楽天投信投資顧問が運用する楽天・米国レバレッジバランス・ファンド【愛称:USA360】、米国株式、債券にレバレッジをかけて投資するアクティブファンドです。
(注)株式はパッシブ運用を行っていますが、レバレッジを行っている債券にはベンチマークがない事、さらにファンド自体にもベンチマークがない事から本サイトではアクティブファンドと分類します。
その楽天・米国レバレッジバランス・ファンド【愛称:USA360】のパフォーマンスを評価します。
注意本記事では過去のデータの検証(バックテスト)として米国株式・米国債券の代わりに、先進国株式(MSCI KOKUSAI)、先進国債券(FTSE世界国債インデックス)のデータを用いますが、楽天・レバレッジバランス・ファンドの投資国・比率とは大きく異なる点をご承知おきください。
注意本ファンドの仕組み・運用方法は非常に難しく、管理人も完全に理解しているわけではありません。よって、本記事記載の内容には管理人の推測が含まれている事をご承知おきください。
[最終更新日:2024.11.6]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2024年10月末日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
楽天・米国レバレッジバランス・ファンド【愛称:USA360】の基本情報
楽天・米国レバレッジバランス・ファンド【愛称:USA360】の基本情報をまとめます。
運用会社 | 楽天投信投資顧問 |
設定日 | 2019年11月5日 |
運用形態 | アクティブファンド |
投資形態 | ファミリーファンド *但しマザーファンドの米国株式部分は米国ETFに投資する事実上のFOF |
ベンチマーク | 無 |
参考指数 | 無 |
購入時手数料 | 上限3.3%(販売会社が独自に設定) *主要ネット証券は無料(ノーロード) |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.4945% *投資先ETF経費率含む |
実質コスト | 0.700%(*1) |
純資産総額 | 193.7億円(2024.10.31時点) |
マザーファンド 純資産総額 | 194.6億円(2024.8.26時点) |
分配金実績 | 無 |
NISA(つみたて投資枠) | 対象外 |
NISA(成長投資枠) | 対象外 |
個人型確定拠出年金(iDeCo) | --- |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.10% (対象投資信託1,000万円以上保有で0.20%) |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.08% |
松井証券ポイント還元年率 | 0.20% |
(*1)2024.8.25 5期目決算より
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)。
信託報酬・実質コスト
信託報酬は、ファンドの信託報酬 0.4675%に投資先ETF VTIの経費率 0.03% (x0.9)を加えた0.4945%(税込)となります。
*後述するように米国株式として90%をバンガード社ETF VTIに投資する事から、VTIの経費率x0.9がプラスされます。
超低コストのインデックスファンドには敵いませんが、3.6倍のレバレッジをかけるファンドですので、0.4945%/3.6 = 0.137%と考えれば十分低コストです。
実質コストは5期目決算で0.700%。
信託報酬以外のコストがインデックスファンド、例えば楽天・全米株式インデックス・ファンド[楽天・VTI]等と比べると高くなっています。
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楽天・米国レバレッジバランス・ファンド【愛称:USA360】の運用方針、投資対象、特徴。
投資対象 & 3.6倍レバレッジ
楽天・米国レバレッジバランス・ファンド【愛称:USA360】は米国株式、米国債券の2資産に投資するバランスファンドです。
通常のバランスファンドと異なり、3.6倍のレバレッジをかけ、資産配分は下図のようになります(合計360%)。
