新興国の債券に投資し、JPモルガン ガバメント・ボンド・インデックス-エマージング・マーケッツ グローバル ダイバーシファイドとの連動を目指すインデックスファンド、iFree 新興国債券インデックスについて解説します。
*以下、JPモルガン ガバメント・ボンド・インデックス-エマージング・マーケッツ グローバル ダイバーシファイドを「JPモルガンGBI-EM」と略して表記します。
[最終更新日:2024.2.8]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2024年1月31日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
iFree 新興国債券インデックスの基本情報
iFreeシリーズは、大和アセットマネジメントが運用するインデックスファンド・シリーズです。「低水準の運用管理費用」と「豊富な商品ラインアップ」をコンセプトに、「投資(investment)、もっと自由(Free)に」の思いを込めてネーミングしたとの事。 (iFree公式サイトより抜粋・編集して引用)
本記事で解説するのは、新興国債券に投資するiFree 新興国債券インデックス。
先ず、iFree 新興国債券インデックスの基本情報をまとめます。
運用会社 | 大和アセットマネジメント |
設定日 | 2016年9月8日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | JPモルガンGBI-EM |
為替ヘッジ | 無 |
購入時手数料 | 無(販売会社が独自に設定) |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.2420% |
実質コスト | 0.328%(*1) |
純資産総額 | 146.6億円(2024.1.31時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | 369.7億円(2023.7.5時点) |
分配金実績 | 無 |
NISA(つみたて投資枠) | --- |
NISA(成長投資枠) | 対象 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.03% |
松井証券ポイント還元年率 | 0.10% |
(*1)実質コストは2023.7決算より
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)。
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投資対象
ベンチマークはJPモルガン ガバメント・ボンド・インデックス-エマージング・マーケッツ グローバル ダイバーシファイド[JPモルガンGBI-EM]で、新興国の債券に投資します。
JPモルガンGBI-EMは、中国、インドネシア、メキシコ、ブラジル、マレーシア、タイ、南アフリカなど新興国20カ国・地域(2023.5末時点)で構成される現地通貨建ての新興国債券インデックスです。
尚、為替ヘッジは行っていません。
新興国債券には、代表的なインデックスとして本ファンドが採用しているJPモルガンGBI-EMの他、米ドル建て新興国債券のJPモルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラスがあります。詳細は下記ページを参照して下さい。
マザーファンド
iFree 新興国債券インデックスはファミリーファンド方式で、下記マザーファンドに投資します。
画像引用:iFree新興国債券インデックス交付目論見書
ダイワ新興国債券インデックス・マザーファンドは370億円(2023.7.5時点)の資産を有するマザーファンドです。
投資通貨・投資国
投資している債券の通貨別比率(2023.1末時点)が下図、これが概ね投資国比率となります。
画像引用:iFree新興国債券インデックス 月次レポート(2023/01)
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
iFree 新興国債券インデックスの最大の魅力は何と言っても信託報酬の低さ。
新興国債券インデックスファンドとしては最安値の0.2420%(税込)。
実質コストは0.328%(税込、2023.7決算時点)。
信託報酬以外のコストが若干高いようにも見えますが、新興国に投資するファンドとしては十分低く抑えられている方です。
購入時手数料は、交付目論見書上は「販売会社が別に定める料率」となっていますが、現時点で徴収している販売会社は無く、事実上、無料(ノーロード)です。
信託財産留保額もありません。
他社 新興国債券インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
JPモルガンGBI-EMをベンチマークとする他社の低コスト・インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。(DC専用ファンドを除く)
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | iFree 新興国債券インデックス | 0.2420% | 0.328% |
1 | My SMT 新興国債券インデックス | 0.2420% | 0.387% |
3 | (日興)インデックスファンド海外新興国(エマージング)債券 | 0.3740% | 0.635% |
4 | SMT新興国債券インデックス | 0.6600% | 0.780% |
4 | eMAXIS新興国債券インデックス | 0.6600% | 0.760% |
4 | Funds-i新興国債券インデックス | 0.6600% | 0.757% |
新興国債券インデックスは、eMAXIS Slim、<購入・換金手数料なし>ニッセイ、たわらノーロードなどの他社低コスト・インデックスファンドシリーズにラインアップされていない事もあり、iFree 新興国債券インデックスの信託報酬は、My SMTと並び同率で最安値。
実質コストでは単独最安値です。
*My SMT新興国債券インデックスは2024.2時点で販売会社が松井証券、マネックス証券、三井住友信託銀行に限られています。
3位の日興インデックスファンド海外新興国(エマージング)債券に0.13%ポイントの差をつけており、圧倒的な低さで他社を凌駕します。
信託報酬の変更履歴
iFree 新興国債券インデックスは設定後、まだ信託報酬の引下げを行った実績はありません。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2016/9/8 | 0.2376% | 新規設定 |
2019/10/1 | 0.2420% | 消費税増税(8%-->10%) |
前述のように競合する相手が少なく、かつ新興国債券クラスは、そう売れるものでもありませんので、信託報酬引下げはあまり期待できないかもしれません???
