*上の地図は概ね投資国を表していますが、現在、ロシアは投資国から除外されています。
1本のファンドで国内外の債券、株式、リートに分散投資できるインデックス型のバランスファンド、たわらノーロード バランス(8資産均等型)について解説します。
1本のファンドで複数の資産クラス(例えば、国内株式・債券、先進国株式・債券など)に投資するファンドをバランスファンドと言います。個々の資産クラスのファンドを組合わせるよりコスト的には割高になる場合が多いですが、バランスファンドなら面倒なリバランスも不要で、ほったらかし投資が簡単に実践できます。
[最終更新日:2024.4.16]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2024.3末日時点の情報に基づき記載しています。
新規口座開設者限定のスタートアップ円定期預金、1年 年0.85%(税引前、2025.3.10までのキャンペーン金利)と好金利。
*3カ月 年1.20%(税引前)もあり さらに新規口座開設で1,500円、各種条件を満たすと最大31,000円がもらえます(要エントリー)。
たわらノーロード バランス(8資産均等型)の基本情報
たわらノーロードシリーズは、アセットマネジメントOneが運用するインデックスファンド・シリーズです。親しみのある、分かりやすい、コツコツと蓄えるといったコンセプトから、「豊か、蓄える」というイメージがある、穀物を包み保存する"たわら"とネーミングしたとの事。 (アセットマネジメントOne公式サイトより抜粋・編集して引用)
今回解説するのは、国内・先進国・新興国の債券・株式・リートに均等に投資(新興国リートを除く)するたわらノーロード バランス(8資産均等型)。
先ず、たわらノーロード バランス(8資産均等型)の基本情報をまとめます。
運用会社 | アセットマネジメントOne |
設定日 | 2017年7月28日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | 合成ベンチマーク(後述) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.1430% |
実質コスト | 0.207%(*1) |
純資産総額 | 641.4億円(2024.3.29時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | --- |
分配金実績 | 無 |
NISA(つみたて投資枠) | 対象商品 |
NISA(成長投資枠) | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.03% |
松井証券ポイント還元年率 | 0.07% |
(*1)実質コストは2023.10.12決算結果より。
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)。
投資対象
国内債券、国内株式、先進国債券、先進国株式、新興国債券、新興国株式、国内リート、先進国リートの8資産に均等に投資します。
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ベンチマーク
各投資対象はインデックス運用を行い、ベンチマークは下表のようになります。
資産クラス | ベンチマーク |
国内債券 | NOMURA BPI総合 |
国内株式 | TOPIX[配当込] |
先進国債券 | FTSE世界国債インデックス(除く日本) |
先進国株式 | MSCI Kokusai[配当込] |
新興国債券 | JPモルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラス |
新興国株式 | MSCIエマージング・マーケット・インデックス[配当込] |
国内REIT | 東証REIT指数(配当込) |
先進国REIT | S&P先進国REIT指数(除く日本、配当込) |
新興国債券以外は、それぞれの資産クラスで一般的なベンチマークです。
また、各マザーファンドはたわらノーロードの個々のファンドと同じで巨額の純資産を持っています。
新興国債券のベンチマーク ~JP・モルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラス~
8資産均等型は多くの運用会社から運用・販売されていますが、たわらノーロード バランス(8資産均等型)の特徴は、新興国債券のベンチマークがJP・モルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラスである事。(以下、EMBI+と略して表記する場合があります)
*さらに、S&PもしくはMoody'sの外貨建て長期格付けがBB-格もしくはBa3格以上という制限がつきます。
JP・モルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラスは米ドル建ての債券から構成されるインデックスです。
*EMBI+は為替ヘッジ有りの新興国債券インデックスファンドとして、eMAXISやSMTに用いられています。
同じ8資産均等型でも、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)やつみたて8資産バランス、iFree 8資産バランス、SMT 8資産インデックスバランス・オープンは、現地通貨建てのJPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイド(以下、GBI-EMと略して表記する場合があります)をベンチマークとしています。
*<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型)はたわらノーロードと同様、新興国債券のベンチマークがEMBI+(除くB格以下)です。但し、B格以下の除外がたわらノーロードと全く同じかは定かではありません。
二つのパフォーマンスを比較するために、各インデックスをベンチマークとする新興国債券インデックスファンド、
- DIAM新興国債券インデックスファンド<為替ヘッジなし>(ファンドラップ) 【EMBI+】
- eMAXIS先進国債券インデックス 【GBI-EM】
のリターン・リスクを見てみます。
*DIAM新興国債券の設定が2015/10と未だ新しく、僅か8年の比較である事をご承知おきください。
ファンド | ベンチマーク | リターン (年率) | リスク (年率) | シャープ レシオ |
DIAM 新興国債券 | EMBI+ | 3.47% | 8.04% | 0.43 |
eMAXIS 新興国債券 | GBI-EM | 4.19% | 9.64% | 0.44 |
リターンはGBI-EMの方が勝っていますが、特筆すべきはEMBI+のリスクの小ささ。
