*上の地図は概ね投資国を表していますが、現在、ロシアは投資国から除外されています。
1本のファンドで国内外の債券、株式、リートに分散投資できるインデックス型のバランスファンド、つみたて8資産均等バランスについて解説します。
1本のファンドで複数の資産クラス(例えば、国内株式・債券、先進国株式・債券など)に投資するファンドをバランスファンドと言います。個々の資産クラスのファンドを組合わせるよりコスト的には割高になる場合が多いですが、バランスファンドなら面倒なリバランスも不要で、ほったらかし投資が簡単に実践できます。
[最終更新日:2024.4.16]全て最新の情報に更新。
本記事は原則2024.3末日時点の情報に基づき記載しています。
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見出し
つみたて8資産均等バランスの基本情報
つみたて8資産均等バランスは三菱UFJアセットマネジメントが運用するインデックスファンド「つみたてんとうシリーズ」の一つです。eMAXISやeMAXIS Slimシリーズとは、基本的に同じマザーファンドで運用する姉妹ファンド。eMAXIS Slimが原則ネット証券・銀行専用商品なのに対し、つみたてんとうシリーズは、「つみたてNISA」(現 NISAつみたて投資枠)を主なターゲットとし、最寄りの金融機関で相談できるファンドとして2017年8月に設定されました。現在9本のファンドから構成されています。コスト(信託報酬)はeMAXISよりは低く、eMAXIS Slimよりは高くなっています。
今回解説するのは、国内・先進国・新興国の債券・株式・リートに均等に投資(新興国リートを除く)するつみたて8資産均等バランス。
先ず、つみたて8資産均等バランスの基本情報をまとめます。
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
設定日 | 2017年8月16日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | 合成ベンチマーク(後述) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.2420% |
実質コスト | 0.294%(*1) |
純資産総額 | 1,311億円(2024.3.29時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | --- 円 |
分配金実績 | 無 |
NISA(つみたて投資枠) | 対象商品 |
NISA(成長投資枠) | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 0.05% |
楽天証券ポイント還元年率 | ---%(*2) |
マネックス証券ポイント還元年率 | 0.03% |
松井証券ポイント還元年率 | 0.10% |
(*1)実質コストは2023.6.26決算より
(*2)楽天証券 2022.4より投資信託保有による毎月のポイント還元は廃止され、残高が初めて一定の金額を超えたときのポイント付与に変更(一部ファンドを除く)。
投資対象
国内債券、国内株式、先進国債券、先進国株式、新興国債券、新興国株式、国内リート、先進国リートの8資産に均等に投資します。
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ベンチマーク
各投資対象はインデックス運用を行い、ベンチマークは下表のようになります。
資産クラス | ベンチマーク |
国内債券 | NOMURA BPI総合 |
国内株式 | TOPIX[配当込] |
先進国債券 | FTSE世界国債インデックス(除く日本) |
先進国株式 | MSCI Kokusai[配当込] |
新興国債券 | JPモルガンGMI-EMグローバル・ダイバーシファイド |
新興国株式 | MSCIエマージング・マーケット・インデックス[配当込] |
国内REIT | 東証REIT指数(配当込) |
先進国REIT | S&P先進国REIT指数(除く日本、配当込) |
いずれも、それぞれの資産クラスで一般的なベンチマークです。
また、各マザーファンドはつみたてんとうシリーズ、eMAXIS Slim、eMAXISシリーズの個々のファンドと同じで巨額の純資産を持っています。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。
投資国(通貨)
投資資産の組入上位5通貨は下図のようになります。これが、概ね、投資国比率と思って良いでしょう。
*但し中国などの一部が米ドルに含まれています。
画像引用:つみたて8資産均等バランス 月報(2024/03)
手数料(信託報酬、実質コストなど)
つみたて8資産均等バランスの信託報酬は0.2420%(税込)。
実質コストは0.294%(税込.2023.6決算時点)。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
