米国株式、NASDAQ(ナスダック)上場銘柄のうち時価総額上位100(除く金融)から構成されるNASDAQ100指数との連動を目指すインデックスファンド、eMAXIS NASDAQ100インデックスについて解説します。
純資産総額 500億円突破(2022.8.5)
[最終更新日:2022.8.23]全て最新の情報に更新。
*本記事は原則2022.7末日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
eMAXIS NASDAQ100インデックスの基本情報
eMAXISシリーズは、三菱UFJ国際投信が運用するインデックスファンド・シリーズで、「幅広い品揃え」と「低く設定された信託報酬」を特徴とします。2017年2月のeMAIXS Slimシリーズ登場により、信託報酬は割高となってしまいましたが、eMAXIS Slimにはラインアップされていないインデックスも多く「幅広い品揃え」という点では未だ価値ある存在です。
今回解説するのは、米国株式 NASDAQ100との連動を目指して運用するeMAXIS NASDAQ100インデックス。
先ず、eMAXIS NASDAQ100インデックスの基本情報をまとめます。
運用会社 | 三菱UFJ国際投信 |
設定日 | 2021年1月29日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | NASDAQ100(配当込み・ネット) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.440% |
実質コスト | 0.504%(*1) |
純資産総額 | 479.9億円(2022.7.29時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 556.1億円(2022.1.26時点) |
分配金実績 | 無 |
つみたてNISA | 対象外 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.10% (対象投資信託1,000万円以上保有で0.19%) |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.080% |
(*1)実質コストは2022.1.26決算より。
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更。
eMAXIS Slimシリーズではありません
三菱UFJ国際投信の低コスト・インデックスファンドには、eMAXISシリーズ、つみたてんとうシリーズ、eMAXIS Slimシリーズとありますが、本ファンドはeMAXISシリーズのファンドです。
「常に最低水準の運用コストを目指す」eMAXIS Slimシリーズではありませんし、また、eMAXIS SlimシリーズにはNASDAQ100との連動を目指すファンドは存在しません。
投資対象
ベンチマークはNASDAQ100[配当込み・ネット]で、米国NASDAQ市場に上場している金融を除いた上位100銘柄の株式に投資します。
ネットとは配当課税を考慮した指数ですが、その税率が日本に対して適切かどうかは定かではありません。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
マザーファンド
eMAXIS NASDAQ100インデックスはファミリーファンド方式でマザーファンドを介して米国株式に投資します。
画像引用:eMAXIS NASDAQ100インデックス 交付目論見書
「NASDAQ100インデックスマザーファンド」は信託契約締結日が2021年1月29日であり、eMAXIS NASDAQ100インデックスの設定と同時に新設されたマザーファンドと思われます。
尚、本マザーファンドは、eMAXIS NASDAQ100インデックスより後に設定されたETF、MAXIS ナスダック100上場投信【2631】でも使用されています。
投資銘柄
投資している銘柄は下表のようになります。(組入上位10銘柄)
画像引用:eMAXIS NASDAQ100インデックス 月次レポート(2022/7)
Apple、Microsoft、Amazon、Alphabet(Google)、Teslaといった日本でも有名な企業が上位を占めています。所謂、ハイテク株が多いのがNASDAQ100の特徴です。
尚、前述のようにマザーファンドも新設ですが、ETFを介して投資するのではなく、直接、現物株を保有しているようです。
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
eMAXIS NASDAQ100インデックスの信託報酬は0.440%(税込)。
実質コストは0.504%(税込・2022.1決算より)。
実質コストは初回決算の値ですが、信託報酬以外のコストも低く抑えられています。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
受益者還元型信託報酬
eMAXIS NASDAQ100インデックスは下表のように純資産総額に応じて信託報酬率が変わる受益者還元型信託報酬を採用しています。
純資産総額 | 信託報酬(税込) |
500億円未満の部分 | 0.440% |
500億円以上1,000億円未満の部分 | 0.429% |
1,000億円以上の部分 | 0.418% |
2022年8月5日に純資産総額 500億円を突破、500億円以上の部分にはさらに低い信託報酬が適用されています。
*その後の株価・基準価額の下落によって再度500億を下回る可能性も否定出来ません。
他社 NASADAQ100インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
他社のNASDAQ100インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
尚、ファンド名の下に設定日を記載しています。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド [設定日] | 信託報酬 [実質コスト] | 純資産総額 (億円) [2022.12末時点] | |
---|---|---|---|
1 | <購入・換金手数料なし>ニッセイNASDAQ100インデックス [2023.3.31] | 0.2035% [---%] | --- |
2 | PayPay投信NASDAQ100インデックス [2021.6.29] | 0.4180% [2.036%] | 10.2 |
3 | eMAXIS NASDAQ100インデックス [2021.1.29] | 0.4400% [0.504%] | 480.4 |
3 | NZAM・ベータNASDAQ100 [2020.3.12] | 0.4400% [0.859%] | 16.6 |
5 | インデックスファンドNASDAQ100(アメリカ株式) [2020.8.31] | 0.4840% [0.584%] | 504.6 |
6 | iFreeNEXT NASDAQ100インデックス [2018.8.31] | 0.4950% [0.519%] | 468.2 |
NASDAQ100をベンチマークとするファンドでは、eMAXIS NASDAQ100インデックスの信託報酬は、NZAM・ベータと並び2位。最安値のPayPay投信 NASDAQ100インデックスに比べ0.022ポイント高くなっています。
但し、信託報酬1位のPayPay投信、同率2位のNZAM・ベータは信託報酬以外のコストが高くなっており、実質コストで見るとeMAXIS NASDAQ100インデックスが最安値です。
信託報酬の変更履歴
eMAXIS NASDAQ100インデックスは、未だ信託報酬を引下げた実績はありません。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2021/1/29 | 0.440% | 新規設定。 |
??? | ??? |
前述のようにeMAXIS Slimシリーズではありませんので、そう頻繁な引き下げは期待できないと予測します。
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eMAXIS NASDAQ100インデックスの運用状況(評価・人気)
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額からeMAXIS NASDAQ100インデックスの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
月により資金流入額に大きな変動がありますが、殆どの月で10億以上、50億を超える月もあるなど人気のファンドです。
純資産総額も設定から1年半で500億円と順調に増えています。
運用状況は?
インデックスファンドではベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*ベンチマークは同じNASDAQ100でも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、実際の運用は両者で変わらない事から、配当込で配当課税を適切に考慮したインデックスを、ここではベンチマークと定義します。
下図は2022年7月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンド(ETFを含む)でプロットしたものです。
米国ETF Invesco QQQのデータもプロットします。
*QQQは分配金10%課税後再投資した場合の終値での円換算騰落率。(終値は米国Yahoo Finance、分配金は米国Invesco社サイト、為替レートは三菱UFJ銀行公表のTTMを引用)
グレーの点線が、傾き=-(1+ベンチマークの騰落率)、切片=ベンチマークの騰落率です。ベンチマークとの乖離がなければこの点線上に乗る筈です。
*配当込みで米国源泉徴収税率を適切に考慮したベンチマークの正確な値は分かりませんので、多くのファンドがコスト要因以外での乖離がないであろうとの仮定の下、管理人の主観で決めています。
*図中△は東証ETF、◇は米国ETF QQQ
*基本的にはグラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
*PayPayは実質コスト2.036%、騰落率2.32%で他のファンドに大きく劣後しており上図のスケール外にあります。
各ファンド、ETFとも概ねグレーの点線上にのっていますが、これはコスト要因以外でのベンチマークとの乖離がない事を意味します。
その中で、eMAXIS NASDAQ100インデックスは、(設定当初こそ多少マイナス乖離する傾向が見られましたが今ではそれもなく)その低いコストに応じた高い騰落率を示しており、(ETFを除く非上場の)投資信託の中で最も騰落率が高くなっています。
eMAXIS NASDAQ100インデックスの分配金
eMAXIS NASDAQ100インデックスは未だ設定・運用が開始されたばかりですが、今後、分配金を出す可能性は低いと推測します。
これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
分配金を出すか否かは運用会社が決定しますが、本ファンドは「信託財産の成長を優先とし、原則として分配を抑制する」方針です。
勿論、保有する株式から出た配当はファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。
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まとめ ~iFreeNEXT NASDAQ100インデックスとどちらを選ぶ?~
eMAXIS NASDAQ100インデックスは、NASDAQ100との連動を目指すインデックスファンドで、ライバルとなるiFreeNEXTより低い信託報酬で設定されました。
設定から1年半ですが、既に大きな純資産、資金流入があり早くも人気を集めています。
また運用(ベンチマークとの乖離)も安定してきており、その低いコストに応じた高い騰落率を示しています。
ただ、iFreeNEXTとのコスト差は小さく、
長期の運用実績を重視するならiFreeNEXT NASDAQ100インデックス、
少しでも低いコスト、高い騰落率を目指すならeMAXIS NASDAQ100インデックスという選択になるでしょう。
販売会社
eMAXIS NASDAQ100インデックスは下記の金融機関で購入出来ます。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でTポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにT/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
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*三井住友カード(NL)なら年会費永年無料、三井住友カード ゴールド(NL)は1年間だけでも年間100万円以上利用(一部取引は集計対象外 ※対象取引や算定期間等の実際の適用条件などの詳細は、三井住友カードのホームページを必ずご確認ください。)すれば翌年以降は利用額によらず年会費永年無料。
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Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
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また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。楽天カードから楽天キャッシュへチャージすると0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で5万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月10万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
公式サイト楽天カード
尚、NASDAQ100はつみたてNISAの指定インデックスではない為、つみたてNISAでは購入できません。
他のNASDAQ100インデックスファンド、及び東証上場ETF、さらに米国ETF QQQとの比較は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。