三井住友トラスト・アセットマネジメントが運用する、SBI資産設計オープン(資産成長型) 愛称 : スゴ6、販売会社がSBI証券に限られている事もあり、あまり注目されていませんが、インデックス型のバランスファンドとして歴史も古く、そして、なかなかの成績を残しているファンドなんです。
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そんなSBI資産設計オープン(資産成長型) 愛称 : スゴ6を、人気の世界経済インデックスファンドや、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドと比較してみます。世界経済インデックスファンドも同じ三井住友トラスト・アセットマネジメントの運用です。
以後、「SBI資産設計オープン(資産成長型) 愛称 : スゴ6」をSBIスゴ6、またはスゴ6、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」をセゾンVGBF、「世界経済インデックスファンド」を世界経済IFと略して表記する場合があります。
(注)世界経済インデックスファンドには、他に株式シフト、債券シフトの3種類ありますが、ここで比較の対象とするのは、株式シフト、債券シフトではない、世界経済インデックスファンドです。
見出し
SBI資産設計オープン(資産成長型) スゴ6の基本情報
基本情報の比較
*信託報酬などは税込み。
SBI資産設計オープン (資産成長型) スゴ6 | セゾン・バンガード・ グローバルバランスファンド | 世界経済インデックスファンド | |
運用会社 | 三井住友TAM | セゾン投信 | 三井住友TAM |
ファンド形式 | ファミリーファンド | ファンド・オブ・ファンズ | ファミリーファンド |
資産配分 | 株式40%:債券20%:REIT 20% | 株式50%:債券50% | 株式50%:債券50% |
投資国 | 国内・先進国 *新興国は無 | 国内・先進国・新興国 *新興国債券は無 | 国内・先進国・新興国 |
資産配分の決定基準 | 原則固定 | 時価総額 | GDP(国民総生産) |
信託報酬 | 0.7344% | 0.68± 0.03% | 0.540% |
実質コスト | 0.758% (*1) | 0.681% (*2) | 0.631% (*3) |
信託財産留保額 | 0.15% | 0.1% | 0.1% |
純資産総額(*4) | 26,020百万円 | 142,043百万円 | 50,150百万円 |
設定日 | 2008年1月9日 | 2007年3月15日 | 2009年1月16日 |
分配金実績 | 有 | 無 | 有 |
(*1)2016年11月の決算報告書より
(*2)2016年12月の決算報告書の値から、2017年3月の信託報酬引下げ分を差引いた値。
(*3)2017年1月の決算報告書より
(*4)2017年9月11日時点
信託報酬・実質コストとも、セゾン・バンガードGBFや世界経済IFに比べ若干高くなっています。
また純資産総額でも負けています。セゾン・バンガードGBFの約1/5、世界経済IFの約1/2の純資産総額となっています。
資産配分
各ファンドの資産配分を詳しく見てみます。
SBI資産設計オープン(資産成長型) [スゴ6]の特徴は、新興国を全く含まない、そして、REITを国内、先進国ともに10%ずつ含む事です。
この点が、新興国を含み、REITを全く含まないセゾン・バンガードGBF、世界経済IFとの大きな違いです。
そして株式・債券を合わせた国内の比率が40%と、最も高くなっています。
国内、新興国やREITへの投資をどう考えるかが、どのバランスファンドにするかの選択基準の大きな要素になります。
SBI資産設計オープン(資産成長型) 愛称 : スゴ6のマザーファンドとベンチマーク
SBI資産設計オープン(資産成長型) [スゴ6]が投資している各アセットクラスのマザーファンド、及びベンチマークは下表のようになっています。
資産クラス | マザーファンド | インデックス |
国内株式 | 国内株式インデックスマザーファンド | TOPIX |
先進国株式 | 外国株式インデックスマザーファンド | MSCIコクサイ |
国内債券 | 国内債券インデックスマザーファンド | NOMURA-BPI総合 |
先進国債券 | 外国債券インデックスマザーファンド | シティ世界国債インデックス |
国内REIT | J-REITインデックスマザーファンド | 東証REIT指数 |
先進国REIT | グローバルREITインデックスマザーファンド | S&P先進国REIT指数 |
各マザーファンドは、SMTインデックスシリーズのファンドと同じマザーファンドで、純資産総額も十分大きく、安定した運用が期待できます。
尚、国内・先進国株式、国内債券・先進国債券のマザーファンドは、世界経済IFと同じです。
よって世界経済IFとの差は、信託報酬・実質コストと、その資産配分だけにあると言って良いでしょう。
SBI資産設計オープン(資産成長型) スゴ6の運用実績
*以下、年率リターン・リスクは月次データ(終値)より計算しています。またシャープレシオは、無リスク資産の収益率0としています。
