 | 卸売業 | 6.8% |
尚、業種上位5位には入っていませんが、REITが6.0%含まれているのも特徴です。
[野村日本株高配当70]
NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信【1577】
予想配当利回りが高い70銘柄から構成される等金額型指数。
過去3年間に経常利益がマイナスとなったことのある銘柄は除外。
定期入替 : 年1回(12月)
公式サイト(引用元)野村日本株高配当70
構成銘柄
構成銘柄上位10位、及び業種上位5位を下表にまとめます。
NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信 【1577】 | ||
銘柄数 | 70 | |
1 | 清水建設 | 2.1% |
2 | 伊藤忠商事 | 1.7% |
3 | オリックス | 1.7% |
4 | 東京海上HD | 1.6% |
5 | MS&AD HD | 1.6% |
6 | 三菱瓦斯化学 | 1.6% |
7 | NTTドコモ | 1.6% |
8 | 中国電力 | 1.6% |
9 | セイコーエプソン | 1.6% |
10 | KDDI | 1.6% |
業種 | ||
1 | 化学 | 13.8% |
2 | 銀行業 | 11.6% |
3 | 卸売業 | 9.2% |
4 | 輸送用機器 | 7.7% |
5 | 建設業 | 7.6% |
等金額指数で、各銘柄の比率は最大でも2.1%に抑えられています。
銀行業、卸売業(総合商社)の比率がTOPIX、日経平均株価よりかなり大きくなっています。
[MSCIジャパン高配当利回りインデックス]
iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF【1478】
配当性向が正、配当性向トップ5%除外、5年間で配当金が減少している銘柄除外、ROEなどのクォリティ・スコアが負の銘柄除外、1年間の株価パフォーマンスがマイナスの銘柄の下位5%を除外。
残った銘柄から元指数(MSCI JAPAN)の配当利回り130%を超える利回りの銘柄。
時価総額加重型指数(最大5%)。
REITは含まない。
定期入替 : 年2回(5月/11月)
公式サイト(引用元)MSCI指数ハンドブック
構成銘柄
構成銘柄上位10位、及び業種上位5位を下表にまとめます。
iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回りETF 【1478】 | ||
銘柄数 | 57 | |
1 | 東京海上HD | 5.5% |
2 | NTTドコモ | 5.4% |
3 | KDDI | 5.3% |
4 | 東京エレクトロン | 5.2% |
5 | トヨタ自動車 | 5.0% |
6 | 伊藤忠 | 5.0% |
7 | 本田技研 | 4.9% |
8 | 日本電信電話 | 4.9% |
9 | キヤノン | 4.1% |
10 | 日本たばこ産業 | 3.8% |
業種 | ||
1 | 情報・通信業 | 16.6% |
2 | 電気機器 | 14.4% |
3 | 輸送用機器 | 13.9% |
4 | 保険業 | 13.7% |
5 | 建設業 | 6.8% |
NTTドコモ、KDDIなどの情報・通信業、東京エレクトロン、キヤノン等の電気機器の比率が高くなっています。
[MSCIジャパンIMIカスタム高流動性高利回り低ボラティリティ指数]
上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ【1399】
MSCIジャパン指数(国内上場大・中・小型株が対象、REIT含む)から、
- REIT、金融業種を除く
- 流動性上位400銘柄
- 実績配当利回り上位150銘柄
- ポートフォリオ・リスクの最小化を目標に最適化を実行。最大ウエイト1%、最小ウェイト0.05%。
定期入替 : 年4回(2月/5月/8月/11月)
公式サイト(引用元)MSCI指数ハンドブック
構成銘柄
構成銘柄上位10位、及び業種上位5位を下表にまとめます。
上場インデックスファンド MSCI日本株高配当低ボラティリティ 【1399】 | ||
銘柄数 | 90 | |
1 | 中国電力 | 1.1% |
2 | キヤノン | 1.1% |
3 | 伊藤忠商事 | 1.1% |
4 | 三菱商事 | 1.0% |
5 | NTTドコモ | 1.0% |
6 | ソフトバンク | 1.0% |
7 | トヨタ自動車 | 1.0% |
8 | 住友商事 | 1.0% |
9 | 関西電力 | 1.0% |
10 | 本田技研工業 | 1.0% |
業種 | ||
1 | 電気機器 | 8.4% |
2 | 電気・ガス業 | 8.1% |
3 | 化学 | 7.4% |
4 | 卸売業 | 6.5% |
5 | 輸送用機器 | 6.5% |
