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ファンド紹介・解説 ETF

【東証上場ETF評価・解説】MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信(2559)。実質コストは? eMAXIS Slimオルカンとも比較!

投稿日:2024年2月7日 更新日:

MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信

*上地図は概ね投資国を表していますが、現在、ロシアは除外されています。

東京証券取引所(東証)に上場する国内籍ETFで、日本を含む全世界の株式に投資するMAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信について解説します。

[最終更新日:2023.2.7]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2023.1末日時点の情報に基づき記載しています。

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【国内ETF】MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信(2559)の基本情報

MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信は、三菱UFJアセットマネジメントが運用するETF「MAXIS(マクシス)シリーズ」の一つです。「MAXIS」には「最高(MAX)の品質」「お客様の投資の中心軸(AXIS)」という思いが込められているとの事。

今回解説するのは1本のETFで日本を含む全世界の株式に投資するMAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信

先ず、MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信の基本情報をまとめます。

運用会社三菱UFJアセットマネジメント
設定日2020年1月8日
銘柄コード2559
運用形態インデックス型
投資形態ファミリーファンド
ベンチマークMSCI All Country World Index
信託報酬(税込)0.0858% 
実質コスト0.155%(*1)
純資産総額 386億円(2024.1.31時点)
(マザーファンド)
純資産総額
[先進国株式]14,665億円(2022.5.12時点)
[新興国株式]2,951億円(2022.5.12時点)
[日本株式] 575億円(2023.4.25時点)
決算日(分配金)年2回 6月8日、12月8日
売買単位1口単位
マーケットメイク制度対象
iNAVなし
外国税額控除(二重課税調整)対象
NISA(つみたて投資枠)---
NISA(成長投資枠)対象
売買手数料無料の証券会社(*2)
SBI証券

(*1)実質コストは2023年6月、12月期決算短信の営業費用より推定。
(*2)SBI証券、楽天証券では2023.10よりETFを含む国内株式売買手数料の無料化(簡単な条件有)を行った為、他の銘柄も含めて無料で取引できます。
これに伴い、楽天証券の手数料0円ETF(現物取引)サービスは2023.12末で終了しました。

 

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投資対象

ベンチマークMSCI All Country World Index [ACWI]で日本を含む先進国、新興国の株式に投資します。

MSCI ACWIは全世界47カ国(先進国23カ国+新興国24カ国)の大型株、中型株、約2,900の銘柄から構成される時価総額加重平均型の指数です。

 

マザーファンド

MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信は、ファミリーファンド方式で下記マザーファンドに投資します。

MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信

画像引用:MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信 交付目論見書

これらのマザーファンドは、非上場のインデックスファンド、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)と同じものです。

即ち、MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信は、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)マザーファンドを共有し、そのままETF化した商品となります。

 

投資国比率

組入上位10カ国は下表のようになります(2024.1末時点)

MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信 2559 投資国

画像引用:MAXIS 全世界株式(オールカントリー) 月次レポート(2024/1)

トップはアメリカで62%、全体の半分以上です。2位が日本で6%。

新興国ではインドが9位、台湾が10位に入っています。(中国はケイマン諸島籍と合わせると新興国トップになると思われます)

詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国? 

 

手数料(信託報酬、実質コストなど)

MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信信託報酬0.0858%(税込)

実質コスト0.155%

信託報酬以外のコストが0.07%ありますが、この中には

上場料 0.00825% + 指数使用料 0.055% = 0.06325%、

等が含まれます。

 

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)とのコスト比較

非上場のインデックスファンド、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)とコストを比較します。

ファンド信託報酬実質コスト
MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信0.0858%0.155%
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)0.05775%0.111%

(非上場)インデックスファンドは超低コストのライバルファンドが多い事もあって信託報酬引下げ競争が激しく、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信より信託報酬で0.028ポイント、実質コストでは0.044ポイント低くなっています。

*前述のようにETFの信託報酬には指数使用料等が含まれませんので、実質コストでは非上場の投資信託との差が広がります。

 

マーケットメイク制度

東京証券取引所では2018年7月2日よりマーケットメイク制度を導入しました。

指定を受けたマーケットメイカーは、気配提示義務を履行することで、インセンティブ(報酬)を得ることができます。マーケットメイカーが気配提示義務を履行することによって、対象のETFに対して、需給動向を踏まえた公正な価格で、十分な量の気配が提示されることになり、投資家の皆様が売買をしたいタイミングで、より良い価格で売買する環境を提供できるようになります。

~東京証券取引所サイトより引用~

マーケットメイク制度の導入で流動性が上がり、より適正な価格で売買できるようになると期待できます。

MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信はマーケットメイク制度の対象です。

 

外国税額控除(二重課税調整措置)

本ETFは2020年より始まった外国税額控除(二重課税調整制度)の対象です。

国内籍ETFに外国税額控除が与える影響については下記記事をご覧ください。

 

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MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信(2559)の運用状況

市場価格と基準価額の乖離

ETFには実際に市場で売買する時の価格=市場価格、一般の投資信託同様、純資産総額を口数で割った真の価格=基準価額の二つの価格が存在します。

勿論、この二つの価格は同じである事が望ましいのですが実際には差=乖離が生じます。

この乖離はWealth Advisorのサイトで調べる事が出来ます。(終値と基準価額の乖離)

下図は2020年3月~2024年1月の各月の乖離率(単純平均)をグラフにしたものです。

MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信 2559の乖離

データ引用:Wealth Advisor

直近1年の平均(絶対値の平均)でも0.42%と大きく、まだ安定しているとは言えません。特に、2022年末には1%を超える大きな乖離を起しています。

MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信【2558】は比較的収まってきていますが、米国一国だけに対して、本ETFは全世界が対象という事で難しい点があるのかもしれません。

