国内の株式に投資し、日経平均株価との連動を目指すインデックスファンド、iFree 日経225インデックスについて解説します。
[最終更新日:2021.1.23]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2020年12月30日時点の情報に基づき記載しています。
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iFree 日経225インデックスの基本情報
iFreeシリーズは、大和投資信託が運用するインデックスファンド・シリーズです。「低水準の運用管理費用」と「豊富な商品ラインアップ」をコンセプトに、「投資(investment)、もっと自由(Free)に」の思いを込めてネーミングしたとの事。 (iFree公式サイトより抜粋・編集して引用)
今回解説するのは、国内の株式に投資するiFree 日経225インデックス。
先ず、iFree 日経225インデックスの基本情報をまとめます。
運用会社 | 大和投資信託 |
設定日 | 2016年9月8日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | 日経平均株価(配当除く) |
購入時手数料 | 無(販売会社が独自に設定) |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.1540% |
実質コスト | 0.162%(*) |
純資産総額 | 144.7億円(2020.12.30時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 1,653億円(2020.9.23時点) |
分配金実績 | 無 |
つみたてNISA | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | 0.048% |
(*)実質コストは2020.9.23決算より
投資対象
ベンチマークは日経平均株価(日経225)[除く配当]で、国内の株式に投資します。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
マザーファンド
iFree 日経225インデックスはファミリーファンド方式で、下記マザーファンドに投資します。
画像引用:iFree日経225インデックス交付目論見書
ストックインデックス225・マザーファンドは1,653億円(2020.9.23時点)と巨額の資産を有するマザーファンドです。
投資銘柄
投資している銘柄数は225(2020.12.30時点)、日経平均の構成銘柄全てを保有している事になります。
組入上位10銘柄は下表のとおり。
画像引用:iFree日経225インデックス 月次レポート(2020/12)
日本を代表する企業が上位を占めていますが、
1位 ファーストリテイリング、2位 ソフトバンクの2社だけで全体の約18%を占め、値がさ株の比率が高くなっています。
国内株式を代表する指数としてTOPIX、日経平均株価がありますが、両者の違い・比較については下記の記事をご覧ください。
参考記事【国内株式インデックスファンド】TOPIX、日経平均株価どちらを選ぶ? 過去の成績を徹底比較。
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
iFree 日経225インデックスの最大の魅力は何と言っても信託報酬の低さ。
国内株式(日経平均)インデックスファンドとしてはeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドと並びトップ(最安値)の0.1540%(税込)。
実質コストは0.162%(税込)。
購入時手数料は、交付目論見書上は「販売会社が別に定める料率」となっていますが、現時点で徴収している販売会社は無く、事実上、無料(ノーロード)です。
信託財産留保額もありません。
*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値です。
他社 国内株式(日経平均株価)インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
日経平均株価をベンチマークとする他社の低コスト・インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | PayPay投信 日経225インデックス | 0.1430% | (決算前) |
2 | eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | 0.1540% | 0.162% |
2 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド | 0.1540% | 0.157% |
2 | iFree 日経225インデックス | 0.1540% | 0.162% |
5 | NZAM・ベータ日経225 | 0.1760% | (決算前) |
6 | 野村つみたて日本株投信 | 0.1870% | 0.194% |
6 | たわらノーロード日経225 | 0.1870% | 0.193% |
6 | i-SMT 日経225インデックス | 0.1870% | 0.194% |
6 | Smart-i 日経225インデックス | 0.1870% | 0.213% |
10 | (三菱UFJ)つみたて日本株式(日経平均) | 0.1980% | 0.206% |
11 | 日経225 インデックスe | 0.2090% | 0.216% |
12 | ニッセイ日経225インデックスファンド | 0.2750% | 0.280% |
*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値です。
iFree 日経225インデックスの信託報酬は、eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドと同率の最安値です。
信託報酬の変更履歴
iFree 日経225インデックスは既に3回信託報酬引下げを行ってます。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2016/9/8 | 0.2052% | 新規設定 |
2017/10/2 | 0.1836% | Smart-iに対抗 |
2018/12/13 | 0.17172% | eMAXIS Slim、<購入・換金手数料なし>ニッセイに対抗 |
2019/6/13 | 0.1512% | eMAXIS Slimに対抗 |
2019/10/1 | 0.1540% | 消費税増税(8%-->10%) |
2018年12月の信託報酬引下げで、eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドに並びましたが、その後、eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)が2019年2月、5月に引下げを行った為、一度は2位に落ちるものの2019年6月の引下げで再度同率首位となりました。
iFree 日経225インデックスの運用状況(評価・人気)
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額からiFree 日経225インデックスの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値になります。
日経平均株価との連動を目指すインデックスファンドは全般的に資金流出入額が安定しませんが、iFree 日経225インデックスも同様の傾向で資金流出の月もあります。ただ、数億レベルの資金流入の月も多く、比較的売れていると言って良いでしょう。
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドとの比較
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドと資金流出入額を比較します。
2020年の1年間累計で比較すると、
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド 56.4億円
- iFree 日経225インデックス 49.8億円
- eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) 23.1億円
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドには若干負けていますが、これも2020年9月の1カ月だけで9億もの差があった結果で、これを除くと互角の勝負と言って良いでしょう。
信託報酬同率で最安値のeMAXIS Slim 国内株式(日経平均) には大きく勝っています。
運用状況は?
インデックスファンドではベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
*ベンチマークは同じ日経平均株価でも配当込・除くなどファンドにより異なりますが、実際の運用は両者で変わらない事から、配当込インデックスを、ここではベンチマークと定義します。
尚、国内株式の場合、所有する銘柄から配当があっても、それに課税される事無くファンドの資産となります。
下図は2020年12月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
図中グレーの点線は、コストが0の時、配当込指数と一致し、ベンチマーク騰落率から決まる傾きの直線です。
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
iFree 日経225インデックスは、他のファンドに比べて非常に大きな騰落率を示しています。これはコロナショックの影響でボラティリティが非常に大きかった2020.3にベンチマークに対してプラスの乖離を起こした事に起因します。
*プラスと言えども、ベンチマークから乖離する事はインデックスファンドとして望ましい事ではありません。
ただ、管理人が把握している範囲では乖離を起こしたのは2020.3の1日だけで、その他の期間については問題ない(ベンチマークとの乖離がない)運用となっているようです。
iFree 日経225インデックスの分配金
iFree 日経225インデックスは分配金を出した実績はありません。
これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
勿論、分配金を出さなくても、保有する株式から出た配当は、ファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。
尚、分配金を出すか否かは運用会社が決定しますので、将来の分配金については分かりません。
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まとめ
iFree 日経225インデックスは低い信託報酬、そして巨額の純資産を有するマザーファンドで運用され、資金流入も比較的多く人気があるファンドです。
残念ながら2020年3月にベンチマークとの乖離を起こしてしまいましたが、この期間を除けば安定した運用になっています。
国内株式(日経平均株価)インデックスファンドとして、お勧めできるファンドの一つです。
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド、そしてiFree 日経225インデックスと現時点でどれを選んでも大きな差はないでしょう。
懸念としては販売会社の多さ。より多くの金融機関で低コストのファンドが購入できる事は良い事ですが、一方で、今後の信託報酬引下げ時の足かせとならないかが心配。
*信託報酬を引き下げると、通常、販売会社の取り分も下がります。
ただ、iFree 日経225インデックスの今までの実績を見ていると、常に最低水準の運用コストを目指すeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)に追従するよう引き下げを行うなど積極的に低コストを図っています。
販売会社
iFree 日経225インデックスは下記の金融機関で購入出来ます。
SBI証券
投資信託保有で毎月Tポイントがもらえます。さらにTポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイト SBI証券
楽天証券
投資信託保有で毎月楽天ポイントがもらえます。さらに楽天ポイントで投資信託を購入する事も出来ます。また、楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます(上限5万円/月)。勿論ポイント還元があり事実上1%割引で購入出来るようなものです。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイト楽天証券、楽天カード
SMBC日興証券(ダイレクトコース)
大手店頭証券で唯一低コスト・インデックスファンドを取扱い(ダイレクトコースのみ)。
国内株式を定額(100円~)、買付手数料無料(100万円以下)で買付・積立出来、さらにdポイントも使えるキンカブ・日興フロッギーも魅力の証券会社。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイトSMBC日興証券
松井証券
松井証券は、複数の投資信託を積立する際、設定したポートフォリオ(配分比率)になるよう自動的に購入商品・金額を調整してくれる「リバランス積立」が魅力(無料で利用可能)。
(つみたてNISAでも購入可能、但しリバランス積立はつみたてNISAでは非対応)
公式サイト松井証券
その他、多くの銀行等でも取り扱っています。
勿論、つみたてNISA対象のファンドです。(上記金融機関でもつみたてNISAを取扱っていない場合があります。またつみたてNISAでしか購入できない金融機関もあります)
ライバルとなるファンド
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド
iFree 日経225インデックス (本記事)
他の国内株式(日経平均)インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
本サイトでは、広く分散(銘柄、投資国)された投資を推奨しています。もし国内株式だけに投資されているのであれば、外国株式にも目を向けてみませんか?外国株式にも簡単に投資できるのが投資信託の魅力の一つです。
例えば先進国株式インデックス。iFreeシリーズにも先進国株式に投資できるファンドがあります。
参考記事【インデックスファンド評価・解説】iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし)。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。