レバレッジとは投資資金に対し、その資金以上の取引を行う事を言います。本ファンドでは3.6倍のレバレッジをかけ1の資金に対し3.6の投資を行う事が出来ます。その分、大きなリターンを得る事も出来ますが、当然リスクも高くなります。
米国株式:米国債券に1:3の比率で投資します。
そして、これに3.6倍のレバレッジをかけ米国株式 90% : 米国債券 270%の配分比率となります。
各資産クラスは、それぞれ下表のような投資対象に投資します。
資産クラス | 投資対象 |
米国株式 | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF 【VTI】 経費率: 0.03% *ベンチマーク:CRPS USトータル・マーケット・インデックス *他に米国株式先物にも投資 |
米国債券 | 米国国債先物取引 (5年国債先物、10年国債先物がほぼ同比率。2024.9末時点) |
米国株式として投資しているバンガード社 ETF VTIは、楽天・全米株式インデックス・ファンド[楽天・バンガード・ファンド(全米株式)]が投資しているETFと同じです。
実際の運用 ~債券先物取引で債券のみにレバレッジ~
実際の運用では、米国株式 90%を主に現物で保有し、残り10%の一部を証拠金とし米国債券(先物)に投資します。
これを楽天投信では「スリーシックスティ(360)運用」と呼んでいます。
画像引用:楽天・米国レバレッジバランス・ファンド 交付目論見書
決して株式・債券両方にレバレッジをかけるわけではありません。レバレッジをかけるのは債券のみです。
楽天・全米株式インデックス・ファンドに米国債券先物が追加されたバランスファンドと思って良いでしょう。
尚、レバレッジでは次第に減価していく事が問題となりますが、この減価は価額変動が大きいほど(ボラティリティが大きいほど)顕著になります。
本ファンドでは、株式ではなくボラティリティの小さい債券だけにレバレッジをかけますので、この減価の影響も比較的抑えられると思われます。
*レバレッジによる減価については類似ファンドのグローバル3倍3分法ファンドで解説・検証してあります。
*先物を利用してレバレッジをかけている本ファンドでは減価は起きないとの指摘・疑問を読者の方から頂きました。
確かに先物を保有しているだけでは減価は起きませんが、リバレッジ比率を維持する為のリバランスを行う事により減価が生じると管理人は考えております。詳細は本記事下部のコメント欄をご覧下さい。
米国債券は先物取引で為替ヘッジ
楽天・米国レバレッジバランス・ファンドの特徴は、単に債券先物取引でレバレッジをかけるというだけでなく、米国債券の先物取引で事実上の為替ヘッジが出来る事です。
[注]現物投資の為替ヘッジ(多くの商品がある為替ヘッジ有先進国債券インデックスファンドなど)は金利差相当分のコストがかかります。一方で先物取引でも先物価格に金利相当分が上乗せされており、さらにロールオーバーのコストもかかります。結果的にどちらが為替ヘッジコストとして有利になるかは管理人は把握しておりません。
米国国債先物取引では、買建額全体ではなく、米ドル建て証拠金部分(含む評価損益)のみに為替リスクがかかります。米ドル建て証拠金の純資産総額に対する比率は比較的小さいため、為替リスクは限定的と考えられます。
要は元本に相当する部分は為替の影響を受けず、事実上、為替ヘッジ有の米国債券になっているという事です。
当然、米国株式は為替の影響を受けますが、為替リスクがファンドの純資産を超える事はありません。
為替ヘッジ外国債券のメリットは株式と逆相関になる事。
外国債券に為替ヘッジがかかる事で、為替変動のリスクを抑える事が出来ますが、もう一つの重要なポイントは為替ヘッジ有の外国債券は株式と負の相関係数を持つことです(あくまでも過去のデータによるものですが)。
[注]類似の商品であるグローバル3倍3分法ファンドはこの点を積極的にアピールしていますが、楽天・米国レバレッジバランス・ファンドでは特に言及していません。ただし、管理人が先進国債券・株式で調査した結果などから、先進国の半分を占める米国債券・株式においても同様の結果になると推測します。
先進国債券・株式の為替ヘッジと相関係数についての詳細は下記ページをご覧ください。
資産配分に債券を含める目的は、株価下落時のクッションとしての役割を債券に期待するからです。クッションとなるには株式・債券の相関係数が小さい事が重要で、為替ヘッジ有の米国債券は、より有効なクッションになると思われます。
