ファンド紹介・解説

【インデックス型バランスファンド評価・解説】eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

投稿日:2020年5月26日 更新日:

純資産総額 500億円突破(2020.5.26)

1本のファンドで国内外の債券、株式、リートに分散投資できるインデックス型のバランスファンド、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)について解説します。

1本のファンドで複数の資産クラス(例えば、国内株式・債券、先進国株式・債券など)に投資するファンドをバランスファンドと言います。個々の資産クラスのファンドを組合わせるよりコスト的には割高になる場合が多いですが、バランスファンドなら面倒なリバランスも不要で、ほったらかし投資が簡単に実践できます。

[最終更新日:2020.9.11]個別ファンドの組合せ信託報酬を最新の値に更新。
[2020.9.3]純資産総額を2020.8末時点の情報に更新。
[2020.7.2]2020.4決算結果反映(実質コストなど)。
[2020.5.26]純資産総額500億円突破で受益者還元型信託報酬発動。
純資産総額と信託報酬のグラフを追加。
資金流出入のデータを最新情報に更新。
[2020.2.11]全て最新情報に更新。
本記事は原則2020.1末日時点の情報に基づき記載しています。

スポンサーリンク

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の基本情報

eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)シリーズは「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」をコンセプトとした三菱UFJ国際投信が運用するインデックスファンドで、「他社類似ファンドの運用コストに注意を払い、機動的に信託報酬を引き下げることによって、今も、そしてこれからも業界最低水準を目指し続ける」と公表しています。実際、設定から既に数回の信託報酬引下げを行い、常に最低水準の座を維持しています。

今回解説するのは、国内・先進国・新興国の債券・株式・リートに均等に投資(新興国リートを除く)するeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

先ず、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の基本情報をまとめます。

運用会社三菱UFJ国際投信
設定日2017年5月9日
運用形態インデックスファンド
投資形態ファミリーファンド
ベンチマーク合成ベンチマーク(後述)
購入時手数料
信託財産留保額
信託報酬(税込)0.1540%
実質コスト0.220%
純資産総額 607.7億円(2020.8.31時点)
(マザーファンド) 純資産総額 --- 円
分配金実績
つみたてNISA対象商品
SBI証券ポイント還元年率0.05%
楽天証券ポイント還元年率0.048%

 

投資対象

国内債券、国内株式、先進国債券、先進国株式、新興国債券、新興国株式、国内リート、先進国リートの8資産に均等に投資します。

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

 

 

ベンチマーク

各投資対象はインデックス運用を行い、ベンチマークは下表のようになります。

 
 資産クラスベンチマーク
国内債券NOMURA BPI総合
国内株式TOPIX[配当込]
先進国債券FTSE世界国債インデックス(除く日本)
先進国株式MSCI Kokusai[配当込]
新興国債券JPモルガンGMI-EMグローバル・ダイバーシファイド
新興国株式MSCIエマージング・マーケット・インデックス[配当込]
国内REIT
東証REIT指数(配当込)
先進国REIT
S&P先進国REIT指数(除く日本、配当込)

いずれも、それぞれの資産クラスで一般的なベンチマークです。

また、各マザーファンドeMAXIS SlimeMAXISの個々のファンドと同じで巨額の純資産を持っています。

*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは(過去においては)運用成績に関係有りません。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。

 

投資国(通貨)

投資資産の組入上位10通貨は下図のようになります。これが、概ね、投資国比率と思って良いでしょう。

*中国の一部が米ドルに含まれています。

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

画像引用:eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) 月報(2019/12)

 

手数料(信託報酬、実質コストなど)

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の最大の魅力は、何と言っても信託報酬の低さ。

8資産均等型バランスファンドでは最低水準の0.1540%(税込)

実質コスト0.220%(税込)

勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。

*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値です。

 

受益者還元型信託報酬

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は、下表のように純資産総額に応じて信託報酬率が変わる受益者還元型信託報酬を採用しています。

純資産総額信託報酬(税込)
500億円未満の部分0.1540%
500億円以上1,000億円未満の部分0.1485%
1,000億円以上の部分0.1430%

実際に2020年5月26日には純資産総額500億円を突破し、500億円以上の部分には0.1485%の信託報酬が採用されています。
(今後の基準価額の下落・資金流出などで再度500億を割る可能性も否定はできません)

*注:信託報酬が低くなるのは、あくまで500億円、1,000億円を超えた部分のみです。

純資産総額に対する信託報酬を下図に示します。

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

純資産総額500億円までは信託報酬は0.1540%ですが、今後純資産総額が増えるにつれ下がり、例えば1,000億円では0.1513%となります。

尚、eMAXIS Slimシリーズで純資産総額500億円を突破したのは先進国株式米国株式(S&P500)についで3本目となります。

 