 

平均売買代金、平均売買高、スプレッド

2024年2月6日時点の直近90日の平均売買代金、平均売買高、及び2023.12.29時点のスプレッド(*)は、

*スプレッド:最良の売気配値段と買気配値段の価格差

平均売買代金:27,206万円

平均売買高 : 15,794口

スプレッド(2023.12.29時点)  0.06%

*データ引用:東証マネ部

これを外国株式に投資する主な国内ETFと比較します。

ETF平均売買代金
(万円)
平均売買高
(口)
スプレッド
(終値)
2024.2.6
MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信
【2559】
27,20615,7940.07%
(18,035)
MAXIS米国株式(S&P500)上場投信
【2558】
97,38349,5470.04%
(21,075)
iシェアーズS&P500 米国株 ETF
【1655】
98,5371,983,9860.03%
(530.6)
上場インデックスファンド米国株式(S&P500)
【1547】
62,17383,0100.04%
(7,964)
NEXT FUNDS NASDAQ-1100(為替ヘッジなし)
【1545】
154,57363,0530.03%
(26,610)
MAXIS海外株式(MSCIコクサイ)上場投信
【1550】
3,5567,5950.09%
(4,967)
NEXT FUNDS外国株式・MSCI-KOKUSAI
【2513】
3,19915,3660.11%
(2,200)
上場インデックスファンド海外先進国株式
【1680】
2,0334,1970.11%
(5,076)
上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本
【1554】
3,2468,2680.21%
(4,074)

データ引用 : 東証マネ部

MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信は、総じて米国株式S&P500やNASDAQ100を対象としたETFよりは取引が活発ではないが、先進国株式よりは大きな売買高といったところでしょうか。

まだ大きな人気を集めるところまでには至っていません。

 

純資産総額

386億円  (2024.1.31時点)

まだまだこれからですね。

 

基準価額とベンチマークとの乖離

ETFでは先に示した市場価額と基準価額の他に、(非上場の)インデックスファンド同様、基準価額とベンチマークとの乖離も生じます。

この乖離は主にファンドのコストに起因するものと思われます。

そこで、MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信の基準価額騰落率を、MSCI ACWIをベンチマークとする(非上場の)インデックスファンドと比較してみます。

 

1年騰落率

下図は2024.1末日時点の1年騰落率を、実質コストに対してプロットしたものです。

*基準価額は分配金非課税再投資時
*○がETF、◇が(非上場)インデックスファンド

MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信  2559の利回り・評価

MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信は、実質コストでプロットしても、他の全世界株式インデックスファンドの騰落率を結んだ直線より下方に位置し、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の騰落率より低くなっています。

コストだけでは説明できない基準価額とベンチマークとの若干の乖離が生じていると推測します。

 

参考 : 2023年1月末時点の1年騰落率

参考までに1年前、2023.1末時点の1年騰落率も示します。

MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信  2559の利回り・評価

2024.1ほどではないですが、この1年でも僅かながらマイナス乖離が生じている可能性があります。

 

[PR]なぜ時価総額比率なのか?
MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)は全世界の株式に時価総額比率で投資しますが、現代ポートフォリオ理論では、市場ポートフォリオ=時価総額比率が最も効率的とされています。詳しくは下記書籍などを参照して下さい。

 

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まとめ

MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信は、MSCI ACWIをベンチマークとし、低コストで全世界の株式に投資するETFです。

日本を含む全世界の株式に投資できる唯一の国内ETF、

(非上場の)インデックスファンド(eMAXIS Slimオルカンなど)よりコストは高いとはいえ、それでも十分に低い信託報酬で、

ETFが好みの方にとっては有力な選択肢の一つとなるでしょう。

*株式同様、その時の市場価格で売買したい、定期的に分配金が欲しい、分配金に対する外国税額控除に魅力を感じる、さらに貸株を利用する方にはETFもお勧め出来ます。

まだ市場価格と基準価額の乖離、基準価額とベンチマークとの乖離という点では若干の不安が残りますが、今後純資産の増加、取引の活発化により解消されていくものと期待します。

 

販売会社

東証に上場するETFですので、証券会社を通して売買する事になります。

売買単位は1口単位で1.8万円程度(2024.2時点)で投資出来ます。

尚、通常、国内株式と同様の売買手数料がかかりますが、SBI証券は本ETFを取引手数料無料の対象銘柄としています。

*SBI証券楽天証券は、それぞれ2023.9.30、2023.10.1より約定金額によらず国内株式売買手数料が無料(一部条件、コースの選択有)となりましたので、本ETF以外でも無料で取引できます。

公式サイト 楽天証券

尚、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)等、(非上場の)投資信託への投資を考えている方は、クレジットカードで投資出来、投資信託保有でのポイント還元率が高いマネックス証券SBI証券がおすすめ。

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多彩な投信積立方法、投信マイレージポイントによるポイント還元、
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*2024.11買付分からはカード利用実績に応じた付与率に変更。

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投信積立でのポイント還元率は1.1%と主要ネット証券で最高水準(月5万円まで。5万円以上は還元率が下がります)。
*dカードGOLDでNISA口座なら月10万円までクレカ積立還元率1.1%
*通常ショッピング時の還元率は1.0%
また、投資信託保有でポイントも貯まります。(一部ファンドを除く)

 

 

米国株式に投資するMAXIS 米国株式(S&P500)上場投信【2558】については下記ページをご覧ください。

 

先進国株式に投資する国内ETFの比較は下記ページをご覧ください。

 

国内株式(TOPIX)に投資するETFについては下記記事をご覧ください。

 

国内REIT(東証REIT指数)に投資するETFについては下記記事をご覧ください。

 

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