最大ウェイト1%とする事で、高配当株指数の中で最も多くの銘柄に分散されています。
[日経平均高配当株50指数]
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信【1489】
日経平均構成銘柄のうち配当利回りの高い50銘柄から構成される配当利回りウエート方式の株価指数。
配当利回りと流動性(売買代金)を加味してウエートを決定。
定期入替 : 年1回(6月)。
公式サイト(引用元)日経平均高配当株50指数
構成銘柄
構成銘柄上位10位、及び業種上位5位を下表にまとめます。
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数 連動型上場投信 【1489】 | ||
銘柄数 | 50 | |
1 | NTTドコモ | 3.7% |
2 | 三菱UFJ FG | 3.5% |
3 | 伊藤忠商事 | 3.4% |
4 | SUBARU | 3.4% |
5 | 武田薬品工業 | 3.3% |
6 | 野村HD | 3.2% |
7 | みずほ FG | 3.1% |
8 | 本田技研工業 | 2.9% |
9 | キヤノン | 2.9% |
10 | 三井住友 FG | 2.9% |
業種 | ||
1 | 卸売業 | 15.8% |
2 | 銀行業 | 15.3% |
3 | 輸送用機器 | 10.1% |
4 | 化学 | 7.4% |
5 | 情報・通信業 | 7.1% |
卸売業(総合商社)、銀行業の比率が合わせて30%超と非常に高くなっています。
[S&P/JPX 配当貴族指数]
One ETF 高配当日本株【1494】
TOPIX構成銘柄から時価総額、流動性でスクリーニング、
10年以上にわたり毎年増配しているか、または安定した配当を維持している事。
配当利回りにより加重。
定期入替 : 年1回(7月)。
公式サイト(引用元)S&P/JPX配当貴族指数
構成銘柄
構成銘柄上位10位、及び業種上位5位を下表にまとめます。
One ETF 高配当日本株 【1494】 | ||
銘柄数 | 50 | |
1 | 日本たばこ産業 | 3.6% |
2 | ローソン | 3.4% |
3 | NTTドコモ | 3.1% |
4 | ニチアス | 2.6% |
5 | KDDI | 2.6% |
6 | 阪和興業 | 2.5% |
7 | 住友林業 | 2.4% |
8 | オリックス | 2.4% |
9 | 東ソー | 2.3% |
10 | 日本電信電話 | 2.3% |
業種 | ||
1 | 銀行業 | 15.5% |
2 | 化学 | 10.3% |
3 | 情報・通信業 | 10.2% |
4 | 建設業 | 8.6% |
5 | その他金融 | 8.3% |
本指数も銀行業比率が非常に高くなっています。
[TOPIX高配当40指数]
ダイワ上場投信-TOPIX高配当40指数【1651】
TOPIX100の構成銘柄から直近1年間の配当実績に基づく配当利回りの高い40銘柄。
時価総額加重平均型(5%キャップ)
定期入替 : 年1回(6月)。
公式サイト(引用元)TOPIX高配当40指数
構成銘柄
構成銘柄上位10位、及び業種上位5位を下表にまとめます。
ダイワ上場投信 -TOPIX高配当40指数 【1651】 | ||
銘柄数 | 40 | |
1 | トヨタ自動車 | 5.6% |
2 | 三菱UFJ FG | 5.3% |
3 | 武田薬品工業 | 4.9% |
4 | KDDI | 4.6% |
5 | 本田技研工業 | 4.6% |
6 | 三井住友 FG | 4.5% |
7 | NTTドコモ | 4.5% |
8 | 東京海上HD | 4.3% |
9 | みずほ FG | 4.1% |
10 | 三菱商事 | 3.9% |
業種 | ||
1 | 銀行業 | 16.4% |
2 | 輸送用機器 | 16.1% |
3 | 卸売業 | 14.2% |
4 | 電気機器 | 9.8% |
5 | 情報・通信業 | 9.1% |
銀行業に加え、トヨタ、本田といった輸送用機器の比率が高いのが特徴です。
[野村株主還元70]
NEXT FUNDS 野村株主還元70連動型上場投信【2529】
過去3年間の実績配当・自社株買い・増資に基づいた「ネット総還元利回り」の高い70銘柄を選定。
「銀行業」「証券、商品先物取引業」「保険業」「その他金融業」は除外。
時価総額加重平均型(2%キャップ)
定期入替 : 年1回(6月)。
公式サイト(引用元)野村株主還元70
構成銘柄
構成銘柄上位10位、及び業種上位5位を下表にまとめます。
NEXT FUNDS 野村株主還元70連動型上場投信 【2529】 | ||
銘柄数 | 70 | |
1 | 伊藤忠商事 | 2.2% |
2 | SUBARU | 2.2% |
3 | NTTドコモ | 2.2% |
4 | 住友商事 | 2.2% |
5 | KDDI | 2.2% |
6 | 東京エレクトロン | 2.2% |