バランスファンドとしてのお得度 ~個々のファンドの組合せより低コスト~

バランスファンドは、その投資配分と同じになるよう個別のファンドを組合わせた場合に対しコストが割高になるのが一般的です。

そこで、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)と、現時点で最も低コストの単体インデックスファンドを組み合わせた場合の信託報酬とを比較します。

個別のインデックスファンドで8資産均等型に組み合わせた場合
資産クラス資産配分信託報酬最安値
国内債券12.5%0.1320%
(eMAXIS Slim)
国内株式12.5%0.1540%
(eMAXIS Slim)
先進国債券12.5%0.1540%
(eMAXIS Slim)
先進国株式12.5%0.10230%
(eMAXIS Slim)
新興国債券12.5%0.2420%
(iFree)
新興国株式12.5%0.1870%
(eMAXIS Slim)
国内リート12.5%0.1870%
(eMAXIS Slim)
先進国リート12.5%0.2200%
(eMAXIS Slim)
組合わせた場合の信託報酬0.172%

個々のインデックスファンドを組み合わせて8資産均等型にした場合、その信託報酬は0.172%

一方、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の信託報酬は0.1540%ですので、組み合わせた場合より低いコストとなります。

コスト的には最もお得度の高いバランスファンドになります。

 

他社 8資産均等型インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較

8資産均等型は多くの運用会社から運用、販売されています。そこで他社の8資産均等型と信託報酬・実質コストを比較します。

(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。

 ファンド信託報酬実質コスト
1eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)0.1540%0.220%
1たわらノーロード バランス(8資産均等型)0.1540%0.249%
3<購入・換金手数料なし>ニッセイインデックスバランスファンド(8資産均等型)0.1749%0.265%
4iFree 8資産バランス0.2420%0.331%
4(三菱UFJ)つみたて8資産均等バランス0.2420%0.310%
6eMAXIS バランス(8資産均等型)0.5500%0.607%
6SMT 8資産インデックスバランス・オープン0.5500%0.611%

*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して、消費税8%から10%に換算した概算値です。
*信託財産留保額 eMAXISバランス 0.15%、SMT 8資産インデックスバランス・オープン 0.10%。これ以外のファンドは無。
*たわらノーロード、<購入・換金手数料なし>ニッセイは新興国債券が、iFreeは新興国株式のベンチマークが異なります。

信託報酬はeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)たわらノーロードバランスと並び同率で最安値。

 

信託報酬の変更履歴

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は業界最低水準の信託報酬を目指し続けるというコンセプト通り、既に設定から複数回の信託報酬引下げを行っています。

 
引下げ日信託報酬(税込)備考
2017/5/9
 0.2376%新規設定
2017/11/100.2268%たわらノーロード新規設定、iFreeの引下げに対抗
2018/2/270.22572%<購入・換金手数料なし>ニッセイの新規設定に対抗
2018/4/110.1728%Smart-i 8資産バランスに対抗
2018/7/250.17172%<購入・換金手数料なし>ニッセイの引下げに対抗
2019/5/140.1512%野村AM マイバランス30/50/70(確定拠出年金向け)、マイバランスDC30/50/70に対抗
2019/10/10.1540%消費税増税(8%-->10%)

<購入・換金手数料なし>ニッセイなどの8資産均等型に対抗するのみでなく、2018.4には8資産に投資するものの均等配分ではないSmart-i 8資産バランスにも対抗する措置を取りました。
さらに2019.5の引下げは(新興国やREITを除く)4資産だけに投資するマイバランスに対抗したものです。つまり、均等配分や8資産には拘らず、株式、債券などに投資するバランスファンドであれば類似ファンドとみなし、それらを含めて信託報酬最低水準を目指すと推測されます。(勿論、保証の限りではありませんが)

スポンサーリンク

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の運用状況

資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)

月次資金流出入額純資産総額からeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の売れ行き・人気を見てみます。

(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値になります。

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

2017年5月の設定以来、概ね10億前後の安定した資金流入が続いており、2019年後半からは、さらに資金流入が増加傾向にあります。

つみたてNISA対象のバランスファンドの中で最も売れている・人気のあるファンドです。

そして、2020.5.26に純資産総額500億円を突破しました。

 

運用状況は?

インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。

ただし、複数の資産に投資するバランスファンドの場合、その評価は簡単ではありません。

幸い、8資産均等型には、複数の運用会社から同じタイプのファンドが販売されていますので、これらのファンドとの比較、さらに、個別のインデックスファンドの基準価額から8資産均等型になるよう合成データを作成し、これと比較する事でベンチマークとの乖離を評価します。

下図は、2020年1月末日時点の実質コストに対する1年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
*多くのファンドがコスト起因以外でのベンチマークとの乖離はないだろうという前提で評価。

先ず、たわらノーロード、<購入・換金手数料なし>ニッセイの騰落率が高く、そしてiFreeが低くなっていますが、これは新興国債券・株式のベンチマークが異なる為です。
(尚、わずか1年間の結果だけでベンチマークの優劣をつけられるものでもありません。)

この3本を除いて比較すると、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は最もコストが低く、そして、その低いコストに応じた高い騰落率になっている事がわかります。

また、図中、[eMAXIS合成]、[SMT合成]というプロットは、eMAXIS、SMTシリーズの個々のインデックスファンドを組み合わせた合成データですが、これらを含めて同一線上に乗っている事から、コスト要因以外でのベンチマークとの乖離は殆ど無いと推測されます。

 

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の分配金

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は分配金を出した実績はありません。

これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
分配金を出すか否かは運用会社が決定しますが、本ファンドは「信託財産の成長を優先とし、原則として分配を抑制する」方針です。
勿論、保有する株式から出た配当はファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。

 

 

まとめ

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)はインデックスファンド選択の重要な要素である、

  • 低い信託報酬、実質コスト。他社が引下げを行っても、それに追従する事。
  • ベンチマークとの乖離がない安定した運用
  • 順調な資金流入。
  • 大きなファンド純資産総額、マザーファンド純資産総額。

全てを満たしていると言って良いでしょう。

さらに、個々のファンドを組み合わせるより低い信託報酬で圧倒的な低コストを特徴とするバランスファンドです。

8資産均等型バランスファンドの中では、最もお勧めできるファンドになります。

この低コストを活かして、8資産均等という資産配分がお好みでない方も、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)を核として、これにお好みの資産クラスのインデックスファンドを組み合わせるといった使い方も出来ます。
参考記事eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)、お得なバランスファンド中心のアセットアロケーション。

尚、三菱UFJ国際投信が運用するeMAXIS バランス(8資産均等型)(Slimがつかない)つみたて8資産均等バランス(つみたてんとうシリーズ)は、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)と同じマザーファンドで運用する姉妹ファンドですので、この中では、コストが圧倒的に低いeMAXIS Slimを強くお勧めします。

 

販売会社

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は下記の金融機関で購入出来ます。

*eMAXIS Slimシリーズはどこでも購入できるわけではありません。低い信託報酬(販売会社の利益が少ない)、かつ機動的な信託報酬引下げに合意できる金融機関のみが取り扱うという事でしょう。

SBI証券
投資信託保有で毎月Tポイントがもらえます。さらにTポイントで投資信託を購入する事も出来ます。(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイト SBI証券

楽天証券
投資信託保有で毎月楽天ポイントがもらえます。さらに楽天ポイントで投資信託を購入する事も出来ます。また、楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます(上限5万円/月)。勿論ポイント還元があり事実上1%割引で購入出来るようなものです。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイト楽天証券楽天カード

SMBC日興証券(ダイレクトコース)
大手店頭証券で唯一eMAXIS Slimシリーズを取扱い(ダイレクトコースのみ)。
国内株式を定額(100円~)、買付手数料無料(100万円以下)で積立出来るキンカブ・日興フロッギーも魅力の証券会社。
(つみたてNISAでも購入可能)
公式サイトSMBC日興証券

その他の販売会社
マネックス証券auカブコム証券松井証券岡三オンライン証券GMOクリック証券 など

勿論、つみたてNISA対象のファンドです。(上記金融機関でもつみたてNISAを取扱っていない場合があります)

個人型確定拠出年金(iDeCo)で取扱っているのは、

のみです。

 

 

他の8資産均等型との比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。

 

主なバランスファンドの一覧は下記記事を参照して下さい。

 

インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。

 

eMAXIS Slimシリーズの他のファンドの評価・解説は下記記事をご覧ください。

eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 

eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) *本記事

eMAXIS Slim 国内リートインデックス

eMAXIS Slim 先進国リートインデックス

eMAXIS Slim 先進国債券インデックス

 

スポンサーリンク

応援お願いします。
にほんブログ村 投資ブログ 資産運用へにほんブログ村 株ブログ 投資信託へにほんブログ村 その他生活ブログ 家計管理・貯蓄へ

-ファンド紹介・解説

Copyright© しんたろうのお金のはなし , 2020 All Rights Reserved.