ファンド紹介・解説

【インデックスファンド評価・解説】eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

投稿日:2019年8月5日 更新日:

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

1本のファンドで日本を含む全世界の株式に投資するインデックスファンドeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)について解説します。

[最終更新日:2019.10.16]2019.11.12からの信託報酬引下げを反映。
消費税10%表記に変更。
[2019.9.2]SBI証券 投信マイレージ ポイント還元率 0.05% -->0.03%に変更。
[2019.8.5]2019.7.31時点の情報に更新。

スポンサーリンク

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の基本情報

eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)シリーズは「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」をコンセプトとした三菱UFJ国際投信が運用するインデックスファンドで、「他社類似ファンドの運用コストに注意を払い、機動的に信託報酬を引き下げることによって、今も、そしてこれからも業界最低水準を目指し続ける」と公表しています。実際、設定から既に数回の信託報酬引下げを行い、常に最低水準の座を維持しています。

今回解説するのは1本のファンドで日本を含む全世界の株式に投資するeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

先ず、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の基本情報をまとめます。

運用会社三菱UFJ国際投信
設定日2018年10月31日
運用形態インデックスファンド
投資形態ファミリーファンド
ベンチマークMSCI All Country World Index(配当込み・ネット)
購入時手数料
信託財産留保額
信託報酬(税込)0.1144% 
実質コスト0.216%
純資産総額 52.6億円(2019.7.31時点)
(マザーファンド) 純資産総額 [先進国株式]3,372億円(2018.5.14時点)
[新興国株式]716億円(2018.5.14時点)
[日本株式] 5.2億円(2019.4.25時点)
分配金実績
つみたてNISA対象商品
SBI証券ポイント還元年率0.03%
楽天証券ポイント還元年率0.048%

 

投資対象

ベンチマークMSCI All Country World Index [ACWI][配当込み・ネット]で日本を含む先進国、新興国の株式に投資します。

MSCI ACWIは全世界49カ国(先進国23カ国+新興国26)の大型株、中型株、2,700以上の銘柄から構成される時価総額加重平均型の指数です。

ネットとは配当に対する源泉徴収税を考慮した指数ですが、その税率が日本に対して適切に考慮されているかは定かではありません。

*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[配当込]がありますが、実際の運用成績は(過去においては)変わっていません。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク、配当込、配当除くで実際の運用成績は異なるか?

 

マザーファンド

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、ファミリーファンド方式で下記マザーファンドに投資します。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

外国株式インデックスマザーファンド、新興国株式インデックスマザーファンドは、それぞれeMAXIS Slim先進国株式インデックスeMAXIS Slim新興国株式インデックスと同じマザーファンドで既に大きな純資産総額を有します。

一方、日本株式インデックスマザーファンドは、本ファンドと同時に新規設定されたもので自己設定額3億円でのスタート、2019年4月には約5億になっています。

 

投資地域別比率

国内株式、先進国株式、新興国株式の比率は現時点(2019.6末)で下表のようになります。

地域比率
国内株式7.1%
先進国株式80.9%
新興国株式11.9%

尚、ベンチマーク MSCI ACWIは時価総額加重平均型指数ですので、その時点の時価総額で国内、先進国、新興国比率が変化します。例えば、他の先進国株式に対し国内の株価が低迷すれば国内株式の比率が小さくなります。

 

投資国比率

組入上位10カ国は下表のようになります(2019.6末時点)

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

画像引用:eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー) マンスリーレポート(2019/6)

トップはアメリカで53.3%、全体の約半分です。2位が日本で7%。

新興国株式ではケイマン諸島が1位となっていますが、これは事実上、中国企業です。

詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事【外国株式インデックスファンド】各インデックス(指数)、そして先進国、新興国ってどこの国? 