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iFree 新興国債券インデックスの運用状況(評価・人気)
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額からiFree 新興国債券インデックスの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
iFree 新興国債券インデックスは、毎月1~3億円程度の安定した資金流入が続いており、純資産も決して大きくはないものの着実に増えています。
月数億というのは株式インデックスファンド等に比べれば小さいのですが、新興国債券としては比較的売れている方です。
運用状況は?
インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
下図は2024年1月末日時点の実質コストに対する1年、及び3年騰落率を複数のファンドでプロットしたものです。
*My SMTは3年のデータ無
グレーの点線は、コストが0の時ベンチマーク騰落率と一致し、ベンチマーク騰落率から決まる傾きの直線です。ここでは、多くのファンドがコスト要因以外での乖離がないという前提のもと、管理人の主観で線を引いています。
グラフの左側(コストが低い)、上側(騰落率が高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
1年騰落率ではコストの騰落率の相関が悪く2本の線をひいてあります。その中でもiFree 新興国債券インデックスは最も騰落率が高くなっています。
3年騰落率になると多少相関が良くなり、各ファンド概ねグレーの点線上(近く)にあります。即ちコスト要因以外でのベンチマークとの乖離が少ない運用になっていると推測出来ます。そして、その低いコストに応じてiFree 新興国債券インデックスが最も高い騰落率を示しています。
iFree 新興国債券インデックスの分配金
iFree 新興国債券インデックスは分配金を出した実績はありません。
これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
勿論、分配金を出さなくても、保有する債券から出た利息は、ファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。
尚、分配金を出すか否かは運用会社が決定しますので、将来の分配金については分かりません。
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まとめ
iFree 新興国債券インデックスは圧倒的に低い信託報酬、そして運用(ベンチマークとの乖離)も概ね問題なく、他のファンドより高い騰落率を示しています。
株式ファンド等に比べれば少ない金額ですが、安定した資金流入が続いており、純資産も着実に増えています。
新興国債券クラス、為替ヘッジ無のJPモルガンGBI-EMに連動するファンドとして、最もお勧めできるファンドと言えるでしょう。
販売会社
iFree 新興国債券インデックスは下記の金融機関で購入出来ます。
(dカードGOLDでNISA口座なら月10万円までクレカ積立還元率1.1%)
*dカード、マネックスカードとも通常ショッピング時は1.0%。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でVポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにV/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト SBI証券
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
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公式サイトauカブコム証券
また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で10万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月15万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
公式サイト楽天カード
またMATSUI Bank(住信SBIネット銀行マツイ支店)の口座開設すれば普通預金金利 年0.31%になるのも魅力。
公式サイト松井証券
尚、新興国債券インデックスファンドはNISA(つみたて投資枠)対象外です。NISAで新興国債券に投資したい方は成長投資枠、またはバランスファンドを購入する事になります。
また、個人型確定拠出年金(iDeCo)で取扱っているのはマネックス証券 iDeCo、松井証券 iDeCo、SBI証券 iDeCo(セレクトプラン)など。
他の新興国債券インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。