*基本的に設定が最も遅い世界経済IFに合わせ2009年1月からのデータで比較します。
*基準価額は、各運用会社のサイトから入手。分配金がある場合は、分配金再投資の価額に独自に変換しました。
基準価額のチャート
設定が最も遅い世界経済IFの設定日2009年1月16日を基準(10,000)として規格化した基準価額のチャートを示します。
3本のファンドとも概ね同様の動きをしていますが、2009~2011年頃は世界経済IFが、そして直近2年程はSBI スゴ6の成績が良いように見えます。
現在(2017年8月末)までの運用成績
先ずは、世界経済IFが設定された2009年1月からの現在(2017年8月末日)までの運用実績を見てみます。
SBI スゴ6 | セゾンVGBF | 世界経済IF | |
年率リターン | 9.73% | 9.32% | 9.72% |
年率リスク | 10.88% | 11.48% | 12.85% |
シャープ・レシオ | 0.89 | 0.81 | 0.76 |
*一般的にシャープレシオが大きいほど投資効率が良いとされています。
僅かな差ですが、リターン、リスク、シャープレシオ、全てにおいてSBI資産設計オープン(資産成長型)[スゴ6]が勝っています。
5年間、3年間の運用成績
上述の現在までの運用成績は、現時点の基準価額に大きく左右され、ファンドの比較として十分な評価方法とは言えません。
そこで、2009年1月から5年間、さらに2009年2月から5年間・・・2012年8月から5年間と、起点(投資月)を1カ月ずつずらして、それぞれの5年間のリターン、リスクを計算します。全部で44個(区間)のデータとなりますので、この平均値をまとめます。
3年間の場合も同様です。この場合、68個(区間)のデータとなります
(注)ここでのリターン、リスク、シャープレシオは、各運用期間の平均をとったもので、一般的に使われるリターン、リスク、シャープレシオの値とは異なります。
SBI スゴ6 | セゾンVGBF | 世界経済IF | |
年率リターン | 11.87% | 11.02% | 9.89% |
年率リスク | 11.04% | 11.93% | 13.12% |
シャープ・レシオ | 1.08 | 0.92 | 0.75 |
SBI スゴ6 | セゾンVGBF | 世界経済IF | |
年率リターン | 11.23% | 10.34% | 9.20% |
年率リスク | 10.93% | 11.88% | 13.08% |
シャープ・レシオ | 1.03 | 0.87 | 0.70 |
5年間、3年間とも、SBI資産設計オープン(資産成長型)[スゴ6]がリターン大、リスク小、シャープレシオ大と、僅差ではありますが良い結果を示しています。
個々のアセットクラスとの比較
前章で計算した5年間のリターンの平均値、最大値、最小値を個々のアセットクラスと比較してみます。(下図)
リターン・リスクともに勝っているSBI資産設計オープン(資産成長型) [スゴ6]は、REITを含む事でリターンを上げ、そして、新興国を含まない事でリスクを下げたと見ることが出来ます。
最後に、この5年間のリスクとリターンの関係を示します。
同じリスクなら、より高いリターンを示すのが良いファンドと言えるのですが、SBI資産設計オープン(資産成長型) [スゴ6]は、セゾン・バンガードGBF、世界経済IFより小さなリスクで大きなリターンを得ている事が分かります。
まとめ
以上、SBI資産設計オープン(資産成長型) [スゴ6]のパフォーマンスをセゾン・バンガード・グローバルバランスファンド、世界経済インデックスファンドと比較する形で評価しました。
過去のリターン、リスク、及びシャープレシオで見る限り、REITを含み、新興国を含まないSBI資産設計オープン(資産成長型) [スゴ6]が、僅差ながら勝っている事が分かります。
勿論、過去のデータですので、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。
ただ、人気のセゾン・バンガード・グローバルバランスファンド、世界経済インデックスファンドだけでなく、SBI資産設計オープン(資産成長型) [スゴ6]も十分評価されるべきバランスファンドの一つと言えます。
REITを含めて投資したい方は候補の一つとして考えてみては如何でしょう?
購入方法
SBI資産設計オープン(資産成長型) [スゴ6]は、SBI証券のみで購入できます。
SBI証券で100円から購入できます。さらに、本ファンドの場合、月間平均保有金額の0.1%(年率)のポイントがもらえます。(全てのファンドの合計が1,000万円以上保有なら0.2%)
また、SBI資産設計オープン(つみたてNISA対応型)が2017年12月18日に設定されました。SBI資産設計オープン(資産成長型) [スゴ6]と同じ運用で、信託報酬が0.54%と低くなっています。ファンド名称に「つみたてNISA」とありますが、一般の課税口座でも購入する事が出来ます。運用が安定していることが確認出来たら、こちらの方がお勧めです。
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