米国株式 NYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)との連動を目指すインデックスファンドについて純資産総額、資金流出入額、運用成績(ベンチマークとの乖離)を調査します。
*原則3カ月毎に更新します。
[最終更新日:2023.10.3]2023.9末時点の情報に更新。
*本記事は原則2023年9月末日時点の情報に基づき記載しています。
ベンチマークとの乖離は、月報・運用報告書に記載されていますが、その値を他社のファンドと比較する事は出来ません。各社、同じベンチマークでも、配当込・除く、配当課税有無、円換算レートなどの影響でベンチマーク騰落率がファンドにより異なるからです。そこで、 本サイトでは騰落率とコストの関係からベンチマークとの乖離を評価していきます。
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見出し
比較した米国株式 NYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)・インデックスファンドの信託報酬・純資産総額
比較したファンド、及び、その信託報酬・実質コスト、2023年9月末時点の純資産総額を下表にまとめます。(信託報酬の低い順に並べてあります)
*全て為替ヘッジ無。
*信託報酬・実質コストは税込み。
ファンド | 信託報酬 (実質コスト) | 設定日 | 純資産総額 (億円) |
My SMT ダウ・ジョーンズ・インデックス | 0.0968% (0.117%) | 2022/3/29 | 21.3 |
PayPay投信 NYダウインデックス | 0.1980% (0.449%) | 2021/3/8 | 6.7 |
NZAM・ベータ・NYダウ | 0.2310% (0.355%) | 2020/3/12 | 11.9 |
iFree NYダウ・インデックス | 0.2475% (0.263%*) | 2016/9/8 | 561.8 |
たわらノーロード NYダウ | 0.2475% (0.267%) | 2017/3/21 | 136.3 |
SMT ダウ・ジョーンズ インデックスオープン | 0.5500% (0.571%) | 2013/11/19 | 335.0 |
eMAXIS NYダウインデックス | 0.6600% (0.676%) | 2013/8/7 | 495.8 |
日興インデックスファンドNYダウ30(アメリカ株式) | 0.6820% (0.800%) | 2014/3/31 | 83.5 |
*iFreeは4%程度をETF DIAに投資しており、その経費率分0.16%x4%を上乗せすると実質コストは0.269%。後述する騰落率などの解析には0.269%を使用。
NYダウとの連動を目指すインデックスファンドで信託報酬最安値は、2022.3.29に設定されたMy SMT ダウ・ジョーンズ・インデックスの0.0968%、2位以下を大きく引き離してのトップです。当初、三井住友信託銀行のみの取扱でしたが、2023.9.25から松井証券での取扱いが開始されました。
[2023.11.29追記]マネックス証券で取扱いが開始されました。
これに続くのがPayPay投信 NYダウインデックスの0.1980%、NZAM・ベータ・NYダウ 0.2310%、
但し、実質コストでは、それぞれ0.449%、0.355%と信託報酬以外のコストが非常に高くなっています。
*PayPayは2023.3の第2期決算で前期の0.595%から0.449%に、NZAMは2023.2の第3期決算で前期の0.490%から0.355%に下がりはしたものの、未だ十分とは言えません。
4位はiFree NYダウ インデックスとたわらノーロードNYダウの0.2475%。
当初、信託報酬以外のコストが高かったたわらノーロードですが、2020.10の決算で実質コストが0.382%から0.303%に、2021.10/2022.10決算では0.267%にまで下がりました。
純資産総額トップはiFree NYダウ インデックス。古参のeMAXIS NYダウインデックスより大きな純資産です。
最新の信託報酬・実質コスト等は下記記事を参照して下さい。
米国株式の各指数について詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。
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資金流出入額 【米国株式 NYダウインデックスファンド・人気ランキング】
2023年7~9月の概算の月次資金流出入額(*)3カ月合計、及び2023年累計(1~9月)を見てみます。
2023年7~9月の資金流出入額が大きい順にならべてあります。
どのファンドが多く購入されているかの人気ランキングになりますが、純資産が増える事は、それだけ安定した運用にもつながりますし、繰上償還のリスクも減ります。
ただの人気ランキングとしてではなく、ファンド選択の重要な指標の一つとしてみて下さい。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出。
例えば、3月5日の日次資金流出入額は
(3月5日の純資産総額) - (3月4日の純資産総額) x (日次騰落率 + 1)で計算し、
これを1カ月分足して月次資金流出入額としています。
2023年7~9月 | 2023年累計 (1~9月) | |||
順位 | ファンド | (億円) | 順位 | (億円) |
1 | iFree NYダウ・インデックス | 18.5 | 1 | 48.6 |
