最近人気のインド株式に投資するインデックスファンドについて、解説・評価・比較します。
インド株式に投資するインデックスファンドは下記の3本が運用、販売されています。
- iFreeNEXT インド株インデックス
- auAM Nifty50インド株ファンド
- SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド (愛称:サクッとインド株式)
また、参考データとして、長期の運用実績がある
- iTrustインド株式 : アクティブファンド
- NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty50連動型上場投信【1678】:東証上場ETF
- iShares Core S&P BSE SENSEX India ETF【9836.HK】: 香港ETF
- iShares India 50 ETF【INDY】:米国ETF
も評価・比較の対象とします。
[最終更新日:2023.11.11]初版。
*本記事は原則2023.10末日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
インド株式インデックスファンド(iFreeNEXT / auAM /SBI・iシェアーズ)の基本情報
先ず、各ファンドの基本情報をまとめます。
尚、アクティブファンドですが、つみたてNISA対象の「iTrustインド株式」も参考までに比較の対象とします。
[スマホの方は横にスクロールしてご覧下さい]
iFreeNEXT インド株 | auAM Nifty50 インド株 | SBI・iシェアーズ ・インド株式 | iTrust インド株式 | |
運用会社 | 大和アセット マネジメント | auアセット マネジメント | SBIアセット マネジメント | ピクテ・ ジャパン |
設定日 | 2023年3月13日 | 2023年8月29日 | 2022年7月28日 | 2018年4月3日 |
投資形態 | ファミリー ファンド | ファミリー ファンド | ファミリー ファンド *事実上のFoF | FoF |
為替ヘッジ | 無 | |||
ベンチマーク | Nifty50指数 (配当込) | Nifty50指数 (配当込) | S&P BSE SENSEX インデックス (配当込) | --- |
参考指数 | --- | --- | --- | MSCI India 10/40 Index |
購入時手数料 | 販売会社 が決定 現時点では 無料 | 無 | 無 | 無 |
信託財産留保額 | 無 | |||
信託報酬(税込) | 0.473%(*1) | 0.4675%(*2) | 0.4638% *投資先ETF 経費率含む | 0.9828%(*3) *投資先ファンド 経費率含む |
実質コスト | 決算前 | 決算前 | 決算前 | 1.511%(*4) |
純資産総額 (2023.10.31時点) | 424億円 | 5.7億円 | 101億円 | 104億円 |
分配金実績 | 無 | |||
つみたてNISA | 対象外 | 対象 | ||
SBI証券ポイント 還元年率 | 0.05% | 0.10%(*5) | 0.022% | 0.10%(*5) |
楽天証券ポイント 還元年率 | ---%(*6) | 取扱無 | 取扱無 | ---%(*6) |
マネックス証券 ポイント還元年率 | 0.080% | 取扱無 | 取扱無 | 0.080% |
松井証券 ポイント還元年率 | 0.180% | 取扱無 | 取扱無 | 0.300% |
(*1)iFreeNEXT 2023.9.27に0.781%から0.473%に引き下げられました。
(*2)auAM 2023.11.8に0.539%から0.4675%に引き下げられました。
(*3)iTrust 2023.3.16に1.4998%から0.9828%に引き下げられました(投資先ファンド経費率含む)。
(*4)iTrustの実質コストは2023.3.15決算の値から信託報酬引下げ分を引いた値
(*5)対象投資信託1,000万円以上保有で0.20%
(*6)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)。
iFreeNEXT インド株インデックス、auAM Nifty50インド株ファンドは先物で運用、
SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド (愛称:サクッとインド株式)は、マザーファンドを介して香港市場EFT、iシェアーズ・コア S&P BSE SENSEXインディアETF(iShares Core S&P BSE SENSEX India ETF)に投資する事実上のFoFです。
*各ファンドをそれぞれ、iFreeNEXT、auAM、SBI、iTrustと略して表記する場合があります。