 

投資銘柄

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は2,814銘柄に投資しています。

尚、ベンチマークは2,849銘柄(2019.6末)ですので、ベンチマークを構成する殆どの銘柄を保有している事になります。

組入上位10銘柄は下表のように9位までは全て米国企業が占めています。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

画像引用:eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー) マンスリーレポート(2019/6)

ただ組入比率トップのマイクロソフトでさえ2.0%ですので広く分散されている事が分かります。

 

手数料(信託報酬、実質コストなど)

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の最大の魅力は何と言っても信託報酬の低さ。

全世界株式インデックスファンドとしては最低水準の0.1144%(税込)です。

実質コストは初回決算で0.216%(配分比率の小さい)国内株式以外はマザーファンドが既存のもので巨額の純資産を有するだけに初回決算から問題のないレベルです。

勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。

*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して消費税8%から10%に換算した概算値です。

 

受益者還元型信託報酬

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は下表のように純資産総額に応じて信託報酬率が変わる受益者還元型信託報酬を採用しています。

純資産総額信託報酬(税込)
500億円未満の部分0.1144%
500億円以上1,000億円未満の部分0.11385%
1,000億円以上の部分0.1133%

500億円以上の部分に対する信託報酬がさらに低くなりますが、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の純資産総額は設定から9カ月で50億余り。500億円以上に達するにはまだまだ時間がかかりそうです。

尚、eMAXIS Slim先進国株式インデックスは既に純資産総額500億円を突破し、受益者還元型信託報酬が適用されています。

 

他社 全世界株式インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較

MSCI ACWIをベンチマークとする他社のインデックスファンド、及びベンチマークは異なりますが(日本を含む)全世界の株式に投資するインデックスファンドと比較してみます。

さらに、eMAXIS Slimシリーズの個別のファンド(TOPIX、先進国株式、新興国株式)を7%:81%:12%の比率で組み合わせた場合も参考までに記載します。

*ファンド名下の[]内はベンチマーク。[FTSE]はFTSE Global All Cap Index、[MSCI]はMSCI All Country World Indexの略。

 ファンド信託報酬実質コスト
1SBI・全世界株式インデックス・ファンド
[FTSE]
0.1102%0.306%
2eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
[MSCI]
0.1144%0.216%
-個別ファンドの組合せ0.1247%---
3たわらノーロード 全世界株式
[MSCI]
0.1320%(決算前)
4楽天・全世界株式インデックス・ファンド
[FTSE]
0.2220%0.311%
5ステート・ストリート
全世界株式インデックス
[MSCI]
0.5280%0.619%

*実質コストは信託報酬以外のコストに全て消費税がかかると仮定して消費税8%から10%に換算した概算値です。

日本を含むMSCI ACWIをベンチマークとするファンドはeMAXIS Slimステート・ストリート、それに2019年7月22日に新規設定されたたわらノーロード全世界株式の3本しかなく、その信託報酬はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が単独で最安値。

ベンチマークは異なりますが、同じく日本を含む全世界の株式に投資するファンドを含めてもSBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま)と概ね同率で最低水準です。

 

個別のインデックスファンドとの組合せと、どちらがお得か?

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)信託報酬0.1144%(税込)

一方、eMAXIS Slim先進国株式[0.10989%]eMAXIS Slim新興国株式[0.2079%]eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)[0.1540%]を81%:12%:7%の比率で組み合わせた場合の信託報酬は上表にも示したように0.1247%となりeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の方が若干低くなっています。

各地域に時価総額比率で投資する方は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)1本を購入するだけでコスト的にも優位になります。

(注)eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の国内株式部分のベンチマークはMSCIジャパンでTOPIXとは異なります。

 

信託報酬の変更履歴

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は設定から2回、信託報酬引下げの実績があります。

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の信託報酬変更履歴
引下げ日信託報酬(税込)備考
2018/10/31
 0.15336%新規設定(SBI・全世界株式に対抗した設定)
2019/8/90.1296%たわらノーロード全世界株式に対抗
2019/10/1
 0.1320%消費税増税(8%-->10%)
2019/11/12
 0.1144%SBI・全世界株式に対抗

ベンチマークは異なりますが全世界の株式に投資するSBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま)の引下げに対抗し、eMAXIS Slimも2019.11.12に2回目の信託報酬引下げを行いました。

 

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)とSBI・全世界株式インデックス(雪だるま)、楽天・全世界株式インデックス(楽天バンガード)の比較

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のライバルとなるのはベンチマークは異なりますが日本を含む全世界の株式に投資する

の2本でしょう。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)との大きな違いは、

  1. FTSE・グローバル・オール・キャップ・インデックスをベンチマークとするSBI・楽天全世界株式は小型株までも含むのに対し、eMAXIS Slimは大型・中型株だけ。
  2. SBI・楽天全世界株式は事実上FOFで米国ETFを介して全世界の株式に投資するのに対し、eMAXIS Slimは直接日本から全世界の株式に投資する。