7 | 三菱商事 | 2.1% |
8 | トヨタ自動車 | 2.1% |
9 | 日本電信電話 | 2.1% |
10 | 三井物産 | 2.1% |
業種 | ||
1 | 化学 | 12.9% |
2 | 輸送用機器 | 12.6% |
3 | 卸売業 | 12.3% |
4 | 情報・通信業 | 10.4% |
5 | 建設業 | 8.1% |
金融関連を除いた事で、化学、輸送用機器、卸売業が上位に入っています。ただ、2%のキャップがある為、比較的多くの銘柄に分散されています。
スポンサーリンク
国内(日本)株式 高配当ETFの信託報酬・実質コスト
信託報酬の低さがETFの魅力の一つですが、一般の投資信託同様、信託報酬以外のコストがかかります(注)。信託報酬と、それ以外のコストの総和を実質コストと定義し、各ETFの実質コストを比較してみます。
(注)ETFの信託報酬には上場に係る費用、指数使用料が含まれていません。よってこれらも信託報酬以外のコストとして必ずかかります。
*税込み表記。
*実質コストは森村ヒロさんのこちらの記事を参考に計算しました。
*決算短信の損益計算書に記載されている営業費用を実質コストとしています。尚、直近1年分の決算結果から計算。
*信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定し、決算期間を消費税増税前後で按分し、消費税率10%換算で表記。
ETF 【コード】 | 信託報酬 | 実質コスト | 信託報酬以外 のコスト |
上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100) 【1698】 | 0.308% | 0.408% | 0.100% |
NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信 【1577】 | 0.352% | 0.373% | 0.021% |
iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF 【1478】 | 0.209% | 0.263% | 0.054% |
上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ 【1399】 | 0.385% | 0.487% | 0.102% |
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信 【1489】 | 0.308% | 0.376% | 0.068% |
One ETF 高配当日本株 【1494】 | 0.308% | 0.390% | 0.082% |
ダイワ上場投信-TOPIX高配当40指数 【1651】 | 0.209% | 0.296% | 0.087% |
NEXT FUNDS 野村株主還元70連動型上場投信 【2529】 | 0.308% | 0.599% (*) | 0.291% (*) |
TOPIX連動型上場投資信託 【1306】 | 0.121% | 0.131% | 0.010% |
日経2225連動型上場投資信託 【1321】 | 0.242% | 0.241% | -0.001% |
*NEXT FUNDS 野村株主還元70連動型上場投信【2529】は初回決算で約半年分の決算結果を1年に換算。これが実質コストが高くなっている原因と思われます。
信託報酬は0.209%~0.385%、実質コストは信託報酬に最大0.10%程度が上乗せされ0.263~0.487%(【2529】を除く)。
この中ではiシェアーズ【1478】、ダイワ上場投信【1651】が信託報酬・実質コストとも低くなっています。
ただ、TOPIXや日経平均株価連動型ETFでは実質コストでも0.1%台のETFがあり、高配当ETFは若干割高感が否めません。
*上表記載の日経225連動型上場投信【1321】は実質コスト0.241%ですが、iシェアーズ・コア日経225ETF【1329】等、実質コスト0.1%台のETFが存在します。
詳細は下記記事をご覧ください。
国内(日本)株式 高配当ETFの分配金
高配当ETFは、配当・分配金目的で投資されている方が多いかと思います。
そこで分配金関連の情報をまとめます。
高配当日本株ETFの分配金利回り
*分配金利回りは2020.3.27時点(データ引用:東証マネ部)
ETF 【コード】 | 分配金 | 分配金利回り |
上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100) 【1698】 | 年4回 1,4,7,10月 | 3.88% |
NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信 【1577】 | 年4回 1,4,7,10月 | 4.43% |
iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF 【1478】 | 年2回 2,8月 | 3.75% |
上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ 【1399】 | 年4回 1,4,7,10月 | 3.31% |
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信 【1489】 | 年4回 1,4,7,10月 | 4.88% |
One ETF 高配当日本株 【1494】 | 年2回 4,10月 | 3.53% |
ダイワ上場投信-TOPIX高配当40指数 【1651】 | 年4回 2,5,8,11月 | 4.22% |
NEXT FUNDS 野村株主還元70連動型上場投信 【2529】 | 年4回 1,4,7,10月 | --- |
TOPIX連動型上場投資信託 【1306】 | 年1回 7月 | 2.20% |
日経2225連動型上場投資信託 【1321】 | 年1回 7月 | 2.08% |
各ETF、年2~4回分配金を支払い、その分配金利回りは3.31%~4.88%。
TOPIXや日経平均株価の2%台前半に比較し非常に高くなっています。
その中でも、NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信【1489】の利回りが4.88%と最も高くなっています。
*2020年2~3月の株価急落で配当・分配金利回りが大きく見えています。
年間分配金の推移
毎年安定して分配金を出すかも重要な要素です。
そこで各ETFの年間分配金の推移を見てみます。(2019年の分配金を100としてプロット)
*各ETFが設定された年は除く
iシェアーズ【1478】の設定翌年の分配金が極端に少なくなっていますが、これを除くと各ETF、毎年、順調に分配金を増やしています。
ただ、その増加傾向にETFによる差はなく、またTOPIX、日経平均とも変わりません。
国内(日本)株式 高配当ETFのトータルリターン
配当・分配金目的とはいえ、やはり重要なのが配当・分配金収益(インカムゲイン)に、株価・基準価額上昇によるキャピタルゲインを加えたトータルリターン。
*ここでは分配金を非課税で再投資した場合のトータルリターンを評価します。
リターン・リスク特性
各ETFのトータルリターン・リスク特性を見てみます。
下図は2020年2月末日時点の直近3年間のリスクーリターン特性。
運用実績が短いETFが多いいため、僅か3年での比較ですが、この直近3年のトータルリターンは日経平均やTOPIXに大きく負けています。
尚、リスクは若干低いETFが多いようです。
次に、2020年に入って株価は急落しましたが、この影響を除くため、2019年12月末日時点の3年リターンを見てみます。
大まかな傾向は変わらず、やはり日経平均、TOPIXの方が高いパフォーマンスを示しています。
2020年1~3月 株価急落時の最大下落率(ドローダウン)
2020年1~3月の新型コロナ・ショックによる株価急落の影響を見てみます。
2020/1/6~3/25の期間で基準価額の最高値からの最安値への下落率で評価します。
ETF【コード】 | 最大下落率 |
上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100)【1698】 | -29.3% |
NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信 【1577】 | -31.6% |
iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF【1478】 | -28.3% |
上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ【1399】 | -31.0% |
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信【1489】 | -31.0% |
One ETF 高配当日本株【1494】 | -29.9% |
ダイワ上場投信-TOPIX高配当40指数【1651】 | -29.0% |
NEXT FUNDS 野村株主還元70連動型上場投信【2529】 | -30.3% |
TOPIX連動型上場投資信託【1306】 | -29.1% |
日経2225連動型上場投資信託【1321】 | -31.2% |
いずれも-30%前後の下落率で、高配当ETFが今回の急落に強かったという事はありません。
日経高配当株50指数と日経平均株価の比較 (トータル・リターン・インデックス)
前述のリターン比較は僅か3年のものでしたが、唯一、長期のデータが入手できた「日経高配当株50指数」と日経平均株価のパ―フォーマンスを比較します。
*日経高配当株50指数(トータルリターン/ネットではなく分配金非課税再投資)のデータは日経平均プロフィルより入手した指数値を元に管理人が加工して記載。