Nifty50との連動を目指すインデックスファンド、SMTAMインド株式インデックス・オープンが2023.12.14に新規設定されます。信託報酬0.308%。
詳細は下記ページをご覧下さい。
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インド株式 東証上場ETF、海外ETFの基本情報
参考データとして用いる、
- NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty50連動型上場投信【1678】:東証上場ETF
- iShares Core S&P BSE SENSEX India ETF【9836.HK】: 香港ETF
- iShares India 50 ETF【INDY】:米国ETF
の基本情報をまとめます。
*各ETFをそれぞれ、NEXT FUNDS1678、iShares9836、INDYと略して表記する場合があります。
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ETF | NEXT FUNDS インド株式指数 ・Nifty50連動型 上場投信 | iShares Core S&P BSE SENSEX India ETF | iShares India 50 ETF |
コード Ticker | 1678 | 9836 | INDY |
取引所 | 東証 | 香港 | 米国 (NASDAQ) |
設定日 | 2009年11月24日 | 2006年10月31日 | 2009年11月18日 |
ベンチマーク | NIfty50指数 | S&P BSE SENSEX インデックス | NIfty50指数 |
信託報酬 経費率 | 1.045% | 0.40% | 0.89% |
実質コスト | 1.149%(*1) | --- | --- |
(*1)2023.8.10決算より
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インド株式の過去のパフォーマンス ~S&P500、MSCI Emerging Marketsとの比較
インド株式の過去のパフォーマンス(リターン、リスク)を米国株式S&P500、新興国株式の代表的指数 MSCI Emerging Markets(以下MSCI EMと略して表記)との比較を含めて評価します。
インド株式は前章で示したETF3本のデータを用います。
*S&P500、MSCI EMはベンチマーク(ネット)値、海外ETF値は米ドル終値、そして三菱UFJ銀行の為替レートを使って管理人が独自に円換算。
*海外ETF終値は米国Yahoo Finance、分配金はBlackRock社サイトより引用
*海外ETFは分配金に対して課税後(税率10%と仮定)のトータルリターン(ネット)を使用。
直近5年間、10年間のリスク・リターン特性
2023年10月末日時点の直近5年、10年のリスク、リターン特性を示します。
直近5年、10年ともインド株式はMSCI EMに対して、リスクは大きくなるものの、リターンで大きく上回ります。シャープレシオでも勝っています。
MSCI EMにも当然インドが含まれていますが(2023.10末時点で中国に次いで2位の15.9%)、新興国の中でもインドのパフォーマンスが際立って良かったという事です。
そして直近5年のリターンはS&P500にも匹敵する好成績をあげています。
尚、上図ではインド株式として、Nifty50指数(NEXT FUNDS1678、INDY)、S&P BSE SENSEXインデックス(iShares 9836)の二つの指数との連動を目指すETFの結果と示していますが、両者のパフォーマンスに大きな差は無いようです。
5年間/10年間の運用成績(2012年3月~2023年10月) ~ローリングリターン~
上述の現時点までの運用成績は、ある一期間の基準価額の暴騰・暴落に大きく左右され、ファンドの比較・評価として十分とは言えません。
そこで、2012年3月から5年間(または10年間)、さらに2012年4月から5年間(10年間)・・・2013年10月から5年間(10年間)・・・2018年10月から5年間と、起点(投資月)を1カ月ずつずらして、それぞれの5年間または10年間の年率リターンを計算します。5年間の場合全部で80個(区間)、10年では20個(区間)のデータとなります。
この複数の5年間/10年間の年率リターンの平均、最大値、最小値をプロットしたのが下図。
尚、インド株式の代表としてNEXT FUNDS インド株式指数・Nifty50連動型上場投信【1678】を用います。
(データ数は少ないですが)10年間では常にインド株がMSCI EMに勝っています。S&P500には負けますが。
5年間でも平均値では、S&P500 > インド株 > MSCI EMとなっています。
投資期間5年で、投資月に対する年率リターンをプロットします。
5年間では80区間中、インド株が60勝20敗と大きく勝ち越しています。S&P500には1勝79敗と大敗ですが。