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楽天・米国レバレッジバランス・ファンド【愛称:USA360】のバックテスト(過去のパフォーマンス評価)
楽天・米国レバレッジバランス・ファンドの設定日は2019年11月15日と未だ評価に値する十分な運用期間がありません。
そこで、楽天・米国レバレッジバランス・ファンドだけでなく、先進国債券・株式での過去のデータを使った検証なども交えて、そのパフォーマンスを推測します。
楽天投信投資顧問によるバックテスト
先ずは楽天投信投資顧問によるバックテストの結果です。
楽天・米国レバレッジバランス・ファンド 販売用資料2020年1月より引用。
尚、本資料は既に更新され上記データは削除されています。
米国株式のみの場合と比較し、楽天・米国レバレッジバランス・ファンドに相当する「当戦略」では、概ね同じリスクながら高いリターンを上げている事がわかります。
当然、運用効率(シャープレシオ)でも勝り、最大下落幅も低く抑えられています。
疑似的な楽天・米国レバレッジバランス・ファンドでの(過去の)長期運用成績の評価 [先進国債券・株式で検証]
債券のヘッジ有無など、さらに詳細に比較する為、本章では先進国株式(MSCI Kokusai)・先進国債券(FTSE世界国債)のインデックスファンドの基準価額から疑似的な楽天・米国レバレッジバランス・ファンドとなるよう合成データを作成し、過去の長期のパフォーマンスを検証します。
*本来は米国株式・米国債券で評価すべきですが、長期のデータを入手できなかった為、先進国で代用。よって正確には疑似的な楽天・先進国レバレッジバランス・ファンドとなります。
先進国でも米国が半分以上を占めますので傾向としては大きな違いはないでしょう。
レバレッジの有無、先進国債券の為替ヘッジ有無を含めて比較します。
レバレッジ無は先進国株式:債券を25%:75%で合成したデータ、
レバレッジ有は先進国債券に27倍のレバレッジをかけた基準価額を作成し、これを10%、先進国株式を90%とした合成データです。
使用した基準価額は日興アセットマネジメントの下記インデックスファンド。
- インデックスファンド海外株式(ヘッジなし)
- インデックスファンド海外債券(ヘッジあり)1年決算型
- インデックスファンド海外債券(ヘッジなし)1年決算型
23年のリスク・リターン特性
2024年10月末日時点の23年間のパフォーマンスで比較します。
下記の条件で比較しています。
名称 | 条件 |
先進国株式 | 為替ヘッジ無 |
先進国債券 | 為替ヘッジ無 |
先進国債券 (H) | 為替ヘッジ有 |
債券H無、 レバ無 | 債券ヘッジ無、レバレッジ無、 債券:株式=75%:25% |
債券H有、 レバ無 | 債券ヘッジ有、レバレッジ無、 債券:株式=75%:25% |
債券H無、 レバ有 | 債券ヘッジ無、レバレッジ有、 債券:株式=270%:90% |
楽天・米国レバレッジバランス・ファンドに近い条件 | |
債券H有、 レバ有 | 債券ヘッジ有、レバレッジ有、 債券:株式=270%:90% |
先ず、レバレッジ無だと、為替ヘッジ有無とも先進国債券に対して若干リターンが上昇するのみに留まります。
一方、レバレッジ有だと、大きくリターンが上昇し、先進国株式をも僅かに上回ります。
しかも、為替ヘッジ有では、リスクが先進国株式と変わりません(寧ろ若干小さくなっています)。
この為替ヘッジ有・レバレッジ有が楽天・米国レバレッジバランス・ファンドの目指すところです。
尚、為替ヘッジ無だとリターンは上がりますが、リスクも大きく上昇しており、あまり意味がありません。
以上の結果を下表にまとめます。
*シャープレシオ(運用効率)は無リスク資産のリターンを0として計算。
名称 | 年率 リターン | 年率 リスク | シャープ レシオ |
先進国株式 | 8.7% | 18.6% | 0.47 |
先進国債券 | 3.9% | 8.4% | 0.46 |
先進国債券 (H) | 0.3% | 4.1% | 0.08 |
債券H無、 レバ無 | 5.4% | 9.7% | 0.55 |
債券H有、 レバ無 | 2.9% | 4.7% | 0.62 |
債券H無、 レバ有 | 14.0% | 35.3% | 0.40 |