*日経平均株価はETF 1321の分配金非課税再投資時の基準価額を使用。
*日経高配当株50指数、日経平均株価の指数に関する著作権ならびに「日経」および「指数」の表示に対する知的財産権、その他一切の権利はすべて日本経済新聞社に帰属しています。
基準価額のチャート
2001年12月を10,000とした基準価額(指数)のチャートです。
2002年から2008年にかけて日経高配当株50指数が日経平均株価を大きく上回っていたことが分かります。
以下、詳細に比較します。
年間騰落率の比較
2002~2019年の各年の年間騰落率を比較します。
騰落率が高い方 |
年 | 日経高配当株50 | 日経平均株価 | 差 (高配当株 - 日経平均) |
2019年 | 10.5% | 20.5% | -9.9% |
2018年 | -17.1% | -10.5% | -6.6% |
2017年 | 22.1% | 21.0% | 1.1% |
2016年 | 10.7% | 2.2% | 8.6% |
2015年 | 16.7% | 10.7% | 6.0% |
2014年 | 7.5% | 8.7% | -1.2% |
2013年 | 46.6% | 59.0% | -12.4% |
2012年 | 19.6% | 25.3% | -5.8% |
2011年 | -14.1% | -15.8% | 1.7% |
2010年 | 4.9% | -1.4% | 6.2% |
2009年 | 0.7% | 20.6% | -19.9% |
2008年 | -33.3% | -41.0% | 7.7% |
2007年 | -1.9% | -10.2% | 8.4% |
2006年 | 14.3% | 7.8% | 6.5% |
2005年 | 60.1% | 41.3% | 18.7% |
2004年 | 24.2% | 8.4% | 15.9% |
2003年 | 61.6% | 25.2% | 36.4% |
2002年 | -2.9% | -18.1% | 15.2% |
この18年間で日経高配当株50指数が12勝6敗と大きく勝ち越していますが、2009年以降はほぼ互角といったところです。
この年間騰落率の差を日経平均株価の騰落率に対してプロットしてみます。
日経平均株価が上昇した年は日経平均株価がより有利に、逆に下落した時は日経高配当株50が有利となる傾向があるように見えます。(そう強い相関ではありませんが)
相関係数
上記期間の月次騰落率から求めた相関係数です。
日経高配当株50 | 日経平均株価 | TOPIX | |
日経高配当株50 | --- | --- | --- |
日経平均株価 | 0.905 | --- | --- |
TOPIX | 0.945 | 0.971 | --- |
日経高配当株50と日経平均株価の相関係数が0.90と他と比べて若干低く、多少の分散効果は期待できそうです。
国内(日本)株式 高配当ETFの流動性・人気
純資産総額、平均売買代金、平均売買高から各ETFの流動性・人気を調べます。
*純資産総額は2020.2末日時点
*平均売買代金、平均売買高は2020.3.27時点の直近90日平均(データ引用:東証マネ部)
ETF 【コード】 | 純資産総額 [億円] | 平均売買代金 [万円] (平均売買高 [口]) | 設定日 |
上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100) 【1698】 | 118.6 | 1,096 [7,302] | 2010/5/13 |
NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信 【1577】 | 768.0 | 10,590 [5,411] | 2013/3/5 |
iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF 【1478】 | 433.2 | 3,458 [18,890] | 2015/10/19 |
上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ 【1399】 | 110.9 | 112 [834] | 2015/11/30 |
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信 【1489】 | 329.1 | 8,643 [2,904] | 2017/2/10 |
One ETF 高配当日本株 【1494】 | 123.9 | 207 [128] | 2017/5/22 |
ダイワ上場投信-TOPIX高配当40指数 【1651】 | 121.4 | 1,253 [13,555] | 2017/9/25 |
NEXT FUNDS 野村株主還元70連動型上場投信 【2529】 | 41.5 | 460 [4,743] | 2019/4/18 |
