1本のファンドで国内外の債券、株式に分散投資できるインデックス型のバランスファンド、<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)について解説します。
1本のファンドで複数の資産クラス(例えば、国内株式・債券、先進国株式・債券など)に投資するファンドをバランスファンドと言います。個々の資産クラスのファンドを組合わせるよりコスト的には割高になる場合が多いですが、バランスファンドなら面倒なリバランスも不要で、ほったらかし投資が簡単に実践できます。
[最終更新日:2023.3.14]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2023.2末日時点の情報に基づいて記載しています。
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見出し
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)の基本情報
購入・換金手数料なしシリーズは、「徹底した低コスト」、「シンプルで分かりやすい」、「組合わせ方は自由」の三つを特徴・コンセプトとしたニッセイアセットマネジメントが運用するインデックスファンド・シリーズで、インデックスファンド低コスト化の先駆け的存在です。
本記事で解説するのは、国内・先進国の債券・株式の4資産に均等に投資する<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)。
先ず、<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)の基本情報をまとめます。
運用会社 | ニッセイアセットマネジメント |
設定日 | 2015年8月27日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | 合成ベンチマーク(後述) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.1540% |
実質コスト | 0.174%(*1) |
純資産総額 | 274.9億円(2023.2.28時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | --- 円 |
分配金実績 | 無 |
つみたてNISA | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.03% |
(*1)実質コストは2022.11決算より
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更。
投資対象
国内債券、国内株式、先進国債券、先進国株式の4資産に均等に投資します。
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ベンチマーク
各投資対象はインデックス運用を行い、ベンチマークは下表のようになります。
資産クラス | ベンチマーク |
国内債券 | NOMURA BPI総合 |
国内株式 | TOPIX[配当込] |
先進国債券 | FTSE世界国債インデックス(除く日本) |
先進国株式 | MSCI Kokusai[配当込] |
いずれも、それぞれの資産クラスで一般的なベンチマークです。
また、各マザーファンドは<購入・換金手数料なし>シリーズの個々のファンドと同じです。
手数料(信託報酬、実質コストなど)
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)の最大の魅力は、何と言っても信託報酬の低さ。
4資産均等型バランスファンドでは最低水準の0.1540%(税込)。
実質コストは0.174%(税込、2022.11決算時点)。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
バランスファンドとしてのお得度 ~個々のファンドの組合せと比較~
バランスファンドは、その投資配分と同じになるよう個別のファンドを組合わせた場合に対し、コストが割高になるのが一般的です。
そこで、<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)と、現時点で最も低コストの単体インデックスファンド(*)を組み合わせた場合の信託報酬とを比較します。
(*)主要ネット証券で取扱いがあり、かつ信託報酬以外のコストに大きな問題がないファンドの中で最安値
資産クラス | 資産配分 | 信託報酬最安値 |
国内債券 | 25% | 0.1320% (eMAXIS Slim 、ニッセイなど) |
国内株式 | 25% | 0.1540% (eMAXIS Slim 、ニッセイなど) |
先進国債券 | 25% | 0.1540% (eMAXIS Slim 、ニッセイ) |
先進国株式 | 25% | 0.1023% (eMAXIS Slim 、ニッセイなど) |
組合わせた場合の信託報酬 | 0.136% |
個々のインデックスファンドを組み合わせて4資産均等型にした場合、その信託報酬は0.136%。
一方、<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)の信託報酬は0.1540%ですので、組み合わせた場合より0.018%ポイント割高になるだけですみます。
バランスファンドとしては十分低コストと言えるでしょう。
他社 4資産均等型インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
4資産均等型はニッセイの他、三菱UFJ国際投信から2本が運用、販売されています。これら4資産均等型の信託報酬・実質コストを比較します。
(販売会社が限定されますがJP4資産均等バランスもあり)
ファンド | 信託報酬 | 実質コス | |
---|---|---|---|
1 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランス(4資産均等型) | 0.1540% | 0.174% |
2 | (三菱UFJ)つみたて4資産均等バランス | 0.2420% | 0.259% |
3 | eMAXIS バランス(4資産均等型) | 0.5500% | 0.567% |
信託報酬・実質コストとも<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)が単独で最安値です。
信託報酬の変更履歴
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)は、既に設定から3回の信託報酬引下げを行っています。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2015/8/27 | 0.3672% | 新規設定 |
2017/11/21 | 0.23652% | eMAXIS Slim8資産均等型、つみたて4資産均等に対抗 |
2018/8/21 | 0.17172% | eMAXIS Slim8資産均等型に対抗 |
2019/6/27 | 0.1512% | eMAXIS Slim8資産均等型などに対抗 |
2019/10/1 | 0.1540% | 消費税増税(8%-->10%) |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・シリーズの最大のライバルであるeMAXIS Slimシリーズには4資産均等型がないため、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)に対抗する形で信託報酬を引き下げてきました。
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<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)の運用状況(評価・人気)
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額から<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)の売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
徐々に増加傾向にあり、2021年以降、毎月5~8億円程度の資金流入があります。バランスファンドとしては比較的売れている方でしょう。
(バランスファンドの中で絶大な人気を誇るeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)と比べると大きな差をつけれらていますが)
尚、4資産均等型の中ではつみたて4資産バランスより売れています(2021~22年実績)。
純資産総額は約275億円(2023.2末時点)、ハイペースではありませんが着実に増えてきています。
運用状況は?
インデックスファンドではベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
ただし、複数の資産に投資するバランスファンドの場合、その評価は簡単ではありません。
そこで、同じ4資産均等型の三菱UFJ国際投信の2本との比較、さらに個別のインデックスファンドの基準価額から4資産均等型になるよう合成データを作成し、これと比較する事でベンチマークとの乖離を評価します。
1年騰落率
下図は、2023年2月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
*多くのファンドがコスト起因以外でのベンチマークとの乖離はないだろうという前提で評価。
4資産均等型は<購入・換金手数料なし>ニッセイの他、(三菱)つみたて4資産バランス、eMAXISバランス(4資産均等型)の3本、そして[ニッセイ合成]、[eMAXIS合成]、[SMT合成]というプロットが、<購入・換金手数料なし>ニッセイ、eMAXIS、SMTシリーズの個々のインデックスファンドを組み合わせた合成データです。
直近1年で見ると、<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)はマイナス側に乖離しており、騰落率でつみたて4資産バランスに負けています。
ただ、この乖離は評価期間によっても異なり、2021年はニッセイ、つみたて、eMAXISとも殆ど乖離なし、2020年はつみたて、eMAXISがマイナス乖離、ニッセイだけが乖離がない結果になっています。
そこで、次章では直近3年の騰落率を見てみます。
3年騰落率
2023年2月末日時点の実質コストに対する3年間の騰落率(年率)です。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)は、個別ファンドの組合せから判断するにコスト要因以外でのベンチマークとの乖離は殆どありません。
一方、つみたて、eMAXISが逆にマイナス側に乖離しており、<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)の騰落率が最も高くなっています(個別ファンドの組合せを除く)。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)の分配金
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)は分配金を出した実績はありません。
これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
勿論、分配金を出さなくても、保有する株式から出た配当は、ファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。
尚、分配金を出すか否かは運用会社が決定しますので、将来の分配金については分かりません。
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まとめ
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)は、伝統的4資産と言われる国内債券・株式、先進国債券・株式に均等に投資するバランスファンドで、新興国やリートが不要な方にとって選択肢の一つとなるファンドです。
信託報酬は十分低く、個別インデックスファンドの組み合わせともコストは大きく変わらず、また数回の信託報酬を行うなどコスト引き下げにも積極的なファンドです。
資金流入も比較的多く、売れている=人気のあるファンドです。
今回の直近1年の評価ではベンチマークに対して乖離が発生した可能性がありますが、3年で見ると問題なく、ライバルのつみたて4資産バランスより高い騰落率を示しています。
販売会社
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)は下記の金融機関で購入出来ます。
クレジットカード決済が可能なネット証券で、少しでもお得に購入す事をお勧めします。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でTポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにT/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト SBI証券
*三井住友カード(NL)なら年会費永年無料、三井住友カード ゴールド(NL)は1年間だけでも年間100万円以上利用(一部取引は集計対象外 ※対象取引や算定期間等の実際の適用条件などの詳細は、三井住友カードのホームページを必ずご確認ください。)すれば翌年以降は利用額によらず年会費永年無料。
公式サイト三井住友カード(NL)
公式サイト三井住友カード ゴールド(NL)
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
また、auじぶん銀行との連携(auマネーコネクト)でauじぶん銀行普通預金金利0.1%、au Payアプリ等の連携で最大0.20%になるのも魅力。
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また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。楽天カードから楽天キャッシュへチャージすると0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で5万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月10万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
公式サイト楽天カード
勿論、つみたてNISA対象のファンドです。
他の4資産均等型との比較、さらに8資産均等型、6資産均等型を含めた最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。