十分低い信託報酬ですが、後述するように最安値ではありません。
バランスファンドとしてのお得度
バランスファンドは、その投資配分と同じになるよう個別のファンドを組合わせた場合に対しコストが割高になるのが一般的です。
そこで、つみたて8資産均等バランスと、現時点で最も低コストの単体インデックスファンドを組み合わせた場合の信託報酬とを比較します。
資産クラス | 資産配分 | 信託報酬最安値 |
国内債券 | 12.5% | 0.1320% (eMAXIS Slim) |
国内株式 | 12.5% | 0.1430% (eMAXIS Slim) |
先進国債券 | 12.5% | 0.1540% (eMAXIS Slim) |
先進国株式 | 12.5% | 0.09889% (eMAXIS Slim, たわら) |
新興国債券 | 12.5% | 0.2420% (iFree) |
新興国株式 | 12.5% | 0.1518% (eMAXIS Slim) |
国内リート | 12.5% | 0.1870% (eMAXIS Slim) |
先進国リート | 12.5% | 0.2200% (eMAXIS Slim) |
組合わせた場合の信託報酬 | 0.166% |
個々のインデックスファンドを組み合わせて8資産均等型にした場合、その信託報酬は0.166%。
一方、つみたて8資産均等バランスの信託報酬は0.2420%ですので、組み合わせた場合より0.076%ポイント高くなります。
他社 8資産均等型インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
8資産均等型は多くの運用会社から運用、販売されています。そこで他社の8資産均等型と信託報酬・実質コストを比較します。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト | |
---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 0.1430% | 0.194% |
1 | たわらノーロード バランス(8資産均等型) | 0.1430% | 0.207% |
3 | <購入・換金手数料なし>ニッセイインデックスバランスファンド(8資産均等型) | 0.1749% | 0.246% |
4 | iFree 8資産バランス | 0.2420% | 0.306% |
4 | (三菱UFJ)つみたて8資産均等バランス | 0.2420% | 0.291% |
6 | eMAXIS バランス(8資産均等型) | 0.5500% | 0.603% |
6 | SMT 8資産インデックスバランス・オープン | 0.5500% | 0.614% |
*信託財産留保額 eMAXISバランス 0.15%、SMT 8資産インデックスバランス・オープン 0.10%。これ以外のファンドは無。
*たわらノーロード、<購入・換金手数料なし>ニッセイは新興国債券が、iFreeは新興国株式のベンチマークが異なります。
つみたて8資産均等バランスの信託報酬は最安値のeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)やたわらノーロードバランスと比較すると0.099%ポイント高くなっています。
信託報酬の変更履歴
つみたて8資産均等バランスは未だ信託報酬引下げの実績はありません。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2017/8/16 | 0.2376% | 新規設定 |
2019/10/1 | 0.2420% | 消費税増税(8%-->10%) |
設定当初は姉妹ファンドのeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)と同じ信託報酬でしたが、その後、eMAXIS Slimが複数回の信託報酬引下げを行っている為、現在では前述のように差が広がっています。
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つみたて8資産均等バランスの運用状況
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額、純資産総額からつみたて8資産均等バランスの売れ行き・人気を見てみます。
(*)月次資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
つみたてNISA(現NISAつみたて投資枠)が始まった2018年より右肩上がりに資金流入を伸ばし、今では毎月20億前後の安定した資金流入があります。
純資産総額も1,311億円(2024.3末時点)と、1,000億円を超えました。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)には及びませんが、十分売れている、人気のファンドです。
運用状況は?
インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じたリターンになる筈です。
ただし、複数の資産に投資するバランスファンドの場合、その評価は簡単ではありません。
幸い、8資産均等型には、複数の運用会社から同じタイプのファンドが販売されていますので、これらのファンドとの比較、さらに、個別のインデックスファンドの基準価額から8資産均等型になるよう合成データを作成し、これと比較する事でベンチマークとの乖離を評価します。
下図は、実質コストに対する2024年3月末日時点の直近3年間のリターンを複数のファンドでプロットしたものです。(リターンは年率換算値)
グラフの左側(コストが低い)、上側(リターンが高い)にあり、そしてグレーの点線上にある(乖離が少ない)ファンドが優秀なファンドという事になります。
*多くのファンドがコスト起因以外でのベンチマークとの乖離はないだろうという前提のもと、グレーの点線は管理人の主観で引いたものです。
先ず、たわらノーロード、<購入・換金手数料なし>ニッセイ、そしてiFreeは新興国債券・株式のベンチマークが異なりますので、あくまで参考値として見て下さい。
(尚、わずか3年間の結果だけでベンチマークの優劣をつけられるものでもありません。)
この3本を除いて比較すると、つみたて8資産均等バランスは、より信託報酬の低いeMAXIS Slimには負けるものの、eMAXIS(Slimがつかない)よりは高いリターンを示しています。
また、図中、[eMAXIS合成]、[SMT合成]というプロットは、eMAXIS、SMTシリーズの個々のインデックスファンドを組み合わせた合成データですが、これらより若干騰落率が低くなっています。各アセットクラスの構成比率、リバランスのタイミング等の微妙な違いに起因するものと推測。
ただ、その差は小さく、概ねベンチマーク通りの運用になっていると言って良いでしょう。
*今回の評価期間ではコストの高いSMTの騰落率が高くなっています。2024.3末時点ではSMTの外国株式・国内比率が高くなっており、こういった構成比率の違いに起因する可能性があります。
つみたて8資産均等バランスの分配金
つみたて8資産均等バランスは分配金を出した実績はありません。
これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
分配金を出すか否かは運用会社が決定しますが、本ファンドは「信託財産の成長を優先とし、原則として分配を抑制する」方針です。
勿論、保有する株式から出た配当はファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。
新規口座開設者限定のスタートアップ円定期預金、3カ月 年1.2%(税引前)、1年 年0.65%(税引前)と好金利。
さらに新規口座開設で1,500円、各種条件を満たすと最大31,000円がもらえます(要エントリー)。
東京スター銀行 新規口座開設優遇プラン スターワン円定期預金
インターネット限定新規口座開設者優遇プラン スターワン円定期預金、1年 年0.60%(税引前)と好金利。
公式サイト東京スター銀行まとめ
つみたて8資産均等バランスは、
- そこそこ低い信託報酬
- 資金流入も順調
- 運用(ベンチマークとの乖離)も問題ない
- 大きなマザーファンド純資産総額
と、8資産に均等に投資するバランスファンドとして優れたファンドの一つです。
ただ、より信託報酬の低い姉妹ファンドのeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)とは基本的に同じものです。
異なるのは信託報酬と販売会社。
つみたて8資産均等バランスは、多くの銀行、労働金庫などで購入できますが、信託報酬の低いeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)はネット証券を中心とした一部の金融機関に限られます。
ネット証券に抵抗がないならば、つみたて8資産均等バランスより低コストのeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)を強くお勧めします。
販売会社
つみたて8資産均等バランスは多くの地方銀行、証券会社、労働金庫などで購入出来ます。
また、下記のネット証券であれば、つみたて8資産均等バランスだけでなく、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)も取り扱っています。
(dカードGOLDでNISA口座なら月10万円までクレカ積立還元率1.1%)
*dカード、マネックスカードとも通常ショッピング時は1.0%。
また投資信託保有でポイントもたまります(一部ファンドを除く)。
*マネックスカードの発行にはマネックス証券の口座開設が必要です。
公式サイトマネックス証券
また投資信託保有でVポイント、Pontaポイント、dポイントがもらえます。さらにV/Pontaポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト SBI証券
Pontaポイントで投資信託の購入も可能。
また、auじぶん銀行との連携(auマネーコネクト)でauじぶん銀行普通預金金利0.21%、au Payアプリ等の連携で最大0.31%になるのも魅力。
公式サイトauカブコム証券
また、楽天キャッシュ決済でも投資信託積立が出来ます。0.5%のポイント還元。
楽天カード決済で10万円、楽天キャシュ決済で5万円、あわせて月15万円まで利用可能。
さらに、楽天ポイントで投資信託を購入できます。
公式サイト楽天証券
公式サイト楽天カード
またMATSUI Bank(住信SBIネット銀行マツイ支店)の口座開設すれば普通預金金利 年0.31%になるのも魅力。
公式サイト松井証券
勿論、NISA(つみたて投資枠)対象のファンドです。(成長投資枠でも購入出来ます。金融機関によってはつみたて投資枠専用としている場合もあります)
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の詳細は下記記事を参照して下さい。
他の8資産均等型との比較、最新の人気・運用状況は下記記事を参照して下さい。
主なバランスファンドの一覧は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。