米国株式、NASDAQ(ナスダック)上場銘柄のうち時価総額上位100(除く金融)から構成されるNASDAQ100指数との連動を目指すインデックスファンド、楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド(愛称:楽天・NASDAQ-100) について解説します。
[最終更新日:2024.6.19]初版。
本記事は原則2024.5末日時点の情報に基づき記載しています。
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楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド の基本情報
本記事で解説するのはNASDAQ100との連動を目指し米国株式に投資する楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド。
愛称は楽天・NASDAQ-100。
楽天+(プラス)シリーズの一つで、2024年1月30日設定と未だ運用を開始したばかりの新しいファンドです。
*2024.10.17よりファンド名称が楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンドから楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンドに変更になりました。
先ず、楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンドの基本情報をまとめます。
運用会社 | 楽天投信投資顧問 |
設定日 | 2024年1月30日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | NASDAQ100(配当??) |
購入時手数料 | 無 |
信託財産留保額 | 無 |
信託報酬(税込) | 0.198% |
実質コスト | 決算前 |
純資産総額 | 319.2億円(2024.5.31時点) |
(マザーファンド) 純資産総額 | ---億円(xxx時点) |
分配金実績 | 無 |
NISA(つみたて投資枠) | 対象外 |
NISA(成長投資枠) | 対象商品 |
SBI証券ポイント還元年率 | 取扱い無 |
楽天証券ポイント還元年率 | 0.05% |
マネックス証券ポイント還元年率 | 取扱い無 |
松井証券ポイント還元年率 | 取扱い無 |
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投資対象
ベンチマークはNASDAQ100で、米国NASDAQ市場に上場している金融を除いた上位100銘柄の株式に投資します。
尚、ベンチマークが配当込みが否か、また配当込みだとしたら配当に対する源泉徴収税を考慮したネットか税引前のグロスか、どの指数を採用しているかは未だ分かりません。
*インデックスファンドのベンチマークは[除く配当]と[税引前配当込/グロス]、[税引後配当込/ネット]の3種類ありますが、ベンチマークの配当除く・含むは運用成績に直接関係するものではありません(少なくとも過去においては)。但し、運用報告書などに記載されているベンチマークとの乖離を見る時は注意が必要です。詳細は下記記事を参照して下さい。
参考記事インデックスファンドのベンチマーク(除く配当/プライス、配当込/グロス・ネット)と乖離の評価方法。
マザーファンド
楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンドは、ファミリーファンド方式で下記マザーファンドに投資します。
画像引用:楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンド交付目論見書
楽天・NASDAQ-100インデックス・マザーファンドを介して米国株式(ETF含む)に投資します。
尚、本マザーファンドは2024.1.30に設定されたものです。
*為替ヘッジは行いません。
*投資信託財産で保有する有価証券の貸付取引を行う場合があります。
楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンドの2024年5月の組入上位10銘柄
楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンドの月次レポート2024.5の組入上位10銘柄です。
画像引用:楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンド月次レポート 2024.5
組入10位のINVESCO QQQ TRUST SERIES 1【QQQ】はNASDAQ100との連動を目指す米国ETF(経費率0.20%)です。
勿論、QQQの経費率もファンドが負担する事になりますが、僅か2.3%なので大きな影響はないでしょう。
それ以外は現物株式に投資していると思われます。
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手数料(信託報酬、実質コストなど)
楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンドの最大の魅力は何と言っても信託報酬の低さ。
NASDAQ100連動型のインデックスファンドとしては最低水準の0.198%(税込)です。
まだ設定されたばかりですので実質コストはわかりません。
勿論、購入時手数料無料(ノーロード)、信託財産留保額は無です。
他社 NASADAQ100インデックスファンドとの信託報酬・実質コスト比較
他社のNASDAQ100インデックスファンドと信託報酬・実質コストを比較します。
尚、ファンド名の下に設定日を記載しています。
(注)下表は基本的に最新の情報に随時更新しています。よって記事中の記載と異なる場合がありますが、その際は下表の値が最新の情報となります。
ファンド [設定日] | 信託報酬 [実質コスト] | 純資産総額 (億円) [2024.11末時点] | |
---|---|---|---|
1 | 楽天・NASDAQ-100インデックス [2024.1.30] | 0.198% [0.212%] | 612.7 |
2 | PayPay投信NASDAQ100インデックス [2021.6.29] | 0.2024% [0.528%] | 24.7 |
3 | eMAXIS NASDAQ100インデックス [2021.1.29] | 0.2035% [0.223%] | 1,337.0 |
3 | <購入・換金手数料なし>ニッセイNASDAQ100インデックス [2023.3.31] | 0.2035% [0.218%] | 2,307.4 |
5 | SBI・インベスコQQQ・NASDAQ100インデックス [2023.8.23] | 0.2388% [0.323%] | 49.4 |
6 | たわらノーロードNASDAQ100 [2023.12.26] | 0.4400% [0.843%] | 4.4 |
6 | NZAM・ベータNASDAQ100 [2020.3.12] | 0.4400% [0.532%] | 35.5 |
8 | インデックスファンドNASDAQ100(アメリカ株式) [2020.8.31] | 0.4840% [0.564%] | 1,883.0 |
9 | iFreeNEXT NASDAQ100インデックス [2018.8.31] | 0.4950% [0.511%] | 1,532.7 |
NASDAQ100連動型インデックスファンドの中で、楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンドは信託報酬最安値。
ただ、3位のeMAXIS NASDAQ100インデックス、<購入・換金手数料なし>ニッセイ>NASDAQ100インデックスとの差は0.0055ポイントと僅か。
実質コストは初回決算前で未だわかりません。
信託報酬の変更履歴
楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンドは設定されたばかりですので、未だ信託報酬の引下げの実績はありません。
引下げ日 | 信託報酬(税込) | 備考 |
2024/1/30 | 0.198% | 新規設定(最安値で設定) |
--- | ---% |
信託報酬最安値で設定されました。
その後、他社は対抗する信託報酬引下げを行っておらず、現時点でも最安値の座を維持しています(2024.6.19時点)。
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楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド の運用状況
運用状況といっても、設定から僅か5カ月弱ですので、あくまで参考データとして見て下さい。
資金流出入額 & 純資産総額 (評判・人気は?)