2 | eMAXIS NYダウインデックス | 15.9 | 2 | 30.1 |
3 | たわらノーロード NYダウ | 6.9 | 3 | 18.4 |
4 | 日興インデックスファンドNYダウ30(アメリカ株式) | 5.6 | 4 | 12.3 |
5 | My SMT ダウ・ジョーンズ・インデックス | 3.1 | 6 | 8.3 |
6 | NZAM・ベータ・NYダウ | 0.7 | 7 | 2.0 |
7 | SMT ダウ・ジョーンズ インデックスオープン | 0.2 | 5 | 11.7 |
8 | PayPay投信 NYダウインデックス | 0.2 | 8 | -0.3 |
2023年7-9月期は、
2023年累計でも同一順位です。
尚、この3本はつみたてNISA対象商品です。(eMAXISは2019.5.7に、iFreeは2021.10.25に、そしてたわらノーロードが2022.10.30に対象商品に。尚、NYダウは指定インデックスではない為、アクティブファンドとして登録されています)
信託報酬の低いPayPay投信NYダウインデックスやNZAM・ベータは、あまり売れていません。
主なNYダウ・インデックスファンドの資金流出入額比較
NYダウ連動型の主なインデックスファンドの資金流出入額を比較したのが下図。
月毎に資金流出入額が大きく変わる傾向があるNYダウですが、コロナショックで株価が急落した2020年3月は巨額の資金流入がありました。
ただ、その後資金流入は減り、特に2020年8月、11月は多くのファンドが大きな資金流出となっています(以上の期間は上図には記載されていません)。
2021年以降は殆どの月で数億レベルの資金流入、
2023年4~6月は多くのファンドが資金流出に転じています。
総じて、決して低コストとは言えないSMTやeMAXIS、そして低コストのiFreeが売れています。
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NYダウインデックスのリターン比較。実質コスト(信託報酬+α)が騰落率に反映されているか?ベンチマークとの乖離は?
NYダウの騰落率(年率リターン)比較 ~ドルベースでの長期間の比較~
NYダウのドルベースでのパフォーマンスを下表にまとめます。
また、S&P500とも比較します。
2023.9末日時点の直近10年間のドルベースでの年率リターン、リスク、シャープレシオです。
*指数値(ネット・トータルリターン)を使用
*シャープレシオは無リスク資産のリターン0で計算
インデックス(ネット) | 年率 リターン | 年率 リスク | シャープ レシオ |
NYダウ | 10.03% | 15.01% | 0.67 |
S&P500 | 11.28% | 14.95% | 0.75 |
*データ引用:米国 S&P Dow Jones Indices Fact Sheet
この10年間ではS&P500が若干勝っていますが、そう大きな差ではありません。
尚、各米国株式指数の詳細、パフォーマンス比較は下記記事をご覧ください。
参考記事米国株式(アメリカ株)インデックスファンド、そのベンチマーク(指数)を解説、比較。
NYダウ / S&P500 の騰落率(年率リターン)比較 ~円ベースでの比較~
次に円ベースでのリターンを比較する為に実際のファンドのデータを見てみます。
*参考までに先進国株式(MSCI KOKUSAI、eMAXIS Slim先進国株式)のデーも記載。
*1年以上の騰落率は年率で表記
[スマホの方は横にスクルールしてご覧ください]
インデックス (ファンド) | 3カ月 騰落率 | 6カ月 騰落率 | 1年 騰落率 | 3年 騰落率 | 5年 騰落率 |
NYダウ (iFree) | 2.2% | 15.7% | 21.0% | 22.0% | 12.7% |
S&P500 (iFree) | 1.2% | 19.6% | 23.5% | 23.5% | 15.7% |
MSCI KOKUSAI (eMAXIS Slim) | 0.8% | 16.9% | 24.7% | 22.2% | 13.9% |
直近5年では、
S&P500 > 先進国株式 >NYダウ
の順に騰落率が高くなっています。
勿論、今後もこの成績が続くかどうかはわかりません。
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ベンチマークとの乖離
NYダウとの連動を目指す各インデックスファンドのベンチマークとの乖離を調べます。
騰落率と実質コストの関係から乖離を評価します。
*騰落率は各ファンドの基準価額から管理人が独自に計算した結果。
*ベンチマーク値(NYダウ)もプロット。米国S&P Dow Jones Indices社サイトのデータを引用、さらに三菱UFJ銀行の為替レートを使って管理人が独自に円換算。
*実質コストに対する騰落率を見ていきますが、期中に信託報酬の変更があったファンドは、その期間に応じて按分した実質コストを用います。(期中平均コストは基準価額の変動を考慮せず)
騰落率とコストの関係は、理想的には配当課税を適切に考慮したインデックス(指数)騰落率(これを「真のインデックス」と定義)から決まる傾き、切片の直線になります。ただ、外国株式の場合、「真のインデックス」騰落率がわかりませんので、管理人の主観で図中グレーの点線を引き「真のインデックス」(推定値)をピンクの星印で示しています。
*S&P社は配当課税を考慮したネット指数も出していますが、配当課税は日本に対して適切なものではありません。経験上、「真のインデックス」は配当課税を考慮しないグロスとネットの中間にあると思われます。