1の小型株の有無に関しては、もともと小型株は全体に占める割合が小さく、かつ、その小型株によって確実にパフォーマンスが良くなるというわけでも無いので好みの問題と言って良いでしょう。

2は配当に対する源泉徴収税が大きく異なります。eMAXIS Slimのように直接海外に投資する場合、所有する株式の配当に対する源泉徴収税は、その現地国のみです。そして分配金を出さないファンドでは最終的には譲渡益として国内で課税されます。
一方、米国ETFを介して投資すると、現地国に加え米国での課税が加わります(米国企業の配当を除く)
このように米国ETFを介して投資する場合、例えば配当利回りが2%だとすると約0.1%リターンが低下します。言い換えれば、信託報酬・実質コストが0.1%上乗せされるのと同じです。
より詳しくは下記記事をご覧ください。

スポンサーリンク

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の運用状況

資金流出入額 & 純資産総額 (人気は?)

月次資金流出入額純資産総額からeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の売れ行き・人気を見てみます。

(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値になります。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

2018年10月31日設定と未だ新しいファンドですが、設定以来多くの人気を集め、殆どの月で5億円以上の資金流入があります。それに伴い純資産総額も順調に伸びています。

 

運用状況は?

インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。

下図は2019年7月末日時点の実質コスト(/2)に対する6カ月騰落率をプロットしたものです。

ベンチマークが同じeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と[ステートストリート/SSGA]全世界株式インデックス・ファンドをプロットしてあります。

*eMXIS Slim、たわらノーロード、SMTの先進国、新興国、国内株式インデックスファンドを同じ比率で組み合わせた場合もプロットしてありますが、国内株式のベンチマークが異なる為あくまで参考値です。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

SSGA全世界株式インデックスファンドとの関係、及び個別ファンド組合わせの騰落率と概ね同一直線上に乗っていることからeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、(コスト要因以外での)ベンチマークとの乖離がない安定した運用になっていると推測されます。

 

まとめ

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、MSCI ACWIをベンチマークとするインデックスファンドの中では最も信託報酬が低く、さらに他のベンチマークを含めた全世界株式インデックスファンドの中でも最低水準の信託報酬です。

未だ新しいファンドではありますが、資金流入も順調で、その運用も既に安定しています。

先進国株式、新興国株式、国内株式を1本のファンドで投資したい方にとっては、楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)SBI・全世界株式インデックス・ファンドとともにお勧できるファンドと言えます。

人気(資金流入額)では楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)が一歩抜き出ていますが、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は大型・中型株で十分、そしてよりコストにこだわる方にお勧めです。

 

購入先

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は下記の金融機関で購入出来ます。

販売会社SBI証券楽天証券 マネックス証券カブドットコム証券松井証券SMBC日興証券(ダイレクトコース)岡三オンライン証券GMOクリック証券三菱UFJ国際投信ダイレクト(matttoco)、三菱UFJ銀行(インターネットバンキング専用)

現時点(2019.8)で上記金融機関以外では購入出来ません。低い信託報酬(販売会社の利益が少ない)、かつ機動的な信託報酬の引下げに合意できる金融機関のみが取扱うという事でしょう。

楽天証券なら楽天カード(クレジットカード)で投資信託を積立購入する事が出来ます。勿論ポイント還元があり事実上1%割引で購入出来るようなものです(上限5万円/月)。さらに、そのポイントで投資信託を購入する事も出来ます。
公式サイト楽天カード

勿論、つみたてNISA対象のファンドです。(上記金融機関でもつみたてNISAを取扱っていない場合があります)

 

 

ライバルとなるファンド

eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)  *本記事

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま)

楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド)

 

他の全世界株式インデックスファンドとの比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。

 

インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。

 

eMAXIS Slimシリーズの他のファンドの評価・解説は下記記事をご覧ください。

eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) *本記事

eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 

eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

 

スポンサーリンク

応援お願いします。
にほんブログ村 投資ブログ 資産運用へにほんブログ村 株ブログ 投資信託へにほんブログ村 その他生活ブログ 家計管理・貯蓄へ

-ファンド紹介・解説

Copyright© しんたろうのお金のはなし , 2019 All Rights Reserved.