月次資金流出入額から楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンドの売れ行き・人気を見てみます。
(*)資金流出入額は、日々の純資産総額の増減額に騰落率を考慮して算出した概算値です。
2024年2月は142億、その後も40億(/月)以上と、楽天証券1社にも関わらず早くも大きな人気を集めています。
運用状況は?
インデックスファンドでは、ベンチマークとの乖離が小さい事がファンド評価の重要な要素です。そして、乖離がなければ、そのコストに応じた騰落率になる筈です。
下図は2024年5月末日時点の実質コストに対する3カ月騰落率をベンチマークが同じ複数のファンド(ETFを含む)でプロットしたものです。
*といっても楽天、SBI、たわらノーロードは未だ実質コストが分かりませんので信託報酬でプロットしてあります。
米国ETF Invesco QQQ/QQQMのデータもプロットします。
*QQQ/QQQMは分配金10%課税後再投資した場合の終値での円換算騰落率。(終値は米国Yahoo Finance、分配金は米国Invesco社サイト、為替レートは三菱UFJ銀行公表のTTMを引用)
そして、配当課税を適切に考慮した真のベンチマークから決まるコストと騰落率の関係が図中グレーの点線です(多くのファンドがコスト要因以外での乖離がないであろうとの仮定の下、管理人の主観で決めた値)。
このグレーの点線上にあればコスト要因以外でのベンチマークとの乖離がないと推測できます。
あるいは、実質コストを推測する事も出来ます。
*図中△は東証ETF、◇は米国ETF QQQ
3カ月と短期の比較という事もあって正確な判断は出来ませんが、それでも、楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンドは概ねベンチマークとのコスト要因以外での乖離がない運用になっているようです。
そして、(非上場の)インデックスファンドの中では、(ちょっとプラス乖離ぎみの)<購入・換金手数料なし>ニッセイを除き、最も高くなっています。
実質コストもそう高くなっていないと推測します。
(注)eMAXIS NASDAQ100は2024.6.13に信託報酬を引下げましたが上図には未だ反映されていません。
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eMAXIS NASDAQ100との日次騰落率の差
さらに詳しく見る為、(ベンチマークとのコスト要因以外での乖離が少ないと思われる)eMAXIS NASDAQ100インデックスとの日次騰落率の差を見てみます。
*同時にiFreeNEXT、<購入・換金手数料なし>ニッセイの結果もプロット
*縦軸は%ポイント
設定後約1カ月間はeMAXISの日次騰落率と大きな差がある日が多かったのですが、その後は概ね+-0.01%ポイント以内に収まっています。
*基準価額10,000円で1円の差が0.01%ですので、楽天、eMAXISの日次騰落率はほぼ同一といって良いでしょう。
以上、運用状況を評価してきましたが、楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンドは設定当初こそベンチマークに対して大きな乖離がありましたが、その乖離も現時点では殆ど無くなっていると推測します。
但し、僅か5カ月、ファンドの優劣をつけるのは早計です。この短期間だけで判断するのではなく、今後の騰落率に注目する必要があります。繰り返しになりますが、あくまで参考として見て下さい。
今後も継続して評価、本記事をアップデートしていきます。
楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド の分配金
当然、楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンドは未だ分配金を出した実績はありません。
今後も出さないと予測しますが・・・
これから資産を築いていこうとする資産形成期においては分配金を出さない投資信託の方が有利です。
分配金を出すか否かは運用会社が決定しますが、多くのインデックスファンドが分配金を出さない、無分配としています。
勿論、保有する株式から出た配当はファンドの資産となり、基準価額の上昇につながります。
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まとめ
楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンドは、NASDAQ100をベンチマークとするファンドとして最低水準の信託報酬です。
現時点では楽天証券1社だけの販売ながら、早くも大きな人気を集めています。
まだ設定から5カ月弱ですが、ベンチマークとの乖離(または実質コストの増大)も直近3カ月では小さくなってきており、順調な出だしといって良いでしょう。
米国株式 NASDAQ100に投資したい方にとって有力な選択肢の一つとなるファンドになると期待しています。
販売会社
楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンドは現時点で楽天証券のみの販売です。
尚、NASDAQ100はNISA(つみたて投資枠)の指定インデックスではない為、本ファンドはつみたて投資枠では購入できません。
NISA(成長投資枠)では購入出来ます。
他のNASDAQ100インデックスファンド、及び東証上場ETF、さらに米国ETF QQQ/QQQMとの比較は下記記事を参照して下さい。
インデックスファンドの信託報酬、実質コスト、純資産総額の一覧は下記記事を参照して下さい。