(注)本評価では、多くのファンドがベンチマークとの乖離がないであろうとの仮定・前提のもと、この「多くのファンド」から外れた騰落率を示すものを「乖離」と判定します。評価方法やインデックスの詳細については下記記事をご覧ください。
NYダウ連動型インデックスファンドのベンチマークとの乖離
3カ月騰落率
直近の運用成績という事で2023.9末日時点の3カ月騰落率を見てみます。
殆どのファンドが同一直線上にのっており、コストに応じた騰落率になっています。
ただし、たわらが若干プラス側に乖離しているように見えます
1年騰落率
2023.9末日時点の1年騰落率と実質コストの関係を見てみます。
各ファンド、概ねそのコストに応じた騰落率となっています。即ち、コスト要因以外でのベンチマークとの乖離がない運用になっているという事です。
そして騰落率トップは順当にコスト最安値のMy SMT ダウ・ジョーンズ・インデックス。ただ、若干プラス側に乖離しているようです。
これに続くのがiFree NYダウインデックス、たわらノーロード NYダウ。両者ほぼ同等の騰落率です。
信託報酬の低いPayPay投信 NYダウインデックス、NZAM・ベータ・NYダウは、実質コストが高い分、騰落率もiFree、たわらノーロードに負けています。
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おすすめの米国株式 NYダウ・インデックスファンド(投資信託)は?
(注)「おすすめ」というのは必ず利益が出るという意味ではありません。他の類似ファンドに比べ、同等以上の成績を残すであろうと管理人の主観・推測で選んだものです。最終的なファンドの選択はご自身の判断で行ってください。
設定から7年、順調に純資産を伸ばしている事、そして低いコストに応じた高い騰落率になっている事から「おすすめ」としました。
2021年10月25日以降、つみたてNISAでも購入・投資できるようになりました。
また、たわらノーロード NYダウも実質コストが下がり、iFreeとパフォーマンス的には大きな差はありません。そして本ファンドも2022年10月30日につみたてNISA対象商品となりました。
さらに、信託報酬・実質コスト最安値のMy SMT ダウ・ジョーンズ・インデックス、ようやくネット証券の一つ松井証券で購入出来るようになりました。未だ純資産、資金流入額とも大きくはありませんが、今後に期待できるファンドです。
販売会社
ここで取り上げたNYダウ・インデックスファンドは主に下記ネット証券を中心に販売されています。
*「つみたてNISA」で購入できるのはiFree、eMAXIS、たわらノーロード、及び本記事では取り上げませんでしたが三井住友・NYダウ・ジョーンズ・インデックスファンド(為替ノーヘッジ型)のみです。
*My SMTはネット証券ではマネックス証券、松井証券のみで取扱い(2023.11末時点)
(2023.10以降にマネックス証券のNISA口座を開設した方は2024年9月30日までNISA口座でのクレカ積立還元率2.2%)
*通常ショッピング時は1.0%。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
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また投資信託保有でTポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにT/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
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*三井住友カード(NL)なら年会費永年無料、三井住友カード ゴールド(NL)は1年間だけでも年間100万円以上利用(一部取引は集計対象外 ※対象取引や算定期間等の実際の適用条件などの詳細は、三井住友カードのホームページを必ずご確認ください。)すれば翌年以降は利用額によらず年会費永年無料。
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公式サイト(PR)三井住友カード ゴールド(NL)
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
また、auじぶん銀行との連携(auマネーコネクト)でauじぶん銀行普通預金金利0.1%、au Payアプリ等の連携で最大0.20%になるのも魅力。
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また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。楽天カードから楽天キャッシュへチャージすると0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で5万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月10万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト(PR)楽天証券
公式サイト(PR)楽天カード
また、個人型確定拠出年金(iDeCo)では、iFreeをSBI証券(セレクトプラン)、松井証券、たわらノーロードをマネックス証券 iDeCo[PR]が取り扱っています。
他のアセットクラスの最新の情報・結果は下記記事を参照して下さい。
米国株式(S&P500/CRSP USトータル・マーケット)インデックスファンド
米国株式(NYダウ)インデックスファンド(本記事)
国内株式(JPX日経インデックス400)インデックスファンド