楽天・米国レバレッジバランス・ファンドに近い条件 | |||
債券H有、 レバ有 | 9.5% | 17.1% | 0.55 |
楽天・米国レバレッジバランス・ファンドに最も近い条件である、「債券H有、レバ有」は先進国株式より高いリターン、小さいリスク、そして高いシャープレシオ(運用効率)を示しています。
以上、本章では、米国ではなく、先進国債券・株式で代用し、楽天・米国レバレッジバランス・ファンドの過去のパフォーマンスを検証(バックテスト)しました。
米国、先進国という違いはありますが、概ね同等の結果を楽天・米国レバレッジバランス・ファンドでも期待できると推測します。
注意勿論、以上は疑似的かつ過去のデータであり将来のパフォーマンスを保証するものでは無いことに注意してください。
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楽天・米国レバレッジバランス・ファンド【愛称:USA360】のパフォーマンス評価
本章では楽天・米国レバレッジバランス・ファンドの実際のパフォーマンスを評価します。
基準価額のチャート
楽天・米国レバレッジバランス・ファンドの設定日からのチャートです。
同時に米国株式のみに投資する楽天・全米株式インデックス・ファンド[楽天・VTI](以降、楽天VTIと略して表記)のチャートもプロットします。(楽天・米国レバレッジファンドの設定日を10,000として規格化してプロット)
設定から2021年まで、楽天・米国レバレッジバランス・ファンドは楽天VTIを上回るリターンを上げています。これは、主に2020年3月のコロナショックでの下落率が小さかった事、及びその後の回復が早かった事に起因しているように見えます。
2022年以降2022年末までは大きく下落、その後横ばいが続きましたが、2023年末頃から漸く回復傾向にあります。
設定来のリターン、リスク、シャープレシオ、最大ドローダウン
2024年10月末日時点の4年11カ月のデータ(概ね設定来)を下表にまとめます。
*シャープレシオは無リスク資産のリターンを0として計算。一般的にシャープレシオが大きいほど、投資効率が良いとされます。
楽天・米国レバレッジバランス・ファンド | 楽天VTI | |
年率リターン | 9.74% | 21.93% |
年率リスク | 19.14% | 17.99% |
シャープレシオ | 0.51 | 1.22 |
最大draw down | -36.6% | -35.6% |
設定から5年にも満たない短い期間ではありますが、リターンで楽天・米国レバレッジバランス・ファンドは楽天VTIに大きく負けています。
リスクも若干大きく、シャープレシオでも大きく負けています。
合成データによる検証
上記ほぼ設定来のリターンを合成データで検証してみます。
本章では、合成データを楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)と、米国債券(S&P500米国債7-10年指数)に投資する日興アセットマネジメントの東証上場ETF
- 上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジなし)【1486】
- 上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジあり)【1487】
の基準価額を使用しました。
楽天VTIを90%、上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジ有無)の日々の騰落率を27倍とした基準価額を10%とした合成データです。
米国債券為替ヘッジ無しだと大きくプラスになっていた事がわかります。
一方、為替ヘッジ有の合成データは、楽天・米国レバレッジバランス・ファンドと同様大きなマイナス。
設定来のパフォーマンスが楽天VTIに大きく負けているのは、主に債券先物利用による事実上の為替ヘッジに起因していたことが分かります。
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コロナショックでの下落(Max Draw down)
2020年3月に発生したコロナショック時の下落率を比較します。
設定(2019.11.5)から2022年3月末までの最大下落率(Max Draw down)で評価します。