TOPIX連動型上場投資信託 【1306】 | 98,294 | 591,879 [3,806,841] | 2001/7/11 |
日経2225連動型上場投資信託 【1321】 | 57,473 | 956,907 [462,233] | 2001/7/9 |
平均売買代金では、
NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信【1577】
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信【1489】
が大きくなっています。
1口単位で購入可能ですが、取引値が【1577】が18,300円、【1489】が27,660円(いずれも2020.3.27時点)と高いのが難点。
一方、平均売買高では、
iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF【1478】
が大きくなっています。
1株単位で購入可能で、しかも取引値1,680円(2020.3.27)と2,000円以下で投資出来ます。
国内株式高配当ETFのインディカティブNAV、マーケットメイク制度
取引時間中の推定された基準価額をインディカティブNAV(iNAV)といいます。
ETFを売買する際、その時の市場価格がiNAVよりも高ければ割高、逆であれば割安という事になります。特に流動性の低いETFを売買する時はiNAVを参考にすると良いでしょう。
iNAVは東京証券取引所のサイトで見ることができます(外国株などの一部銘柄を除く)。
また、東証ではインセンティブを受け取る代わりに気配提示義務を負うマーケットメイク制度を適用し、流動性の向上を目指しています。
iNAV、マーケットメイク制度とも一部の対象銘柄のみですが、ここで取り上げた高配当ETF 8本は全て対象になっています。
スポンサーリンク
まとめ
以上、高配当株式に注目した指数との連動を目指す国内ETF 8本の比較でした。
8本とも全て異なる指数をベンチマークとし、単純に優劣をつけられるものではありません。
基本的には各指数のお好みで選べばよいでしょう。
尚、トータルリターンとして見たとき、必ずしも高配当ETFが勝るとは限らないという点に注意してください。(直近3年間ではTOPIXや日経平均株価に負けています。)
国内高配当株ETFが無料で売買できる証券会社
ETFに投資する際は株式売買手数料がかかります。
ただし、SBI証券、楽天証券では下記ETFを売買手数料無料としています。
またSMBC日興証券では独自のキンカブ・日興フロッギーで(対象銘柄に限り)100円から購入時手数料無料(100万円以内、売却時は要手数料)で取引・積立出来ます。(dポイントも使用できます)
ETF 【コード】 | SBI証券 | 楽天証券 | SMBC日興証券 キンカブ |
上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100) 【1698】 | --- | --- | --- |
NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信 【1577】 | 無料 | 無料 | 対象 |
iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF 【1478】 | 無料 | 無料 | --- |
上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ 【1399】 | --- | --- | --- |
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信 【1489】 | 無料 | 無料 | --- |
One ETF 高配当日本株 【1494】 | --- | --- | --- |
ダイワ上場投信-TOPIX高配当40指数 【1651】 | --- | --- | --- |
NEXT FUNDS 野村株主還元70連動型上場投信 【2529】 | 無料 | 無料 | --- |
公式サイトSMBC日興証券
SMBC日興証券のキンカブ・日興フロッギーの詳細は下記ページをご覧ください。
ETFは保有する株式から配当が出ると、それを分配金として必ず出さなければなりません。一方、(非上場の)インデックスファンドの多くが分配金を出さず、配当を非課税のままファンド内部で自動的に再投資してくれます。資産形成期においては分配金無し、配当に対する課税を繰延される無分配インデックスファンドの方が一般的には有利となります。
但し、配当控除を使って分配金に対する実質的な税率を低くできる方はETFの方が有利になる場合があります。
詳細は下記記事をご覧ください。
他の指数との連動を目指す国内(東証上場)ETFについては下記ページをご覧ください。
国内株式高配当ETF *本記事