不安定な新興国通貨より米ドル建ての方がリスクは小さくなるという結果です。(ただ僅か8年のデータである事、また米ドル建でもドル・円の為替リスクはある事に注意)
新興国債券の二つのインデックスの違いの詳細は下記記事をご覧ください。
投資国(通貨)
投資資産の組入上位10通貨は下図のようになります。これが、概ね、投資国比率と思って良いでしょう。
但し、前述のように新興国債券(12.5%)が米ドル建てで、これがアメリカ・ドルに含まれていますので、米国比率は38.1%から12.5%を引いた26%程度と思われます。
*さらに中国株式などの一部もアメリカドルに含まれています。
画像引用:たわらノーロードバランス(8資産均等型) 月次レポート(2024/03)
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
たわらノーロード バランス(8資産均等型)の最大の魅力は、何と言っても信託報酬の低さ。
8資産均等型バランスファンドでは最低水準の0.1430%(税込)。2023.4.7に0.1540%から引き下げられました。
実質コストは0.207%(税込、2023.10決算時点)。
信託報酬以外のコストが0.064%、前期の0.130%より大幅に下がりました。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
バランスファンドとしてのお得度 ~個々のファンドの組合せより低コスト~
バランスファンドは、その投資配分と同じになるよう個別のファンドを組合わせた場合に対しコストが割高になるのが一般的です。
そこで、たわらノーロード バランス(8資産均等型)と、現時点で最も低コストの単体インデックスファンドを組み合わせた場合の信託報酬とを比較します。
資産クラス | 資産配分 | 信託報酬最安値 |
国内債券 | 12.5% | 0.1320% (eMAXIS Slim) |
国内株式 | 12.5% | 0.1430% (eMAXIS Slim) |
先進国債券 | 12.5% | 0.1540% (eMAXIS Slim) |
先進国株式 | 12.5% | 0.09889% (eMAXIS Slim、たわら) |
新興国債券 | 12.5% | 0.2420% (iFree) |
新興国株式 | 12.5% | 0.1518% (eMAXIS Slim) |
国内リート | 12.5% | 0.1870% (eMAXIS Slim) |
先進国リート | 12.5% | 0.2200% (eMAXIS Slim) |
組合わせた場合の信託報酬 | 0.166% |
*新興国債券はEMBI+をベンチマークとする一般販売されているファンドがない為、GBI-EMをベンチマークとするファンドで代用。
個々のインデックスファンドを組み合わせて8資産均等型にした場合、その信託報酬は0.166%。
一方、たわらノーロード バランス(8資産均等型)の信託報酬は0.1430%ですので、組み合わせた場合より低いコストとなります。
コスト的には最もお得度の高いバランスファンドになります。
他社 8資産均等型インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
8資産均等型は多くの運用会社から運用、販売されています。そこで他社の8資産均等型と信託報酬・実質コストを比較します。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 0.1430% | 0.194% |
1 | たわらノーロード バランス(8資産均等型) | 0.1430% | 0.198% |
3 | <購入・換金手数料なし>ニッセイインデックスバランスファンド(8資産均等型) | 0.1749% | 0.246% |
4 | iFree 8資産バランス | 0.2420% | 0.306% |
4 | (三菱UFJ)つみたて8資産均等バランス | 0.2420% | 0.291% |
6 | eMAXIS バランス(8資産均等型) | 0.5500% | 0.603% |
6 | SMT 8資産インデックスバランス・オープン | 0.5500% | 0.614% |
*信託財産留保額 eMAXISバランス 0.15%、SMT 8資産インデックスバランス・オープン 0.10%。これ以外のファンドは無。
*たわらノーロード、<購入・換金手数料なし>ニッセイは新興国債券が、iFreeは新興国株式のベンチマークが異なります。
信託報酬はたわらノーロードバランスがeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)と並び同率で最安値。
但し、実質コストでは若干負けています。
信託報酬の変更履歴
たわらノーロード バランス(8資産均等型)は過去に2回、信託報酬を引下げた実績があります。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2017/7/28 | 0.2376% | 新規設定。 設定時はeMAXIS Slimとならび最安値 |
2019/10/1 | 0.154% | eMAXIS Slimに対抗。(消費税増税込み) |
2023/4/7 | 0.143% | 単独最安値。 後日、eMAXIS Slimも引下げ同率最安値に。 |
設定時はeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)と並び同率最安値。
その後、eMAXIS Slimが複数回の引下げを実施した為、徐々に差が広がっていましたが、2019年10月に大幅な引き下げを実施し再度同率最安値、さらに、2023年4月7日には単独最安値となるよう引き下げました。
現時点ではeMAXIS Slimも対抗する引下げを発表した為、2本が同率で最安値となっています。
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たわらノーロード バランス(8資産均等型)の運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額からたわらノーロード バランス(8資産均等型)の売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
設定当初は殆ど売れていませんでしたが、徐々に資金流入が増えて、2020年には毎月5億前後、2021年以降は10億前後の資金流入があります。
純資産総額も徐々に増え、現時点(2024.3.29)で641億。
さすがに8資産均等型で最も売れているeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)には大きく水をあけられていますが、バランスファンドとしては先ずますの資金流入でしょう。
運用状況は?
インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じたリターンになる筈です。
ただし、複数の資産に投資するバランスファンドの場合、その評価は簡単ではありません。
さらに、たわらノーロードの場合、他の8資産均等型と新興国債券のベンチマークが異なる為、単純に他社ファンドと比較する事も出来ません。
*<購入・換金手数料なし>ニッセイとは類似していますが全く同じという確証は無。
そこで、eMAXISの個別のインデックスファンド、及び新興国債券部分だけDIAM新興国債券を利用して8資産均等にした合成データと比較します。
*図中 eMAXIS合成(債券DIAM)としてプロット。
下図は、実質コストに対する2024年3月末日時点の直近3年間のリターンを複数のファンドでプロットしたものです。(リターンは年率換算値)
*3年間の間に信託報酬の改定があったファンドは、その期間に応じて平均した値を使用。
グラフの左側(コストが低い)、上側(リターンが高い)にあり、そして点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
*多くのファンドがコスト起因以外でのベンチマークとの乖離はないだろうという前提のもと、図中点線は管理人の主観で引いたものです。
たわらノーロードは、今回評価した期間では、新興国債券のベンチマークが異なるeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)等より低い騰落率を示しています。
勿論、これはたまたまであって、評価期間によっては大きく異なる場合も有り得ます。また、わずか3年間の結果だけでベンチマークの優劣をつけられるものではありませんので、今後、どちらのリターンが高くなるかは分かりません。
*iFreeのリターンが異なるのは新興国株式のベンチマークが異なる為です。
さて、今回検証するたわらノーロード バランス(8資産均等型)、個別インデックスファンドの組合せ「eMAXIS合成(債券DIAM)」に対し僅かに下方に位置しています。これは、各アセットクラスの構成比率、リバランスのタイミング等の微妙な違いに起因するものと推測します。
基本配分は各アセットクラス12.5%ずつですが、2024.3末時点の月報では11.7~12.9%とアセットクラスにより異なっており、この程度の乖離は致し方ないと思われます。
たわらノーロード バランス(8資産均等型)の分配金
たわらノーロード バランス(8資産均等型)は分配金を出した実績はありません。
これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
分配金を出すか否かは運用会社が決定しますが、多くのインデックスファンドが分配金を出さない、無分配としています。
勿論、保有する株式から出た配当はファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。
新規口座開設者限定のスタートアップ円定期預金、3カ月 年1.2%(税引前)、1年 年0.85%(税引前、2025.3.10までのキャンペーン金利)と好金利。
さらに新規口座開設で1,500円、各種条件を満たすと最大31,000円がもらえます(要エントリー)。
東京スター銀行 新規口座開設優遇プラン スターワン円定期預金
インターネット限定新規口座開設者優遇プラン スターワン円定期預金、1年 年0.70%(税引前)と好金利。
公式サイト東京スター銀行まとめ
たわらノーロード バランス(8資産均等型)は8資産に均等に投資するバランスファンドの中でeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)と並び信託報酬最安値。
人気・資金流入はeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)には大きく負けるものの、そこそこ人気があるファンドです。
また、他の多くの8資産均等型とは新興国債券が米ドル建てという点で違いがあり、
新興国債券での新興国通貨のリスクよりも、米ドル建てを好まれる方には有力な選択肢の一つとなるファンドです。
販売会社
たわらノーロード バランス(8資産均等型)は多くの証券会社、銀行、信用金庫等で購入出来ます。
ただ、下記のネット証券であれば、たわらノーロード バランス(8資産均等型)だけでなく、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)も取り扱っています。
(dカードGOLDでNISA口座なら月10万円までクレカ積立還元率1.1%)
*dカード、マネックスカードとも通常ショッピング時は1.0%。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でVポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにV/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト SBI証券
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
また、auじぶん銀行との連携(auマネーコネクト)でauじぶん銀行普通預金金利0.21%、au Payアプリ等の連携で最大0.31%になるのも魅力。
公式サイトauカブコム証券
また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で10万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月15万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
公式サイト楽天カード
またMATSUI Bank(住信SBIネット銀行マツイ支店)の口座開設すれば普通預金金利 年0.31%になるのも魅力。
公式サイト松井証券
勿論、NISA(つみたて投資枠)対象のファンドです。(成長投資枠でも購入出来ます。金融機関によってはつみたて投資枠専用としている場合もあります)
他の8資産均等型との比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
主なバランスファンドの一覧は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。