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インド株式のインデックス(指数) ~Nifty50指数とS&P BSESENSEXインデックス~
インド株式インデックスファンドの代表的指数がNifty50指数、iFreeNEXTとauAM、そして東証ETF NEXT FUNDSがベンチマークとしています。
また、SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンドのベンチマークはS&P BSE SENSEXインデックス。
この二つのインデックスを比較します。
Nifty50指数は、インドのナショナル証券取引所に上場している浮動株調整後の時価総額、流動性の基準を用いて選定した50社の株式で構成される浮動株調整済時価総額加重平均方式株価指数です。
iFreeNEXT インド株インデックス交付目論見書より引用
S&P BSE SENSEXインデックスはボンベイ証券取引所(BSE)に上場する銘柄のうち、流動性、取引規模、業種などを代表する30銘柄で構成される時価総額加重平均指数。
SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド交付目論見書より引用
構成銘柄(上位10銘柄)
[スマホの方は横にスクロールしてご覧下さい]
Nifty50 | S&P BSE SENSEXインデックス | |||
1 | HDFC Bank Ltd | 13.2% | HDFC Bank Ltd | 15.3% |
2 | Reliance Industries Ltd. | 9.3% | Reliance Industries Ltd. | 10.8% |
3 | ICICI Bank Ltd. | 7.7% | ICICI Bank Ltd. | 8.8% |
4 | Infosys Ltd. | 5.8% | Infosys Ltd. | 6.7% |
5 | ITC Ltd. | 4.5% | ITC Ltd. | 5.2% |
6 | Larsen & Toubro Ltd | 4.2% | Larsen & Toubro Ltd | 4.9% |
7 | Tata Consultancy Services Ltd. | 4.1% | Tata Consultancy Services Ltd. | 4.7% |
8 | Axis Bank Ltd. | 3.3% | Axis Bank Ltd. | 3.8% |
9 | Kotak Mahindra Bank Ltd. | 3.1% | Kotak Mahindra Bank Ltd. | 3.4% |
10 | Bharti Airtel Ltd. | 2.8% | Bharti Airtel Ltd. | 3.2% |
*Nifty50はfactsheetより、S&P BSE SENSEXインデックスはiShares Core S&P BSE SENSEX India ETFの保有銘柄
上位10銘柄は全く同じです。
ただ、S&P BSE SENSEXインデックスは総銘柄数が30と少ない為、各銘柄の比率が高くなっています。
パフォーマンスの違い
インド株式の過去のパフォーマンスの章を参照して下さい。
上位10銘柄が全く同じという事もあって、両者のパフォーマンス(5年/10年)は殆ど同じです。
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インド株式インデックスファンド(iFreeNEXT / auAM /SBI・iシェアーズ)の人気[資金流入額]・運用状況
*アクティブファンドのiTrustインド株式も評価対象とします。
インド株式インデックスファンドの人気(資金流入額)
概算の月次資金流出入額(*)から人気を評価します。
どのファンドが多く購入されているかの人気ランキングになりますが、純資産が増える事は、それだけ安定した運用にもつながりますし、繰上償還のリスクも減ります。
ただの人気ランキングとしてではなく、ファンド選択の重要な指標の一つとしてみて下さい。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出。
例えば、3月5日の日次資金流出入額は
(3月5日の純資産総額) - (3月4日の純資産総額) x (日次騰落率 + 1)で計算し、
これを1カ月分足して月次資金流出入額としています。
各ファンド、まだ設定されてから間もないですが、先に設定されたiFreeNEXTインド株インデックスの資金流入額が大きく、これを2023.9に設定されたSBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンドが激しく追い上げている状況です。
リターンの比較。実質コスト(信託報酬+α)が騰落率に反映されているか? ベンチマークとの乖離は?
インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
尚、配当込で配当課税を適切に考慮したインデックスの騰落率は分からない為、海外ETF、東証ETFなどの騰落率も用い、多くのファンドがベンチマークとの乖離がないであろうとの仮定・前提のもと、この「多くのファンド」から外れた騰落率を示すものを「乖離」と判定します。評価方法やインデックスの詳細については下記記事をご覧ください。
実質コストに対する騰落率
騰落率とコストの関係は、理想的には配当課税を適切に考慮したインデックス(指数)騰落率から決まる傾き、切片の直線になります。
1カ月騰落率
といっても、各ファンド設定されてから十分な運用期間が無い為、今回は取り合えず1カ月騰落率とコストの関係を示します。
1カ月という短期で各ファンドの評価、優劣をつけられるものではありませんので、あくまで参考として見て下さい。
偶然かもしれませんが、iFreeNEXT、auAM、そしてNEXT FUNDS1678は同一直線上になっています。ただ海外ETF INDYとは異なります。
また、ベンチマークの異なるSBI、そして海外ETF iShares9836は若干マイナス側に位置しています。
*繰り返しになりますが、僅か1カ月のデータでファンドやベンチマークの優劣を判断出来るものではありません。今後、ある程度の運用期間が経ったところで本記事を更新します。
6カ月騰落率
唯一、6カ月以上の運用実績があるiFreeNEXTを評価する為6カ月騰落率も見てみます。
*図中点線はINDYを基準にひいています。
INDYを基準に考えると、iFreeNEXTは(コスト以外の要因で)マイナス側に乖離しているように見えます。NEXT FUNDS1678も若干マイナス側に乖離していますが、それよりもiFreeNEXTの方が乖離幅が大きくなっています。
ただ、INDYがベンチマークに対して乖離している可能性も否定できません。
3年騰落率 ~iTrustインド株式の評価~
インド株式としては運用実績が長く、つみたてNISA対象ファンドにもなっているアクティブファンド、iTrustインド株式の評価する為、3年騰落率もプロットします。
*図中点線はINDYを基準にひいています。
iTrustインド株式はINDY、iShares9836、NEXT FUNDS1678よりも3年騰落率において劣後しています。
*注意:iTrustにはベンチマークはありませんし、参考指数も上記ETFとは異なります。
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まとめ ~おすすめのインド株式インデックスファンドは~
以上、インド株式に投資するインデックスファンドを評価しました。
インド株に投資するインデックスファンドは3本ありますが、その信託報酬に大きな差はありません。
そして、3本とも設定から間もなく優劣を判断するだけの運用・評価期間がありません。
よって、本サイトが選ぶインド株式インデックスファンドは、現時点では
保留
とします。
販売会社
iFreeNEXTインド株インデックスファンドは下記ネット証券の全て、
auAM Nifty50インド株ファンドはSBI証券、auカブコム証券のみ、
SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンドはSBI証券のみ
の取り扱いです。
(2023.10以降にマネックス証券のNISA口座を開設した方は2024年9月30日までNISA口座でのクレカ積立還元率2.2%)
*通常ショッピング時は1.0%。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイト(PR)マネックス証券
また投資信託保有でTポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにT/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト(PR) SBI証券
*三井住友カード(NL)なら年会費永年無料、三井住友カード ゴールド(NL)は1年間だけでも年間100万円以上利用(一部取引は集計対象外 ※対象取引や算定期間等の実際の適用条件などの詳細は、三井住友カードのホームページを必ずご確認ください。)すれば翌年以降は利用額によらず年会費永年無料。
公式サイト(PR)三井住友カード(NL)
公式サイト(PR)三井住友カード ゴールド(NL)
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
また、auじぶん銀行との連携(auマネーコネクト)でauじぶん銀行普通預金金利0.1%、au Payアプリ等の連携で最大0.20%になるのも魅力。
公式サイト(PR)auカブコム証券
また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。楽天カードから楽天キャッシュへチャージすると0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で5万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月10万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト(PR)楽天証券
公式サイト(PR)楽天カード