楽天・米国レバレッジバランス・ファンド | 楽天VTI | |
最大draw down | -25.2% | -35.6% |
楽天・米国レバレッジバランス・ファンドは、楽天VTIに対し10ポイント以上下落率が抑えられています。
コロナショックで大きく下落した株価を、債券価格の上昇がうまくカバーした結果と言えます。
2022年以降の金利上昇、円安下におけるパフォーマンス(2023年末まで)
2022年に入り、コロナに加え、ロシアのウクライナ侵攻の影響もあり、米国でのインフレ加速、それに伴う米国金利上昇、そして円安が進みました。
この間のパフォーマンスを比較します(2021.12末~2023.12末時点の2年騰落率)。
*VTIの基準価格は日本の投資信託基準価格計算に合わせる為、前日の値を使用。
[スマホの方は横にスクロールしてご覧下さい]
楽天・米国 レバレッジ バランス | 楽天VTI | VTI(ドル) | ドル円為替 | |
リターン | -19.88% | 23.95% | 1.04% | +23.31% (円安) |
2023.12末時点の2年で、楽天・米国レバレッジバランス・ファンドは大きく下落し、楽天VTIに対し40ポイント以上負けています。
この期間、VTI(米国ETF)はドルベース(ネット)で1.0%上昇しただけなのですが、為替が23%も円安に動いたため、楽天VTIはほぼ円安の恩恵のみで24%程度も上昇しています。
一方、楽天・米国レバレッジバランス・ファンドは270%を占める債券が金利上昇により下落し、さらに円安の恩恵を受けられなかった為(前述のように債券部分は事実上の為替ヘッジ有)、結果的に大きな下落になったと考えられます。
直近1年でのパフォーマンス(2023.10~2024.10末まで)
2023年末より米国金利上昇から引下げに、また円安にも歯止めがかかり為替はほぼ横ばい、この間のパフォーマンスを比較します(2023.10末~2024.10末時点の1年騰落率)。
[スマホの方は横にスクロールしてご覧下さい]
楽天・米国 レバレッジ バランス | 楽天VTI | VTI(ドル) | ドル円為替 | |
リターン | 44.43% | 44.84% | 41.20% | +2.76% (円安) |
2024.10末時点の1年騰落率で、楽天・米国レバレッジバランス・ファンドは大きく上昇。
米国株が(ドルベースでも)堅調だった事から楽天VTIを上回るまではいきませんでしたが概ね同等のリターンを示しています。
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ここまでのまとめ
長期のバックテストでは非常に優れたパフォーマンスを示していた楽天・米国レバレッジバランス・ファンド。
実際に運用開始後の5年弱という期間では、
- 債券がうまく機能し楽天VTIを上回る成績を残したコロナショック時
- 米国金利上昇による債券価格の下落に加え、円安の恩恵を受けられない事から大きく基準価額を下げた約2年
- 金利・為替も横ばいになり株式と同等のパフォーマンスをあげた1年
三つの局面を経てきました。
恐らく今後も良い時、悪い時を繰り返す事になると推測しますが、このようなバランスファンドは、短期の成績で一喜一憂するのではなく、
株式 1 : (事実上の為替ヘッジ有)債券 3という資産配分がご自身が考えているアセットアロケーションに合致する事、
そして、債券比率が高いもののリスクは株式100%と同程度に大きいという事を理解した上で投資する事が重要かと!
最新の騰落率[利回り] ~2024年10月末日時点~
*本章は原則毎月更新します。
最新の騰落率を米国株式だけに投資する楽天・全米株式インデックス・ファンド[楽天・VTI]、及び全世界を対象に株式・債券に1/2ずつ投資するセゾン・グローバルバランスファンドと比較します。
*3年・5年騰落率は年率表記。
[表をクリックすると拡大します]
楽天・米国レバレッジバランス・ファンドは、米国金利上昇による債券安(さらに最近の円安の恩恵を受けられない事)の影響を受け(短期を除き)楽天・全米株式インデックスに大きく負けています。
ただ、1年では米国利下げもあり、楽天・全米と概ね同等。
債券比率の高い楽天・米国レバレッジバランス・ファンドは、今後、さらなる利下げが進めばそのパフォーマンスを発揮すると期待!
尚、セゾン・グローバルバランスファンドとの比較でも長期では大きく負けています。債券比率は高くても、リスクは株式単独と同等だという事を認識しておく必要があります。
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楽天・米国レバレッジバランス・ファンド【愛称:USA360】の人気・評判
資金流出入額・純資産総額
月次資金流出入額、純資産総額から楽天・米国レバレッジバランス・ファンドの人気・評判を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
設定当初は数億(/月)レベル、10億を超える月もありました。しかし2022年後半より資金流入は減少傾向、資金流出の月もあります。短期的なパフォーマンスの悪化を嫌い、売った方、購入をやめた方も多かったと推測します。
そして2024年に入り資金流出が続きます。なかなか上がらないパフォーマンスに加え、成長投資枠を含め新NISAの対象ファンドにならなかった事も影響しているのかもしてません。
純資産総額は194億円(2024.10末日時点)、2024年はほぼ横ばいで増えていません。
日興 グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)との資金流出入額の比較
レバレッジ型バランスファンドの先駆け的存在でもある日興 グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)と資金流出入額を比較してみます。
一時期大きな人気を集めたグローバル3倍3分法ファンドとは資金流入・流出とも桁が違います。
楽天・米国レバレッジバランス・ファンド同様、最近のパフォーマンスが冴えないグローバル3倍3分法ファンドは、楽天・米国レバレッジバランス・ファンドより早い2020年中ごろから資金流出に転じていますが、その流出のピークは一度は越えたように見えたのですが、2024年に入り再度大きな資金流出が続いています。
金額に大きな違いがあり、時期が若干ずれているものの、両ファンド、同様の傾向にあるように見えます。
新規口座開設者限定のスタートアップ円定期預金、3カ月 年1.2%(税引前)、1年 年0.65%(税引前)と好金利。
さらに新規口座開設で1,500円、各種条件を満たすと最大31,000円がもらえます(要エントリー)。
東京スター銀行 新規口座開設優遇プラン スターワン円定期預金
インターネット限定新規口座開設者優遇プラン スターワン円定期預金、1年 年0.60%(税引前)と好金利。
公式サイト東京スター銀行まとめ & 販売会社
以上、楽天・米国レバレッジバランス・ファンドの投資方針、特徴、仕組み、そして過去、及び直近のパフォーマンスの評価・解説でした。
設定来の成績は冴えない結果となっていますが、直近1年ではやや持ち直してきた感もあります。
過去においては(バックテストでは)非常に優れたパフォーマンスを残しており、その仕組み的にも非常に興味深いファンドです。
さらにレバレッジをかけるファンドとしては信託報酬も十分低く設定されています。
先ず、債券をご自身のアセットアロケーションに組み込むかどうかを検討され、
株式・債券(為替ヘッジ有)=1:3の資産配分に納得される方、
そして先進国や全世界ではなく、米国に集中投資したい方にとっては十分検討する価値のあるファンドだと考えます。
ただ、レバレッジをかけている以上、大きなリスクもあるファンドで、特に株・債券同時安となった場合、大きな損失を被る可能性もあります。
例えば、1,000万円の投資余力がある方なら、その1/(3.6)にあたる278万円を本ファンドに投資し、残りを定期預金、個人向け国債などの無リスク資産においておくような使い方も考えられるかと思います。
そして、(本ファンドに限った話ではありませんが)納得して投資した以上は、短期のパフォーマンスに一喜一憂することなく、長期的に見る事も必要かと!
尚、米国だけでなく全世界に投資したい方、株式・債券だけでなくリートも加えたい方はグローバル3倍3分法ファンドを検討してみては如何でしょう?
販売会社
楽天・米国レバレッジバランス・ファンドは下記の金融機関で購入出来ます。
(dカードGOLDでNISA口座なら月10万円までクレカ積立還元率1.1%)
*dカード、マネックスカードとも通常ショッピング時は1.0%。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でVポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにV/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト SBI証券
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
また、auじぶん銀行との連携(auマネーコネクト)でauじぶん銀行普通預金金利0.21%、au Payアプリ等の連携で最大0.31%になるのも魅力。
公式サイトauカブコム証券
また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で10万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月15万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
公式サイト楽天カード
尚、本ファンドは2024年からの新NISAの対象外です。